Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


遊長寧公主流杯池二十五首之十一

上官婉兒

暫爾遊山第,
淹留惜未歸。
霞窗明月滿,
澗戸白雲飛。
書引藤爲架,
人將薜作衣。
此眞攀玩所,
臨睨賞光輝。






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長寧公主の流杯池に遊ぶ 二十五首之十一
  
暫爾ざん じ   山第さんていに遊び,
淹留えんりう  おしみて いまだ歸らず。
霞窗 か さうに  明月 滿ち,
澗戸かん こ に  白雲 飛ぶ。
書 とうって  し,
人 へいって  衣とす。
まことに  玩所ぐゎんしょしたひ,
臨睨りんげいに  光輝を賞す。


                     ****************


◎ 私感註釈

※上官婉兒:〔じゃうくゎん・ゑんじ;ShàngguānWǎn'ér〕「上官」は複姓の一。664年(麟徳元年)~710年(景龍四年/唐隆元年/景雲元年)。唐代の女官。唐・中宗の時、昭容の職位に就く。陝州陝県(現・河南省)の人。上官儀の孫で才媛。後に、政変のため殺された。『中国大百科全書 中国文学Ⅱ』693ページには「Shangguan Wan'er」と載っている。(蛇足になるが、中国映画『武則天』では、則天武后は上官婉兒を「ShàngguānWǎr」と呼んでいた。)


※遊長寧公主流杯池二十五首:長寧公主の流杯池で(曲水流觴の宴で)遊ぶ。 *これはその際の二十五首の十一で、陶淵明の『桃花源記』「晉太元中,武陵人捕魚爲業,縁溪行,忘路之遠近,忽逢桃花林。夾岸數百歩,中無雜樹。芳草鮮美,落英繽紛。漁人甚異之,復前行,欲窮其林。林盡水源,便得一山。山有小口。髣髴若有光。便舎船從口入。初極狹,纔通人。復行數十歩,豁然開朗。土地平曠,屋舍儼然,有良田美池桑竹之屬。阡陌交通,鷄犬相聞。其中往來種作,男女衣著,悉如外人。黄髮垂髫,並怡然自樂。見漁人,乃大驚,問所從來。具答之,便要還家。設酒殺鷄作食。村中聞有此人,咸來問訊。自云:先世避秦時亂,率妻子邑人來此絶境,不復出焉。」の趣がある。二十五首全て、仙境を詠う。 ・長寧公主:中宗(李顕)の娘。中宗と韋后との間に生まれる。 ・流杯池:杯を流す池。曲がりくねった小川状の細長い池。ここで杯を水面に浮かべ、杯が自分の前を流れ過ぎてしまわないうちに詩を作る風雅な遊びをする。もと、陰暦三月三日の風習なので、この二十五首も上巳節の宴の即席の作になろうか。

※暫爾遊山第:山の中にあるやしきで、しばらく心を慰め楽しんでいて。 ・暫爾:〔ざん;zhan4●〕しばし(…する)。しばらく(…する)。わずかの時間(…する)。「爾」は副詞接尾字として用いられる。…に。…と。「暫
」「率」「卒」「莞」等。 ・暫:〔ざん;zhan4●〕しばらく。しばし。わずかの時間。後出『楚辭』『招隱士』の青字参照。 ・遊:心を慰め楽しむ。後出『楚辭』『招隱士』の紫字参照。 ・第:〔てい、だい;di4●〕やしき。 ・山第:山の中にあるやしき。

※淹留惜未歸:逗留して、おしいことにはまだ返ってこない。 ・淹留:〔えんりう;yan1liu2○○〕滞在する。逗留する。宋玉『楚辭』『招隱士』「攀援桂枝兮
淹留。王孫不歸,春草生兮萋萋。」とある。 ・惜:たいせつにする。むさぼる。惜しい(ことには)。 ・未歸:戻ってこない。前出『楚辭』『招隱士』の黒字参照。

