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話を聞いた時期:2016年1月
結果発表:2016年2月
突然休暇を貰いそのつもりでスケジュールを組んだら、暫くして延期となり、のんびり記事を書いているはずの時間が吹っ飛んでしまいました。アップする間もなく結果発表の日まで来てしまいました。すみません。
ハリウッドでは黒人のノミネートが少ないことが大きな問題となったらしく、総合司会者までが皮肉を飛ばすことになりました。有名黒人勢は欠席を決めた人もいました。
投票をする権利を持った会員の人種が圧倒的に偏っているのでこういう事が起きる年もあるのかと思います。人口比に合わせて毎年調整するのがいいのか、時にはこういう年があり、別な年には別な人種の人が大攻勢をかければいいのか、全てが1つの国の私企業集団の話なので外の人間にはいい考えが浮かびません。
作品の内容が低い場合は人口比の制度は却って問題を作ることになるので人口比に合わせるのは必ずしも解決にはなりません。私はむしろハリウッドの独占状態を解決する方がいいのではないかと思います。元々何もなかったハリウッドにある系統の人が集まって産業を興したというのは、例えばデトロイト付近に工場がたくさん作られ自動車産業が大きくなったのと同じで、作る人の自由。なので、ハリウッド以外にも映画のスタジオを作り、技術者を呼び寄せて自分たちの映画を作ればいいのではないかと思うのです。実際その動きはないわけではなく、アメリカの南部に少し映画人が集まっているようです。ジャンルで集まるも良し、ブラック・パワーでがんばるも良し。起業した人の好みで映画を作ればいいと思うのです。その中で自分たちの賞を設定して表彰するのもいいですし。その賞にどのぐらいの権威を持たせるかは作る人たちとファンの力によると思います。
授賞式は半分ほど見たのですが、そこまでの段階ではアメリカ人の受賞が少なく、白人ではあっても外国人、外国勢の受賞が続いていました。ハリウッドというのは人種だけでなく、国籍でも癖のある所で、400年以上前に欧州から移住して来た《所謂アメリカ人》系でないここ100年ほどの間に欧州から来た大スターが結構多い、ユダヤ系の人は比較的出世し易いなどという特徴があります。
映画界を私的な企業集団と見ると経営者が「これは売れる」と思ったら特定の人種の人をトップに立てても外野は文句を言うべきではないのでしょうが、それなら同時に米国に長く住む他の人種をトップに立てた経営者にも出て欲しいと思います。確か一時期そういうこともあり、タランティーノはその時代の影響を受けていたと思います。その結果タランティーノの最新作の主演は黒人。ただ、数のバランスが「例外的」と言われるほど偏ってはねえ。
とまあ始まる前からこんな騒ぎになっていましたが、私が見た前半はマッド・マックスに参加したスタッフなどがどんどん受賞していました。ヘアー・スタイルとお化粧の賞も貰い、私は個人的にはびっくり。トレイラーを見る限りヘアー・スタイルとお化粧で大したことはできなかったのではないかと思うのですが。
後半は疲労困憊で見ることができませんでしたが、後で結果を聞きやや意外でした。コメントに書いておきました。
忙しくて「です・ます」調と「だ・である」調を統一する時間がありませんでした。悪しからず。
技術などの受賞は省略しました。
通常通り行われるのかと思っていたら、ドイツのタブロイド誌には黒人差別に抗議して、黒人俳優を式典に出さないボイコットを考えているという記事が載っていました。スパイク・リーが名誉賞に決まっています。
大統領はアフリカ系とは言っても全米にいる大多数のアフリカ系の人とは系統の違う出身。最近そのあたりを勘違いした政治家がいましたが。その上大統領にはアフリカ系の人たちに特に貢献するのではなく、全米国人のために貢献する方を優先しているようなので、特別な貢献を期待していた人たちに取っては多少失望感が生まれるのかも知れません。ただ、私は10年ほどしたら、大統領の評価が今とはガラッと違って来るのではないかと思うことがあります。好い方に解釈した場合の話ですが。ま、ここは少し時間を取って考えようと思っています。
作品
実話の映画化。ボストンのカソリックの人たちが経験した被害をスクープした新聞記者と編集部の物語。《スポットライト》はその新聞のコラムの名前。気合の入った作品のようです。
