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【445(よし子)のページ】著作 日高よし子 更新2014.10.17

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    詩歌集第三集夢幻公開ページ              
 第五部    (創詞曲集 全10曲)
マイメード・ソング

 ご感想 yo45@gaia.eonet.ne.jp


詩歌集 第三集「夢幻」        
(個人発行・書店販売していない)
★著作・装幀・編集・発行・印刷・製本
      日高よし子
 

  平成13年2月11日 発行
          ★
(傍線入分が内容掲載済みです)
     ↓   ★
第1部  約束された人生  
第2部  「母」 「父」  
第3部  「甥子      
第4部  「夢幻歌」俳句・短歌
第5部  「マイメードソング・歌詞楽譜」
          ★
全目次詳細ページへ 
第1部第2部(第3部)第4部)(第5部)・
 <頁>  <題目>                    
  147 第五部 「我詞独曲」   
  148 マイメードソングについて
 
  149  先生は名手の音楽    
  150  美味しい音楽      
  151 過程「歌」列挙三十一曲  
  152 「即興曲」について    
  153 創詞・曲 譜面集 全十曲
 154 詞・もう一年後     
  155 曲・(同)    
  156 詞・天国        
  157 曲・(同)    
  158 詞・ずっと大阪     
  150 曲・(同)    
  160 詞・ときめき夏    
  161 曲・(同)    
  162 詞・一輪の美     
  163 曲・(同)    
  164 詞・女の子      
  164 曲・(同)    
  166 詞・ありがとう、と     
  167 曲・(同)    
  168 詞・六月 雨       
  169 曲・(同)    
  170 詞・子供の頃       
  171 曲・(同)    
  172 詞・          
  173 曲・(同)
 第五部 マイメードソング 了
       ★
  174〜178 「あとがき」   
  179 木の森
  180 著者のこと近影     
       ★
P148 詩歌集夢現第三集 《夢幻》 
  第
五部 『我   曲』(創詞曲集全十曲) 
       
    『マイメード・ソング』について』                                   平成十三年二月編     日高よし子 著                     

“五線紙に 列然と 立つ 音譜群  一指風韻  木立ざわめき ”                     
  五線紙の上に作曲者の意志の侭、寡黙な木の様に規則正しく並んでいる音譜群。        
  エレクトーンの鍵盤の上に、私の指先が触れると、それは風の意志のように、                木立がざわめき奮ち、波となり、有界の音色となる。                                      
“エレクトーン 押さえるでなく 心乗せ 弾く 音楽おと なりと 解感5年” (平成十一年当時)                 
 甥子の為に買ったエレクトーン、早いもので私がやり始めて足掛け七年になる。最近は、余り弾く時間が無くなったが、当初は一日二時間位、附属の「子供の為のバイブル書」と言う初歩の本を見乍ら、一音一音、右手左手を連動させながら根気よく続けた。何度もそれを繰り返している内に、その「運動」を指が覚えてしまっていた。別個の音譜を左右の手がスムーズに弾いて行く………。   
 「私にも出来るのだ」と、エレクトーンのデモ曲に挑んで行った。
「トロイカ」「夢路より」「庭の千草」「歓びの歌」「G線上のアリア」。それに「花のワルツ」、最初部分の八分音譜の連続の難しかった事。「シンフォニー第四十番」のメロディには魅せられて、一時、モーツアルトが好きだった。以後は「NHK名曲アルバム」と言うクラシックの譜面集を買った。最初に練習したのが「白鳥の湖」、今見返しても結構難しいのを、よくあの頃に挑戦したものだと、自分乍ら感心する。        
 メンデルスゾーンの「バイオリンコンチェルト」──頁数十一枚の楽譜だったが踏破した時、自信らしいものが芽生えた。      
  私の練習方法は、例えば四小節程を何度も繰り返す。それをクリアー出来たら次へ進む。勿論、暗譜してしまっている。そして、何よりも合理的に弾く事。その繰り返しで一曲が弾ける様になる。          曲は先ず最初のメロディ部分を弾いて、気に入ったものを選曲した。シューベルトの「セレナーデ」は、その中で特に印象的な曲だった。今でも弾き続けている曲のひとつだ。                                            
 “聴かせたき 人 なくも 弾く 「セレナーデ」
シューベルト ”                           
 練習曲だったブラームスの「ハンガリー舞曲第四番」は、「交響曲第四番」を引き合わしてくれた曲だ。 クラッシック等知らなかった私は、エレクトーンをやり始めてからNHKの「N響アワー」を見たり、FM放送を聴く様になったが、其のN響のブラームス「交響曲第四番」を、「ハンガリー舞曲第四番」と間違えてカセットテープに録音した。聴き乍ら、そして遂に最後迄、「あのメロディ」に遭遇しなかった、違う曲だったのだと気付いたのは暫らくしてからだった………。                       
 が、サバリッシュ氏指揮のブラームスの「交響曲第四番」も重厚的名曲で、何度も何度も繰り返し聴いた。クラッシックは何んて素晴らしいんだろう!、クラッシック放送を聴く比重が日増しに増していく………。   この事こそ、本「夢現シリーズ」の礎石になっているだろう。                                   
 “「先生」は 名手の音楽  聴き身いる  感動 開墾  エレクトーン我”     

