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ニューヨークの恋人 /
Kate & Leopold

James Mangold

2001 USA 121 Min.

出演者

Meg Ryan
(Kate McKay -
宣伝会社のキャリア・ウーマン)

Hugh Jackman
(Leopold Alexis Elijah Walker Gareth Thomas Mountbatten -
ビクトリア時代の上流階級の青年)

Liev Schreiber
(Stuart Besser -
ケイトの元恋人)

Breckin Lyonne
(Charlie Mckay -
ケイトの弟)

Paxton Whitehead
(Millard -
レオポルドの伯父)

見た時期:2002年8月

この作品去年の夏に見たのですが、他の作品の記事がどんどん重なり、映画祭の記事も書いているうちに出しそびれてしまいました。遅まきながら今頃出します。

ストーリーの説明あり

企画のアイディアは悪くありません。大スター、メル・ギブソンも女心の研究に乗り出したばかりですので、大スター、メグ・ライアンが理想の男性探索に乗り出してもかまわないでしょう。相手役もなかなかいい男性を選んであります。今売りだし中のヒュー・ジャックマン

タイムマシン物で、リエフ・シュライバー演じるところのスチュワート・ベッサー(ベッサーというのはドイツ語で「より良い(英語のベター)」という意味)がニューヨークの橋の所に時間を飛び越える亀裂を発見します。自分でまず試してみて、実際に1800年代に飛び込みます。古臭い洋服を着て、小型カメラなどを持って現地で情報収集しているところで、ジャックマン演じるレオポルドの目にとまり、追いかけられます。橋に戻り、亀裂に飛び込もうとするのを飛び降り自殺と間違えられ、レオポルドがスチュワートを救おうとするため、2人とも亀裂に落ち、レオポルドは現代に迷い込んでしまいます。

レオポルドは頭は悪い方ではないので、説明を受けて自分の状況をざっと理解したところで、スチュワートは偶然というか必然というか事故に遭って病院へ。この事故が無いと物語がややこしくならず、すぐ終わってしまいます。事故のおかげでレオポルドとは連絡がつかなくなってしまいます。他の人は事情を理解しない!そのために起こるコメディーです。

レオポルドは当時の上流階級の男性として知っているべきマナーを全部マスターしているので、女性の扱いも現代の男とは全然違います。とても丁寧で、女性に敬意を表します。それでメグ・ライアン演じるケイトは当惑しながらもだんだん彼に惹かれて行くという筋。ラブ・コメディーの典型です。普段のメグ・ライアンだったら軽くこなし、大ヒットしたことでしょう。

ところがどうしたことか、彼女のコンディションは最悪です。体調を崩していたのか、ストレスが重なっていたのか、理由はともかく、普段コンスタントにベストな状態を保っていた人にしては珍しい事です。外見だけでなく、何となく彼女が乗っていない様子も伝わって来ます。撮影時期とあの大騒ぎのゴシップの時期が重なっていたんでしょうか。いつもの彼女だったらさらっと笑いを取ることができたのではないかと思います。

ライアン本人はラブ・コメディーというイメージを押しつけられて迷惑しているというインタビューを読んだことがあります。「全作品の3分の1しかコメディーはやっていないのに、コメディーのイメージしか観客の記憶に残らない」と腐っていました。実際彼女の目を見ると悲しそうで、口元だけが笑っているのを見かけることもあります。ブラッド・ピットのようにファンに押しつけられたイメージに対して堂々と居直り、その範囲でできるだけいたずらをやるという悟りには至っていないようです。「ハリウッドでも自分ほどラブ・コメディーが上手く演じられる女優はいない」と考えて才能に誇りを持っても良いのではないかと思います。それに、そういう風に長年コメディーのイメージを重ねておいて、ある日突然こわーいスリラーの主演をやったりという風にして観客をあっと言わせてくれても、私は文句言いません。ロビン・ウィリアムズが最近自分のイメージを逆手にとってあっと言わせてくれました。

対するヒュー・ジャックマンの方ですが、オセアニアの人はよく勉強するなあ、と感心しました。馬に乗っているシーンがカッコイイ。姿勢が決まっています。中世の騎士でも、西部劇でも行けそうです。クリント・イーストウッドの後継者と言われていますが、西部の田舎のカウボーイでも、大都会の鬼刑事でも行けそうです。そして、ビクトリア時代の貴公子で通るマナーも一夜漬けで頭に詰め込んだという印象ではありませんでした。これまでにファンタジー(X−メンX2)、ラブ・ロマンス(恋する遺伝子)、アクション(ソードフィッシュ)を見ましたが、着実にこなしているという感じがします。

つい最近リエフ・シュライバーをベン・アフレックのアクション映画トータル・フィアーズで見たばかりです。ニューヨークの恋人にも彼のアクション・シーンはありますが、エレベーターで墜落して怪我をするというアクション。アクシデントと言った方がいいです。あとは包帯でぐるぐる巻きにされて精神病院へ押しこまれ災難続き。ですからカッコ良さから言うとトータル・フィアーズの方がいいです。個性があるんでしょうか、チラッと印象に残る人です。

後記: そうこうしているうちにメグ・ライアンを追ってリース・ウィザースプーンがラブ・コメディーの王女様のように登場しています。どうやらバトンタッチが始まったようです。リースは実はかなり頭の良い人で、複雑な難しい役もできるのですが、当面ラブ・コメディーで行くという方針に決めたようで、不満そうではありません。子供はご主人のライアン・フィリップに任せて、暫く彼女がお金を稼ぐのだそうです。ヒュー・ジャックマンの方もどんどん売れ、X2では主演。

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