フレーム
サンクト・ペテルブルク観光編タイトル
<文責:女王様1号>

※ 1ルーブル=4円弱(2004年7月当時) ※


◆ 4日目後半 ◆
  カザン聖堂
 午後は、バレエ鑑賞までの時間が帯に短し襷に長し。 イリーナ2号は「今日はイサク聖堂は休み」と言っていたが、ガイドブックを見たら木曜休(この日は水曜)になっていたのでダメ元でイサク聖堂まで歩いて行ってみたのだが、やっぱり休みだった(爆)。 みなさーん、イサク聖堂の休みは水曜ですー。「地球の歩き方」の誤植に惑わされないようにー。
 足も疲れていたし(イサク聖堂までの無駄足で疲労感倍増)、一応バレエ鑑賞モードということでジーンズではない服に着替えもしたかったので、とりあえずホテルに戻ることにしたが、最寄りの地下鉄駅までがまたまた遠い。 女王様1号は午前中からの蓄積で足が筋肉痛になり、それでも歩き続けていたので、最後には乳酸が分解されて筋肉痛が治ってしまうほどだった(?)。一方、女王様3号には歩きすぎでギックリ腰の危機が訪れていた。 (^^;
アレクサンドリンスキー劇場外観  右上写真は地下鉄ガスティーヌィ・ドヴォール駅に向かう途中で眺めたカザン聖堂(http://www.kazansky.ru/)。半円状に広がった回廊が特徴的。

 駅からホテルへの方角がつかめなかったりしたせいで、ホテルの部屋で休めたのは正味1時間くらいだったが、それでも多少は元気を回復。再度地下鉄に乗り込んで街の中央へと向かった。
 会場のアレクサンドリンスキー劇場(http://www.ticketsofrussia.ru/theatres/alexandrinsky.html)はサンクト・ペテルブルクで最も古いドラマ劇場。ドラマ劇場というからには本来は演劇用なのだろうが、夏期はバレエの特別公演が行われている。 そして劇場手前のオストロフスキー広場には、エカテリーナ2世と9人のしもべたち(?)の像(左上写真)があるのだ。 この「アレクサンドリンスキー劇場をバックにしたエカテリーナ2世像」という構図は、池田理代子の「女帝エカテリーナ」の冒頭部分にもバッチリ登場している。
エカテリーナ2世とポチョムキン オルロフ(多分)
ダーシュコヴァ夫人
 台座部分でさまざまなポーズをとっているしもべたち(要するに寵臣)だが、ぐるっと一回りして見てみると、やはりポジショニングに彼らの評価が反映されているような気がする。
 エカテリーナ2世の愛人であっただけでなく、軍人としても大きな業績を残したポチョムキンは、女帝の左足の下というほぼ正面の位置で胸を反らせて余裕の笑顔(右下写真左)。
 一方、愛人であったという点では同じだが、無能者で、巨大ダイヤをプレゼントしたにもかかわらず愛想をつかされてしまったオフロフくんは、真後ろに追いやられていた(右下写真右上)。
 右横の方には紅一点のダーシュコヴァ夫人がいた(右下写真右下)。アカデミー長官だったのでインテリっぽく?読書中のポーズ。しもべたちがみんなエカテリーナ2世の愛人だったわけではありません(笑)。
アレクサンドリンスキー劇場内部  と、像の写真を撮っているうちに7時を回ったので、そろそろ建物の中へ移動。

 女王様たちが渡されていたチケットはロシア人用で値段950ルーブルというものだったので、入場時には「ちゃんと外国人料金との差額も払ってますよー」というレシートも一緒に見せる
 劇場内の見取り図などという親切なモノは見当たらないので、とにかく他の人の後ろにくっついて適当な入口から中に進み、赤絨毯の敷かれた狭い階段を通って客席へ。女王様たちの席は前から5列目で正面よりやや右寄りだった。 位置的には悪くない。オーケストラピットの中も見える。しかし平土間に並べられている椅子は結構小さくて固かった
 内部は赤を基調とした装飾で、それほど広くはないけれど、なかなかゴージャス。後方にはロイヤルボックスもある(左下写真)。 7時半の開演時には、ほぼ満席状態だった(チケットを買うときに、イリーナ2号が「当日買えるのは珍しいですよ」と言っていた)。客層は大半が外国人観光客だったと思われる。

 それでは、以下はガイドブックやホームページから得たニワカ知識&あくまでもバレエ初心者から見た感想を含めて、この日見た「白鳥の湖」の超テキトー解説。

第1幕第1場 城の庭
明日成人式を迎える王子。前祝いということで、友人たち、侍女たち、道化などと踊っている。そこに母親の王妃登場。 「あーたもオトナなんだから明日は花嫁を選んでもらいますよ、オーホホホ」てなことをのたまうので、その気のない王子はブルーに。気晴らしに森へ狩りに向かう。