 ウインフィル、アルツール・ルビンシュタイン、ジャクリーヌデュプレ、前橋汀子、ヘルタテッパー(アルト)等、特に感銘的だったアーチスト。
 現在、自分の弾く音色に、うっとりする事が出来る様に成ったのは、偏えにこのアーチストたちの音楽が養分になっている。       
何故なら弾いている時、無意識的に目指しているのは感動感の、「その域」なのだから………。      何よりも、それが「先生」である。                                                             ◇                                     
 “嵐あり シンフォニーの 静粛しずけさは 大自然のうた  人間の詩うた”  

【光仏の 足音 微か 眼前に 眩しき 大きさ 「七番」 聴きて】
 カルロスクライバー(訂正/本ではカールベイムと誤記)指揮のウインフィルのベートーベン「交響曲第七番」第二楽章。音なき音から、まるで、未だ地平線に隠れている日の如く、だんだん此方に近付く光仏、遂に、私の眼前に! なんと言う大きさ、眩しさ! そして、沈む日の如く遠去かって行った………。       
【夢幻界(無限界) 宇宙遊泳 星の宝石いし 覚めたくは無い 夢死界(無視界)の域(息)】    四年程前、アバド指揮のウインフィルのブルックナー「交響曲一番」を聴いた時の詠首だが、曲中のある部分に本当に宇宙の中の只中、色彩りどり、煌びやかな星々に遭遇した様な印象を受けた。                                
【雨が降る……… 宇宙空間の 地球に 大地わ 皮膚  最初の 一粒】               アルツール・ルビンシュタインのサンサーンス「ピアノコンチェルト第二番」を聴いた時の詠首。      メインメロディのピアノのソロの部分に、初めての地球の雨の様な、「ゾクッ」とする感触を経験した。                   
【重力と 浮力の 狭間 「無伴奏」】                                      前橋汀子のバッハ「無伴奏バイオリンソナタ」を聴いた時の作句だが、感動感の時の舞い上がる、雲の中の様な心地………          
 本当に雲の中に「在た」事がないのに、浮き上がって、真綿に包まれた様な無重力感。「母」の腕の中の赤子の様な、幸福感。それらは、「遠い」日の、記憶の所産かしら?          

