20世紀制服保護協議会 〜このサイトの趣旨


6. そのモデルチェンジ、本当にいいの?


注意したいモデルチェンジの契機


 現在、モデルチェンジの契機となるものが主に5つあります。これらが発表されると、メーカーの売込みが激しくなるので、注意が必要です。

@生徒会の要望
 これはいくらなんでも伝統を大切にする愛校心とか自分の着ている制服があとで思い出になるという意識がなさすぎます。モデルチェンジしたところで、自分たちの着る制服ではないことが多いし、また、自分たちが着ていた制服を引き継いでくれる後輩が街から消えるということをまったく認識していません。この時代の全面的モデルチェンジは、無個性制服の代表格、平成不況型の導入につながる危険性を常にはらんでいます。それがどんなにさびしく悲しいことか、考えてみませんか?
A学科改編
 総合学科化や、学科名の変更がコレです。学校の制度が変わったら気分も変えて制服も一新・・・なんていうのは一種の思い込み。制服は本来関係ないはずですよね。残念ながら、いくつかの学校で総合学科を開設した機会に伝統の制服が消えていきました。しかし、だからといって人気が出るわけでもなく、某県では総合学科2校が常に統合対象に上がっているとか(切実な話なので、校名は出しません)。制服を新しくしてもあまり意味がなかったということでしょう。逆に総合学科化しても制服を変えていない茨城県の鉾田第二高校などは、生徒数も多く、安定した人気を示しているそうです。
B女子高、男子校の統合共学化
 これはなぜ制服を変える必要があるのか、よくわかりませんよね。女子高や男子校というのはたいがいかなりの伝統校で、多くの卒業生が制服にも誇りを持っています。ところが最近は公教育の平等化の理念から、共学化への圧力が強まっています。不思議なのは、共学化とともに制服を一新してしまう学校の多いこと。その際、関連するネットの掲示板などに、卒業生たちの嘆き、怒りといった書き込みを多々見かけることになります。いちばん騒ぎになったのは、浜松市の市立浜松高校でした。多くの卒業生が誇りにしてきたという通称「イカネクタイセーラー」が、だれの決定か、強制的に引退。ネットでの非難の嵐はすごかったです。何しろモデルチェンジ決定後数年たった今でも、批判がくすぶっているくらいですから。
 こうした事情がわかってきたのか、最近は制服をそのまま引き継ぐか、マイナーチェンジにとどめる学校が増えてきています。札幌の静修高校、群馬県の伊勢崎女子高校、静岡県の三島北高校(ちょっと変えすぎですが)などがその例。今後も共学化の予定のある学校がたくさんありますが、制服については冷静な判断をしていただきたいところです。
C統廃合
 いちばん恐ろしいのがコレ。少子化時代を迎えて、各都道府県で学校統廃合計画が進められています。財政そのものにもかかわってくる以上、単に統合を批判してすむ問題ではありません。
しかし、問題は、「統合」とは名ばかりで、校章も校歌も残らず、事実上の両校廃校で新規の学校が1つできることにほかならない点。これで制服まで一新されてしまっては、思い出のよすがとなるものがすべて消えてしまいます。統合しても旧制服が残った事例は北海道の芦別高校、岐阜県の益田清風高校など、まったくないわけではありません。どちらか一方のものを残すのが不公平というならば、両校の制服を夏と冬で片方ずつ残すなど現実的な方法はいくらでもあるはずなんです。しかし、学校に任せきりではメーカーに押し捲られてモデルチェンジされるのがオチ。ここは同窓会のがんばりどころなのではないでしょうか。
D学校上層部の一方的決定
 突然降って湧いたモデルチェンジが行われることがあります。これは、権限の強い校長クラスの人の決定によるもの。校長がモデルチェンジを無条件によいものだと考えていたりすると勝手に突っ走ってしまったりします。これを避けるためには、同窓会や生徒会が定期的にきちんと申し入れをしていかないといけません。ちなみに、大阪などでメーカーから賄賂を受け取って制服モデルチェンジをした校長が逮捕された例があります。なんという時代なんでしょうね・・・。

 こうしたきっかけがあるたびに噴出するモデルチェンジへの圧力をいかに振り切っていくか、それは今自分が着ている制服を大事にしよう、思い出や学校の歴史を絶やさないようにしようという在校生や卒業生の意識にかかっている、と言えます。



モデルチェンジの契機5つ。しかし、よく考えるとなぜ制服を変える必要があるのか疑問に思うものばかり。


























事実上の廃校となる強制的な統廃合の恐ろしさ。だからこそ、できるかぎり名残となるものを残していきたい。

じゃあ、結局どうしたらいいの・・・?

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