映画のページ
参加作品
開催:2011年8月
2011年のファンタが終了しました。前半は体調が整わず、きつかったですが、後半はいつもの調子で究極の睡眠不足を乗り切りました。
今年も監督や主演者が何人か訪伯し、私もおもしろいと思った作品の監督などと暫く話をする機会に恵まれました。最終日にはケッチャムの映画を作ったクルー、主演女優とゆっくり話をする機会まであり、幸運な一日でした。
★ 25周年の映画
25周年目に当たる今年のファンタ全体の評価は、私個人、仲間内の両方で低く、主催者もそう思っているらしき雰囲気が漂いました。ここ暫く毎年「あまりいい作品が無い」という声が出ていましたが、今年はさらに落ちた感じを抱いています。主催者としては立場上毎年「今年は最高の年だ」と言わなければなりませんが、率直な意見が見え隠れする正直さも備えています。
主催者は毎年カンヌ、ベルリン映画祭など主要な所に顔を出し、ファンタに合う作品を探し回り、前に聞いた話が本当だとすれば1年に3000作品を見るという人たち。良い作品があればすぐさま飛びつくはずです。なので質低下は主催者の責任と言うより、去年から今年にかけてはあまり良い作品が作られなかったと考えるべきでしょう。良い作品があるととことん粘ってファンタに呼ぶ人たちです。
今年目に見えて弱くなったと思えたのがアジア。一応それなりの体裁を整えていてもいつものインパクトに欠ける作品と、こんな作品を世に出したら国の恥だと思える作品が混ざっていました。アンディー・ラウ、ジャッキー・チャン、ドニー・イェンは得意分野でない作品にかり出され、それでも香港の面目を保つべく努力をしたらしい様子は見られますが、水を得た魚とは言い難いです。やはりこの人たちには得意分野で大活躍してもらいたいです。
★ 25年目のプレゼント
仲間内の親しさという点では良い年で、主催者と固定ファンの関係は良好。25周年だというので、のっけにここ10年以上毎年貰うTシャツだけでなく、プレゼント満杯のバッグを貰い、夏にクリスマスが来たかのようでした。DVDやブルーレイの他に、長時間の映画鑑賞に役立つだろうというので、旅行用の枕、映画鑑賞の合間に顔をふけそうな大きな濡れタオル、そしてバッグには入っていませんでしたが、3D用の眼鏡も無料プレゼント(本当は1ユーロほどする)。物を貰っても評価を緩めないのが私たち。買収されたりはしません。主催者も贈賄のつもりではなかったようです。
ただ、オープニングの挨拶の中で「君たちはまだどんな作品が来るか分からないのに、半年も前に大枚を振り込んでくれる」と感謝の言葉を述べていました。この話ごく一部の固定客の間でちらりと出た会話だったのですが、全く同じ事を主催者も考えていたのか、あるいはどこかから主催者の耳に入ったのかも知れません。25周年という節目なので、この際ちょっとサービスしようということだったのでしょう。
★ 最終日のサービス
最終日はいつものフィナーレに加え、技術的な問題で上映できなかった Sint を真夜中に上映。フィナーレと上映の間を持たせるためかパーティーも。普段ならビールかジュースを配るのですが、今年は Sint を見ながら眠ってしまわないようにエネルギー・ドリンクも配られました。
そう言えば今年はオープニングの時にも小さなパーティーがあり、シャンペンやジュースが配られました。
★ 個別の案件に言及いたします
ここでは大雑把な話をしますが、今年はこのページの個別のコメントを少し長めにしました。今後も暫く書き加えるかも知れません。後で個別の記事にする場合はそちらにコメントを移すかも知れません。
大きくABC(Aが良、Cがペケ)と分けると、今年はA級とはっきり言える作品がありませんでした。B級の中で上中下に分かれ、Bの中以下が多く、良さそうだという数本がBの上あたり。人が後々まで話題にしそうな作品は無し。殆どが中以下になってしまった理由として私は
@ スターがデフレ状態、
A 1度に2匹以上の鰌(ジャンルの客)を狙い、曖昧な作品ができてしまった、
B 世界の悪い出来事に影響されて、心からエンターテイメントに専念する人が映画を作る側も見る側も減った
などを考えてみました。
★ 暗い中でも
そんな中、1年に1度映画館に住んでいるような状態で1週間強を仲間と過ごすのは、暗い話ばかりの世の中でうれしい出来事と言えます。私たちは大雑把に言うといくつもの5人強のグループに分かれているのですが、対抗、敵対する派閥ではなく、仲間内で楽しく映画の話をするグループ。大人数だと1人が口を開く機会が減るので自然にこのぐらいの人数になっています。一時期人が減り、グループが小さくなった時は即座に近くにいたほかのグループと合併が起き、そのまま和気藹々とやっています。以前いくつかの映画祭を見たり、記者専用の試写会に顔を出したりしましたが、そういう所と全く雰囲気が違います。
グループができ始めた頃はまだ所謂ドイツ人らしく、周囲に対して距離を取る人が多く、オタク風の人も孤立している感じが漂ったのですが、間もなくオタクが受け入れられる場所になり、誰かが豊富な知識を披露すると、周囲が熱心に聞いたり、「僕も見た」とか「こういう映画もある」などと、意見交換、情報交換が行われるようになりました。ドイツ的な面がさっと消えた瞬間です。そして意外なことに年齢による層ができず、50代までの人たちががごちゃ混ぜになっています。
元からの知り合いを除いてはファンタ以外の所で付き合っている人は少なく、1年に1度(最近は2度)一緒に楽しい時を過ごし、終わるとまた散って行きます。
ところで、業界も最近の不調を自覚しているのか、今年はシナリオ募集広告がありました。何かおもしろい筋を考え出したら、採用されるらしいです。映画作りのアイディアも枯渇し始めたということなのでしょうか。
今年はファンタで初めて、ファンタに来ていた観客の中から監督に育った人の長編が上映されました。ドイツ系作品はお金だけ出した物を除いてまだ未熟な物が多く、この作品もいちゃもんをつけようと思えばつけられますが、25年目にしてついにファンタの観客から長編の監督に育った人が出たのは注目してもいいかも知れません。
時々書いたかと思いますが、ドイツ人監督は国内に留まった場合殆どが世界に通用しない作品を作っています。しかし短編、アニメには注目に値する作品があります。今年は1本しか出ませんでしたが、ファンタ自体の宣伝アニメもとてもかわいらしいです。何も映画を作るからと言って、2時間の作品に固執する必要はありません。才能のある所をのばせばいいのです。私はそういう所に期待しています。
4日目に入り、いくらか持ち直しました。おもしろいと言える作品、それなりのレベルの作品が出始めました。連続物の短編は2作出ましたが、こけています。今年の傾向は、実話が多い、主演の側から犠牲者が出る話の運びが多い、一般受けしそうな作品でファンタらしさが無い作品が多いことです。
今日は3日目です。今年の作品は2日だけを見るとレベルが落ちた感じがします。
20周年の時はあまり大騒ぎしなかったのですが、25周年の今年は毎年貰うTシャツの他にのっけにクリスマス・プレゼントかと言うようなプレゼント・バッグも貰いました。毎年通しのパスを買う人だけの特典。加えて1ユーロするはずの3D眼鏡もタダ。去年か一昨年内輪で「通しのパスを買う人たちは春先、まだどんな作品が来るか分からないのに主催者を信頼して大枚はたいて予約をする、この金で主催者側は多少資金繰りが良くなるのだから私たちもフェスティバルに貢献している・・・」ってな話を半分冗談、半分本気でしたことがあります。
驚いたことに主催者は今年冒頭の挨拶で全くこの通りの話をし、コアのファンに感謝の辞を述べました。どこかから主催者の耳にこの話が入ったのか、偶然同じことを思ったのかは分かりません。それに加えてこのプレゼントだったので驚いたの何のって。
主催者には他にも観客が何か頼んだり質問をすると、可能な限りそれに合わせてくれるという歴史があり、次の年に要望が実現していたりするなど日本式の顧客サービスの傾向が強いです。ドイツでは普段まず考えられない・・・。