【キリストの 受難「極」の 遺産なり 「此処においで」 感動の喜び】
 アルトのヘルタテッパーが唱うバッハの「マタイ受難曲」の中の「神よ憐れみ給え」、約二年前最初に聴いた時期が頂度若葉溢れる五月の頃だった。本編第一部最後に掲げた詩編「此処においで」は、キリストが処刑される情景のそんな想意も持たぬ侭、萌え出づる生命の感動感を記したものである。
────────── * ────────────  
 “宙脳の 交差点で 対話する  エレクトーンの 右手  左手”                                   
 言葉より、もっと原始的な音楽と言う文化、それは、地球上の共通語。いや、宇宙上と言えるかも知れない。現在、電波望遠鏡「すばる」が捉える宇宙。普通の望遠鏡では捉えられない画像を電波で以てキャッチして、画像処理しているらしいが、あの画像を観た時、ブルックナーの音楽を聴いた時の宇宙の印象と合致した。               
 私がクラッシック音楽を聴いて受けるイメージ、それがその侭作曲者の意図と重なるかどうか不明だが、此等は、その「音波」のイメージを、「言語処理」したと言えるだろう。                                                     
  人間の丸い頭に出来上がった右脳左脳と言う「宇宙」、右手左手、指がエレクトーンを弾いているのか、脳が「弾いて」いるのか、練習した結果を記憶している「脳」と、その表現の媒体となった指先との、微妙な兼合い。(時の光の照度に依って変化する物質の陰影の如く)
 低い音から高い音へ、山への階段の様な音階。階音と言う様式を編み出した人間の「脳」、数理的原則とそれは対を為すだろう。
 ただひとつの相違、「感動感」と言う喜びの体感。
それは、宇宙と地球の交差路の接点に立つ、感涙という水持つ、地球上の人間である事の実感
 音楽の不可思議さ────原「祖」の魂の発露の為の手段に誘われる様に、私の奏でるエレクトーンの音色は、瞬時煌く。
──────────────────────────────                 
           (エレクトーンの「」故障)                                            
    “階段音 ドレミファ ソ「ラ」 抜けて シ  に 至って ド に戻る”                              
    “(修復)「ラ ラ 還る ドレミファ ソ「ラ」  から  来世から  エレクトーン 第二音階 ”                  
─────────────────────────────  
 P150          『美味しい音楽』                                              
  「美味しい料理」が、身体の栄養素と成る様に、「美味しい音楽」も同様である。            
その感動感は、身体を、精神を開放させ(リラックス効果)新たな「生命」の、細胞の循環性を促進させる。細胞の循環作用の劣化こそが、老化と言う事だがら、それを促進させると言う事は、「若さ」を保つ秘訣と言える。             
 私自身、エレクトーンをやり始め、クラッシック音楽を聴いて以降、感性の枝葉の拡充、鋭敏性、創造力の喚気を自認する。 何よりも、「美味しい音楽」を!!                                ─────────────────────────      
   美味しさの 嗜好 それぞれ  我 音楽 

 今朝(一/十九)のテレビで能登の海岸の獲れたての岩海苔を食べているのがあったが、海近辺で産まれ育った人が大阪へ出て来て魚を食べると、腐った様な味に思うそうである。大阪でずっと産まれ育った私には当り前の味である。 それほど、その場で食べる味は新鮮で美味しい様である。  
 本当に「美味しいもの」の記憶とは、「それ」ではないかと想う。            
こうい流通制度も勿論無い、もっと遡った昔、私たちの先祖が食べてきた味。ひっくるめて「美しいもの」への「感動感」との出会いの回路の、基点

 現在迄も、産まれてからずっと自然界と共に暮らす人と、都会の人間と、言い換えれば、ずっと美味しく生きている人と、それにいつか出逢う為に生きている人間と。
 それは、変わらぬ世界で生きて行ける人と、変わらずには生きていけない人間とに、区別された環境に置かれた者の宿命としての。 
 芸術、音楽の存在意義は、より芸術的なもの程、其処への回帰の道程を、より近距離に導き得ると言う事だろう。               
                          ◇
    “「ああ美味しい!」 料理我 嬉し 茶飲む 母 

    “胡麻ふって 牛 豚 魚 豆 野菜 信号の色 忘れず 健康 

 現在、私の母(註・当時・平成17年死亡)、亡妹の子供二人、私と計四人家族である           私の作る料理は美味しいだろうか? 「手料理」であるという事が取り柄の、それ以外、何の変哲もない、ただアルカリ、酸性食品に偏らない様に気を付け、三大栄養素と自負する酢、味噌、胡麻だけは一日に使わない事はないと言う、それだけの料理。               
 「今、食べている食事は、将来の美味しい食事に出会う為やで」と甥子達にもっともらしく言っているが、実際、私自身料理の味覚に関しては鈍感で、不味いものより、美味しいものの方が良いと思う程度なので、悪しからずと言う処。                       
 しかし、弁解抜きに現在美味し過ぎるものを食べていると、不味いものは食べられないと思う。
その意味で、その楽しみを将来に取っておいてやってるのだと、変な納得をしている。                                              
 今年は受験を控えているので行かなかったが、甥子二人、近年はお正月を甥子の父親の居る北海道で過ごしていたので、飛行機を利用する。 
 本文でも書いたが、私が飛行機に初めて乗ったのは二十代後半だった。雲と並んで自分が在る事に本当に、感激した。甥子達はその楽しみを、もう「使って」しまった。
 こういう事は、何にも当てはまるだろう。                      

