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ファンタ速報 
前夜祭(前菜)

2004年3月19日-20日

見て来ました。前夜祭としては6本はかなりの数。今年もファンタが始まったという雰囲気が出ます。初日はかなり大きめのホールがほぼ満員。2日目はやや減りましたが、まあ、成功と言えるでしょう。両方行くとかなりの出費になるので半分にした人もいたのではないかと思います。1番素晴らしい作品が2日目に来たので見逃した人も。

作品のレベルは例によってA級と言ってもいいようなのを1つ、B級を何本もという組み合わせ。普段はすぐビデオに行ってしまうような作品、B級のスプレッターなどを好む人の集まりなので、これでいいのです。やや残念だったのは力作と言えそうな韓国の作品が2本とも空振りに終わったこと。特に SF は「具が多い」のに最後の出来上がりが的を逃し、観客は退屈だと言っていました。

では軽くコメントを。

早々とファンタ速報です。

いやあ、その辺の政治家はファンタの主催者の爪の垢を煎じて飲んでいただきたい。去年言っていた通り、今年のファンタの前菜は倍増されました。今年は2日間、6本。

さて、今回のつまみ食い、いえ、オードブルは以下の6作。

  • ブルーベリー / Blueberry
    F/UK 2004 122 Min Jan Kounen
  • マンガの映画化。ドイツ初公開。ドーベルマンの監督と主演

    ユニークなスターを集めて作ったウエスタン。凄い。お薦め。この監督と主演(ヴァンサン・カッセル)が組むとティム・バートン+ジョニー・デップのように1+1=2でなく数倍の良さ。役どころは話題作アレックスよりずっと良く、ウエスタンの嫌いな人にもお薦め。私はウエスタン嫌いですが、2時間以上画面に釘付け。

  • デス・サイト / Il cartaio / The Card Player / The Card Dealer
    I 2004 96 Min Dario Argento
  • アルジェントなのでちょっと心配。

    ・・・と気になりました。この心配はファンタの常連全員共通。そのわりには出来が良かったです。プロットなどもこれまでのアルジェントよりは動きがあり、俳優も渋く、全体でアルジェントとしてはややレベル・アップ。

  • ドーン・オブ・ザ・デッド / Dawn of the dead
    USA 2004 95 Min Zack Snyder
  • ゾンビ映画

    初日バカ受け。他がだめだったせいもありますが、B級ゾンビ・アクションとしては退屈させず、上手く作ってあります。昨年の28日後・・・をB級にレベルを定め、スパイダー・パニック!を手本にして作り変えたような出来。ポップコーン買って友達と映画館にすわって楽しむのにぴったり。できれば1人きり、2人きりでなく数人でどうぞ。わいわい、がやがや楽しめます。

  • ナチュラル・シティ / Natural City
    Korea 2003 114 Min Min Byung-chun
  • ブレードランナー系クローン映画

    いやあ、残念だった。私個人は敢闘賞ぐらいあげるのにためらいを感じません。ハリウッド映画と競争できるぐらいの良い部分がいくつも集積しているのです。ところがストーリーが弱かったのか、繰り返しが多過ぎたのか、理由は今1つはっきりしないのですが、出来上がったのは2時間の超退屈作品。仲間全員「退屈」の一言で一刀両断。私は東洋人だからそうやって斬り捨てる気にはならない。俳優はかなり頑張っていた。これほど惜しいと思ったことはありません。そのうちに記事出します。

  • Janghwa, Hongryeon / 姉魅情深 / A Tale of Two Sisters
    Korea 2003 115 Min Kim Ji-woon
  • ホラー系家庭問題映画

    これも力がこもっているのにだめでした。ファンタのファンはスリラー慣れしている上、ドイツ人は昔から一般的に心理学に詳しいので、最後に隠してあった秘密が途中から予想できてしまう人もおり、継子苛めもあまり好かれるテーマでなかったなど、俳優の努力が充分伝わって来ませんでした。私もややしつこいという感じがしました。俳優が頑張っているのは良く分かるんだけれど。映画作る時匙加減が難しいのだとつくづく感じます。

  • ツールボックス・マーダー / The Toolbox Murders
    USA 2003 94 Min Tobe Hooper
  • ホラー

    2日目の2番目に評判のいい作品。こういうのが大好きというファンタ・ファンもいるので満足げな人が多かったです。これもB級ですが、リメイクのオリジナルを知っている人たちは全員前の作品を越えた!と喜んでいました。私はこれしか見ていませんが、ハラハラし通しで、犯人は当たらなかったし、死体はゾロゾロ出てくるし、ギャーと叫んでも犠牲者は助からないし、ハッピーエンドには???と疑問符が付くし、なかなかの力作。タイトルがいかにもアホらしく、それでいて当を得ているのでそれがまたいい。1978年版よりいいという話を聞きました。

    同じ年の夏のファンタでも再上映。

    ところで去年の前菜に出た28日後・・・は日本では二通りの結末が紹介されたんですか?本当に?ドイツではそんなサービスはありませんでした。先行きの明るいバージョンだけです。先日インターネットを見ていたら、日本では暗い未来と明るい未来の両方のバージョンが映画館で紹介されたという書き込みがあり、びっくり。ファンタの主催者も観客もハードコアの映画ファンだから(今年のベルリン映画祭の話ではありません。くれぐれも誤解のないよう)、人類が滅びてしまうなどという夢も希望も無い SF でもかまわないのです。あのボイルの作品だから可愛くハッピーエンドで終わってしまうの何だか変だとは思っていたのですが。誰か見た人がいたら教えて下さい。

    2003年 ファンタ参加作品はこちら。

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