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イクシーの書庫・過去ログ(2001年12月)

<オススメ度>の解説
 ※あくまで○にの主観に基づいたものです。
☆☆☆☆☆:絶対のお勧め品。必読!!☆☆:お金と時間に余裕があれば
☆☆☆☆:読んで損はありません:読むのはお金と時間のムダです
☆☆☆:まあまあの水準作:問題外(怒)


死の姉妹 (ホラー:アンソロジー)
(マーティン・H・グリーンバーグ&バーバラ・ハムリー編 / 扶桑社ミステリー 1996)

えっと。別に意識したわけじゃないんですけど、続く時は続くもので。
これも“吸血鬼”もの。
しかも、タイトルが示す通り、女性吸血鬼を主人公とした短編だけを集めたアンソロジーです。
耽美派からSFから、人情噺、ダークファンタジー風味と、いろいろ揃ってます。
でも、「これだ!」っていうインパクトのある話は見当たりませんでした。

<収録作品と作者>「からっぽ」(M・ジョン・ハリスン)、「吸血獣」(ダイアナ・L・パクスン)、「マードリン」(バーバラ・ハムリー)、「ママ」(スティーヴ&メラニー・テム)、「夜の仲間たち」(デボラ・ウィーラー)、「再会の夜」(ディーン・ウェズリー・スミス)、「貴婦人」(タニス・リー)、「真夜中の救済者」(パット・キャディガン)、「受け継いだ血」(マイケル・クーランド)、「犠牲者」(クリスティン・キャスリン・ラッシュ)、「マリードと血の臭跡」(ジョージ・アレック・エフィンジャー)、「ダークハウス」(ニーナ・キリキ・ホフマン)、「<夜行人種>の歌」(ラリイ・ニーヴン)、「死の姉妹」(ジェイン・ヨーレン)

オススメ度:☆☆

2001.12.5


ライアン家の誇り (SF)
(アン・マキャフリイ / ハヤカワ文庫SF 1996)

しばらく前にまとめて3冊読んで、最終巻が後回しになってた『九星系連盟シリーズ』の最終巻です(まだ含みを残した終わり方をしてるので、続きはなきにしもあらず)。
前巻に続き、主人公はダミアの子供たち。ライアン家の家族愛と、子供たちの成長を縦軸に、すべての生命を破壊し、意思疎通もできない異星人との戦いを横軸に、相変わらずテンポのいいストーリーが展開します。
この際、4冊まとめて一気に読むのも吉かと。

オススメ度:☆☆☆

2001.12.6


新・魔界水滸伝3 (伝奇)
(栗本 薫 / 角川文庫 1996)

新展開に入った『魔界水滸伝』、3巻目です。
はるか未来の銀河帝国に転生した主人公たち、不思議な運命に導かれるかのように邂逅?
と、思わせぶりなところで、「続く」となります。
ま、それはいいんですが・・・。
この後、続巻が全然出る気配がないんですけど。どうなってるんでしょうか角川さん?

※追記:とりあえず4巻は出ています。

オススメ度:☆☆☆

2001.12.7


偽装作戦発動! (SF)
(ウィリアム・フォルツ&エルンスト・ヴルチェク / ハヤカワ文庫SF 2001)

なんか早く目が覚めたので、デ●ーズに朝食食べにいったついでに読み終わっちゃいました。
ペリー・ローダン・シリーズ最新刊。
前回、●●に●●されてしまった●●が、大偽装作戦を開始します。
こんな大掛かりなお芝居、「地球替え玉作戦」以来かも。
今後の展開が楽しみですね〜。

<収録作品と作者>「偽装作戦発動!」(ウィリアム・フォルツ)、「戦場は地球」(エルンスト・ヴルチェク)

オススメ度:☆☆☆☆

2001.12.8


黄金の魔獣 (ファンタジー)
(タニス・リー / ハヤカワ文庫FT 1996)

耽美派ダーク・ファンタジーの女王、タニス・リーの、これは人狼もの。
英語で言えばLycanthrope(DQに出てくるモンスターの「リカント」はこの略ですね)。
奇怪なダイヤモンドに魅入られた主人公の美青年(!)、満月になると真っ黒い獣に変身し、殺戮の限りを尽くします。そして、彼の生まれ故郷で、同じようにダイヤモンドに翻弄される赤毛の美女と、その夫(この人がまた、絵に描いたような“いい人”)・・・。
地上の何を以ってしても傷つけることができない獣を倒したものは、さて何でしょう。
結末を見て、「なんじゃこりゃあ!」って思っちゃいましたけど。