  私が子供の頃、すごく欲しかったホッピングという運動具が流行った事があった。だが、直ぐに買って貰えなかった。           
 ある日、私が学校から帰った時、その日は仕事が休みかして母が居り、「どこにあると思う?」と思わせ振りに言ったので直ぐに察し、探したら箪笥の横の隅に隠れて、それがあった。
その時の嬉しさ! 想像頂けると思う。                           
 人が「喜び」の為に生きているとしたら、何が、それなのか?今一度、一考してみるのも、「無駄」な事ではないだろう。         

 同じ様に音楽に於て、私はカラオケは嫌いで行く事はないが、歌は子供の頃から好きで、今でも、歌の博物館と自負する位その頃、又以降の歌を憶えている。この「夢現シリーズ」はクラッシック音楽を聴いた感動感を主に纏めているが、クラッシックを聴きだしたのは、この六年程の事。
 それ以前四十余年は歌謡曲、ポップス、ラテン音楽も好きで、よく聴いて来た。             
 (一番感銘的だった歌手はザ・ピーナッツ、次いで、それより以前の松尾和子、何れも十代の頃)                     
 自分自身の現在の「型」を思う時、それ迄の何か一つが欠けていても、現在の自分では在り得なかったと、考えるのが妥当だろう。この音楽の終点に出会ったクラッシックは、最極の感動感の為、最後迄取って置かれたのだと想えるのだ。                 
 これが逆なら、クラシックのある環境に居たなら、歌謡曲を聴いただろうか?と、思うから………                    
 そして、それも又、私を培養したものであるし、言葉が読書をして身に付く様に、現在歌を創っているのも、それ等が素地に加工されたからだろう。                                             
 今迄の、此処に掲げた歌は、真さに私の人生そのものの、過程「歌」である。               
 「一瞬の」と言う歌は、阪神大震災がなかったら、創っていなかっただろう。                
 「心の積木」等、甥子がらみの歌の事は本編にも書いているし、「木魂」含む七曲の前橋汀子さんの事も然り………。           

 人生の折々、励まされた歌がある。そして、私の創る歌のこれからの方向性は、やはり、人の人生の徒然に寄り添える歌、そんな歌を創ってみたいと思っている。                                                      
 要は、発表する場(インターネットのホームページに何曲か私の拙な歌を流したり、歌手宛に楽譜や、私の歌のデモテーブを送付したりしているが効を成さず)と、方法を再考しなければ、これからの事は、何をしても意味がない様に思える。 「生活」のことがある………。                         
 近年思う事、本当は私は「音楽」をなす為、産まれて来たのではないだろうか?
 一番好きだったもの─────             
(余談乍ら、今の私の声からは想像出来ないが、私が小学校一、二年生の時、歌の覚えが早かったのか、音程が良かったのか、音楽の時間はいつも先生のオルガンの横、皆の前で唱っていた。)                                       
 永い廻り道をして、やっと辿り着いた様な、そんな気がしている。………                                              ☆
  “エレクトーン 絵の具程の 音色おとの数   心撰 機微に  管 弦 打 楽器 ”      

 
トランペット等の管楽器、バイオリン等の弦楽器、ピアノ等の打楽器、又、オーケストラの音色。     
我がエレクトーンには全ゆる楽器の音が、電子音に組み込まれてあるので、その時の気分、心色の侭に選んで、「対つい」とする。手に取る絵の具の色を、心の反映色として用いる様に………。                              
 “うみしらず オタマジャクシは 私の子  五線紙の川  はなしかいたり ”                                                                       
 P152 以下に、此れ迄の私の創詞曲名を列挙する。《全三十一曲》                                       :      ♪       ♪
詩歌集夢現シリーズ マイメードソング集             
作詞曲 日高よし子 歌詞楽譜掲
                                          
「夢現」第一集収編》                                            
@【一瞬の】(編曲・詞)  A【心の積木】   B【ア・イヤー】   C【愛の残骸】  
D【心のブローチ】       E【ゆるやかな】  F【今だから】  G【此処、其処に】  
H【雨が降る…】  I【木魂】 J【あなたは愛】  K【パリの空の下】(詞のみ)

