ヘッダー上段 河川のQ&A,河川の工事に係わる事項
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河川のQ&A,河川の工事に係わる事項 河川のQ&A,河川の工事に係わる事項
河川のQ&A,河川の工事に係わる事項 河川のQ&A 河川のQ&A,河川の工事に係わる事項
河川の工事に係わる事項
  1. 川は、まっすぐの方がよいのか曲がって(屈曲して)いる方がよいのか?
  2. ショ−トカット(捷水路)による弊害は?
  3. 川に堤防を作るのはどうしてか?
  4. 堤防はどうして台形なのか?
  5. 堤防から漏水はしないのか?
  6. 矢板護岸の弊害とは何か?
  7. 軟弱地盤上の築堤はどうするのか?
  8. 剃刀堤という言い方は何を意味しているか?
  9. 洪水の流れは、普段の時の流れと異なるのか?
  10. 水防工法は古い方法だと思われるが、何か良い方法はないのか?
  11. 水制の語源は何か?
  12. 沈床とは何か?
河川計画に係わる事項河川の工事に係わる事項洪水に係わる事項河川管理に係わる事項
水資源・ダムに係わる事項河川環境に係わる事項河川の歴史に係わる事項

  • 川の流れは、直線的に流れる場合の方が抵抗が少ないが、低地部では、流れの側方変移により自然に蛇行が始まる。
    したがって、河川を固定化する場合には、水衝部の堤防は堅固にしなければならない。
  • 水棲生物や魚にとって、瀬と淵の存在は、多様な種類の生物の生息にとって都合がよい。
    …断面内蛇行を計画するとよい。
  • あまり屈曲が進むと、洪水の疎通能力が低下するためショ−トカットする必要が出てくる。
  • 「世の中は、何か常なる明日香川、きのうの淵ぞ今日は瀬となる」(古今和歌集)
  • 建設省土木研究所では、岐阜県羽島郡川島町の木曽川河畔の自然共生研究センターで、実規模の800mの3本の実験河川(直線・蛇行)を設置し、底生生物や魚類の生息数の調査を行った結果、蛇行(ワンドあり)河川の方が生息数が多いとの結果が得られている。
  • 流路が短くなることによって河床勾配が急になり、ショ−トカットの前後で河床の洗掘現象が起きて河川管理施設などに影響を与える。
  • 洪水が一気に流下するため流速が速くなって堤防に大きな外力が働く。
  • 自然環境や生物環境を回復するため、アメリカのフロリダ州では、洪水対策のために拡幅、直線化されたキシミ−川を埋め戻し、蛇行した昔の流路と氾濫原の湿地の復元に乗り出している。
  • イギリスのテムズ川の例、アメリカのミシシッピ川の例では、氾濫しても生命・財産・社会資本に大きな影響を与えない所では無堤のままである。
  • 計画流量を流すための流下断面を確保する必要がある時は、掘り込み河川とするか築堤を 行うことになる。
    …天井川の例では、築堤と河床掘削を同時に行なわなければならない。
  • 本川に堤防を築堤すると、内水排除不良で浸水被害が発生し、また支川への洪水の逆流による水害がが多発するようになるため、内水排水ポンプの設置や支川処理として[水門+排水ポンプ]、または本川の堤防と同じ高さのバック堤(逆流堤)を作る必要がある。
  • 最小の占める幅で、安息角を確保し、かつ浸潤線に対し安全を図れる台形が基本である。
    …必要とされる堤防断面の基本形を定規断面という。
  • 最近では、水際線の保全や良好な水辺との触れ合いができるように定規断面を包含した勾配のゆるやかな堤防が作られている。(法勾配が1:3〜1:5など)
  • 浸潤線に対して、安全な堤防の幅を取り、外水が上がった時の浸透水の堤脚部での処理などを考慮する。
  • 堤体の中央部に台形状の不透水性の粘性土のコアを縦に入れ、良質の土でもって築堤する。