これで参加作品は出揃いました。今年は48枠で短編がいつもの特集のほかにもたくさんあります。
アジアからの作品は今年は全般的に弱いです。
「ほぼ出揃った」などとデマを飛ばしてしまったようです。またドカ〜ンと長編が出ました。現在66本と、短編枠2つ。去年は見られる枠が47で、オープニングと、初日はプログラムが1本上映で作品がダブらなかったのですが、今年もそのぐらいの数行きそうです。
短編がまだ出ていません。今後もいくつか加わるかも知れませんが、長編はほぼ出揃ったようです。
参加作品が追加されました。現在約半分。今年は実話物が多いです。現在49本と短編5本。あと20本強あるのではと思います。
夏のファンタのプログラムが一部発表になりました。まだカテゴリーはきっちり分類されていませんので、取り敢えず未定の部分はタイトルだけご紹介。今年は25周年記念です。
現在までに発表されたタイトルを見ると20周年の頃メジャーの作品を避け、デビューしたての監督の作品を集め、ファンタ・ファンから喝采を浴びた時の傾向を彷彿とさせます。他にどんな作品が出るか楽しみです。
会場がまた2箇所になることが決まっており、両館を行き来するのが大変です。
参加予定作品
オープニング
リメイクで、オリジナルはテレビ・ドラマ。脚本と制作はギレルモ・デル・トロ。新居の古い屋敷に引っ越して来た父子とお父ちゃんの恋人。その家には秘密があった・・・という話。地下室の魔物のリメイク。
後記: オープニングの作品としては弱かったです。デル・トロ色は少なく、監督はまだ手馴れたとは言えない状態。良い点もあり、そこをのばせば今後はいい監督になるかも知れません。
良い点: 舞台に選んだ家屋、庭、脇役の老人2人。
興味を引いた点: 主演の少女役とケイティー・ホームズがホームズのご幼少時代を演じられるほど瓜二つ。2人の役は血の繋がった親子でも本人の若い頃と成人してからでもないので奇異な感じがしました。
お化け屋敷物としてはクラシックな路線。
特別上映
フォード、クレイグ、カラダイン、ロックウェルを呼んで来て、西部劇のSF。元ネタは2006年発行の漫画。時は1873年、所は米国アリゾナ。記憶を失った一匹狼がダニエル・クレイグ。ハリソン・フォード演じる大佐に仕切られた町に入って来ると、自分がお尋ね者の犯罪者だったことが分かる。ところがそこへなぜかエイリアンが襲撃して来るので、人類対エイリアンという構図になってしまい、人間の間で敵だ味方だと言っている暇が無くなる・・・という話だそうです。監督は俳優、監督、シナリオ・ライターでいくつか有名な作品に関わった人。
後記: 現在とちょっと前の大スターが並ぶのである程度のレベルは期待していましたが、逆に西部劇とエイリアンなのでゲテモノだとも思っていました。確かに変な組み合わせですが、驚くほど上手に組み合わせてありますので違和感無く話に入れます。
俳優の収穫は、フォードが久々元気で役に取り組み、しかもやや性格俳優的な色を帯びて来た点。大スタートしての役割に一時疲れているようでしたが、リセットが成功したようです。
ボンド役という国家の威信を背負っているわりに負担にはなっていないようなクレイグですが、ボンド以外の役では当分名を成す機会がもらえないだろうと思っていたら、カウボーイ & エイリアンではボンドのイメージを上手に利用してちゃっかり得をしています。
その他の俳優に有名人の名前も見え隠れしますが、脇役は上手にアンサンブルを作っておりキャストは大成功。SF方面は有名な成功作品からイメージをパクっていますが、こなし方が上手で、エンターテイメントを期待して見に来る観客には大受けしそうです。入場料を払っても損は無いと思います。どうせ見るなら映画館の大スクリーンをお薦めします。
死はまたもや若い人たちを追い掛け回します。ファンタ常連です。お馴染みのコンセプトは初回から同じ。日本人は欧米人に比べ人はいつか必ず死ぬものだ、生まれたとたん死に向かって進むんだと分かっていますから、恐怖心は少ないです。この映画のユーモラスな点は、その考えに至る時期と方法。
後記: これまでのパターンを崩さず、ファンの期待に応えた作品です。今回の最後の犠牲者が出るシーンには捻りが効いています。そこを理解するために1から4をご覧になるのもいいかと思います。
注目の作品
世界が滅ぶという時に科学者と調理師の恋愛物語が進行。
新型ビールス蔓延。伝染するとまず匂いを感じなくなり、次に歯止めの利かない食欲、次に味覚を失い、癇癪持ちになり、やがて聴覚を失い、最後は目が見えなくなるそうです。
私は去年の今頃新型のインフルエンザにやられ、嗅覚を失い、次に味覚を失い、次に食欲を失い、原因が分かるまでに5ヶ月、治療を始めたら副作用。ようやく治り始めたのが今年の夏。ところが今また嗅覚がやられ・・・という経験をしているところ。なので、他人事ではありません。
尤も、嗅覚を失うと食欲が無くなるのが普通の経過。味覚が嗅覚喪失と関連することが多いそうです。そして食欲が無くなれば栄養のバランスが崩れて鬱っぽくなるのが普通の経過で、癇癪を起こすような元気は出ません・・・。
有名スターも同じ病気になのか・・・などと興味津々。
後記: コニー・ニールセンがまたもやどこに出ているのか分からないほどの溶け込み方。スターを目指したのだとしたらちょっと不利。
新型インフルエンザで自分も似たような経験をしたためか、あまり楽しい作品ではありませんでした。私は1年経った今いくらか回復しましたが、まだ過去のレベルまでは来ていません。患者は私1人ではなかったらしく、治療法は決まっていました。2年ほどかかる上、完全に治癒するかは分からないのですが、それでも進行が止まったのはうれしいです。映画では全く先に希望の無いショーダウンになります。
注目の監督
似た感じの作品キック・アスをスター抜きで見たことがあります。そちらの方ぱっとしない若者がスーパーマンやスパイダーマン風のコスチュームを着てスーパーヒーローになったつもりに。ひょんな事から本当に誰かを救ってしまい、ドタバタに大発展するストーリーです。
スーパーの方はぱっとしないコックのフランクが悪漢に美人の妻を取られてしまい、取り返そうとするストーリー。スーパーヒーローのコスチュームを着たりします。そのためキック・アスと似たシーンが所々あります。
ケビン・ベーコンはファンタでは注目されているスターで、よく取り上げられます。
トレイラーで見た悪漢のケビン・ベーコンは一回り若返っていて、スティーヴン・ドーフと見間違いました。ちなみに美女はリブ・タイラー。スーパーのプレミアに来た父親とは顔の下半分がそっくり。目はお母さんから遺伝したようで、その結果稀代の美女誕生。知り合いはよく父親が野獣で娘が美女だ、遺伝学の奇跡だと言いますが、目をつける場所が違うと2人はそっくりに見えます。
後記: 監督か俳優が来ていたようなのですが、なぜか見る気がせず飛ばしました。中では盛り上がっていたようで、見た人もうれしそうな顔をしていました。
この作品の主演を演じたウィルソンは、メタルヘッドにも重要な役で出ていました。
代わりに見たフランス映画は良かったです。
アジア特集
世界初の3Dポルノ。乱交をやり尽くした末に元の妻が1番良かったと思い至るなんとも無駄なストーリー。なぜこんな作品を入れたのかと思ったら、原紗央莉がドイツ系の人物だそうです。
後記: 皆こういう作品だろうと覚悟を決めて見ましたが、予想通りでした。こんな作品に出る俳優は一体どう感じているのでしょうか。
ストーリーのあまりの弱さに呆気に取られます。演技は学芸会のレベルより落ちます。ポルノだから仕方ないのかも知れません。今年はアジア作品が弱いですが、この1作で今年のアジア作品全部の評判をがたっと落としています。私たち常連は3Dがどんな効果を出しているのかに興味を持ち見に行ったのですが、3Dにする必要が感じられず、期待はずれでした。
欧州、特にドイツ、オランダ、北欧などではポルノを見たければちゃんとしたのが見られます。年齢が厳しく区切られており、成人していればこんな子供だましの作品でない物がいくらでも見られる環境です。ファンタも18歳以下は入場禁止。ですので、ファンタに来ている人はポルノが見たければ堂々とそういう映画館に行くか、DVDを借りられます。なのでファンタの貴重な1枠をこの作品に使ったのはもったいない。
