20世紀制服保護協議会 〜このサイトの趣旨


5. モデルチェンジのあるべき姿


モデルチェンジのあるべき姿


 ではモデルチェンジはまったく無駄なことか、というと、もちろんそんなことはありません。学校制服は伝統をきちんと踏まえつつ、時には流行や利便性も考慮しつつ、正常進化を遂げていかなければなりません。私が平成不況型へのモデルチェンジを批判するのは、それが「進化」ではなく、伝統を無慈悲に断ち切るだけの粗雑な「作り変え」でしかないからです。
 まず考えなければいけないのは、制服がその後何年も学校の顔となる大事な存在だということです。思春期の思い出作りに大事な要素を占める以上、無難なものにしておいて気に入らなかったら数年でまた変える、というようないい加減な態度では許されません。制服の基本を押さえつつ、きちんとアイデンティティーになるものを学校主導で考えていくことが求められます。地味だけど学校のシンボルになるワンポイント、土地柄を感じさせる色使いなど、制服にしっくりなじむデザインはいっぱいあるものです。北海道の北星女子、和歌山県の星林高校のような校名にあやかった星マーク、千葉県の鎌ヶ谷西高校の特産品をイメージした梨色ライン、大阪府の山本高校の学校の歴史を表す色違い4本ラインなどその好例でしょう。今後新型制服も、こういったデザインを重視しない限り、長く定着することは難しいのではないでしょうか。

マイナーチェンジのすすめ

 モデルチェンジには、「マイナーチェンジ」というやり方もあります。これは、一部のオプションを変えたり、襟、裾など形状を少し変化させたりするもので、学校に制服というものが導入されたばかりの時代からちょくちょく試みられてきました。
 特に、最近は在校生によるデザインや実用性に対する注文が多くなっています。着る側の声を無視して昔風のデザインを押し付けるばかりでは、さすがの伝統の制服も、最終的に根本から変えざるを得なくなります。マイナーチェンジは制服の正常進化を促す有効な手段ということができるでしょう。
 最近では、襟をつめることがはやった結果、関西襟から関東襟に変えた大分商業、通常のスカーフをオリジナルのリボンタイに変えた広島県の廿日市西高校などが代表的な事例。防寒対策の意味もあって、伝統のセーラーの上から着るしゃれたジャケットを導入した東京女子学院などもマイナーチェンジの一種と考えられるでしょう。大まかな制服のデザインにはほとんど変更がありません。
 こうしたマイナーチェンジは、伝統の制服のイメージを損ねることなく、着る側の意見も柔軟に取り入れた優れたモデルチェンジとして評価できます。学校のイメージもアップするというものです。










きちんとアイデンティティーとなる制服を。











ときにはマイナーチェンジで伝統の制服を時代に合わせていきたい。


それなら、無用なモデルチェンジは避けよう!

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