    昔はよく河原を掘削した土砂で築堤したため、砂利が多く強度は出るものの漏水しやすい。
  • 堤内地側に地盤漏水を生じた時…止水矢板工を堤防堤脚前面に施工する。
  • 堤体漏水があった時…水の堤体内への浸出を防ぐため、計画高水位以下の表法面に対してコンクリートブロックなどで全面被覆する。
  • 軟弱地盤に築堤する場合や河積が広げられない時、堤防全面の堤脚部に矢板を打ち込んで基礎とし、護岸を立ち上げる方法。
    水際線が明確に分断されてしまい生態系や景観上マイナス面が多く、近年は敬遠されている。
  • 地下水の流れを遮断し、締めきられた地下水の上流側で水位の上昇や、周囲を囲んだ時は地震 発生時にタライの中の揺れ現象(内浪逆浦の埋め立て地の潮来町「日の出団地」の例)を生じて、液状化を起こし地下埋設物に被害などを与える。
  • DJM工法などによる地盤改良を行って盛り土する。
  • 竹を井桁に組んでむしろなどを敷いた上に盛土したり、最近では、プラスチック製の目の広い網であるジオテキスタイル(せん断抵抗に対処)を堤体に敷き込んだりする。
  • 洪水のたびに堤防が決壊するため、良く切れるとの意でカミソリ堤と称する俗語。
    河川計画に則って、堤防の嵩上げや腹付けをして堤防を補強する必要がある。
  • 洪水時の流心は、平常時の流れの流心とは異なり、堤防の曲線の影響を受けて大きく反射を繰り返しながら流れる。
    また、大洪水では、流心は堤防から見ると盛り上がるように流れ、堤防は、その流れの影響を受けて地響きのように振動を起こし、また堤防の材料は土故に浸透を受けて緩んでくる。
    従って、大水の時に堤防に上がるのは大変危険。
  • 現在においても昔からの工法が行われているのは、材料である木や竹、土などが手に入り易いことと洪水で満杯の時には、乾燥して堅固だった堤防も水を大量に含んで柔らかくなり、大型の重量機械などは入って行けないため、昔ながらの人海戦術による方法が有効となる。
    しかし材料として筵や縄などは手に入りにくいので、ビニ−ルシ−トやビニ−ル紐の使用、土嚢詰の機械化、溢水止めにビニ−ル製の大きな水嚢の使用などが図られてきている。
  • 水制は、堤防から川の中に向かって突き出した構造物で、流速を押さえたり、流れの方向を変えて洪水時の流心を堤防から遠ざけ、堤体の侵食や決壊を防ぎ、流れを安定させるもので、水を制するという意味。
    また、平常時は、舟運の航路確保や水深の維持に役立っている。
  • 構造物は、古くから「出し」と呼ばれ、素材によって杭出し、石出し、土出し、柵出し、籠出しなどと呼ばれている。
    また、急流河川では、川にある大きな石を利用して「牛」という丸太を組んだ枠組みの中に石俵を詰めて自重で流れに抵抗する仕掛けをいくつも置いた。
    呼び名は、その形から鳥脚、大聖牛、笈牛、川倉、猪の子などと呼ばれる。
  • 明治になると、オランダの技術者が導入した「水刎ね」(オランダ語でクリッペン)は、訛ってケレップ水制と呼ばれた。
    これらは近年では、コンクリ−トブロック等で護岸を保護する根固工にとって代わられたが、最近、この水制が川の景観に変化を与え、かつワンドの創出により生態系の保全・育成に役立つなど多自然型工法として大いに見直されてきている。
  • 河川の構造物(堰、橋脚など)前後や堤防足元の河床を流水の浸食から守るため、河川の床に物を沈めて敷き詰めるの意で河床安定工法の一つ。
  • 古くは、粗朶沈床、木工沈床などが用いられていたが、近年はコンクリ−トブロックを敷き詰める工法に変わってきている。
    しかし生息生物に優しい多自然型河川工法として石や木材、柴などを用いる従来の工法が改めて見直されてきている。
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