守山の虫かご  

守山区で見られる蝶をご案内します。

*プロローグ*

  雑木林や田畑の減少によって、見られる種類も個体数も減少の一途です。

しかし丘陵地のほとんどが県有林だったことも幸いして、まだ開発されずに残っていることから、バラエティー豊かな昆虫相を形成しています。

蝶についても同様です。そんな守山の蝶を、主に棲家としているところ別に展示しました。

まだ全体の一部です。今後徐々に追加の予定でいます。

 

*守山の蝶のリスト*

2000年7月以降に確認できた蝶のリストです。この他にも生息していると思われる種があるのですが、今のところ私としては未確認です。

 

アゲハチョウ科 アオスジアゲハ・アゲハチョウ・カラスアゲハ・キアゲハ・
ギフチョウ・クロアゲハ・ジャコウアゲハ・ホソオチョウ・
モンキアゲハ
・ナガサキアゲハ
シロチョウ科 キチョウ・スジグロシロチョウ・ツマキチョウ・ツマグロキチョウ・
モンキチョウ・モンシロチョウ
テングチョウ科 テングチョウ
マダラチョウ科 アサギマダラ
ジャノメチョウ科 クロコノマチョウ・クロヒカゲ・コジャノメ・サトキマダラヒカゲ・
ジャノメチョウ・ヒカゲチョウ・ヒメウラナミジャノメ・
ヒメジャノメ
タテハチョウ科 アカタテハ・アサマイチモンジ・オオウラギンスジヒョウモン・
ウラギンヒョウモン・キタテハ・ゴマダラチョウ・コミスジ・
コムラサキ・ツマグロヒョウモン・ヒオドシチョウ・
ヒメアカタテハ・ミドリヒョウモン・メスグロヒョウモン、
ルリタテハ
シジミチョウ科 アカシジミ・ウラギンシジミ・ウラゴマダラシジミ・
ウラナミアカシジミ・ウラナミシジミ・
オオミドリシジミ
コツバメ・ツバメシジミ・トラフシジミ・ベニシジミ・
ミズイロオナガシジミ・ミドリシジミ・ムラサキシジミ・
ヤマトシジミ・ルリシジミ
ウラミスジシジミムラサキツバメ
ムシャクロツバメシジミ
セセリチョウ科 イチモンジセセリ・オオチャバネセセリ・キマダラセセリ・
コチャバネセセリ・ダイミョウセセリ・チャバネセセリ・
ホソバセセリ・ミヤマセセリ

以上66種(青色は下記ギャラリーに展示してあります)

*ギャラリー*

上記の中から下記のメニューに蝶を展示しています。どうぞご覧下さい。

市街地で見られる蝶 アオスジアゲハ・アゲハチョウ・イチモンジセセリ・キタテハ・
チャバネセセリ・ツマグロヒョウモン・モンシロチョウ・ヤマトシジミ

ムシャクロツバメシジミ
川や田畑の回りで見られる蝶 アカタテハ・ウラナミシジミ・オオチャバネセセリ・キアゲハ・コムラサキ・
ツバメシジミ・ツマグロキチョウ・ヒメアカタテハ・ベニシジミ・モンキチョウ
ホソオチョウ
・ウラギンヒョウモン
雑木林で見られる蝶*No.1 オオウラギンスジヒョウモン・ウラゴマダラシジミ・カラスアゲハ・キチョウ・
クロアゲハ・クロコノマチョウ・コジャノメ・コチャバネセセリ・コツバメ・
コミスジ・サトキマダラヒカゲ・ジャコウアゲハ・スジグロシロチョウ・
ダイミョウセセリ・テングチョウ・ヒオドシチョウ
・ウラミスジシジミ
雑木林で見られる蝶*No.2 アカシジミ・アサマイチモンジ・ウラギンシジミ・ウラナミアカシジミ・
キマダラセセリ・ゴマダラチョウ・ヒメウラナミジャノメ・ヒメジャノメ・
ホソバセセリ・ミズイロオナガシジミ・ミドリヒョウモン・ムラサキシジミ・
メスグロヒョウモン・ルリシジミ・ルリタテハ
・ナガサキアゲハ・ムラサキツバメ
東谷山で見られる蝶 アサギマダラ・ギフチョウ・クロヒカゲ・ジャノメチョウ・ツマキチョウ・
トラフシジミ・ヒカゲチョウ・ミドリシジミ・ミヤマセセリ・モンキアゲハ
守山で見られなくなった蝶 ヒメヒカゲ、ウラナミジャノメ、ミヤマチャバネセセリ