《第二集「夢弦」収編》                                            
L噴  動】  M【山頂に立って】  N【海  藻】   O【オブジェ】   P【ポツリ ポトリ】 
Q【あの月と】  R【まれびと】      S【紫陽花】   
 (21)  【哀】(曲のみ)                              
今回《第三集「夢幻」収編》〔詞と曲(楽譜)も収編〕                               
(22)【もう一年後……】  (23)【天  国】 (24)ずっと大阪】  (25)【ときめき夏】
(26)一輪の美】     (27)【女の子】  (28)【「ありがとう」と】   (29)六月・雨】 
(30)【子供の頃】     (31)【秋】                        

  
“詞 と 曲 は  熱き「体」に  「紫」の 服を着せるも  「我 流 独 色」”         
               ◇                 

P152       『即  曲』                            

     私は、エレクトーンの前に座る。                         

   私の肉体からだの指は、「音」を描く。                           
   思ってもいなかった「色」を、「言葉」を発する。                   

    ああ、そんなに繊細だったのかと、                         
        そんなに哀しいのかと、                         
       「指」の聲を聴く。                                

    感銘を受けた「音楽」が、私の中で、又次の「感銘的音楽」を             
    磁石の手で呼び込む                              

   そして、それは遺伝子の螺旋構造の様に繋がっている。                 

    それら全ての連合音色に、                           
    夢から起こされた様に「意識」に抑えられた、                    
    欝息が這い上がって来る。                           

   「言葉」では描けない、心を肉体を、                         
   「音楽」で描く。
                                
             ◇                       

詩歌集「夢現」第三集
 夢幻 『創詞曲譜面集全十曲』  平成十三年一月編                        作詞作曲  日高よし子 
           (著作権は作者に帰属しますが、引用可<作者名明記>)      

─────────♪────────────♪─────── 
@【もう一年後………】  A【天  国】   B【ずっと大阪】   C【ときめき夏】   D【一輪の美】  
E【女の子】    F【「ありがとう」と】    G【六月・雨】    H【子供の頃】    I【秋】     
────────♪────────────♪────────  
                 (楽譜は省略しています)

P154 P155楽
   @【もう一年後…】<平成十年七月二十五日 創〉  

1. 雲が 流れて 行く 今日も 流れて 行く                                     
  あんなに 軽々 あんなに 奔放に                                         
  私の 胸の 息溜りを いま 一気に 吐き出したら                               
  ほら 雲になって 次の人に 流れて 行った                                    
 もう 一年後                                                       
 お前が 還って 来た時 私は                                            
  お前を 見分けられるだろうか                                               

2. 川が 流れて 行く 今日も 流れて 行く                                     
 あんなに ひたすら あんなに 一途に                                      
  私の 昨日を 堰き止めた 生命の 目標が                                   
  ほら 岩に 砕けて 次の波に 受け留められる                                   
 もう一年後                                                        
 お前が 還って 来た時 私は
  お前を  見分けられるだろうか                                                

3. 風が 流れて 行く 今日も 流れて 行く                                    
  あんなに 自由に あんなに 率直に                                        
 私の 胸の 嵐が いま 山に ぶつかったら                                     
 ほら 空気に なって 次の風の 谷間を造った                                 
  もう一年後                                                       
  お前が 還って 来た時 私は 
  お前を 見分けられるだろうか                                               
              ♪♪♪♪

P156 P158楽譜
      A【天 国】平成十一年二月三日 創〉 

1.色んな事が あったけれど 色んなものに 出会ったけれど                          
  行き交う 車の 無機質な 流れ                                          
  右折して 一転 開く 真っ赤な 桜 紅葉みち                                  
  いま 私は その絵に加わる                                             
  ああ 生命が 震いている
   ああ 生命の 翼が 開く                                                 
 きっと 此処は 天国                                                      

2.色んな事が あったけれど 色んなものに 出会ったけれど                           
 天の川 車の 昼と 夜の 流れ                                
  暗闇が もたらす 真っ赤な テールランプ                                
  ヘッドライトの  白い 行列                         
  朝が 地上を 照らしている
  ああ 視界に 自分を 見付ける                             
  きっと これが 天国                              