※霞窗明月滿:朝焼けや夕焼けに染まる(仙境の居処の)窓辺に、澄んだ月がまんまるになり。 ・霞窗:朝焼けや夕焼けに染まる仙境の居処の窓辺。「霞」(朝焼け、夕焼けの「やけ」)は仙境を暗示することば。 ・明月:晴れた夜空の澄んだ月。 ・滿:いっぱいになる。また、まんまるになる。満月になるまでの期間で十五日。

※澗戸白雲飛:谷川沿いの家には、(俗塵を離れた)白い雲が勢いよく流れている。 ・澗戸:〔かんこ;jian4hu4●●〕谷川沿いの家。 ・白雲:白い雲。人間世界を離れた超俗的な雰囲気を持つ語で、仏教、道教では、「仙」「天」の趣を漂わせる。ただの白い雲ではない。晋・謝靈運の『過始寧墅』に「山行窮登頓,水渉盡洄沿。巖峭嶺稠疊,洲渚連綿。白雲抱幽石,綠筱媚淸漣。葺宇臨迴江,築觀基曾巓。」や唐・王維の『送別』「下馬飮君酒,問君何所之。君言不得意,歸臥南山陲。但去莫復問,白雲無盡時。」 や蘇の『汾上驚秋』「北風吹白雲, 萬里渡河汾。心緒逢搖落,秋聲不可聞。」 王之煥に「黄河遠上白雲,一片孤城萬仞山。羌笛何須怨楊柳,春風不度玉門關。」や、盛唐・李白の『憶東山』「不向東山久,薔薇幾度花。
白雲還自散,明月落誰家。」や、寒山の「重巖我卜居,鳥道絶人跡。庭際何所有,白雲抱幽石。住茲凡幾年,屡見春冬易。寄語鐘鼎家,虚名定無益。」、晩唐・杜牧の『山行』「遠上寒山石徑斜,白雲生處有人家。停車坐愛楓林晩,霜葉紅於二月花。」、など多く俗塵を超越したものとして詠まれる。

※書引藤爲架:(本を読むには)フジのような蔓(つる)性の植物で書架(或いは藤棚を)を作り。 ・引:もってくる。あげもちいる。 ・藤:カズラ。つる状に生える植物の総称。フジ。この字は「藤」である(写真:右『全唐詩』康煕揚州詩局本 縮印 上海古籍出版社)が、竹のように自由に曲げて家具を作るのは「籐」(とう)で、ここでは、「籐」の意味でもある。 ・爲架:書架とする。また、藤棚を作る。

※人將薜作衣:人は蔓(つる)草の薜(へい)で(仙人のように)衣服を作っている。 ・將:…を以て。 ・薜:〔へい;hei4●〕マサキノカズラ。つる草の一種。「薜」で作った衣服とは、隠者の服のこと。 ・作衣:衣服とする。衣裳を作る。

※此真攀玩所:ここは、まったく深く味わう場所であって。 ・攀:〔はん;pan1○〕したう。ひく。とりつく。たよる。 ・玩所:〔ぐゎんしょ;wan2suo3◎●〕深く味わうところ。ここは「桂府」ともする。月世界の宮殿の意で、「攀桂府」(月世界の宮殿に攀(よじのぼ)る)ことで「立身出世する」意。また「攀玩」を「攀翫」と見れば「もてあそぶ」意。

※臨睨賞光輝:日が西に傾く時刻に、(夕日に照らし出された仙境の)輝きをめでよう。 ・臨睨:〔りんげい;lin2ni4○●〕日が西に傾く時刻になりかかる。 ・睨:〔げい;ni4●〕日が西に傾く。 ・賞:ほめあじわう。めでる。 ・光輝:光り輝くこと。かがやき。名詞。

               ***********




◎ 構成について

韻式は、「AAAA」。韻脚は「歸飛衣輝」で、平水韻上平五微。この作品の平仄は、次の通り。


●●○○●,
○○●●○。(韻)
○○○●●,
●●●○○。(韻)
○●○○●,
○○●●○。(韻)
●○○◎●,
○●●○○。(韻)

2008.12.29
     12.31
2009. 1. 1



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