後記: これは無いだろうという作品を外した後に残った作品ではありましたが、この作品だという確信はありませんでした。宗教が絡む作品は扱いにくく、褒めるという意味でノミネートはしても、受賞に至らないこともありますからね。
実話の小説化の映画化。今年は1人取り残された男のサバイバルが商売になる年のようです。カプリオが熊に襲われ大怪我。仲間は彼を足手まといとして置き去りにする。同じ置き去りでも Bone Tomahawk とは違う展開。オデッセイとも違う展開。その上カプリオは息子まで殺されてしまう。そうなるとテレビもインターネットも無い時代には復讐しかする事は無いとばかりにがんばってしまう。
後記: カプリオが受賞を目指して一生懸命マスコミ対策などをしていましたが、それは他の人もやるので、今年もカプリオは外され、作品賞あたりが来るかと予想していました。見事外れました。
実話が先行した小説の映画化。7年間家の中に監禁された女性と、犯人の男とその女性の間に生まれた子供の物語。生まれてから5年間閉じ込められていた部屋しか知らない子供を連れて女性はその部屋を脱出。せっかく助かっても、外の世界に適応するのがまた一仕事。
実話はオーストリーで起き、もっと悲惨です。それも事件は1つだけではありません。日本でも長期監禁被害に遭った少女が救出されました。難しいのは助かった後で頭の中にできてしまった部屋からも脱出しなければならないところ。下手をすると一生その事と戦い続けなければなりません。
後記: この作品も「これは無いだろう」を外した後に残った作品。問題作ではあるけれど特定の事件を扱っただけなので、テーマが限られ過ぎて外されるかなあとも思いましたが、作品を見ていないので演出や演技が良ければ受賞もあるかなと思っていました。
50年代。アイルランドからブルックリンへ移住して来た少女が主人公。元々は内気で地味な少女がニューヨークで洗練されて行く。
スピールバーグ、トム・ハンクス、コーエン兄弟が組んで実話を映画化。時代は50年代から60年代、ある弁護士が死刑になりそうなスパイの弁護を頼まれる。ソ連のスパイだが、なぜかドイツ人のような名前。長期の懲役刑になるが死刑は免れる。
5年経ってスパイ交換のチャンスが訪れる。
余談: ブリッジ・オブ・スパイのブリッジって、もしかして、ベルリンの南、ポツダムの橋の事か?グリニカー・ブリュッケという橋があって、スパイ交換に使われたはず。
なぜかインドが出資している。
後記: ベルリンに住んでいると興味が沸きますが、他の人に取ってはただのスパイ映画なのかも知れません。私たちは壁がある時、壁が無くなってからの両方の時期に行ったことがあるので、興味津々。チラッと見たトレイラーでは当時の様子がわりと正確に描写してありました。
スコットはプロメテウスで、デイモンはインターステラーで練習してから制作したのか?原作はアンディー・ウィアーの小説。《火星人》ではなく、《火星の人》。ざっとまとめると音楽つきのコメディー、ウォレスとグロミットの月旅行の実写版。
1人取り残された男のサバイバルが商売になる年第2弾。インターステラーで置き去りにされたデイモンは
オデッセイでも悪気は無いけれど置き去りにされてしまう。同行したクルーが彼が死んだと思い込んでしまったため。デイモンは置き去りにされるのが得意な役者。
間もなく記事をアップする予定。
後記: 見たのですが、こういう所にノミネートされたのを知ってびっくり。それなりに楽しめる作品ですが、オスカーの最終候補に残るほど深い作品でもなく、むっちゃおもしろいエンターテイメントでもなく、そこそこ・・・という感じです。
メル・ギブソンの1作目から数えると4作目。30年ぶりで制作開始。ギブソンの役はトム・ハーディが担当。監督、脚本は続投・・・なので一貫性は守られたかも。
後記: この作品にこれほどたくさんのオスカーが集中したことに違和感を持った人もいたのではないかと思います。作品は見ていませんが、オーストラリアからどっと候補が押し寄せ、かなりの賞を掻っ攫ったという印象です。それほどいい作品だったのだろうか。
リーマン・ショックを上手くすり抜けた4人をめぐるマイケル・ルイスの書いた実話の映画化。クリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリング、スティーブ・カレル、ブラッド・ピット主演。
