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18回目・2000 春の北海道旅日記−4

[4月30日 北斗星81号] [5月1日 洞爺・大沼公園] [5月2日 礼文島] 
(5月3日 富良野) [5月4日 野付半島] [5月5日 美瑛] [5月5日 北斗星2号] 

5月3日

 
  朝6時ちょうど、「利尻」は札幌に到着しました。

今日もいい天気です。天気に泣かされた去年が嘘のよう・・・・。これから、6時54分発の特急「ライラック1号」で滝川に向かい、滝川から根室本線のドン行に乗り換えて、富良野へ。
富良野は去年もこの時期に訪れていますが、あの時はレンタサイクルで麓郷まで行こうとしたものの、あまりの強風(向かい風)と悪天候で、断念した経緯があります。
はたして、今日は・・・・。

 9時06分に富良野に着きます。ホームに降りるといい天気。心配していた風も今のところ、ほとんどありません。
必要な物をザックに移し、リュックをコインロッカーに押し込みます。さっそく、駅前の貸し自転車屋で、マウンテンバイクを借ります。ついでに、ロードマップも頂き、少し出てきた風が気になりますが、いざ出発!走り出します。
滑り出しは好調です。天気も良いし、風もない。富良野市街を抜け、郊外に出ます、と、またも・・・・・。周りに建物が無くなったとたんに、いきなりの向かい風・・・。しかも、強風・・・・。
思わず去年の悪夢が、頭の中を駆けめぐります・・・。
でも、去年ほどの暴風ではないため、まだ何とか走れます。気合です(笑)

北の国から、こから始まる
北の国からの看板を過ぎると・・・

去年の折り返しポイント(笑)をすぎて、国道を走ること15分くらい。国道から、左の道にそれます。これが麓郷に通じる道道です。 ドラマのイラストが入った、「北の国から」の看板をすぎると、いよいよ、上り坂が始まり、森の中へ入っていきます・・。

 看板を通り過ぎて、しばらくは上り坂が続くものの、さほどきつくなくその後は、比較的平坦な道が続きます。左に布部川を眺めながら、森の中を快適なサイクリング、と言いたいところだが・・・・・。風は横風、しかも相変わらず強いし、気温も低くはっきり言って寒いんだけど、自転車をこいでいるため、また小さいリュックに入れた、カメラ(EOS−1)が重いのもあって、体は温かい。汗も背中に少しかいている・・、非常に体調を崩しやすい状態・・・・。

途中、布部川を渡り、走ること30分くらいで森を抜けます。
と、今までと風景がガラリと変わって、開けた丘の景色になります。自転車を止めて、少し一休み。丘に登って、広大な景色を少し堪能します。
 再び走り出します。まるで美瑛にいるような丘の風景ですが、その割には、空気は爽やかとはほど遠い・・・・。付近で工事をやっているため、やたらと大型ダンプが走り回って、砂ぼこりが舞うのと、これは仕方ないと思うのだが、肥やしの臭い・・・・。

 しばらく走って、ようやく麓郷の市街地に入ります。
ドラマにも登場した、「小野田食堂」を左に見て、少し走ると・・・・・・。この市街地でもの凄い悪臭が・・・・・・・・。あまりの臭いに思わず吐き気を覚えるが、臭いの先をたどってみると、なんと前方に、肥やしをトラックに移し替えている作業場がある。近くに食堂や、民家もあるのに、信じられない・・・・。

 もう少しで(ホントに)気を失いそうになりながら、向かい風の中を必死になって、自転車で全力疾走。で、その場を脱出。少し「ほっ」とするが・・・・。一安心してしばらく走っていると、後ろからさっきの悪臭が追い越していった。トラックが追い抜いていったのです。しかも、向かい風のためその臭いが風に乗ってしばらく僕を苦しめる・・・・・(ToT)「たまらない・・・」
それでもめげずに走って、「麓郷の森入り口」の看板を見て左にそれ、1キロくらい走って、ようやく麓郷の森に到着。

自転車を置き、まず向かったのが、森の写真館。小さなログキャビン風の建物のなかに、写真家 那須野ゆたかさんの作品が所狭しと展示されています。

初代・五郎の家
きちんと保存されている、
初代五郎の家。

さらに先に進むと、とても懐かしい建物が・・・。「北の国から」の初期に出てきた、あの五郎の家が保存されているのです。
とても小さな建物で、屋根にはあの風力発電が・・・。家の中に入ってみると、木のにおいと共に、ドラマで見てきたあの風景が飛び込んできます。
家の隣には、いろんなシーンを生んできた、風呂場が保存されています。とても小さい建物に、小さな五右衛門風呂のような浴槽です。
感動を覚えながら、次に進もうとします。が、突然のスコール・・・。ちょっと危ないかな・・・と思っていた天気でしたが、ついに降ってきました。慌てて、五郎の家に戻り、雨宿りです・・。

しばらくして雨もやみ、移動します。次の建物は、五郎が建てた、あの丸太小屋です。
ドラマでは、燃えたことになっていますが、実物はきちんと保存されています。
建物の中に入ります。初期の家と違い、比較的広い家の中に、ドラマのパネルが展示されています。ドラマにまつわる新聞記事や、倉本さんのメッセージなど、いろいろあって、楽しめます。その後、ログハウス「彩の大地」2階で那須野さんの個展を見学して、麓郷の森を後にします。

 さて、これからどうするか・・・・。
空は相変わらず、今にも泣き出しそうです。しかし、せっかく麓郷まで来たんです。カッパも持って来てますし、さらに自転車で道道に戻り、北上を続けます。
ふらのジャム園の手前を、左に入り少し走ります。麓郷から走ること、15分くらいでしょうか。目的地に到着です。自転車を置き、森の中の探勝路の様な道を歩くこと5分くらい。木で出来た展望台に登り、目の前に広がる風景・・・・。

