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19回目・2000 春の北海道旅日記−3

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5月2日

稚内到着
稚内駅に到着した特急「利尻」


ふと、外の明るさに目が覚める。 時計を見ると、まだ4時をまわったところ。カーテンを閉めて、 再び夢の中へ・・・。
起きたのは、5時半頃。顔を洗い、コンタクトを付けます。と、列車は減速します。宗谷本線のハイライト、抜海丘陵から海が見渡せるポイントを通過します。
 天気は快晴。そして、利尻富士がもの凄く美しい・・。
あそこまで美しい利尻富士は、初めてです。乗客すべての視線が釘付け になります・・・。
  6時ちょうど、稚内に到着。
フェリーの出発は、6時20分なので、急いで向かいます。駅から稚内港までは、歩いて5分ほど。途中「利尻」の写真を撮った後、稚内フェリーターミナルに駆け込みます。
ここで乗船名簿に記入し、乗車券を購入。香深港行き「プリンス宗谷」に乗り込み、2等船室で場所を確保、外のデッキで稚内港を眺めます。
そして「プリンス宗谷」は、定刻に稚内を出航しました。

礼文島が・・・
船のデッキから、礼文島を眺めます

 G.Wとはいえ、カレンダーの上では、今日は平日。船内は、意外なほど空いてます。いつもは凄く混んでいるのに、今日は広々として、寝そべることもできます。
 香深港までは、およそ2時間の船の旅。さっそく、昨夜札幌で仕入れたおにぎりで朝食。
稚内駅から港までは、コンビニなどは何もないので、前夜の内に確保して おかないと、泣きを見ることになります。
 朝食が済むと、地図を眺めて今日の予定の確認をします。
稚内を出て1時間、左手に利尻島を眺めながら進みます。海岸付近に霧が かかり、その霧に浮かぶように利尻富士がそびえる・・・。美しい・・・・・。

しばらくすると、前方に薄く霧のかかった礼文島が見えてきます。こちらも島全体の海岸付近に霧がかかり、すごく幻想的・・・、美しい・・・。
近づくにつれ霧(朝もや?)は晴れていき、いい天気になってきます。快晴です。
そしてフェリーは香深港内に入っていきます。

 8時15分。礼文島、香深港に到着。 さて今日は、自転車で島内をまわろうと思います。さっそく、レンタサイクルを求めて、ターミナル周辺を歩きますが、無い・・・・・。なぜだ・・・・・。
そこで、ターミナル内の観光案内所で聞いてみると、とんでもないことが・・・。
なんと、自転車の貸し出しはどこも、6月に入ってからだという・・・。信じられない・・・・、こんなにいい天気なのに・・・・・。どうしよう・・・・。
しばらく考えた末、ある答えを出しました。それは、定期観光。
この時期、唯一「礼文一周コース」が営業しているので、それを利用することに・・。 まあ、前回来たときは、雨の中の定期観光だったので、今日は晴れているからいいか、と開き直り(笑)、これなら1時間後のフェリーでも良かったなどと考えながら、ターミナルで1時間ほどテレビを見ながらすごして、チケットを購入しバスに乗り込みました。

 稚内港を1時間あとに出港したフェリーの到着をうけて、9時40分バスは香深港を出発しました。乗客の数は、バスの定員の半分ほど。結構乗っています。
で、定期観光の楽しみ(?)、期待していたバスガイドは、な、な、な、なんと、おばさん・・・・。前回乗ったときは、20歳前後の 若い女の子だったのに〜〜〜。愕然・・・・(笑)。
 ガイドが変われば、道中の過ごし方も変わる(笑)。というより、ガイドが話す内容は同じなのでずっと窓の外を眺めていてます。
 この定期観光は、「礼文一周コース」。とはいえ、礼文島を一周する訳ではありません。
礼文島は、島を上下に貫く道路が一本しかなく、他に香深から元地西海岸に行く道があるくらいて゛、 言うなら、巨大なT字路みたいなもの。だから、一周じゃなくて、「礼文島上下往復」の方が、的を得ているよう な気が・・・・。