3.色んな事が あったけれど 色んなものに 出会ったけれど  
  時代を 見詰めて 変わらぬ 姿      
  気品ふる 裸木の 背中に 太陽の 光が 眩しい!   
  いま 美わしき 言葉の 源流へ
  たゆやかな 悠久の 流れ   
   ああ 私は 全ての 中に   
   きっと 此処は 天国      
              ♪♪♪♪

P158 P159楽譜
      B【ずっと大阪】〈平成十一年二月四日 創〉

1.ずーっと 大阪が ふるさと                                              
  道路で 石蹴り 紙芝居                                               
  山の ように 跳ね                                                   
  川の ように 走り                                                 
    坂道は 滑り台                                                     
  みんな みんな 憶えて いますか                                         
2.ずーっと 大阪が ふるさと                                              
  自転車 漕いで 梅新へ                                               
  銀杏 採りに 行った                                                 
  べったん ビー玉 ちゃんばら ごっこ した                                    
  みんな みんな 元気で いますか  

3.ずーっと 大阪が ふるさと    
  道路で 羽根付き 手毬歌    
  縄跳び ホッピング       
  原っぱで 穴堀り 草を被せ 落し穴                    
  みんな みんな どうして いますか      

4.ずーっと 大阪が ふるさと 
  道路に 長い 夜店の灯  
  輪投げ 当てもん      
  綿菓子 タコ焼き      
  フライ饅頭 関東煮き    
  あれも これも 遠い 夢の 花火です     
              ♪♪♪♪

P162 P163楽譜
    C【ときめき夏】〈平成十一年二月十二日 創〉                                      
1. 眠ってしまった時間を 揺り起こさなくては                                    
   あの ときめきを 取り戻す為に                                           
  叩いて つねって 引っ張たいて                                           
 何が 何でも 起こさなくては                                              
   あの 落葉に 埋もれて しまった ものを                                            
2. 眠って しまった 時間は 揺り起こさないで                                   
   あの ときめきを 壊さぬように       
    手品の 種明かしは 見せないで     
    玉手箱は 開けないで    

   あの 浦島太郎に なりたくない                          

3. 眠って しまった 時間を 揺り起こさなくては                        
    あの ときめきを 思い出す為に                            
    本の 結末は  知りたくない                               
    人の心も 知りたくない                         

   それは 終わりの 始まりだから      
              ♪♪♪♪
                                 
P162 P163楽
    D【一輪の美】<平成十一年四月二十四日 創〉

  流れのままに 流れる ように  流れのままに  流れて 行くの                                 
  流れる 涙 雲泣く 雨   流れのままに  流れて 行くの                                      
  一つの 涙  生命の 初め  すべての 涙  ひとつの 命                                        
  生命の 点り  生命の 灯り   生命の 薫(くゆ)り  生命の 香り                   

  生命の ままに  生命のように  生命を 見詰め  流れて 行くの                     
  春 咲く さくら  夏の ひまわり 秋に コスモス 冬に さざんか                     

   あの 溢れる陽に 真正面 向く 向日葵は                              
  影 自分の影を  見る事はない  果てる時まで
                                         
  今日立つ 煙  今日行く 雲も  ひとつの 流れ 流れて 行くの            

  数ある川の  数ある入江 木の葉の舟  流れのまま                                        
  一輪の 美の その輪の 中に  巻かれる ように  流れて 行くの                                 
  一粒の 蟻   一輪の 花  満天の 星   宇宙の 流れ                                     
   あの 溢れる 星  数限りない その中で                               
  巡り逢い 育まれた  地球の 私達  
                                            
  流れの ままに 流れる ように 流れの ままに 流れて 行くの                                 
  一筋の 道 最初の 一歩   一筋の 川  最後の 一歩                                       
  一輪の 美の  その輪の中に  巻かれる ように 流れて 行くの
             ♪♪♪♪              
         