後記: テーマとしてはおもしろそうで、私は興味を持っています。ただ、コメディー・タッチで描かれたと聞いたので、オスカーからは外されるのではないかと思っていました。
主演男優
ロバート・デ・ニーロが早くから注目し、スコシージに示唆した。デ・ニーロが自ら監督業に乗り出したり、他の監督の作品に出演するようになり、かつてのデ・ニーロのポジションにはカプリオが納まる。俳優としての力量はデ・ニーロの方が上手。カプリオは俳優というよりスター。それでも両者の協力関係は続いている。スコシージがカプリオに色々な仕事のチャンスを与え続けているという意味ではカプリオは賞よりいい物にぶち当たったと言えるかも。俳優は失業するのが1番きつい。
後記: 五分五分以上の割合で今年もカプリオは外されるのではないかと思っていたので、ちょっとだけ意外。本人は本腰を入れて当選運動をしていましたが、彼とスコシージはよく空振りをさせられていましたからね。スコシージ + カプリオで受賞するのが次の目標かも知れません。
以前カップル扱いされるのを嫌がっていたケイト・ウリンスレットも会場に来ていて、2人一緒にカップルのようにカメラに納まったり、仲良さそうにしていました。2人ともかなり大人になったという印象でした。以前はカプリオがウィンスレットに頼るようなそぶりが見えましたが、今ではそれぞれパートナーもおり、私生活と仕事を上手に分けられるようになった感じです。PR に役立つなら2人で一緒に写真を撮るのも気にならなくなった様子。
赤狩りで矢面に立たされた脚本家の伝記。逮捕され、後に釈放されても元の生活に戻れない。著名な作品は別名で発表されている。オスカーも取っている。授賞式には覆面をして現われたのだろうか。
スティーブ・ジョブズはジョブスの伝記。伝記としての作りはちょっと変わっている。
ファスベンダーはいかにもドイツ人という名前。生まれはドイツ。母親は英国人。普段は英語圏で仕事。大物監督がよく使う俳優。
リリーのすべてはリリー・エルベの伝記。ある男性が徐々に女性になって行く物語。
デイモンはアフレックと友達ではあるものの活動は別行動。才能はアフレックの方が有り余っているように見えるが、デイモンも努力はしている。チャンスはデイモンに集中。この作品では俳優は誰も目立つ演技を見せておらず、ストーリーの流れに重点が置かれている。
後記: 「まさか自分が受賞は無いだろう」という風でリラックスしていました。
主演女優
作品はゴールデン・グローブの所でもご紹介した監禁物。ラーソンはアメリカ在住でありながらフランス語で育つ(南部にはフランス語地区があるが、彼女はカリフォルニアで育っている)。映画、テレビ界では不運続きで、番組がなくなってしまったり、延長されなかったりしている。音楽にも手を出し、間もなくデビュー・アルバムが出し、コンサートを行うが、今一つパッとしない。諦めずにやったためか、その後徐々に運が向いて来る。映画、テレビも諦めずほぼ毎年何かに出ていて、今年オスカーにノミネートされたことを見ると、全体に運が向いて来たような印象。
ブランシェットは世界に飛び出した頃は英米人でないためか、賞からやや遠ざけられていたが、その後実力が評価されるようになる。大スターになったものの私生活を重視し、用が無い時は家にいる。オスカーは助演の上、大した演技を見せていないアビエイターで取る。1度に複数ノミネートを受けた年は空振り。後に主演女優賞も受賞。この人の実力はまだまだ余裕があるような気がする。
キャロルは50年代に発表された推理小説家パトリシア・ハイスミスの小説の映画化。レズビアン物。今回は50年代を舞台にした作品がノミネートされているがその1つ。50年代はまだ社会の規則がうるさかったのでドラマチックな展開になり易かったのかも。
後記: 意外と本人は受賞もあるかなと思ってか、エレガントなドレスで来ていました。この種の作品はベルリンでは受けますが、ハリウッドではまだ保守派の投票者から受けないかも知れません・・・と思っていたらやはり外れ。
アイルランドからブルックリンに引っ越して来た女性の物語。
ローナンはアメリカはブロンクスの生まれで、アイルランドに引っ越す。アイルランドで芸能界に入る。父親も俳優。8年前、13歳でオスカーにノミネートされる。
この人には呆れるほど短期間の間に大きな賞のノミネート、受賞が集中しています。なぜ?
