脳の動脈硬化は危険性が高い
破裂・詰まるのどちらのリスクも高める
血管の動脈硬化について紹介しましたが、血管であればどこでも動脈硬化は起こります。
脳の血管は、心臓の血管とはかなり違います。心臓の血管が太く弾力に富むのに対し、脳の血管はしなやかで、細く枝分かれしたものが多くなっています。
そうしたしなやかな脳の血管でも、動脈硬化は起こります。やはり、血管がもろくなつたり、破れやすくなったりするのです。
血管がか破れると、脳出血を起こします。血液の流れる部分が狭くなって血液のかたまり(血栓)が詰まりやすくなり、脳梗塞を起こします。
脳の血管が詰まる病気には、脳塞栓もあります。これは心臓でできた血栓が脳の血管にまで飛び、脳の血管を詰まらせるものです。しばらく前に「エコノミークラス症候群」が話題になりましたが、その原因が脳塞栓なのです。
エコノミークラス症候群は水分補給により防ぐことが可能です。
脳は、活性酸素の被害を受けやすく、動脈硬化を起こしやすい状況にあります。その理由は、大量の酸素を消費するからです。
何と、脳は取り込まれた酸素の約20%を使うのです
脳がここまで大量の酸素を使うのは、全身をコントロールする司令塔だからです。さらに、記憶、判断、感情といった高度な精神活動にも膨大なエネルギーが必要です。
しかし、酸素を使って脳の細胞がエネルギーをつくり出すと、スーパーオキシドラジカルが発生します。さらに、過酸化水素ができます。また、脳細胞は、鉄イオンを多く含む特質があります。その鉄イオンが過酸化水素と反応すると、ハイドロキシラジカルが発生します。
こうしたことが原因で、脳で動脈硬化が進行します。脳の血管が破れたり、血管が詰まると、そこで酸素の供給がストップします。
酸素がないと、脳の細胞は3分も生きていられません。脳の細胞が死ぬといろいろな後遺症を招くことになり、その1つが「脳血管型認知症」です。
脳血管の動脈硬化予防、脳出血や脳梗塞予防に、活性酸素対策は必須です。