ヘッダー上段 河川のQ&A,水資源・ダムに係わる事項
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河川のQ&A,水資源・ダムに係わる事項 河川のQ&A,水資源・ダムに係わる事項
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水資源・ダムに係わる事項
  1. 渇水はどうして起きるか?
  2. ダムは万能か?
  3. アメリカは、なぜダム開発を止めたと言っているのか?
  4. ダムに溜まった土砂はどうしたらよいか?
  5. 緑のダムは、実際のダムに比較してどれだけ水を貯められるか?
  6. 世界の巨大ダムでの弊害とは何か?
河川計画に係わる事項河川の工事に係わる事項洪水に係わる事項河川管理に係わる事項
水資源・ダムに係わる事項河川環境に係わる事項河川の歴史に係わる事項

  • 然現象としての降雨量が少ないことが第一原因、水源の種類(地下水、ダム、河川表流水など)によっても異なり、また使用者の意識(生活様式、節水の努力など)などにも大きく影響される。
  • ダムの計画洪水量は、1/50で計画されているが、渇水は、1/10の計画のため、渇水には元々弱いという特徴があり、貯留量のうち利水容量を割り込めば、下流への補給ができなくなり、取水制限や取水ストップになる。
  • ダムだけに頼らず、清澄な水でなくても良い場合は、雨水や下水道の処理水などを利用した中水道の活用を考えるべき。
  • 農業用水の生活用水への転換を検討する。
  • ダムは万能か? ・ダムを作るから渇水が生じると主張する人もいる。…ダムが出来ることによって安心してしまう、 頼ってしまう、節水観念が育たないなど。
  • 計画以上の洪水が来たときには役に立たなくなる。
    即ち、洪水時は、ダムへの流入量に対して放流量を絞って洪水調節を行っているが、ダムが満杯になれば調節が不可能になるので流入量と同じ量を放流せざるを得ずダムの役目は終わる。
  • ダムに洪水をすべて貯めて下流に流さないというのは幻想。
  • アメリカは、なぜダム開発を止めたと言っているのか?
  • 1994年アメリカ開墾局のダニエル・ビア−ド総裁が「ダムの時代は終わった」と表明。
    今後は、建設よりも効率的な水利用に転換すべきと力説。
  • 税金の使用目的…投資効果を計算し、妥当投資額を割り込むような事業については税金を投入 すべきでない。
  • 環境保全、環境回復の高まり…レッドデ−タブックに載るような貴重種の保存に莫大な費用がかかる。
    1969年 国家環境政策法National Enviromental Policy Act (NEPA)
    1973年 絶滅の危機に瀕した種に関する法律Endangered Species Act
  • 環境の回復手段が無い場合には、FERC(連邦エネルギ−規制委員会)は、発電用ダムなどの更新を認めず、既設のダムの撤去が始まっている。
    (メ−ン州のケネベック川にあるエドワ−ズ・ダムでは、サケ、チョウザメ、シマスズキ、カワニシンの遡上のための魚道設置や産卵場の確保は、撤去の1.7倍の費用がかかる。ノ−スキャロライナ州ゴ−ルズボロのクェ−カ−ネックダムでも撤去が決まった。)
  • ダムに溜まった土砂はどうしたらよいか?
  • ダムの水を抜いて(水位を下げて)陸上から浚渫する。…五十里ダム(栃木県)
  • ダムに湛水したままポンプ船による浚渫する。…八久和ダム(山形県)
  • ダムの下部に設けた排泥管から洪水時に放流する。…出し平ダム(富山県) ※この場合、過去3回の放流実験をおこなったが、ダム底の沈泥は無酸素状態で腐敗が進まず、真っ黒なヘドロとなって下流の漁業に影響を与えるなどクレ−ムがつき、関西電力では補償金を支払った経緯がある。
  • 緑のダムは、実際のダムに比較してどれだけ水を貯められるか?
  • 水を貯える3本柱は、上流域が「緑のダム」、上・中流域が「人工構造物のダム」、下流域が「水田のダム」である。
  • 日本最大の貯水量のダムは、電源開発の奥只見ダムで総貯水量6億m3、有効貯水量4億m3、(計 画上、岐阜県の水資源開発公団の徳山ダムで総貯水量6.6億m3、有効貯水量3.5 億m3)に対し、1996年(平成8年)現在で全国の多目的ダム438箇所、治水ダム89箇所、計527箇所のダムの洪水調節容量は、38.7億m3となっている。
    建設中も含めると将来は940箇所で60億m3になる予定。(総貯水量は、H7まで222億m3、将来305億m3)
    これに対し、森林地での貯水能力は、昭和47年に林野庁が試算した値で国全体で約44億m3とされている。(現在は森林が減少しているのでもう少し小さいだろう。)
    一方、水田の貯水能力は、1997年現在の全国の水田面積は270万haで畦畔の高さが未整備で10cm、圃場整備済みで30cm、平均20cmとして、水稲生育用3cmの湛水深を引いて270万ha×(20cm−3cm)=45.9億m3の貯水能力がある。
  • 世界のダムの貯水容量の第1位は、アフリカ、ウガンダのOwen Fallsダム(1954)で、2,048億m3(自然湖の容量を含めると2兆7千億m3となる)、第2位は、ロシアCIS(独立家共同体のウクライナ)のKakhovskayaダム(1955)で1,820億m3、Aswan Highダム(エジプト1970)は、第5位で1,689億m3。
  • 世界の巨大ダムでの弊害とは何か?
  • 洪水によって栄養分に富んだ土砂が下流で溢れることにより、肥沃な耕地となっていたものが激減し、代わりに莫大な化学肥料が必要となって負担が増え、また大規模な離農も進んでいる。(ナイル川)
  • ダムによる大規模な灌漑は、土地の地表面への塩分の析出をもたらし、広大な耕作地が塩害により不毛の地になる。(ナイル川沿岸、干上がるアラル海)
  • 栄養塩類の流下が少なくなることと、流量そのものが少なくなることによって海水が遡上するため、既存の漁業に大きな打撃を与える。
  • ダムに膨大な土砂が堆積し、それを防ぐ解決策がない。また、土砂が海に供給されないため広大なデルタ地帯が水没の危険に見舞われる。
  • アフリカなどの熱帯では、湛水によって植物・樹木が腐敗し、また蚊の大発生によりマラリヤや巻き貝の大発生による住血吸虫病などの風土病が蔓延する。
  • 低所得層の住民が何十万人と移住を余儀なくされる。(三峡ダムでは、百万十人に及ぶ。また、三国志の蜀の国に関わる多くの史跡なども水没する運命にある。)
  • 発展途上国では、権力者の威を示すシンボルとして建設されることが多く、権力の腐敗につながったり、生み出される水力発電が一部企業の優遇につながりやすい。
  • 大河川の水争奪の思惑が、民族間の対立を招き国際緊張の火種になりやすい。インド⇔パキスタン(ガンジス川)、エジプト⇔ス−ダン⇔エチオピア(ナイル川)、イスラエル⇔ヨルダン⇔パレスチナ(ヨルダン川)、イラク⇔シリア⇔トルコ(チグリス川)
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