Joy は実在する人物の名前。航空会社のグランド・ホステスをしながら子供を2人育てているシングル・マザー。父親はロバート・デ・ニーロ演じる自営の自動車修理工。母親は世間を見ず、テレビばかり見ている人。なぜか離婚した夫も加わって一緒に暮らしている。他にも身内が何人か。
ぎりぎり何とか暮らしていたある日、ジョイがショッピング番組に出演し、自分で作って紹介した商品が大ヒット。
この作品の出演者、監督は他の作品でも一緒に仕事をしていて、成功率が高い。
後記: 何かあったらしく、物凄く遅れて到着。そのためほとんどのジャーナリストは無視され、予定が正式に組んであった放送局のインタビューに直行。
何ゆえにランプリングが今頃出て来たんだろう。若い頃は目を強調し、わざわざ批判の対象になるような作品を選んでせっせと出演していたお騒がせ娘。当時はエキゾチックな容貌でしたが、年とともに見事にその魔法が解けてしまった。フランス語も堪能なため、売れなくなってからはフランスに救われた。モーリス・ジャールの息子と結婚していたことがある。最近はフランスの流行に合わせて事実婚中。ランプリングはベルリンには好かれる女優。私の趣味には合いませんが。
さざなみは45年連れ添った夫婦の関係が崩れて行く話。結婚5年前に行方不明になった当時の恋人の遺体が発見されたという知らせが届いたのがきっかけ。夫はその女性について考え始める。妻は結婚前に死んだ女性に嫉妬。
後記: 作品に関する資料がほとんど無いので何とも言えませんが、会場ではやや場違いな感じでした。ただそれを予想してか、地味なエレガントな服装で、そこは立場を心得ていた感じです。
監督
メキシコ人なので、ギレルモ・デル・トロが手を貸してハリウッドに来たのかも知れない。デル・トロは同郷の映画人を助けることで有名。
21 グラム、バベルなどで有名だけれど、作風は今一。オスカーはもう持っている・・・。
後記: ・・・ので連続受賞は意外でした。オスカー始まって以来3回ほどの珍しさだそうです。でもまあ、この人才能がありそうなので今後も期待。
いくつかの有名な作品に俳優として出演している。有名な賞にノミネートされたカールじいさんの空飛ぶ家の原案を作った人。
元々は医者。長編デビュー作がマッドマックスだった。マッドマックスを3本撮り、ベイブも受けて続編も作る。アニメのハッピー フィートも受けて、続編も制作。そして今回マッドマックスを新しい俳優で制作。
アイルランド人。
劇場版奥様は魔女の脚本を書いた人。軽めのコメディーが多い。
助演男優
ライランスは死刑になりかかるソ連のスパイの役。英国の舞台俳優。ベテランで有名な賞も受賞。
ご存知シチリア移民としてアメリカで大成功した監督、脚本家、俳優。様々なゴシップのネタにされたため、映画人としての実力は陰に隠れてしまった人。一生をアクション映画にかけた人ですが、きめの細かい演技もできる人です。
クリード チャンプを継ぐ男はロッキーの延長戦。自分がリングに上がるのではなく、ロッキーのライバルだった男の息子の面倒を見るセコンド役をスタローンが演じる。息子の方からロッキーに自分のトレイナーになってくれと頼む。
スタローンはこの作品では俳優のみ。
私としてはそろそろ彼に賞をと思いますが、助演賞というのはちょっと気の毒。彼が映画界にもたらしたお金を考えるとねえ。
ブラックホーク・ダウンで有名になる。この作品では カプリオのライバルという目立つ役。ブロンソンでは主演。エキセントリックな犯罪者の役なので、物凄く目立つ。インセプションではカプリオと共演。同監督のダークナイト ライジングにも出演。
有名な作品に主演ではありませんがよく顔を出す人です。私が見た作品も多いです。
ベールは主演、助演作品を何本も見ています。ファンタにも時々作品が来ていました。プレステージはとてもおもしろいです。