元ネタは埼玉で1993年に起きた連続殺人事件。園子温監督はベルリンでは偏重される印象があり、エクステ、Strange Circus 奇妙なサーカスは感心しませんでした。変わった事はできるけれど、普通のことができない人のような印象を受けます。冷たい熱帯魚は実話をベースにしたスリラーだというので、これまでと作風が違うのかもしれないと、今年はちょっと期待しています。
後記: 組んでいたフランス・アイルランド映画の方がいいという主催者の推薦に従い、こちらはパス。
最近三国志物が多いですが、また1つ。関羽という英雄が中心で、義を通す人間を描いているそうですが、所謂三国志からはやや外れて独特の解釈で作ってあるという話も耳にしました。今後も三国志物が出るのでしたら、1度読まないと行けませんが、長そうでまだ食指が動きません。
ドニー・イェンなど香港のギャグ物に出ると栄える人たちがなぜか鎧兜で歴史の戦争物に駆り出されています。やはり私は香港スターは現代の犯罪物で見たいです。とは言え、ドニー・イェンはアクション監督でクレジットされており、そこは喜んでいます。彼は仲間の面倒見のいい人らしいです。知り合いのスタントマンを動員したのでしょうか。
私もファンタもドニー・イェンは昔から好きなのですが、できれば現代物、刑事やギャング物で見たいです。コメディーでもいいです。
後記: ドニー・イェンにこんな役をやらせるのはどうかと思いますが、監督もイェンも得意ジャンルではなくても努力は見て取れ、それなりの作品にまとめ上げていました。撮影が良く、イェンは悲劇の将軍を手を抜かずに演じています。聞くも涙の大悲劇。
賭博で大きな借金をかかえ、中国でタクシー運転手として働く男がヒットマンの依頼を受けます。金も入るし、半年前から音沙汰の無い妻も探せると思い、引き受けて黄海を渡ります。仕事に入ろうと思ったら、自分がやる前に誰かがターゲットを殺してしまい、罪は彼にかかって来ます。殺人を依頼した男も、足が着くといけないので、ヒットマンを殺した方が都合がいいと考え・・・といった話。
後記: 157分はちょっと長過ぎます。4つほど章のタイトルがついているのですが、そんな手法を使うほど内容がタイトルに集中していません。110分ぐらいに収めて、章の枠は飛ばしてもいいかと思います。撮り終わった画像をツイ・ハークあたりに任せると上手に編集してうまくまとめるでしょう。
それを別にすれば良い点が2つ。1つはいかにも韓国というフレイバーが出ていて、他の韓国の秀作に並ぶこと。もう1つは普段見られない地方や国の日常生活が出ている点。
韓国は過去に秀作を出しているので、点が辛くなってしまいますが、この路線で編集をうまくやればこの作品も秀作グループに入れます。
辛亥革命の頃(皇帝制度を廃止し、共和制になった頃)。元は人望を集めない乱暴者だった男が裏切りに遭い、身内を失ってしょげていると、ジャッキー・チャン演じる料理人が彼を諌め、慰め、その後は人のために戦うという美談。料理人のチャンが料理を取り入れたアクションを見せてくれるそうです。主演をアンディー・ラウに譲りながらもジャッキーの見せ場はあるとか。
ドニー・イェン同様ここでも現代の犯罪者に出すと輝くアンディー・ラウを歴史物に使っています。
後記: 今年は最初の2日間のレベルが低かったため、新少林寺が良さそうに見えました。ようやく監督が何をやりたいのかがよく見える作品が出たという印象です。ジャンルを良く心得、その範囲でやや深みを出しています。
ジャッキー・チャンは大物スターが2人並んだことを良く心得、今回はアンディー・ラウの作品を引き立てる役として、貰った時間は自分のために有効に使い、他の時間はラウ作品のアクセサリーとして機能しています。さすが大きな地位を築いた人たち、相手を潰さないように自分の立ち位置を決めています。ニコラス・ツェーはラウの対戦相手として上手くはまっています。
スリラーのようですが、内容不明。
後記: 韓国製は製品が良ければDVD屋さんに出ます。なのでパス。代わりに見たアフリカ・ゾンビ映画は良かったです。
血の滴るコーナー (コンペ)
アルゼンチンは滅多に来ませんが、参加する時はおもしろい作品を持ち込んで来ます。
ファーゼ7と聞くと、ついチェルノビルや福島のことを考えてしまいます。トレイラーを見ると放射能から身を護る防護服を着ている人たちが何人も出て来ます。ある男が妊娠中の妻を隣人から護らなければならない羽目に陥るコメディーらしいのですが、東北・関東大震災の後なので、私が楽しめるかはちょっと・・・。
インディペンデント映画際がテキサスで行われている間に東北・関東大震災が起きたようで、Fase 7 に取っては何とも皮肉なめぐり合わせです。
後記: 防護服は放射能対策ではありませんでした。
並、上中下で言えば中の下程度の期待をしていましたが、95分を3つの内容にはっきり分け、それぞれの章を上手くまとめ、章が進むごとにインパクトがあり、だらしの無いコメディーとして始まった作品が、上手くエスカレートして行きます。描写も後から考えると当を得ており、見終わると秀作。見ている間はそれほどと思いませんので、ゆるい予告などに騙されないようにご注意。一見の価値あり。
長編2作目。ドイツではデビュー作として賞を受けています。ドイツ公開は9月。前の作品は共同制作だった様子。
タイトルはドイツ語で、《明るい》という意味。地球は末期状態で、日光から自分を護れるもの以外は死滅。夜すら明るいので、ピッチ・ブラックの真逆。水すら無い世界で数人が命がけの旅をしています。
後記: 始めは見ないつもりでいました。座席の都合で私がこちらのホールに行くことになり、見ました。
ドイツの作品としては元からスケールが大きく、これまでのちまちました作品とは多少違います。制作に大物が絡み、デビュー作なのですが、規模は大きいです。
確かにこれまでのドイツ映画に比べ世界に通用しそうですが、なぜかしっくり来ませんでした。大きな理由は監督がにこにこしながら大喜びで「元の脚本から大きく内容が変わった」などと話していたこと。世界的に有名なドイツ人制作者の協力が得られたのは本人に取ってはうれしいことなのでしょうが、監督ともあろうお方が、内容変更に異議を挟まず嬉々として変更するというのは、
(1) 内容を決めずに撮影に入った、
(2) 大した内容でなかったか、未熟な内容だったので、変更の提案に喜んで従った、
(3) 内容などはどうでも良かった、
(4) 全体が監督の意向以外の所で進んだプロジェクトだった
などあまり感心できない理由が考えられますが、そのどれかなのか、もっと別な理由なのかは分かりませんでした。
私が例え話として、卒業論文を書こうという時、
(1) 自分でテーマを決めずに担当教授の提案を丸呑みする学生がいる、
(2) テーマを決めて出かけて行ったら、担当教授にあれこれ言われて、従ってしまった、
(3) 担当教授の学閥に属するためなら自分の意志などは簡単に曲げてしまう、
(4) 元々意思等は無かった
などということがあると言い始めたら、仲間は最初の所で既に「そうだ、そうだ」と言い始めました。
そういう例え通りなのか、実は全然違うのか分かりませんでしたが、元々はゾンビ映画を作るつもりだったそうです。
ゾンビを止めてこういう地球末期状態の作品にしたことは、作品の質を上げたと思います。他の人の助言を真面目に聞いて、従ったことはいいことと思いますが、雇われ監督になるつもりでない人は、石頭と言われるぐらい自分の案を守るべきです。デビューから雇われ監督を目指すというのも夢の無い話で、私はこの人の将来を期待していいのか、心配すべきなのか分からずにいます。
元々ファンタの観客で、ファンタが初めて輩出したドイツの長編監督なので、期待はしたいです。ですが、冒頭でボーナス点をあげて下駄を履かせると将来ダメ監督になってしまう心配があります。
