千萬恨, 恨極在天涯。 山月不知心裏事, 水風空落眼前花。 揺曳碧雲斜。 ![]() |
夢江南
千萬の 恨み,
恨みの極まれるは 天涯に 在り。
山月は 知らず 心裏の事,
水風は 空しく 落つ 眼前の花。
碧雲 揺曳して斜めなり。
****************** 私感訳注: ※夢江南:詞牌の一。詞の形式名。単調 二十七字。平 韻一韻到底。(これは単調。別体三種あり)。詳しくは 「構成について」を参照。浣渓沙 この詞は花間集 第二 夢江南 二作品中の第一である。 ※千萬:限りない。多量を云う。 ※恨:うらみ。こころに強く残っているわだかまり。 ※恨極:恨みの最たるもの。 ※在天涯:天の果てにある。地の果てにいる愛しい人のことをいう。 ※山月:山にかかっている月。周りの自然。 ※不知:知らない。分からない。 ※心裏事:心の中の事。「心中事」としないで、「心裏事」としたのは、前者は○○●で、後者は○●●になる。ここは○●●とすべきところなので、こうなったので、言い換えられない。 ※水風:水辺の風。川面を吹き抜ける風。ここも周りの自然。 ※空落:むなしくおちる。 ※眼前花:目の前の花。 ※揺曳:雲などがたなびいている。 ※碧雲:青雲。碧雲は●○で、青雲は○○になる。ここは、●○となるべきところで言い換えは出来ない。 ※斜:雲などが渡る時の動きある表現。 ◎ 構成について
双調 二十七字。平声韻一韻到底。韻式は「AAA」。 韻脚:「涯花斜」は第五部平声。 ○ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() となる。 |
2001.2.16完 2.17補 3.13 |
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