ヘッダー上段 河川のQ&A,河川環境に係わる事項
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河川のQ&A,河川環境に係わる事項 河川のQ&A,河川環境に係わる事項
河川のQ&A,河川環境に係わる事項 河川のQ&A 河川のQ&A,河川環境に係わる事項
河川環境に係わる事項
  1. 地下水は何年前の降雨が出てくるのだろうか?
  2. ホタルはどういう水辺が好きか?
  3. 魚は、川のどういう場所で卵を生むか?
  4. 近自然工法を採用する意味は何か?
  5. 緑の回廊(独・Korridor コリド−ル)が何故大切か?
  6. 山や森が海の魚を育てるとはどういうことか?
  7. ワンドが大切な訳
  8. 河川での移化帯の位置づけとは?
  9. 水辺の国勢調査とは何をやるのか?
  10. 河川の水質汚濁を防止する基本的な考え方はどうなっているのか?
  11. 河川の正常流量と維持流量とはどう違うのか?
河川計画に係わる事項河川の工事に係わる事項洪水に係わる事項河川管理に係わる事項
水資源・ダムに係わる事項河川環境に係わる事項河川の歴史に係わる事項

  • 2〜3年から50年、100年のオ−ダ−のものまである。
  • 静岡県駿東郡清水町の柿田川湧水(狩野川合流までのL=1.2kmの1級河川)、1日流出量150万m3→80万m3に減少(100年前の富士山への降雨が湧出するという。
    富士山では年間2,000mm〜3,000mmの降雨があり富士山全体で年間約22億m3の水が地下水になる。)
  • 山梨県南都留郡忍野村の忍野八海(放射性同位元素トリチウムの検査で約80年前の富士山降雨が湧出)
  • 利尻島(海抜721m)の海底湧水は、トリチウム検査で約30年前の利尻山の降雪の雪解け水が湧出するもので、養分に富む、海産物の生育に大きく貢献している。
  • ゲンジボタル…餌になるカワニナが生息するような清流の沢や川、天然の水路など。
    羽化するのに幼虫が水の中から這い出るために草の生えている天然の岸が必要。
    (水質汚濁が進んでいることと、最近、農業用水路などがコンクリ−ト化されることによって激減している。)
  • ヘイケボタル…少々汚れている水でもよい。
    餌はタニシ。
    岸はやはり天然か「ホタル護岸」
  • コイ、フナ⇒水際の浅瀬のアシや水生植物の生えている所に卵を産み付ける。(固い護岸はダメ)、産 卵期は春でノッコミ期という。
  • アユ⇒感潮域のすぐ上流の小さい砂利が底に豊富にある早い流れのある深場。
    産卵期は、秋で、一年魚と呼ばれる。
  • アイソ⇒上・中流域の小さい砂利のある速い流れのザラ瀬の浅場。
    産卵期は春4〜5月。
  • ヤマメ、イワナ、サケ⇒最上流部の細かい砂利のある浅場で湧水などのある所。
    産卵期は秋以降。
  • 生態系に配慮し出来るだけ人工のコンクリ−トや護岸を使わず、土、芝、木材、玉石、などを使い、しかも床固めに木工沈床などを施すなど、なるべく自然に馴染みやすく、周辺の環境に対し違和感のない河川の改修方法をとることで、多自然型河川工法とも呼ばれている。
    しかし、自然風に似せて川を作り替えると言うことで「他自然型川づくり」または、「多不自然型川づくり」などと皮肉に称されることもある。
  • 近自然工法…新しく川を作り変えることではなく、川はできるだけ自然のままにして、ど うしても必要な所にだけ手を加わえるにとどめ、できる限り元々あった自然に近づけるようにすること。
    (スイスやドイツなどが先駆けて実施している。)
  • 多自然型川づくり…自然に似せて全面的に川を改修し、全く新しい川としている場合が多 い。
    (パタ−ン化された手法が多く庭園風・箱庭的になりやすい。)
  • 環境に手を加えることによって、生ずる影響を予め予測し、その低減措置や代替措置を行うミチゲ−ションの方法の取り組みが始まっている。
    対応の段階としては、開発に伴う自然への悪影響の回避(avoido)、最小化(minimize)、矯正(rectify)、低減(reduce)、代償(compensate)の順に規制条件を緩和して考えている。
  • 河畔林や森(ドイツのライン河の東岸につらなるSchwarzwaldの黒い森・熱帯雨林など)が一連に繋がっていることが必要で、生物(鳥、昆虫、動物など)の安全な移動路が確保でき、多様な種の保存が可能となること。
    生態回廊(エコロジカル・コリド−)、またはビオト−プ・コリド−とも言う。
  • 河川についても同様のことが言え、これらのコリド−ルが分断されると生物の移動が不可能になり、一定数を割り込むと最悪の場合、種が絶滅することがある。
  • 健全で豊かな生態系を保つためには、自然との共生に努める必要がある。
  • 海洋生物(特に大型魚種のエサとなる植物プランクトンや海草など)に必要なミネラル分は、山地から川の水に溶け込んで流れてくると言われ、特に栄養塩類(珪酸塩、燐酸塩、硝酸塩、アンモニアなど)については、落葉広葉樹の森林が育んでいる。
