セーラー服は絶滅危惧種?
青森県7校、岩手県9校、宮城県4校…。これ、何の数字だと思いますか?
2007年3月現在、昭和の時代からの伝統あるセーラー型制服を夏冬少なくともどちらかで採用している高校の数です(複雑な定義ですみません)。これは前合わせジャケットタイプなど変形も含んでいますから、一般に「セーラー服」と言われる制服はもっと少ないことになります。東北はまだ比較的ましなほうで、ひどい都道府県になると、宮崎県2校、京都府1校、奈良県にいたっては皆無、という有様。
各県の高校数がどれくらいかと考えれば、いかに少ない数字かおわかりいただけるでしょう。
さらに、追い討ちをかけるように平成時代に入ってから「制服のモデルチェンジ」なるものが流行となり、また少子化による学校の統廃合によって、制服の新規制定が相次いでいます。セーラー服は毎年減少を続け、その数、すでに全高校数に対して10%程度。おそらく絶対に制服を変えないだろうという伝統進学校も、この少子化時代にはいつ統合対象になってもおかしくありません。高い人気と支持があっても変えられてしまう制服。セーラー服は絶滅危惧種になったといえるかもしれません。
本当は根強い人気のセーラー服
ではセーラー服が人気がないから減るのか、というと決してそういうわけではないんです。女性の方なら、ご友人などの間で「一度はセーラー服を着たかった」なんて声を耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。
新規に制服を制定する際にどういうタイプの制服がいいのか、生徒さんにアンケートをとるのが最近の傾向。これらのアンケート結果がしばしばネット上に発表されますが、たいがいセーラー服が25%〜40%の安定した人気を示しています(ウソだと思ったら検索をかけてみてください)。だったら、セーラー服の導入率が10%って、おかしいと思いませんか? これは単に多数決がまかり通って少数派がますます少数派にされていく数字のマジック。
事実、東京多摩地方のある市では中学校の学区を廃止して自由選択にしたところ、唯一セーラー服を制定している学校に突出して女子が集まっているそうです。「セーラー服は古臭くて人気がない」という思い込みはまったくのウソだということがわかります。
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