スカイ岬
スカイ岬。海面が美しい・・・。

海を眺めながら、バスは礼文島の海岸線に沿って、右に左に蛇行(?)しながら北上を続けます。
 途中、皆既日食観測記念碑を見たあと、礼文島の湖、久種湖をバスの中から眺めます。ミズバショウが群生していて、思わずバスを降りたい と言う衝動に駆られそうです。
 そのあと船泊地区で、礼文島唯一の押しボタン式信号機を通過(笑)。 レブンアツモリソウの自生地に着きます。
絶滅危惧種のレブンアツモリソウを守るため、周囲には有刺鉄線の巻かれた 金網が立ち並び、所々に監視小屋もあります。ただ、花の開花時期は6月半ばだそうで、この時期は素通りです。

 そしてしばらく走ると、最初の目的地「澄海岬(スカイ岬)」に到着。バスを降りて、小高い丘の上まで、階段を上ります。登り切ったところが、展望台。(写真右上)
 いりくんだ湾内の海が、すごく透明でこの名が付いたそうです。前回は雨で風も強かったので、期待はずれでしたが、今日はいい天気。すごくきれいです。エメラルドブルーとでも言うのでしょう。 すごくきれいな水面です。前回のガイドさんが、「ハワイ島のスカイ岬にちなんでこの名が付いた」と確か言ってましたが、確かに納得してしまうような海です。
ずっと見ていたいけど、見学時間は20分。バスに戻って、次の目的地、スコトン岬に向かいます。

スコトン岬
スコトン岬。その奥が海驢島。

スカイ岬を出て、10分ほどで「スコトン岬」(写真左)につきます。
ここ、スコトン岬は「日本最北限の地」と書かれていますが、実際には 宗谷岬の方が、北に位置しています。とはいえ、すごくいい眺めです。 岬から数キロ先に無人島が浮かんでいます。
 スコトン岬は少し高い断崖のような形ですが、なんと下には「民宿スコトン岬」と言う宿があります・・・・。   なぜこんな所に民宿が、と思いますが、実はここスコトン岬から、西海岸を通って、礼文島南部の、元地海岸まで25kmをおよそ8時間で歩くトレッキングコースがあり、そのための宿ではないか と思われます。 この8時間コース、いつかは歩いてみたいです。

 「スコトン岬特製ソフト」を食べて、バスは今来た道を香深まで引き返します。   行きとは逆の景色を見ながら、ガイドの話をぼ〜っと聞きながら、 しばらくすごします。   香深まで来たバスは、礼文島唯一の、信号がある交差点を右に曲がります。
ちょっとした町中の細い道を、観光バスが通り抜け、ちょっとした山道を登り、短いトンネルを抜けると、礼文島の西側に出ます。トンネルを出てすぐ、桃を半分に割ったような形の「桃岩」を見て、バスは、元地海岸につきます。

ここ元地海岸では、地蔵岩を見学します。 高さ15メートル位でしょうか、薄い一枚岩が断崖に沿って立っている、一見不思議な光景で
す。前回来たときは、地蔵岩の真下まで行けたのだが、今は落石注意の看板があり、立入禁止となっています。

ウニ丼
1000円のウニ丼!

ここで、焼きウニを売ってたので(800円)食べてみます。・・・・・美味い。 ついでに、ウニ丼も。これがなんと1000円!時期が少し早いため、甘みは少ないものの、めちゃくちゃ美味い〜。 普通の店で食べれば、3000円は取られるであろう・・・・。さすが礼文!

 この後、少し時間があったので、海岸で「メノウ石」を拾い集めた後、 バスに乗り、香深港に戻って定期観光は終了となります。
  さてこの後は、自転車に乗れなくて鈍った体に気合を入れるため(?)、 歩きます。 香深から、信号のある交差点を左に曲がり、さっきバスが走った、元地海岸への道を歩きます。 ちょっとした町中を抜けたところに、左手に登山道のような細い道が分かれ、この道に入ります。

桃岩展望台から元地灯台、知床へ抜ける、トレッキングコース、桃岩展望台 コースです。  
登山道のようなコースを歩きます。林を抜けると高い木は無くなり、視界が開けます。コースの両脇には所々まだ雪が残っています。雪が残ってはいるものの、「ふきのとう」 などが顔を出し、春を感じさせて くれます。天気もいいし、暖かいと言うより、少し暑いくらいです。
夏に来れば、「花の島、礼文島」を実感するような、コースになるのでしょう。