後記: 主演を張れる人が助演でノミネートされているので難しい選択でしたが、わりと地味なライランスに行ったのは良かったと思います。この作品は見てみたいです。
スタローンは自分はもう年だから若い人を育てようという姿勢が90年代からもう見え隠れしていました。ロッキーは1976年ですが、その時すでに本当は主演俳優はやらず、脚本をやるつもりだったようです。資金不足が彼をスターにしてしまったようで、人生は何が福や災いになるか分かりません。
助演女優
スウェーデン人。元々はバレリーナを目指していた。2002年頃から演技に舞台を移し、2012年頃からは英語の芝居に出演するようになる。エクス・マキナ、コードネーム U.N.C.L.E.にも出演。ジェイソン・ボーン・シリーズの新作にも出演とのこと。
後記: 初ノミネートでいきなり受賞。かなり運のいい人で、27歳の現在までに随分有名な人と共演している。
ジェイソン・リーは間もなく100本になるだろうほど多くの作品に出ている人。父親はヴィック・モローで、芸能一家。オールマイティーの女優ではないが、時々話題になる程度の演技はする。
ヘイトフル・エイトはタランティーノの作品。雪に閉ざされた山小屋という形の密室殺人事件を描く西部劇。証言は何一つ信じられない。サミュエル・L・ジャクソン、ティム・ロスなどタランティーノ作品の重要な俳優を始め、カート・ラッセル、マイケル・マドセン、ブルース・ダーンなども出ている。恐らくモリコーネが音楽で賞を取るのではないかと思っているところ。
発表前の後記: 見ました。彼女の演技が良かったのか、たまたまそういう役柄に書いてあった脚本通りに演じただけなのかは不明。女優がきれいに見える役柄ではなく、女でありながらむさ苦しい上に悪漢。彼女にはもう少し実力があるような気がするのですが、そこは見えませんでした。なので受賞するかは不明。
芸能一家に育つ。1994年のピーター・ジャクソンの乙女の祈りではメラニー・リンスキーを抜いてウィンスレットだけが有名になる。ちょうど40歳だが、オスカーには1996年から7回ノミネートされすでに1つ受賞している。
カナダの芸能人でない普通の家に生まれる。フィギュアー・スケートを8年ほどやってから演劇に進む。20歳頃ディズニー映画出演。その後有名人との共演や、有名監督作品への出演が増える。役のランクも上がる。一時期同じカナダ人で同郷のライアン・ゴスリングとカップルだった。
ケイト・マーラの妹。父親に兄弟が多いため物凄い大家族。ルーニーは母親の旧姓。
脚本
作品がいい時、監督か脚本家か、誰の功績か判断しにくいですが、この作品では同じ人物が両方やっているのでガーランドの功績。斬新だったり、スマートな点と、やや弱い点が混ざっているので完璧な作品ではありませんが、デビュー作となると幸先が良いです。今後に期待。
ヒップホップ・グループの伝記。コンプトンはグループが結成された場所。歌のテキストが過激で、警察からも嫌われ、メンバーの一部は死亡。グループ内では金銭問題が生じ、解散。元メンバーは現在別々に活躍。アイス・キューブ役はオシェア・ジャクソン Jr. が演じている。
脚色
マッケイはウィル・ファレルの作品にちょくちょく関わる人。
ほんわかとした作品を書く人。
久しぶりのハッピーエンド作品。脚色が突出しているわけではありません。ゴダードは SF 混じりの限定された状況の中で起きる話が得意なよう。
ドナヒューが自身の作品を脚色。
長編アニメ
3D のコンピューター・アニメ。原題は内側と外側があべこべというような意味。主人公が人や動物ではなく感情というところがちょっと変わっている。人間が持つ5つの感情を絵にし、それぞれが別々に動くような設定。1人の少女の頭の中が舞台らしい。
カウフマンは2000年以後時々有名な賞にノミネートされたり受賞しています。マルコヴィッチの穴が有名。