P164 P165楽
     E【女の子】〈平成十一年四月二十四日 創〉                                  
 〈 むすんで ひらいて 手をうって むすんで 〉童謡挿入。                                         
1. あれは 三つか 四つの 女の子                                        
  その歌 唱って むすんで ひらく                                         
   吸い寄せられて その手の中に                                          
   蝶が むすんで 包まれる                                            
    その手を 開いて お花の上に                                                   
 〈 ちょうちょ  ちょうちょ 菜のはに とまれ……… 〉                                        
2. あれは 四つか 五つの 女の子                                       
   むすんで ひらけば メダカの 子供                                       
   迷い 迷って その手の中の                                             
  身体の 川を ひと泳ぎ                                                
  その手を 開いて 小川の 流れ                                                  
 〈 メダカの学校は 川のなか……… 〉                                                  
3. あれは 六つか 七つの 女の子                                         
  むすんで つかんで ひらいて はなして                                     
  ブルーの 風船 その手を 離れ                                         
   さよなら 言って 幼なじみ                                             
   その手を ふって  坂道 消えた                                                 
 〈 むすんで ひらいて 手をうって むすんで                                    
   また ひらいて 手を うって                                            
   その手を 上に さよなら……… 〉                                                      ♪♪♪♪         

P168 P169楽譜 
 F【「ありがとう」と】
〈平成十一年四月三十日 創〉                           
1. 「ありがとう」と 言いたい人が 何人か います                                 
   あの人 あの人 あの人                                              
   何故か 分からないけれど いつも 遠くから                                  
   見守って くれた様な そんな気が するから                                      
2. 「さよなら」と 言いたい人が 何人か います                                 
    あの人 あの人  あの人                                              
  名前も 分からないけれど 暗くない様に                                    
   星明かり 灯してくれた そんな気が するから                                               ♪♪♪♪ 
                                         
P168 P169楽譜 
     G【六月・雨】〈平成十一年六月二十九日 創〉                         
1. もう  六月も 終り  ひとしきり                                          
   雨が 昨日が 降りきりました                                        
    あの日 誰かの 雨の中                                              
   あの日 あなたの 後ろ姿を 見送った                                     
   私の涙が 今日地面に 音をたてています                                  

2. もう  六月も 終り  一人きり                                         
    雨の トレモロ 聴いていると                                          
   あの頃 あの季節 通り雨 走り雨                                        
   一途な 竹の雨  繊細な 糸の雨                                       
    つれない 桜雨  露 浴む 若葉 雨                                             
3. もう 六月も 終り 人混みに                                        
    見失った 水玉の傘                                  
    あの日の 午後の 続きの ように                             
    追い付き 寄り添う 恋人達                               
    時の 交差点 立ち  
    それぞれの 雨音 聴く

   もう 六月も  終り……… 
            ♪♪♪♪
 
P170 P171楽譜
   H【子供の頃】<平成十一年七月十九日 創〉                             
1. 子供の頃 雲は 綿菓子みたいに フワフワとしていて                           
    暖かそうで 柔らかいと 思っていた                                       
    大人になって それは                                       
     氷の粒の 集団だと 知った………                                                   
2. 子供の頃 月の 輪の中で 本当に 兎が                                   
   お餅を つていてると 思っていた                  
     大人になって それは                         
     岩石の 固まりだと 知った………                   

3. (この3番部分は「夢幻」では省略しています
    子供の頃 離れた 風船は高く 上っていって
     いつか 空の国へ 着くと 思っていた      
     大人になって それは
     息切れして 墜ちていくのだと 知った………  

4. 子供の頃 道は ただ一筋に    
    どこまでも 真直ぐ 続いていて 
    心のままと 思っていた                                               
  大人になって 言葉に          
    二本の 道が ある事を 知った……… 

   子供の頃 子供の頃 子供の頃   
                   ♪♪♪♪

P172 P173楽譜
    I 【秋】〈平成十一年九月十九日 創〉                                      
1.秋に咲く 秋桜の花 さらり すべて 受け流し                        
  葉脈を 滑り落ちた 朝露の 冷たさに                                      
   思わず 空を 見上げ 渡る鳥を 見送ります                                   
    少し 早足に なった                                                
   風の 音を 聴いてごらん                                              
   野を 分けて 走る                                                  
   風を 見てごらん                                                    
    この空は ずっと 続いていて いま 私は                                    
  あの 雲の 分かれ目に いる                                               
2.骨壷の 温みが 膝に 三年前の 秋の日に                                  
   路の 野辺に コスモス揺れて                      
   さようなら と 手を 振って                      
   そんな風に 人は 季節を 遺して 行く                
     少し 早足に なった                        
     風の 音を 聴いてごらん                      
     野を 分けて 走る                         
     風を 見てごらん                          
   この空は 今日も 続いていて                      
   弟の顔 あの 雲の中に 見る                      