  コースを歩き出してから、40分。 上り坂が続くため、さすがに体力的に辛くなってきます。そして、ようやく桃岩展望台に到着しました。
 ここ桃岩展望台は、先ほどバスの中から眺めた桃岩の、反対側の景色です。形は「桃」そのもの。です・・・。 また、ここの展望台から眺める景色がまたすばらしい・・・。桃岩側の海岸はもちろん、礼文島の山並み、そして反対側には、利尻島。特にこの利尻島がすごく美しい・・・・。しばらくぼ〜っと眺めています。
そして、ひと休みしたあと、利尻島を眺めながら、元地灯台めざして歩き出しました。

 桃岩展望台から先は、ずーっと利尻島を眺めながら歩くことになります。道は細く、アップダウンも結構きついですが、足元には、「りんどう」のような、薄い紫色の小さな花や、黄色の小さい花が点々と・・・。 夏になるとこの辺は、まさにお花畑のようになるのでしょうか・・・。
  また今日はいい天気なので、海がすごく綺麗です。
礼文島の周りの海だけが、澄んでいる様に感じるのは、気のせいか。どうも、利尻島とは違う感じがするのだが・・・。 桃岩を出て20分くらいだろか、元地灯台に着く。

 当初はここで折り返す予定だったが、そのまま知床まで抜けます。
 知床からは、一般道を歩いて香深港をめざします。 実は、以前来たときも香深ー知床間を歩いて往復しています。道路は海岸線に沿っているので、右手はすぐ海。しかも、相変わらず(?)、利尻島が視界の中に入ってきます。 礼文島は水産業が、主な産業ですが、今の季節、礼文島名物、「ぬかほっけ」を作っており、至る所でその光景を見ることが出来ます。
また、海岸に「昆布」が打ち上げられているのも、礼文島・利尻島
共通の光景です。

  磯の香りと、昆布の香りを楽しみながら(笑)、歩く事およそ1時間。香深に到着。時計を見ると、まだ16時前。 「これなら、予定通り16:20のフェリーに間に合う。」 しかし、今日はいい天気、快晴である。と言うことは、夕日が見られるチャンス!
予定のフェリーだと、稚内到着は18:15。日の入りは18:35頃なので、とても、ノシャップ岬には間に合わない・・・。 そこで、洋上で夕日を撮るため、17:25発の最終便に変更します。予定のフェリーを見送り、得意の時間潰し、周辺ぶらぶら(笑)をしていると、すぐに出航時間。

 17:25定刻に、フェリーは礼文島・香深港を出港しました。さすが稚内行き最終便。すっごく空いてます(笑)。
沖合に出ると、風が強く吹いています。窓の外にはやや夕日に染まっている利尻島・利尻富士が・・・。とても綺麗です・・・。
かなり日が傾いたところで、カメラに200mmレンズと1.4xテレコン付けて、 外のデッキへ・・・。

夕日
この夕日を独り占め・・・♪

「・・・・・・、さっ・・、寒い〜・・・・・・。寒い寒い・・・」
 とにかく強風で、すごく寒い。しかも、すごく揺れる・・・。カメラぶれと寒さをしのぐため、柱に寄り掛かり、カメラを向ける。すると・・・。 ファインダーの中で、信じられないような美しさで、刻々と変化する太陽。あまりの美しさに、声も出ない、寒さも忘れてしまう程夢中でシャッターを切っていました。
 周りには誰もおらず、まさに独り占めでした。
 撮影の興奮を引きずったまま、船内に戻りあとは寝てすごします。
しばらくすると、すっかり暗くなった窓の外に、稚内市街の灯りが・・・・。
そして、19:20定刻に、稚内港に接岸しました。

 
稚内では、お風呂タイムです。
去年の夏から、それまでの「梅の湯」にとってかわった稚内の常風呂、稚内温泉「憧夢」へバスで行きます。
 ここは、薬用、ジェット、泡、打たせ湯の他、露天風呂まであって、600円。
バスも温泉前から出ており、最終バスが21:19発で稚内バスターミナルが 21:34着と、特急「利尻」利用にも、とても便利です。
それにしても、この「憧夢」あたりは地形の関係からか、もの凄く風が強い。前来たときもそうだったけど、まるで台風並です。   温泉で疲れをとって、バスで駅に戻り、22:00発の特急「利尻」で、稚内を あとにしました。

  

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