この作品は個別の分野には見るべき所があるので、そういった良い面を残し、今後は作品に取り掛かる前にゆっくり考えをめぐらし、いざプロジェクトに入ったら自分の考えを通すようになって欲しいです。
インターネットのデート・サイトにまんまと乗せられて、のこのこ出かけて行ったら、変態誘拐男に引っかかってしまいます。どうにか逃げ出した主人公は今度は妹と2人で復讐をたくらみます。大量の血が流れるようです。
ファンタ開催直前に映画館に行ったら、従業員から「この作品は絶対いい」と薦められました。
後記: 良い点がいくつかあるのですが、全体としてまとまり切れておらず、特に役を良く理解している俳優の力量にも関わらず、変なガス抜きに終わってしまいます。2日目までの作品全体の傾向ですが、2つ以上のジャンルにまたがって観客を得ようとしてあれこれ盛り込み過ぎ、虻も蜂も取れずに終わった感があります。
Julia X も2人の異常な女性と1人の異常な男性の対立に絞り、そこに1人ごくまともな男が迷い込んだというだけの設定にしておけばよかったです。ついでに過去の出来事などは盛り込むべきではなかった・・・。
元ヒットマン、その後兵士が再びお金に困ってヒットマンに転職。
後記: 複数のジャンルの観客を1本の作品で狙って、虻蜂取らずになる愚を犯しています。元ヒットマンがお金に困るシーンや、友人のつてでヒットマンになるくだりはうまく行っています。
話は後半に入り、変なカルト集団や政界のスキャンダルに踏み込み、そこでまとまりが崩れます。最後は「何じゃこれは」という終わり方をします。
珍しくイスラエルからの参加です。Rabies は狂犬病のビールスのことで、トレイラーを見るとストーリーはそちらの方向のようです。犬が感染すると1、2週間で死ぬようですが、トレイラーを見ると感染するのは人間のようです。動物から人間への感染は時々あり、脳や神経がやられるのでホラー映画にはぴったりのテーマです。とは言うものの本当の病気は非常に危険なので、ドイツでは動物に噛まれると皆すぐ医者に診せます。
映画では兄妹(姉弟)が家出をし、砂漠の近くの家に行きます。そこに現われるのは精神異常の殺人鬼。そこから始まるサバイバル劇。
後記: 見た人の評判は良かったのですが、今年も似たようなレベルの作品がぶつかるようにプログラムが組まれていて、1つを選ばなければなりませんでした。
カンヌ映画祭に出た作品で監督の長編デビュー作。
予告編を見ただけでは何の話か良く分からないのですが、実際のオーストラリアの事件は恐ろしい話です。そちらを読んだだけで震え上がりました。
どういう描写をするのかが作品の良し悪しを分けますが、以前のファンタにもニュージーランドの実話を扱った連続射殺犯の話が出ています。実際の住民を映画に使ったりすることが果たしていいのかは分かりませんが、作品のトーンは真面目でいんちきドキュメンタリー風ではありませんでした。こちらもそういう手法ならいいのですが。
後記: 点数をつけてくれと言われたので最低の点をつけました。知り合いもその場にいて、そちらは最高の点をつけたので、2人合わせて真中の点数。
問題なのは、凶悪犯の犯行と家族関係を示しただけで、「じゃ、その映画で君は何を言いたいの?」という疑問が浮かんでしまうこと。俳優は気合を入れており、脚本はかなり実話に近くなっているので、いんちき映画ではありません。テーマがテーマなのでエンターテイメント映画にはなり得ません。教育映画ではないようで、押し付けがましいモラルも登場しません。淡々と残忍な殺人に至るまでの話と、犯行が描かれるだけ。なので結果はゲバルト・ポルノ。ギャスパー・ノエとは作風が全然違います。私はノエの方を推します。
ポーランドは日本との協力作品もあり、将来映画で頑張ろうとしているようですが、このジャンルはまだこなれていません。Suicide Room はアニメと組み合わさっている様子。
ゲバルト・ポルノ。カナダとの国境で国境警備員らしき人が違法に国境を越えて来る者を捕まえ、拷問するという話だそうです。
真夜中の狂気
映画版アンソロジー。有名な作品に対するオマージュになっている。ミュージカル熊男映画、モンスター映画、ヒットラー物、ゾンビ映画。
後記: The Diary Of Anne Frankenstein と Zom-B-Movie の監督が来ており、少し話す機会がありました。舞台でインタビューを受けている時は不真面目で、だらだらと喋りまくるので好印象ではなかったのですが、作品が手堅い出来なのでちょっと話をしてみようと思いサイン会の列に並びました。他の人とは舞台と同じ調子で通り一遍の話をしていたのに、なぜか私の番になると人が変わったように真面目な話し方になり、驚きました。名前を聞かれ、もう少し話していたかったらしいのですが、私は次の映画が始まるので早々に引き揚げました。
なぜ急に真剣な顔に変わったのかは分かりません。作品の性質上、女性はその場では私1人。女性にはあまり好かれないタイプの作品だったのに1人迷い込んで来たからなのかも知れません。私はどう見てもプロのジャーナリストには見えないので、業界の人と思われたはずもありません。こちらが先方に興味を持つ立場なのに逆転したのが不思議です。
実話(!?)
後記: 確かに「実話だ」と書いてありました。本当かなあ。ハチャメチャおもしろいのでお薦め。
事前の予想では満員になりそうだったのですが、いざ始まると7分ぐらいの入り。ノールウェイで大量殺人事件が起きたばかりだったのが影響したのでしょうか。
3本オムニバス。ホームレスを暖かい食事で誘っては拷問の道具にする夫婦、元売春婦と元麻薬密売人の夫婦が生活を立て直そうと医者にかかるのですが、それがとんでもない医者で・・・、サドマゾカップルが退屈な日常から徐々にエスカレートして・・・という3本。
後記: 後半睡魔に襲われ居眠り。音楽が催眠術のような効果を持ってしまったようです。
見た部分だけに絞っての話ですが、2日までの作品の中では映画を作る技術は揃った作品。俳優も役を良く理解しており、隙の無い演技。問題はこれで何を語りたかったのか。英国の評判を落とすために作られたという解釈も成り立ちますし、紳士の国英国のもう1つの顔を赤裸々に出したかったという解釈も成り立ちますし、現代の暗い部分(人を麻薬中毒にする、医学の悪用、ボランティアの皮を被った偽善など)を国の枠を越えて訴えたかったのか、興味本位だったのかという方向も考えられます。その方向がはっきりしていなかったので、見終わると「・・・それで何が言いたいの?」という疑問が残ってしまいます。
サンタが連続殺人鬼だった・・・・。Amsterdamned とオランダ版の De lift が抜群におもしろかったので見るかも知れません。
後記 1: 見る予定だったのですが、デジタルのデーターが消去されてしまい上映中止。あと2日で回復の見込みは無さそうです。
後記 2: 見られないはずだったのですが、主催者がフィナーレの後深夜特別上映をしました。
どちらかと言えば子供、ティーン向きの犯罪映画ですが、そういうジャンルなのだと考えてみると良く出来ています。元々の発想がおもしろく、数世紀前から話が始まり、現代に繋がります。メルヘンと連続殺人事件がドッキングし、熾烈なチェイスも奇想天外な所で行われます。アイディアの勝利。
赤い国というタイトルなので、アジアの彼の国のことかと思ったら、舞台はアメリカのようです。
後記: 監督のネームバリューぐらいしか期待していなかったのですが、最初の2日ぱっとしなかったこともあり、この作品はインパクトがありました。一応ファンタのレベルの中(ちゅう)の上(じょう)に入ります。
実話かは分かりませんが、似たような事件はアメリカで何度か起きています。狂信的なキリスト教の一派が、教祖を父親として(どうやら)一夫多妻に近い生活を送っている様子。加えて気違いじみた強さでゲイの男性を嫌っています。そして男も女も老人も若い人も特殊部隊と同じぐらいの射撃能力を持ち、大量の武器を貯蔵しています。そんなある日少年3人がちょうど男性カップルが車の中で事に及んでいるところに出くわし、両者の車が衝突してしまいます。そこから FBI が出て来るような大事件に発展。