ウォレスとグロミット当時の制作メンバーから別な人たちに移った様子。ストーリーに変な形で政治が絡み、つまらなくなった印象です。ニック・パークが積極的だった時代の作品の方が味わいがあってよかったです。ショーンは独自に取り上げられたり、お菓子の宣伝に使われたりと商業的には大活躍ですが、何となくパークが作ったキャラクターから逸脱したような感じがします。
英国の児童小説のアニメ化。
短編アニメ
外国語映画
撮影
メキシコ人。有名作品を多く手がけている。
後記: レヴェナント 蘇えりし者は12部門ノミネートで打率25%。カプリオの受賞は意外でしたが、監督の2年連続もオスカー史上3回目という珍しさ。そこへ殴り込みをかけたルベツキー。彼は5回ノミネートされた後、史上初3年連続で受賞をしています。
有名作品を多く手がけている。タランティーノの作品はキル・ビル2本、イングロリアス・バスターズ、ジャンゴ 繋がれざる者を担当。
発表前の後記: ちょっと前までファンタ会場だったベルリンで1番設備のいい大型スクリーンの映画館で見たのですが、失敗でした。実はタランティーノはこの作品を70ミリで撮影させており、ベルリン映画祭の会場にもなる別な映画館では70ミリで上映されていたのです。そちらを見たかったです。それを見てからでないと撮影監督がオスカーに値するか判断が難しいです。私の見たバージョンでは巷で言われているほど雪のシーンが効果的ではありませんでした。ドラマは家の中で進みます。
オーストラリア人。有名作品を多く手がけている。過去のマッドマックスはやっていない。
米メキシコ国境の麻薬密輸を描いたアクション映画。コロンビア人も出張して来ている。ディーキンスは英国人。1990年頃からアメリカでも仕事をするようになる。コーエン作品専門。1994年から12回オスカーにノミネートされる。
美術
ギブソンは90年代のオーストラリアの有名な作品で美術をやっていた人。
後記: メイクとヘア同様、この受賞に疑問を持った人もいました。
衣装
英国人。オスカーのノミネートは多く、受賞もしている。
後記: この受賞にも疑問を持った人がいました。
ダブル・ノミネート。1994年からちょくちょくノミネートされている。有名な作品が多い。
スペイン人かなと思いますが、詳細不明。
音響
音響は特に目立って良くも、悪くもありませんでした。
後記: 人材不足なのかダブル・ノミネートの人もいます。
編集
音響編集
さほど音響効果で強い印象は残りませんでした。
視覚効果
候補に挙がった他の作品ではオデッセイしか見ていませんが、エクス・マキナは視覚効果に気を使った作品です。いいのはロボットのシーンだけではありません。
後記: 小ぶりの作品ですが、視覚効果は丁寧な作業をしていましたので、このカテゴリーで賞が行くのは今年の範囲では納得。別な年にはもっと凄い作品もありましたけれど。
この種の SF としては視覚効果が目立っていいということはありませんでした。スコットの作品ではもっと視覚効果が優れている作品が複数あります。
メイクアップとヘア
後記: この受賞には疑問を持った人が多かったです。
スウェーデンの小説の映画化。主人公は100歳の元爆弾専門家。内容はコメディー。100歳の誕生日の頃養老院暮らしだった主人公が大金を入手。警察と金の持ち主のやくざに追いかけられる羽目になる。
音楽(オリジナル・ソング)
サム・スミスってそんなに凄い歌手なんだろうか。曲は聴いたことがあるのですが、作られた歌手という印象。同じぐらいの年齢でもっと上手な歌手たくさんいるような気が・・・。
後記: この歌手がへたくそだという意見は変わりません。何しろほぼ毎日彼のヒット曲を聞かされていたもので。ボンド映画はジョン・バリーの頃のように印象に残る曲が出なくなったという印象はありますが、ちょっと前の女性歌手の曲も、この曲も楽曲としてはいい作品と思います。ただ、前の女性歌手のコンサート・ビデオを見たら歌は下手でした。録音の時に何度も取り直した結果よさそうに聞こえるようになったのかも知れません。ジョン・バリーの頃の歌手は普段の舞台でも歌唱力が安定していました。