石の家
現在も使われている、石の家。

そう、今現在ドラマで実際に使われている、五郎の石の家です。
ドラマの風景そのままの石の家ですが、麓郷のように側まで近づく事は出来ません。この展望台(石の家から200メートルくらい離れています)からしか眺めることは出来ないのです。
理由は簡単で、実際この地でロケが行われ、今後もロケが行われるからです。近くには、撮影スタッフのロケ小屋も設置されています。運が良ければ、ここに見学に来てさらに、撮影現場も見られるのです。運が良ければ・・・の話ですが・・・・・・・。(笑)

石の家を見た後は、ふらのジャム園にいってみます。が、あまりの混み具合のため、パス。
駅に戻ることにします。そう、駅に戻ると言うことは、来た道を戻る・・・・・・・・。と言うことは・・。

意を決して自転車を走らせ、再び気を失いかけながら、例の肥やし作業場の前を、全速力で通過しました・・・(笑)なぜこんな所に、あんな作業場が・・・・・・。

さて、もと来た道をそのまま帰るのはつまらない。と言うことで、市街の交差点を右に曲がります。麓郷の市街地を右に曲がり、少し行くと、麓郷木材工業があります。ここがドラマの、「中畑木材」で事務所には、中畑木材の社名看板まであります。

富良野の丘
美瑛の様な景色の中を・・。

ここから先は登りあり、下りありの丘陵地を走ります。
景色も良く、時折、美瑛のような風景のなかを走りますが、天気の方がちょっと・・・・。雨が降ったりやんだり・・・・。そのたびに、カッパを着たり脱いだり・・・。(笑)
しばらく丘陵の中を走り、下り坂が多くなると、牧場も結構あります。
しばらくすると「八幡丘分館」という公民館があります。ここが、
ドラマの「中ノ沢小学校」。この公民館自体、廃校になった分校を使用しているそうです。

 さてあとは、下り坂のみです。ほとんど山道のようで、途中からは非舗装の砂利道に。
MTBなので、一気に下ると視界が開けて、富良野郊外の畑に出ます。再び雨が降ってきて、急いで戻ろうと思いきや、道に迷ったりしながら、なんとか予定より、かなり早く富良野駅に到着しました。自転車を返却して、おそい昼食、駅ソバを食べます。

 予定では、16:49発の列車で新得に向かう予定でしたが、ちょうど15分後に、臨時快速
「ホリデーおびひろ号」が来ます。この列車、幾寅駅に止まるので、予定を変更し、この列車に乗り込みます。
快速は単行だったものの、ほとんどの乗客が下車したため、席を確保できました。となりのホームに、「ぽっぽや号」が到着したのを受けて、富良野を後にします。

 そして、走ることおよそ30分、幾寅駅に到着しました。幾寅駅のホームに立ちます。
山に囲まれたこの小さな駅。またの名を「幌舞駅」と言います。そう、この幾寅駅が映画「ぽっぽや」の舞台となったところです。
 ホームや駅舎など、「ぽっぽや」そのままの風景が広がっています。

幾寅駅
幾寅駅。またの名を幌舞駅と言います・

駅前に出ると、正面に「ひらた理容店」、右に「だるま食堂」、その隣に「井口商店」、駅舎の隣にある、トイレなど。すべてが、東映の美術スタッフが作り上げた、いわゆるハリボテです。非常に良くできていて(当たり前か・・・・)、そばによって建物の中を覗き込まない限り、本物の建物と、錯覚してしまう・・・・。
ちなみに内部は空洞です。さらに言うなら、ホーム上にある転結機や木腕式信号機も作り物です。

 ただ、駅前は寂しいほどに閑散としています。時間的な事もあるけど、「すずらん」の舞台となった、恵比島駅のような華やかさはありません。しばらくすると、観光バスが一台やってきて、観光客を吐き出し、少し賑わいます。

 駅の隣にある公民館(?)では、「ぽっぽや」資料館が開設されていて(無料)、映画で使用した小物や衣装、出演者のサイン(広末涼子もあった)などが展示してあります。

 幾寅駅での時間は、あっと言う間に過ぎていき、新得行きの列車が到着。乗り込みます。次の落合駅を出ると、終点新得です。
 この落合−新得間は26kmで、およそ30分程かかります。この間駅は一つもなく、車窓を眺めていても、民家は見あたりません。霧に包まれた山の中を走って、石勝線と合流し、新得に到着。

 ここでお風呂タイムとなります。新得の銭湯は、駅の隣、徒歩1分の所にある、新得町営浴場です。町営浴場とはいえ、温泉を使用しており、トムラウシ温泉から毎日源泉を運んで来ているそうです。
 お風呂に入ってサッパリしたあとは、札幌行き特急「とかち12号」に乗り込みます。途中駅から自由席の乗車なので、座れるか心配しましたが、予想外にガラガラです。平日はもっと混んでいるのでしょう・・・。
車販から弁当を購入し、ぼ〜っとしながら、札幌に向かいます。

22:04定刻に、札幌に到着。今夜のホテルは、「おおぞら13号」。明日は、根室です。「おおぞら13号」に乗り込む前に、
 明日の朝食を確保するため、駅前のコンビニに行くものの、何もない・・・・・・。そこでホームに戻り、明日の朝まで持つことを確認して、駅弁を購入。そして、乗り込みます。
 この列車の指定席は、当初座席車を取っていたのだけど、連日の車中泊はさすがに疲れるので、直前になって寝台に変更しました。札幌を出発してすぐに、夢の中へ・・・・・・。

 

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