それだけで映画1本作れますが、さらに FBI の方でも命令系統で重大な問題が生じます。これが呆気に取られる展開に・・・。違うテーマを混ぜても集中力を失わないところが前の2日間の監督との差。
真夜中の狂気の枠内で分けて上映予定
後記 1: 主催者もドイツの映画人を育てたいからなのか監督を1押ししていますが、1作目を見る限り相変わらずドイツの変な枠にはまったまま。デトレフ・ブック、ユルゲン・フォーゲル、ダニエル・ブリュールなど才能に溢れた監督や俳優も時々出るのに、なぜその後の発展が無いのか、残念です。
クレイ・アニメの世界ではドイツの映画人は世界をリードする力があり、ファンタにもその片鱗が見えます。劇映画の世界とは違う発展をしています。
後記 2: 2本目もこけています。
3本目は見る機会がありませんでした。
4本目は他の2本よりややまし。
結論が出るはずの5本目でまたこけました。
TV スペシャル
テレビ・ドラマ・シリーズ。原作は漫画。今回上映されるのは第1シリーズの第1話。保安官が職務中に撃たれ、入院。目が覚めると当たりはゾンビだらけの世界になっていた、妻子も行方不明という話。予告編を見ると28日後を思わせるようなシーンもあります。
公式プログラム
予告編を見る限りとてもおもしろそうな作品です。ある男が腹にプラスティック爆弾を巻きつけているシーンがあります。そのほかは爆風に巻き込まれたり、炎に包まれて燃えている人など、この男の犠牲になったのだなと思わせるシーンの連続。どうやら日常を突然見舞った災厄のようです。爆発が起きた場所のシーンが殆どの予告編で、真面目な取り組みを感じさせます。話が犯人探しの方向に行くのか、その他の方向に行くのかはまだ分かりません。
後記: 予告編が良過ぎました。というか、前半の10分ぐらいはとても良い調子です。ある平凡な男の日常から始まり、爆弾を腹に巻きつけた男が爆死するまではすばらしい切れです。こけるのはその後最後まで。残念な仕上がりです。
強盗、殺人の後交通事故を起こして警察に捕まり入院中だった男を救い出すために悪漢が病院の看護人を脅かすという手を思いつきます。その男を言いなりにするために妊娠中の妻を誘拐。妻の身を案じて通報するわけ行かず、やむなく一味の言う事を聞きますが、そのために彼自身が警察に追われる羽目に・・・。どうもラストにおもしろい話が隠れているようです。
ストーリー・テリングで評判のいい監督なので、見る価値がありそうです。
後記: 悪漢にも色々な種類があることを学べる作品。テンポが速く、飽きる暇モ無く事件が展開して行きます。お薦め。邦題も内容に良く合います。
フランス版ナチュラル・ボーン・キラーズだという話。リュック・ベソン、ジョン・レノーで世界的に有名になったグラン・ブルーで本当は主演だったジャン・マーク・バーが監督した作品。
後記: The Innkeepers を見たのでパス。
1994年のクリスマス・イブに発生したエール・フランス・ハイジャック事件がテーマ。映画の内容はまだこれ以上詳しく分かりませんが、本当の事件の方は、エール・フランス8969便がハイジャックされ、200人を超える乗客、乗務員が人質になります。現場は当時内戦状態にあったアルジェリアの空港。犯人の目的はテロリストの仲間の釈放。犯人側は交渉を有利に運ぶために公的な仕事についていた人質を射殺。《忍者》と呼ばれるアルジェリア政府の特殊部隊と、フランスの国家憲兵隊治安介入部隊が出動。交渉の結果一部人質は解放。残った人質は交渉決裂の場合はパリ上空で燃料を満タンにした飛行機ごと爆破の予定。
日本が使う手も試みられ失敗。それが犯人を刺激し、さらに人質が殺されます。すったもんだの末、パリに向けて離陸しますが燃料不足でマルセイユへ。面子をかけてアルジェリアはフランスとは対抗していましたが、アルジェリア政府はハイジャック犯をきっちり捕まえるつもりでいました。しかし飛行機の移動でアルジェリア政府からフランス政府へ管轄が移動。
マルセイユではフランスの国家憲兵隊治安介入部隊が詳細な計画の元に待ち構えていて、あれこれトリックを使い、機内の様子を把握。結果は突入、銃撃戦になり、犯人側は射殺、人質、特殊部隊側は30人ほどが負傷しますが、死者は犯人に突撃前に射殺された人質と銃撃戦で死んだ犯人のみ。当時のハイジャック事件としては最大規模に数えられます。
後記: お薦めです。テンポの速いスリラー。事件はインスピレーションに使っただけのようですが、それでも事実とかなり似ています。いくらかエピソードを加えたり、触れられない部分があったりします。
最近のフランス映画は調子が上がっていますが、このジャンル(アクション、スリラー)も成功作が時々見られます。
政府の秘密に関わる探偵物。
後記: 予想外れ。良い方に外れました。期待をはるかに上回るおもしろさです。
この作品の上映は1回切りのはずだったのですが、最終回に予定されていたディック・マースの作品がデジタル・データーが消去されてしまったため上映不能になり、Cat Run が2度上映になりました。帰宅しても良かったのですが、あまり愉快だったのでもう1度見てしまいました。
欧州で料理人になりたいアメリカ人の所へ幼馴染みが訪ねて来ます。モンテネグロで殺戮の犠牲になりかけ、逃亡中の女性がそこに飛び込んで来ます。2人のアメリカ人は探偵事務所を開業し、初仕事がこの女性の巻き込まれた政界の絡む事件の解明と女性の子供を守ること。
悪役の設定がおもしろく、いくつかの作品で悪役を演じている俳優を連れて来ています。探偵事務所に最初に雇用される人物もおもしろい設定で、続編が作れそうな勢いです。
超常現象物。元々はテレビ・シリーズのはずが5本で中止。視聴率や内容が悪くての中止ではなく、撮影チームがトラブルに見舞われたから。
後記: スケジュールの都合でこちらを見ました。組み合わさっていた作品は翌日見られるようになっていました。Grave Encounters はアイディアがあまり良くなく、それを何とか形にしようとしても、ちょっと無理がありました。
似たような作品にブレア・ウィッチ・プロジェクトがあり、焼き直し的です。また病院を舞台にした類似作品を知っている仲間もいました。
唯一良い点を言うとすれば、ブレア・ウィッチ・プロジェクトに比べ観客の立場に配慮があること。ブレア・ウィッチ・プロジェクトは学生か素人の一般人が探検に乗り出すので、カメラ・ワークもそれに合わせて下手。Grave Encounters は一応撮影にはプロのカメラマンが参加しての探索という設定になっているので、カメラは比較的安定していて、観客が頭痛を起こしたり、船酔い状態になったりはしません。
あと、新しいスクリーム・クイーンを探すのでしたら、この作品がお薦めです。
女医のスコット・トーマスが医療事故で被害を受けた男に復讐のため誘拐されストックホルム・シンドロームにおちいる話。
世界中がゾンビだらけの中、自分もゾンビなのにかつての記憶を取り戻してしまったゾンビの悲劇・・・だそうです。
後記: 去年の Tucker & Dale vs Evil と似た、くだらない路線で大成功の作品。あまりのあほらしさに笑い転げるます。
後記: 後半がやや長過ぎるきらいもありますが、舞台を思い切ってアフリカに移したことで新味が出ています。展開もおもしろいです。できれば大スクリーンで見ることをお薦めします。アフリカ・ロケをやっています。
近未来の破壊されたニューヨーク。生き残った8人が大きなアパートの地下に隠れています。そこへ武装した一団が来て攻撃。救援だと思った8人はその集団と戦わなければ行けなくなり・・・ですって。ストルマーレはまた悪役なのでしょうか。
後記: 前日の疲れが残っていて、いくらか事情説明の部分で居眠りしてしまいましたが、犯罪映画としては色々な材料が揃っていて、おもしろいです。
功労賞は自国でも悪役を演じたペーター・ストルマーレ。普通はハリウッドで悪役、自国では普通の役をやるものですが、今回のストルマーレは気合を入れて悪役に徹しています。
内容は行方不明から殺人事件に発展する女性の話と、家庭の事情が折り重なって進みます。