肝心の王子がねぇ…カッコよくなかった。長身で手足がひょろ長いのだが、顔も長かったし(笑)。なぜか父王不在のため、どうもマザコン臭がするし。友人その1の方が全盛期のディカプリオみたいな顔で目の保養になったかも。
道化は跳んだり跳ねたり頑張っていた。回転ジャンプの着地でちょっとよろけたりもしたが。こういうコミカルな役を「キャラクテール」というそうで、テクニックはあるが身長が低いダンサーがやることが多いらしい。

第1幕第2場 森の中の湖
悪魔ロットバルトに呪いをかけられていて、夜の間だけ人間の姿に戻れる白鳥たち。中でもオデット姫の美しさに王子はメロメロになり、押しの一手で口説く。やがてオデットも乗り気に。 永遠の愛の誓いによって呪いは解けるということで、王子は明日の成人式にオデットを招く。

ここは4羽の白鳥の踊りもあるし、有名な♪チャ~ラリラリラ~という曲が流れてプリマも舞うし、「白鳥の湖」の中でも最も見せ場が多いところ。 その他大勢の白鳥たちのレベルは素人目にも「?」なところがあったのだが、さすがにプリマは上手かった。「ああ、確かに白鳥だよ~」という感じ(?)。
しかーし! 見せ場が多いだけに、客席でバシバシとフラッシュを焚いて写真撮影している輩が多かった! マナーは守ってもらいたいものです。 (-_-#

幕間
ロビーに出てカナッペを食べた後、グッズ売場を物色し、プログラム 150ルーブルを購入した。
このプログラムは今回の公演用というわけではなく、「白鳥の湖」「ジゼル」「くるみ割り人形」という3大演目の内容と歴史、劇場についてもこのアレクサンドリンスキー劇場の他にもう1ヶ所が紹介されている汎用プログラム。 カラー写真もたくさん載っていて豪華なのだが、今日の出演者については名前の印刷されたわら半紙が挟み込まれているだけだった。
また、こちらは英・独・仏3ヶ国語バージョンだったが、ロシア人用(ロシア語オンリー) 20ルーブルというプログラムもあった。ロシア人用プログラムはオールわら半紙で写真などナシ。

第2幕第1場 城の大広間
いよいよ成人式。オデットを待っている王子のもとに、ナゾの貴族がオデットそっくりの娘を連れて登場。その正体は、悪魔とその娘オディール(黒鳥)だった! しかしアホアホ王子はまんまと騙されて、オディールに愛を誓ってしまう。 それを窓の外から見たオデットはガーン、ショックショック!で悲しみながら去る。悪魔たちは高笑い。

オデットとオディールは同じバレリーナが演じ分けることが多いらしいのだが、今回は違う人がやっていた。なので、「そっくりの娘」だと頭では理解していても見た目はまったく違うもんだから、どうしても「なんで見分けがつかないんだ、このアホ王子は」と思ってしまうのだ(笑)。 最後、オデットを追っていくことを決意したときの空を指さして思わせぶりに見上げるポーズもマヌケさが拭えない
この場しか出番のないオディールは、32連続回転ワザを披露して拍手を浴びていた。

第2幕第2場 森の中の湖
オデットを追ってきた王子は悪魔との戦いに挑む。どう見ても勝ち目はなさそうに思われたが、王子が悪魔の片翼をビリビリと破くと意外にアッサリと悪魔死亡。 オデットを始め、白鳥たちは呪いが解けて人間の姿に戻り、めでたしめでたしのハッピーエンド。

悪魔のコスチュームは全身黒ずくめのガッチャマン(笑)みたいなのだが、これで踊るのは王子よりはるかにテクニックが要ると思われる。
今回はハッピーエンドだったが、「白鳥の湖」には悲観したオデットが湖に身投げ→王子も後追い身投げ→天国で一緒になろうね、のバッドエンド版もあるそうだ。 ここまでの王子のヘタレっぷりからするととても悪魔には勝てなそうなので、バッドエンド版の方が無理がない…かもしれない。

 そもそもバレエやオペラは冬場がメインで、有名どころは夏場は外国に出稼ぎに出てしまうため、こういうところで演じているのは所詮観光客向けレベル。 でも、初心者がバレエ入門として見る分には十分ではないでしょーか。少なくとも女王様たちは、初の生バレエ鑑賞に満足できた。
 終演は9時頃。旅行会社のオプショナルで来ている人々が専用車で楽々ホテルに戻るのを横目で見つつ、女王様たちはすっかり慣れた地下鉄を乗りこなして帰着。 ホテルに着いたら10時過ぎていたが、サンクト・ペテルブルクはモスクワより北にある分、10時過ぎてもまだ薄暮状態だったので助かった。

《PREV》 《NEXT》

[トップ] [モスクワ観光編] [食事編] [乗り物編] [ホテル編] [番外編]

海外旅行記一覧へ
旅好き3女王様の小帝国トップへ