詠鵞
唐 駱賓王
鵝鵝鵝,
曲項向天歌。
白毛浮綠水,
紅掌撥淸波。
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。
鵞を詠む
鵝 鵝 鵝,
曲項 天に 向ひて 歌ふ。
白毛 綠水に 浮き,
紅掌 淸波を 撥
(か)
く。
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◎ 私感訳註:
※駱賓王:(らくひんなう;luo4bin1wang2)初唐の詩人。
640年?~?。王勃、楊炯、盧照鄰とともに初唐の四傑と称される。
州義烏(現・浙江省義烏)の人。初唐の四傑の一人。七歳にして能く文を書き、この詩も作ったという。しかし、早くから身を持ち崩していた。 徐敬業の乱で、則天武后(武則天)を排斥する檄を作ったが、武后はその中の「一抔之土未乾,六尺之孤何托(安在)」とあるのを読み、才人を失ったことを惜しんだという。
※詠鵞:この作品は作者が七歳のときのものという。
※鵝鵝鵝:〔が;e2○〕鵞鳥よ、鵞鳥よ、鵞鳥よ。また、「ガァ、ガァ、ガァ」〔e2,e2,e2〕という擬声語でもある。 ・鵝:〔が;e2○〕ガチョウ。雁鴨科の大鳥。蛇足になるが、現代語で“天鵞”といえば、白鳥のことになる。 *鳥の名で擬声語の要素があると考えられるものに「鳩」〔きう;jiu1〕、「鴉」〔あ;ya1〕、「鴨」〔あふ;ya1〕…?
※曲項向天歌:曲がった首を天に向けて歌う。 ・曲項:湾曲した首。首を曲げる。 ・項:〔かう;xiang4●〕首筋。うなじ。 ・向天:天に向ける。 ・歌:ここでは、啼くことになる。
※白毛浮綠水:白い羽毛を澄んだ緑色の水に浮かべて。 ・白毛:白い羽毛。或いは、白い羽毛の生えた体。 ・浮:浮かべる。 ・綠水:澄んだ緑色の水。綺麗に澄んだ水。
※紅掌撥淸波:赤い脚の蹼(みずかき)で清らかな小波を劃(か)いている。 ・紅掌:赤い脚の蹼(みずかき)。 ・撥:〔はつ;bo1●〕かきたてる。ここでは、水を掻くことになる。 ・淸波:清らかな小波。
◎ 構成について
韻式は「AAA」。韻脚は「鵞歌波」で、平水韻下平五歌。次の平仄はこの作品のもの。
○○○,(韻)
●●●○○。(韻)
●○○●●,
○●●○○。(韻)
2005.5.10
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