長月鰐淵寺歩いて

上 沈む夕日と、旅伏山と北山山稜の風車

左上 空からの田圃、左下北山の風車、下 鰐淵寺の清流

二年前の紅葉の頃に帰省した時、まだ元気で夕食の支度をしてくれた母だった。米寿のお祝いは余り良いことがないと言って嫌がっていたが、その所為かと思うぐらい今回は私が帰っても”疲れて”と言って寝ていた。母が倒れる前に帰省した方がいいと姉達が勧めるので 、九月上旬に飛行機で帰った。長月の故郷は家を出て初めてかもしれない。

空港の上空に来ると秋鹿辺りから谷戸の際まで目いっぱい広がった黄金色に輝く田圃が見えた。その美しさと生真面目さが目を奪う。暫くすると、旅伏山に向かい旋回 、北山との間から夕焼けに染まる河下が見え、更に風車がニョキニョキと立ち並ぶ山々が見えた。 家に着くと母は散歩から帰ったまま寝ていた。「帰ったよ」と言った。次の頁

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