良く考えてみたらストルマーレがスウェーデン語を話すのを聞いたのはこれが初めてです。
コールドプレイ、ザ・コールデストに続く3作目。監督は交代。話は過去に戻ります。時は1976年。変な事件が相次ぐ山でホテルを経営する夫婦が自分たちの子供が事件を起こしているのではないかと疑い始めるところからです。
《1作目》 5人の若者が雪山で楽しんでいたのですが、1人が怪我。途方にくれていた一行は70年代に火災で商売を止めたホテルに到着。そこで一休みしていたら、仲間が1人、また1人と・・・。
《2作目》 ファイナル・デスティネーションのように1人だけ残った生存者救出。証言通り5人分の遺体発見。5人の若者 + 殺人鬼 = 6人 で計算が合います。ところがまた/まだ殺人が・・・。
後記: 騙されました。70年代のホテルの家族の話は殆ど触れていません。その話の少し後に起きた6人組の登山客の話に終始。1作目と2作目に顔を出す当時の事件を知る警官らしき人物が若い姿で登場しますが、ホテルの事件の方は、当時10歳前後だった子供が少し大きくなって人を殺しまわるという役だけ。どういう一家だったのか、両親は子供に殺されたのだろうかという方向には動きませんでした。なので続編が作られるでしょう。
ケベック州がカナダから独立するかの瀬戸際だった1995年。ノートルダム・グレースの近くの古いアパートでは最近起きている連続殺人事件に絡み不信感がつのり、誰を信じたらいいか分からなくなっていた・・・。
ラブクラフトの小説が元ネタだというだけで詳しくは分かりませんが、スペインでは大きく扱われていて、ファンタでは続編も同時公開。スペインは近年ホラーやスリラーに力を入れているのでおもしろいかも知れません。ホラー映画の王者、ポール・ナッシーがこの作品を最後に世を去っています。
\ストーリーの骨子はヴァルデマル家に関わると失踪するというミステリー。
ナッシーの略歴: 幼くしてフランケンシュタイン、狼男の影響を受け、まずはスポーツ界に打って出て(軽量級重量挙げのスペインチャンピオン)、その後映画界へ。当初は建築家などを目指していた様子で、図を描く才能があったそうです。プレスリーなど有名なレコードのカバー画を引き受けたこともありました。漫画や大衆諸説を書いたこともあります。
映画はデビュー作からホラー映画で、脚本と主演。後には監督業もこなしました。ホラー界で有名は役は殆ど網羅。75歳で他界するまで(79歳説あり)一生の大半をホラー映画に捧げていました。恐らくは世界でただ1人あらゆるホラー映画の役を引き受けた人と言われています。
ただ、世界的に有名になったホラー役者に比べ様々な条件が整わず、B級役者、B級映画に終わっています。上にも書いたように多才な人ではあったのですが、
・ ちょうど映画界に取っては都合の悪い時代にデビューしていたこと、
・ ホラーにあまり力を入れていない国にいたこと、
・ ホラー以外の作品に向いていたかも知れないこと
など不運が重なり、欧州の範囲にとどまっています。
映画に没頭し過ぎて周囲の人間からは恨まれたエピソードも数々。日本には「それをやっちゃーお終えよ」という言い方がありますが(だからとどまる)、欧州には「それをやるなら俺の屍を乗り越えて行け」という言い方があり、ナッシーはホラー映画の役者らしく、他人の屍を何度も乗り越えて行ったようです。
後記: 最近珍しい古典的なホラー映画。続編も出るので最終的感想はその後。注目は冒頭出演者などが紹介される部分。
特筆すべきはスタッフ、キャストの名前が出る冒頭のシーン。
クリストファー・リーが出るという話もあったそうですが、降板。ストーリーはラブクラフトのいくつかの作品を混ぜたような内容。クトゥルフの呼び声あたりが使われたのでしょうか。
追記: ポール・ナッシーのことを調べてみたら、オマージュとして特集を組んでもいいようなおもしろい作品がぞろぞろ出て来ました。その上彼の死を悼んで色々な出版物や特集が出たようです。
後記: 現代が中心で話が進みます。2作目は質が落ちます。演出の悪さ、俳優の下手さが目立ちます。しかし物語が1作目で終了しないので、2作目を作らざるを得ません。プロット自体に稚拙さが感じられます。1作目はそれがまだばれていなかった・・・。
フィンチャーに続く監督と言われている人の長編1作目。彷徨える若者の前に現われた謎の下品で粗暴な男ヘッシャーが若者たちに影響を及ぼすという話だそうです。
後記: 仲間内には気に入った人も約1人いましたが、わざわざ見るほどの作品ではありません。アメリーのアメリカ版だという意見も聞きましたが、それほどアメリーと似ているわけでもありません。唯一おもしろい部分を上げると、最後に赤い車がどうなるかというシーン。どうしてもこの作品を見なければならないようにスケジュールが組んでありました。
キャリーの能力を拡大したような特殊な能力を持つ、呪われた家族の話。長い間その能力が故に孤立していた青年ジェームズは、病院から抜け出して来た癌患者の女性と知り合い、恋愛関係に。
後記: 日本の作品に向かった人が多く、こちらには数十人。私の仲間は殆どこちらを選びました。主催者の1人が一押ししたもので。日本の作品を見た人の感想はまだ耳に入っていないので比較ができませんが、私は Hideaways をメルヘンと解釈しました。主人公の持つ問題が視覚的にはっきり示され、その部分の特殊撮影がおもしろいです。
監督は長編デビュー。農場で起きるトラブルと殺人事件。
監督はホラー畑を歩いて来た人。
後記: 見る予定だったのですが、座席確保を頼まれ、そのために Hell に急遽変更。見た人の話だとまあまあだったそうです。
1999年失踪したティーンエイジャーの女の子。両親は誘拐、事故、殺人などと思うのですが、年が年なので警察は家出扱い。家族はうまく行っていたので両親はそんな話を信じるわけに行きません。実話なので彼女がどうなったか、誰が重要な関係者なのかは映画を見る前から分かっています。どういう描写になっているのかが見所。
後記: 実話なので犯人は最初から分かっていました。
長く続いた宿屋が閉店。それを機にそこで働いていた2人が宿の秘密を探り始めます。何しろそこは幽霊屋敷として評判の高かった所・・・。
後記: このジャンルとしては成功作。お薦めです。主演の女の子、キュートです。
2009年ファンタに出た作品の続編。フランスの冒険ロマン小説の伝統を思わせるアクション作品。是非見たいと思っています。前回同様1人世界的中年女性スターをゲストに招いており、今回はシャロン・ストーン。
元ネタはベルギー人 Jean Van Hamme の書いた小説で、漫画版もあります。
第1作で大金持ちのネリオ・ウィンチが死に、彼の巨大コンツェルンを継ぐのが養子のラルゴ。事件が起きた時にはラルゴは冒険好きの青年に育っています。ネリオの持っていた巨大企業を巡る陰謀を生き抜いたラルゴ。
監督、主演はそのまま引き継いでいます。
後記: ジャンルの中では成功作。冒険、ロマン満載ですし、パラシュート・アクションだけで入場料を払う価値があります。不思議だったのはシャロン・ストーンの大根ぶり。容色も衰えています。彼女は名優ではありませんが、その気になればある程度の役はこなせます。なのに、今回はひどい大根ぶりです。メイクアップもプロの俳優なのだから20歳ぐらい若く見せることもできますし、年齢相応の優雅な美しさを出すこともできます。なのになぜか今回は年を取って容色が衰えたという感じの仕上がりです。
犯人はいかにもという演出なので犯罪映画を見慣れた人ならかなり早くから分かります。それでもストーリーは結構複雑でおもしろいです。冒険映画が好きな人にはお薦め。
スコットランドで山歩きをしていた5人がセルビア人の女の子が生き埋めにされているのを発見。誘拐犯との命がけの追いかけっこに発展。ドイツ若手スターのフランカ・ポテンテが主役に予定されていましたが、交代。
後記: バーティカル・リミットを越えたバーティカル・リミット映画。セット撮影が少なく、野外撮影がいいです。登山シーンは完全にバーティカル・リミットの上を行っています。付随する犯罪ストーリーもプロットが良く、安上がりではありません。きちんとしたスリラーに加え、冒険、アクションも見ごたえがあります。