音楽(作曲)
有力候補。
発表前の後記: 見ました。せっかくモリコーネを呼んで来たのに以前の彼らしさも無く、新しい感じでもありませんでした。これでオスカー取ったら下駄を履かせ過ぎ。最後にごくわずかかつてのスパゲッティー・ウェスタン(= 日本で言うマカロニ・ウエスタン)の面影がちらつきました。ファンとしては全編をスパゲッティーにしてくれるか、全く違うけれどシーンに合ったギャグを入れた音にしてくれれば良かったのにと思います。
発表後の後記: モリコーネに賞というのは個人的にはうれしいです。オスカーには7回ノミネートされ、貰えたのは2007年の栄誉賞だけだったですからねえ。本当ならマカロニ・ウェスタンの曲であげたかったですが、当時イタリア・ウェスタンは際物扱いだったので、その頃貰えなかったのはまあ仕方ないでしょう。でも随分待たせたものです。栄誉賞は死が近づいた人にあげると言われることもあるらしく、タランティーノがモリコーネを無理やり呼び出したのは親切だったと思います。以前にもある大俳優が栄誉賞を貰いカチンと来たらしく、その後にいい作品に出演して俳優としてのオスカーを取ったことがありました。ただ、上にも書いたようにモリコーネらしさがヘイトフル・エイトにはあまり感じられなかったので、タランティーノともう1本マカロニ・ウェスタンでも作ってもらい、これぞモリコーネというメロディーが聞きたいです。今年の秋には米寿。
今年50回目のノミネート。5回受賞。うちスピールバーグ作品が3本、ルーカス作品が1本。
短篇
ドイツ、オーストリー作品なので、タイトルはドイツ語。
ドキュメンタリー(短篇)
ドキュメンタリー
有り余るほどの才能があったのに、周囲の人から利用されまくり、27歳で早死にしたという印象を残したエイミー・ワインハウスがテーマ。この映画でまた荒稼ぎする人がいるのは芸能界では仕方のないことでしょう。記録映画としては英国では史上2位の興行成績だったそうです。アイルトン・セナ 音速の彼方への監督。
後記: やっぱり死後も骨の髄まで利用するんだ。
1960年代にインドネシアで100万人が死亡したとされる事件。同監督が同事件を扱った作品にアクト・オブ・キリングというのがあり、そちらもドキュメンタリー映画で、主題は加害者。一体どうやって100万人もの人を殺すことができたのか自体が不思議ですが、その人物は現在もいい暮らしをしているそうです。当時監督は被害者を取材したかったのですが、それがかなわず、加害者を取材。
今回ようやく被害者を取材することができ、ルック・オブ・サイレンスを発表。被害者の肉親がアクト・オブ・キリングを見て驚き、監督、加害者と連絡を取り、トリックを使って加害者とコンタクト。そこで加害者の重要な発言を引き出すことに成功したとのことです。そういう意味では初心がぐにゃっと曲がってしまったアクト・オブ・キリングも作った甲斐があったというものです。
ソ連が崩壊した後各方面から利用されっぱなしのウクライナ。ウクライナ人自身もはっきりとした自立を示すほどの高い自由への意志が育つ時間が足りず、苦労の多い時代に突入してからもうかなりになります。最近は表立った戦闘も起こる事態に発展。この作品が扱ったのは2014年の抗議活動。
名誉賞
後記: スパイク・リーは授賞式欠席。受賞を受け入れたのか、後日賞が渡されるのかは不明。理由は2年連続俳優の賞が白人のみだったこと。黒人の俳優はすでにたくさんおり、監督は少しずつ増えて来ているので、今後は黒人の技術者も増やし、黒人が主演の映画を増やす方向に行ってはどうだろうと思います。音楽界には黒人の方が圧倒的に有利な部門もすでにできていますから、映画も続いてはどうでしょう。
Jean Hersholt 人道賞
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