< 遺言の撤回とは >
遺言の撤回:
遺言者は、いつでも自由に遺言の全部又は一部を撤回することができます。また、遺言を撤回する権利を放棄することはできず、たとえ遺言書に撤回しない旨を記載したり、又は利害関係人に約束したりしていても、これに拘束されることはありません。
また、遺言の撤回を詐欺又は強迫によって妨げた者は、相続欠格者とされ、相続の対象外となります。
撤回の方法:
遺言の撤回の方法には、次のものがあります。
1)遺言による方法
− 前の遺言の全部又は一部を撤回する新しい遺言を作成する
撤回された遺言は、初めからなかったものになります。
− 前の遺言と抵触する新しい遺言を作成する
抵触する部分については、新しい遺言が優先され、前の遺 言は、新しい遺言により撤回されたものとみなされます。
2)行為による方法
− 遺言と抵触する生前処分(譲渡、寄付、売買など)を行う
抵触する部分については、遺言した後の生前処分により遺 言が撤回されたものとみなされます。
− 遺言書を破棄する
遺言者が故意に遺言書を破棄した場合には、遺言を撤回し たものとみなされます。しかし、遺言者の過失、第三者の行 為又は不可抗力によって破棄された場合には、撤回の効力は 発生しません。
また、公正証書遺言の場合には、遺言者が保管する正本を 破棄しても撤回とはみなされず、公証人役場に保管されてい る原本を破棄する必要があります。
− 遺贈の目的物を破棄(滅失、き損、経済的価値を失わせる など)する
遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄した場合には、遺言を 撤回したものとみなされます。しかし、遺言者の過失、第三 者の行為又は不可抗力によって破棄された場合には、撤回の 効力は発生しません。
また、第三者によって破棄された場合には、利害関係人は 第三者に損害賠償請求ができます。
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