メソッド・マンばかりが話題になっていますが、エドワード・ファーロングも出演。先日ファーロングが主演の古いCSIのエピソードを見たばかりなのですが、なかなかおもしろい話でした。3Dが嫌いな私にはちょっと見るのが負担ですが。
後記: 仲間内では評価が高くありませんでしたが、私は比較的高めの評価をしています。3Dである必要は全く無いというのは仲間内で一致した意見。
特にファンタに出す必要のない作品で、一般受けもすると思います。芸術的な香りがします。
主演のメソッド・マンは本職が歌手なのですが、俳優として一人前の演技です。話題になるだけの力量を示しています。一応犯罪がらみのストーリーなのでファンタに参加したのだと思いますが、ちょっとお涙頂戴風の部分もあるので、これも1作で複数ジャンルのファンを狙ったのでしょう。その中では比較的上手くまとまったと思います。
タイトルは主人公の職業。警察の死体処理係。ストーリーに大きな必然性があり、奇をてらって選んだ職業ではありません。
1965年、カナダがフランス領の時代で主人公は脱獄死刑囚。イエズス会の信者のふりをして逃亡中。ちょうどその頃フランスの王女がカナダで結婚するために送られて来ます・・・とここまではまともな話なのですが、その後狼男が出て来るようです。加えて脱獄囚が王女に恋をしてしまう・・・。何となくフランスの冒険映画の伝統を思わせる作品です。
監督はこれまでテレビ畑を歩いて来た人。
後記: 仲間の1人がテレビのレベルだと言いましたが、そんな感じです。おもしろい映画になれる素材は揃っています。決定ができず、あれもこれも取り入れてしまったため失敗しています。ジョン・ランディスの最近の時代コメディーの路線にすればおもしろくなったかと思います。同時にジェヴォーダンの獣の方向のミステリーにもなり得ます。あるいはカナダ独立前の政治状況にスポットを当てることもできます。そこをはっきりさせないと焦点がボケます。時代考証はかなりいいかげんでした。
アルベール・デュポンテルが主演だとなぜか理由もなく引いてしまうのです。しかし、スタントは本人がやっているそうです。どうやらフィルム・ノワール + アクションのようで、テーマは脱獄。
後記: スケジュールの関係で見ざるを得なくなりました。デュポンテルだったので腰が引けていましたが、アクションが多く、そこはおもしろかったです。この人がここまでのアクションをやるとは予想外でした。
プロットには実は穴が空いているのですが、アクションや事件の展開のテンポが速く、上手に誤魔化せています。目ざといファンタの観客でなければ気づかないかもしれません。
SFだと言われる理由は同じ時間が繰り返されるから。それでタイトルがリピーターになったようです。3人の若者が特定の、楽しくない日を何度も繰り返して経験しなければいけなくなるというストーリー。心理学を映画の画面で示すようなコンセプトのようです。
後記: 仲間は全員揃ってノールウェイの忍者映画を見たので内容、評価とも不明。
後記: 全員揃ってカウボーイ & エイリアン を見たためパス。
吸血ホラー映画。全米の人が吸血鬼化し、普通の人間はごく僅かになった世界。無秩序時代に入っています。主人公マーティンはその少数派。吸血鬼のいない世界があると信じて動くところはバイオハザード(4)と似たコンセプト。目指すは北。そこもアラスカを目指したアリスと似ています。
パクリかなあとは思うものの、評判はかなりいいようです。
後記: 一匹狼のバンパイヤー・ハンターが両親を失ったばかりの少年を引き取り、一人前のバンパイヤー・ハンターに育てる話。あまりレベルの高くない2日目までの作品の中では一応きれいにまとまっています。その後もっとレベルの高い作品も出たので、冒頭に配置したのは正解。
メキシコに長く住む日本人がボディーガードの役で出演。映画の内容は不明。
後記: ドイツ人にこの脚本を渡したら、政治ドグマが先行する教育映画になってしまったと思いますが、メキシコ人はバランスの取れたエンターテイメント性のある作品に仕上げています。まずは謎解き、次に犯罪に思いを致し、見終わって家に帰る頃に「はて、あれで良かったのだろうか」と社会の事にもちょっと思いを致すという作りになっているため成功。ドイツ人は観客が映画館にいる間に全てを詰め込もうとして本来おもしろい筋でもこけることがあります。
日本人らしき人物が出ているのは確認しましたが、ボディーガードの役ではなく、囚人その他大勢の役。
あ、その筋ですが、町外れの一軒家で嵐が近づく日にリラックスしていた心理学者。ところが彼の車が囚人と思しき男に盗まれてしまいます。少し追跡したところ、別なこれも囚人と思しき男を発見。調子が悪そうなので家に連れ帰って介抱。男には記憶が無く、健康は忌々しき状態。仏心を出して友人も募って介抱したり、色々助け始めるけれど、謎が逆に深まって行く・・・という話です。一見の価値あり。
ベルリンの廃坑(そんな物があるのかねえ)を探索していた若者が・・・という話。なぜか英語を話しているのですが、中心人物が外国から来た若者のためらしいです。ベルリンでガイドを雇うのですが、ガイドが死んでしまい・・・そこへガイドをかって出る元東ドイツの国境警備員が・・・あるわけないでしょう、そんな話。
ベルリンに地下道があるのは確かですが、きれいに掃除されていて、時々外部の人に公開されたりします。私も地下鉄の予定地を歩いたことがあります。それから西ベルリンの繁華街の地下には巨大な地下緊急避難所もありますし、そのすぐ近くには通常営業をしているバーの一群があります。観光で来ると大抵時期が合わず見られませんが、町に住んでいると時々そういう場所を見に行く機会があります。おもしろいけれど秘密でも何でもありません。
後記: ドイツ映画は・・・と言ったばかりですが、いい例です。ドイツ人とのハーフの監督ですが、生まれもドイツ、ドイツ語と英語両方が母国語のように上手いという、言葉には不自由しない監督が、ベルリンを舞台に作ったホラー。典型的なジャンル映画で、必要な要素は全部揃っていました。ところが観客が自分で感じるように展開させず、監督から指示を受けて観客が感じるというドイツ的な作り。やっぱりこれを止めてラルゴ・ウィンチを2度見た方が良かったと悔やんでいます。
どうやらベルリンには実際にたくさん地下道があるようです。60年以上放置されている所もあるそうです。監督は許可を取らずに撮影を強行して豚箱に入ったこともあるそうです。それから主演の1人の俳優は撮影中に手違いで本当に怪我をして出血してしまったそうです。すると監督は「続けろ、続けろ」と言ったので手当ての前に撮影を決行。どうもかなり強引な監督のようです。上映日は強いエゴの持ち主という印象でした。そのぐらいでないと監督という仕事は務まらないのでしょうか。
アフガニスタンから帰還した兵士が諜報機関と麻薬組織の絡んだ陰謀を解き明かすという話だそうです。
後記: 今年のファンタの作品としては平均よりやや良い方。ブライアン・コックスが出ているだけあり、謎が深いです。主人公は主演に相応しいハンサム男で、頭もしっかりした役の設定。周囲に怪しげな人物が出入りし、誰が何に属しているのかが当初はっきりしているつもりだったのにだんだんわけが分からなくなって来ます。そしてショーダウンでわけは分かるようになるのですが、不条理が頭をもたげ・・・という展開になります。
学校のパーティーが復讐劇に発展するそうです。
後記: 疲れていたのでこの作品はパスの予定でした。パスとは言っても2時間のために帰宅するわけにもいかず、映画館に入って暗さに紛れて座席で眠っているつもりでした。ところがおもしろいので目が冴えてしまいました。
金持ちやエリートが行く高校の話。パーティーが開かれ、そこにドラッグが持ち込まれ、ある女学生が数人の男子学生に輪姦され、粗大ゴミにように野原に放り出されます。