*観察便り*

1.早春の蝶

春羽化するものでは、「こつばめ」や「つまきちょう」が雑木林でたくさん見られます。「つまきちょう」は庄内川の松川橋付近まで河川敷で見られます。春の使者「ぎふちょう」は東谷山付近でたまに見られます。

近くの定光寺でも奥に入らないとなかなか目にできません。同じように最近「みやませせり」も希少種といってもよいくらい見かけなくなりました。年2回以上発生する春型では「とらふしじみ」や「るりしじみ」など低山地に産する蝶は一通り見られます。

成虫で越冬する種では、3月半ばから順次現れます。「てんぐちょう」「るりたては」「ひおどしちょう」「くろこのまちょう」や「うらぎんしじみ」などです。吉根の林では「じゃこうあげは」が見られるものの少ない。

2.初夏の蝶

5月からは多くの蝶が見られます。下志段味の雑木林では「あさまいちもんじ」が見られます。ゼフィルス類は5月20日頃「あかしじみ」や「みずいろおながしじみ」がまず見られ、約1週間遅れて「うらなみあかしじみ」が見られます。この3種類は守山の雑木林では個体数も多く、羽化したての頃は下草に一杯とまっていて、歩くたびに飛び立つ光景が見られます。「うらごまだらしじみ」は吉根では見られませんが、わずかに志段味の一角で見られます。6月半ばには東谷山から森林公園、さらに南の滝の水池周辺まで「みどりしじみ」が見られます。「おおみどりしじみ」は目撃はあるものの最近確認できていません。

越冬した蝶も6月頃には羽化した個体が見られます。「てんぐちょう」や「ひおどしちょう」で6月が最も見る機会の多いときです。7月になると「ほそばせせり」が雑木林の林縁で見られます。個体数はすくないものの広く分布しています。庄内川河川敷の柳には「こむらさき」がよく集まっています。6月〜7月はひょうもんちょう類がいくつか見られるのですが、「みどりひょうもん」「つまぐろひょうもん」「おおうらぎんすじひょうもん」しか見られなくなりました。

6月も半ばを過ぎると東谷山では「じゃのめちょう」を見ることが出来ます。むしろ東谷山より愛知用水路の草原の方が今でもたくさん見られます。「ひかげちょう」は東谷山以外では小幡緑地公園、吉根の雑木林でも見ることが出来ますが、少ない。「くろひかげ」は東谷山と麓で見られます。真夏には東谷山山頂で蝶道ができ、「もんきあげは」「からすあげは」などが盛んに飛び交います。

3.秋の蝶

夏眠からさめたひょうもんちょう類や「てんぐちょう」がみられます。「くろこのまちょう」も8月からは方々で見られるようになります。秋が深まるとともに「あかたては」「るりたては」「きたては」等が菊の花に群がって見られる機会が増えます。「うらぎんしじみ」も普通に見られます。

9月下旬から10月始めには高地からやってきた「あさぎまだら」を見ることもあります。「つまぐろきちょう」は食草のカワラケツメイが増えたため大発生しています。ひょうもんちょうの内「めすぐろひょうもん」は勢力を拡大していて、志段味でも見られるようになりました。

2000年の「もんしろちょう」の終見日はクリスマスイブでした。暖冬傾向なので年越しも可能でしょうか。