3. 秋に なる オルゴール チリン ルリン 鈴虫は   
    羽根を震わせ 夜空の星々 触れ合って    
    輝き 和音のように 音の 宝石箱   
       少し 早足に なった      
       風の 音を 聴いてごらん    
       野を 分けて 走る       
       風を 見てごらん        
   この空は ずっと 続いていて いま わたしは
   あの 星の中に いる        
                ♪♪♪♪        

P174〜178 
 詩歌集第3集
  『夢幻』  <あとがき>

 ・・・・「感動」という種子を蒔かれて、培養された私の心の畑───┐
     その種子がなければ、溢れる言葉の花も開くことはなかった。│
     その 与えられたものに、価をつけられるだろうか?・・
・・・
      (自筆で書いているため、後略)                           

    ” 偉大なる 芸術家の 想い出は                     
            「夢現」の「夢弦」 「夢幻」に 無限 ”

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P179                                                
       『木の森』                               

 「未知」が 一杯の 木の群れの 森の中を 歩いている                         

  ─────一本 一本 違う木 ─────                              
   意識的に その 前に 立ち止まって 見上げた 巨木                     
   又 何気なく 立ち止まって  見た 木も                       

   その森は 或る意味で 完成された 木ばかり                         
   固定化して 伸びない  けれど                            
  ─────生きている ─────                            

   ヘッセの 何と 人間の 「郷愁」で ある事か                        
   スタンダールの 何と 宇宙的視野の                          
    「赤と黒」で ある事か                               
   プルーストの 何と 研ぎ澄まされた 意識の中の                    
    「失われた時を求めて」で ある事か!                        

  私にとって 「巨木」であった 「本と作家」                       
  ────他にも 沢山 木は あったけれど                        

   人は 何気なくであれ 意識的であれ                           
   闇を 照らす 一条の光に 導かれるように                        
   手にした その木の中を くぐって 「伸びて行く」────                

  そして 或る人は 「型」の 木と 成り                         
  又 或るものは 型としては 成さなかった り………                    

              (平成九年六月九日 記・「夢現」より)           
────────────────────────────                    
  P180  詩歌集第3集 『夢幻』 
      著者のこと (平成13年2月18日当時)

 住所 大阪府寝屋川市寿町 / (大阪市内生まれ)                           
 氏名 日高よし子  (072)832−6640
 年令 54才(当時) / 血液型AB型
 学歴 武庫川学院高等科卒業
 職歴 ウェイトレス・受付レジ・不動産業勤務(取引主任者)
 趣味 創作・自然芸術鑑賞
 家族 母・甥子2人(亡妹の子供)と同居。     
    (母は平成17年12月1日死去)      以上。
                 詩歌集第3集「夢幻」第5部 了。

───────────────────────────── 
以上、詩歌集第3集「夢幻」全文公開 ホームページ用編集期間、 
平成19年8月より平成20年1月15日迄。

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第1部  約束された人生ヘ  
第2部  「母」 「父」ヘ  
第3部   「甥子
第4部  「夢幻歌」俳句・短歌ヘ
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詩歌集夢現シリーズ マイメードソング集             
作詞曲 日高よし子 歌詞楽譜掲

  《「夢現」第1集 収編》                                         
@【一瞬の】(編曲・詞) A【心の積み木】 B【ア・イヤー】 C【愛の残骸】                      
D
【心のブローチ】    E【ゆるやかな】 F【今だから】  G【此処、其処に】                    
H
【雨が降る………】 I【木魂】 J【あなたは愛】 K【パリの空の下】(詞のみ)                    

  《第2集「夢弦」収編》                                     
L 【噴動】 M【山頂に立って】 N【海藻】 O【オブジェ】 P【ポツリ・ポトリ】                   
Q
【あの月と】 R【まれびと】  S【紫陽花】  21【哀(曲のみ)】                          

 《第3集「夢幻」収編》                                         
22【もう一年後………】 23【天  国】 24【ずっと大阪】 25【ときめき夏】 26【一輪の美】               
27【女の子】 28【「ありがとう」と】  29【六月・雨】  30【子供の頃】  31【秋】 
                  

  《第4集「無限」収編予定》 発行日未定 
♪【誰のために】♪【猫の目】♪【目カッチン】
♪【還りゃんせ】♪【そして五月は】 
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