直前に彼女と知り合い、デートに持ち込もうとしていた男子学生は彼女がパーティーの後登校して来ないので心配します。ようやく出て来た彼女は元気が無く、真相を探り当てた男子学生は彼女を助けようとします。しかし彼女は将来に希望が持てず、自殺。
残された男子学生が恨みを晴らす物語です。単なる復讐劇ではなく、あちらこちら上手に捻ってあります。
井上さんお気に入り、スティーヴン・キングからお墨付きを貰っているジャック・ケッチャムの小説の映画化。他方ゲバルト・ポルノだと批判も多い作家の小説、映画同時公開作品。成人向け。
妻子合わせて5人でそれなりに幸せに暮らしていた弁護士がある日物凄い姿の野蛮人のような女に出会い、彼女を捕まえて文明社会に適応させようとしますが、そこから人生が狂い始め・・・という話。この家族、全く問題がないわけではなく、暴力がテーマ。家庭内には歪みがあります。捕まえた女性はケッチャムの過去の作品に登場した種族。解説を読む限り、一般市民の生活がこの野蛮人のために狂ったのか、元々狂っていたのかは疑わしいところ。ケッチャムを知る人には The Woman が1番映画化の中で出来がいいとの評判です。賛否は大きく分かれています。
後記: 意外な展開になりました。
作品は上手く映画化されていたので、上映後のインタビューで質問。「この映画、ケッチャムにはどの程度気に入ったのか」という趣旨で、監督の話だと非常に気に入ってもらえたとのこと。ところが会場にいたほかの人はあまりケッチャムのことを知らない様子で、監督、プロデューサーも当初はあまりケッチャムのことを口にしていませんでした。観客から「どこからこういうアイディアを得たのか」という質問をされた時もあまりはっきり答えていませんでした。ケッチャムという作家はドイツでは無名ではありません。ただファンタに来る人はそれほど推理小説やホラーを読んでいない、純粋な映画ファンが多いです。
次の映画との間に館内のカフェでさらにサイン会をやると言うので、質問をしに出かけて行きました。そこできいたのは、主演の女優の体型について。とてもよくトレーニングされていたのですが、「この作品のために特別に訓練したのか」と聞いたら、そうではなく自分は普段もこういう感じだと答えてくれました。
その後フィナーレの映画を見て、追加になった映画との間にホールの外に出たら、主演女優、監督、プロデューサーがまだカフェにいて、周囲に人が殆どいませんでした。なので私は出かけて行って他にもケッチャム作品を映画化する予定があるのかなどと質問しようと思いました。すると先方はなぜか3人揃って親切で、結局話はかなり長くなりました。話の内容もケッチャム作品が中心でしたが、徐々に他の話にも広がり、楽しいひと時を過ごしました。
1940年のニュー・ハンプシャー。ある町の住民572人が家も金も服も、持っていた物全て捨てて突然山の方向へ歩き始めます。この人たちは以後行方不明。
その後軍が出動して300人ほどの凍死体発見。一部の遺体は凄まじくぶった切られた状態。引き算をするとそれでも発見されていない人がいます。
2008年GPSなどを揃えて改めて探索が始まります。何かに行き当たったようで、30年代の音楽が聞こえて来ます・・・。
ここで登場する Friar という言葉が行方不明者を出した町の名前なのか修道士なのかが今一つ分からないので、できれば映画を見てみたいと思います。
後記: 予想が見事に外れた日でした。この作品にはある程度期待していて、Cat Run と Wasted on the Young には期待していなかったのですが、見事逆転、うっちゃりをかまされました。つまらなかったのはこの作品。おもしろかったのが他の2作。
短篇
後記: ドイツ人は短編で時々才能を見せるのですが、この作品はダメでした。
過去の作品もファンタに出ています。
後記: そのため続編がどうなるか楽しみでしたが、一応笑えます。クリスマスが終わると捨てられてしまうのに、天然の木を切るため怒ったクリスマス・ツリーの反乱物語です。私も前からなぜ鉢植えのツリーにしないのだろうとか、いっそアメリカ人がやるようなプラスティック製のクリスマス・ツリーにしてはと思うことがあります。何しろドイツでもフランスに負けず全国でたった1ヶ月のために木を切って、1月に入ったら粗大ゴミです。
後記: 爆笑です。精神病院に収容されている中年男、医者が話し掛けてもにこりともしません。そのシーンだけで病院がもてあましていることが分かります。担当医に「1度入院状態から休暇を取って、バカンスに出かけては」と勧められます。海岸地方に行っても周囲からはちょっと浮いています。
そこへ海の方から大勢のゾンビが現われ、バカンス客は2人を除いて皆食い殺されてしまいます。その1人が精神病院の男。ゾンビを越える凶暴さを発揮し、ゾンビ全員を殺してしまいます。リラックスして人生を楽しむ男・・・殺人狂の気があったらしく・・・。
後記: これも愉快です。森の中で車が故障、その上形態も圏外。1人歩き始めた女性。道中ゾンビにばったり。食われるかと思ったらにこやかに話し掛け、デートに誘われます。車のことで頭がいっぱいの女性は断わりますが、男性はしつこい。ついに承諾。するとこの男は実は映画の撮影の最中ということが分かり、ゾンビは扮装らしいことが・・・、しかしこういう話はきっちり最後まで見ないと・・・。
後記: 前に短編でファンタに参加した Buongiorno のホラー版。Buongiorno の方が出来がいいですが、こちらも笑えます。
後記: 聖書の知識が無いのであまり笑えませんでしたが、キショーンというドイツで有名な人が「聖書は是非原文で読んでください。とてもおもしろいポルノですよ」と言い続けていたのを思い出します。聖書のポルノ的解釈をアニメでやったのがこの作品。
後記: 急に睡魔に襲われ、この作品だけ内容不明。クレイ・アニメです。
後記: 普通に生きている男が2つの死体を前に1人で喋り捲ります。男の死体からはうじが沸いています。生きている男は死体の男に向かって「もう君は必要じゃないよ。僕には新しいガールフレンドができたんだから」と言いますが、彼女も死体で・・・、顰蹙を買いそうな事をべらべら喋り続ける生存中の男・・・。
あまり趣味のいい話ではありません。
デビュー。
後記: 短編にしては長過ぎるという声が強かったです。
世界は恐慌で、経済は破綻寸前、なので労働者が必要で、その役を負うのが医学的に改造されたゾンビ。有体に言えばロボトミー手術をして、従順に作り変えてあります。
まだ改造されていないゾンビは居留区に閉じ込められていて、そこへゾンビ・ハンターの特殊部隊がゾンビ狩りに来ます。特殊部隊は事前に薬を飲んでいるので、間違って噛まれても被害は最小限。
ある日、特殊部隊の男が自分の母親を発見。29歳の時ゾンビになったまま、現在は若く見えるゾンビ。息子とほぼ同い年に見えます。息子はやっては行けないと知りながら母親を自分のアパートに極秘裏に運んで来ます。反発するのが彼のガールフレンド・・・。
フィナーレ
エイリアンと戦う子供の話。戦いの場所は南ロンドン。ゲームも作られているそうです。
後記: 今年はオープニングとフィナーレがこけたように思います。
気のせいかも知れませんが、ゲームが作られる映画はあまりおもしろくありません。Attack the Block にはニック・フロストが重要な役で出ており期待したのですが、良さを出す暇も無い作品でした。
上映後ステージで監督とニック・フロストがかなり長時間質問に答えていましたが、つまらない内容。その後サイン会も催され、関心があれば個人的な質問もできたのですが、作品がぱっとせず、質問も浮かんでこない有様。フロストはサイモン・ペグと一緒におもしろい作品にでている人。人材の使い方を誤ったのかと思っているところです。
観客全体はパーティー気分で楽しそうでした。映画の内容を見ては行けない、雰囲気を味わえということなのかも知れません。フロストが過去の作品より一回り太っていたのが意外でした。加えて、私だけでなく仲間も意外だと思ったのは、フロストが眼鏡をかけて出て来たこと。
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