    これは、枯れ葉の腐植土からは、栄養塩類と鉄分が補給され、この鉄分が不足すると磯焼けを起こして、海草類が全滅し、アワビ・ウニ・サザエや魚類がとれななくなるという。
  • 鉄は、そのままでは粒子が大きいので直接細胞膜を通過しないが、腐植土からは水に溶けるフルボン酸と水に溶けないフミン酸ができ、鉄はこのフルボン酸と結合して鉄イオンとなって生物に吸収されると言う。
    栄養塩類(冷水) →プランクトン増殖→コンブ・海草→天然・養殖のアワビ・ウニ・サザエ→ カキの養殖
  • 上流域でのブナなどの広葉樹林の伐採や針葉樹(スギ、ヒノキ)の植林は、これらに大きなマイナス効果となる。
  • 宮城県唐桑町のカキ養殖業者らが、気仙沼湾に流入する大川の源流の矢越山(標高520m、岩手県室根町)にブナ、ミズナラ、トチノキを植林し森を育てている。
  • 北海道根室支庁別海町の西別川流域は、大規模な酪農で森林を伐採して広大な牧草地に変えてしまったため、野付漁協、農協、町、林業者が「魚を育む森づくり事業」としてハンノキ、ミズナラ、ハルニレなどの植林を進めている。
  • 関西の方では、良く使われる言葉で「湾洞」の字が当てられる。
    川が澱んでいる深みのことで、生態系から見た水生生物は、浅瀬や深場など一本調子の流れでない方が生物相が豊かになる。
  • 浅瀬の石には、藻類が育ち、水生昆虫も豊富で魚の給餌場となり、淵は、魚の隠れ家や休憩の場所となっている。
    このため、堤防が直線形でも支障のない範囲で低水路の流れに屈曲が生ずるように工夫し、湾や入り江などで変化を付けて淵や瀬を創出し、多自然型川づくりを行う。
  • 川などの水域から陸域にかけて、水生植物から低性植物に始まり陸側に徐々に低木から高木に変化するゾ−ンは、エコト−ン(推移帯)とも呼ばれ、水の世界と陸の世界を繋ぐ多様な動植物が生育する生息空間を形成している。
  • 動植物にとってこの水際を含む移化帯ゾ−ンは、ビオト−プとして重要な役割を果たしているが、近年河川工事などに伴って、この水際が減少の一途をたどっている。このため多自然型河川工法を採用するなど、できるだけ良好な水際線の保全につとめるよう努力しなければならない。
  • 近年、河川敷の水質浄化能力や洪水防止機能が再評価され、ドイツやオランダでは、潰した湿地を元に戻す事業が始まっている。
  • 霞ヶ浦でも湖岸の砂浜を復活させてアサザやヨシを植える「アサザ・プロジェクト」がボランティアの手で進められている。
  • 平成2年から毎年、全国の主要な河川を対象に、河川現況調査および河川空間利用実態調査については原則として毎年実施し、魚介類調査、底生動物調査、植物調査、鳥類調査、両生爬虫類哺乳類調査、陸上昆虫類調査などの生物調査については、5カ年で一巡するように実施し、河川環境に関する基礎情報およびその変化の把握に努めることにしている。
  • 下水道計画がある河川については、「下水道法」の“流域別下水道整備総合計画”により総量規制の考え方が適用される。
  • 「環境基本法」で水質環境基準点の類型指定が行われれば、その地点での将来の河川の(低水流量×水質環境基準=許容汚濁負荷量)以下に発生源にさかのぼって負荷量をカットしなければならない。
  • 負荷量の削減は、生活排水については下水道設備で対応し、その目標削減量から下水道の整備すべき範囲が決定される。
    また、事業場については、「水質汚濁防止法」および県条例による排出規制が適用される。(ただし濃度規制)
    ただし、農地や山林からの流出または降雨に含まれる負荷など自然汚濁負荷量については削減できない。(削減対象項目:河川はBOD、海域・湖沼はCOD、湖沼水質保全特別措置法に基づく指定湖沼はCODのほか、N、Pについても削減計画を実施する。)
  • 閉鎖性水域では、N、Pによる富栄養化が原因のアオコの発生に加え、最近では、環境ホルモンも検出されるなど新たな水質汚濁の要素が加わっている。
  • このように河川に入る前の汚濁対策に関しては、河川管理者は関与する事ができないが、河川水そのものの浄化は、礫間接触酸化法などの施設の河川敷への設置や、導水事業による他河川からの清澄水の導入などが行われている。
  • 河川の主要な地点における流水の正常な機能を維持するために必要な流量のことで、(その地点における維持流量)と(その地点から下流の取水権量)を加えた量以上の流量と考えて良い。
  • 維持流量とは、舟運、漁業、景観、塩害の遡上防止、河口閉塞の防止、河川管理施設の保護、地下水の維持、動植物の保存、流水の清潔な保持など総合的な観点から判断して渇水時においても河川が本来保有していなければならない水量を意味している。
  • 正常流量が確保できない場合は、新たな水利権は賦与できず、ダムの建設などによってのみ新たな水利権を生み出すしか方法はない。
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