オススメ度:☆☆☆

2001.12.9


人形の目 (ホラー)
(バリ・ウッド / ハヤカワ文庫NV 1996)

本作品の主人公イヴは、サイコメトラーです。
サイコメトリー・・・物体、写真などに触れることで、それに関連する事件、人物、その物体の出所や由来などについて把握する能力。(
『超常現象大事典』より)
だいたい、そんな能力、ない方がいいに決まっています。見たくもないのに知り合いの過去や未来が見えてしまう・・・。さらに、見も知らぬ殺人鬼の姿を見てしまったとしたら。
というわけで、この手のネタの小説はたくさんあります。クーンツの『悪魔は夜はばたく』『マンハッタン魔の北壁』、J・ハーバートの『ムーン』、K・グリーンの『ブラック・ドリーム』とか。(全部読んだんですか)
また、犯人が幼い頃のトラウマを負っているというのもよくあるパターンですが、この作品では、犯人にはその記憶がなく、それを「見る」ことができると思われる主人公を追い回すという点に、新味があります。
血みどろサイコサスペンスの割りには、読後感が良かったりして。

オススメ度:☆☆☆

2001.12.12


宇宙のランデヴー3(上・下) (SF)
(アーサー・C・クラーク&ジェントリー・リー / ハヤカワ文庫SF 1996)

え〜、4部作の3冊目です。
2作目を読んだのが、もう1年半前で、ストーリーを完璧に忘れ去っていたのですが、読み始めると、あら不思議。
次々と、あんな場面があったこんな場面があったと、記憶の泉(笑)状態。
やっぱり書き方がうまいんでしょうね。
前回、3人の隊員を乗せたまま太陽系を去っていった謎の巨大宇宙船ラーマ(マーガリンじゃありません)。
その内部で、3人は子作りに励み(ちょっと違うか)、小さな家族として過ごしていました。
その前に現われる、謎の異星人。彼は、とんでもない提案を、人類に申し出ます。
その目的は何か・・・。
謎が解かれるのは、完結編の4巻へのお楽しみ。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.12.14


おはよう寄生虫さん (エッセイ)
(亀谷 了 / 講談社+α文庫 1996)

東京には、隠れデートスポットとしてひそかに有名な、「目黒寄生虫館」があります。
実は、そこのすぐ近所にうちの会社の女子寮があって、そこに入った子は好奇心から1回は見に行くらしいので、うちはどうやら入館率No.1の会社だったりして。
以前、会社の仲間でツアーを組んで見に行ったことがあります。ちなみに「8mのサナダムシを見て、その後できしめん食べよう」ツアー。(笑)
入場無料ですし、中ではお土産も売ってます。寄生虫絵葉書や寄生虫Tシャツ、寄生虫トレーナー(実はかなり買った)。
機会があれば、話のタネに一度は行ってみるといいですよ。想像するほどグロじゃないし。
で、この本は、その目黒寄生虫館の館長さんが書いた、愛情あふれるエッセイです。

オススメ度:☆☆☆

2001.12.15


本朝幻想文学縁起 (ノンフィクション)
(荒俣 宏 / 集英社文庫 1994)

現代日本屈指のオタク(誉めコトバですよ)にして、博覧強記のディレッタント、荒俣 宏さんが書き下ろした日本オカルト文学史。
単なるブックガイドかと思って読み始めたら、とんでもない。
平安から江戸後期までの日本を代表する幻想文学作品について、その底流となっている歴史・文化・哲学から説き起こして、一読、まさに目からウロコがぽろぽろと落ちてしまう、一大縁起書となっています。(まあ好き嫌いはあると思いますが)
特に中盤、「南総里見八犬伝」を日本最大のメタファー小説として読み解くくだりなど、なんとも言えない知的興奮に震えさせてくれます。(にしても「八犬伝」読んでないんだよな)
幻想文学好きならば、必読の書です。全体が百物語構成になっているのも、遊び心が感じられて吉。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.12.18


アトポス (ミステリ)
(島田 荘司 / 講談社文庫 1996)

実は、この本に没頭していたせいで、ヘルクルの発売日を忘れてしまっていたのです。
いや〜、それにしても厚いわ。全部で979ページ。ほんと、K談社って無節操に文庫を厚くするからなあ・・・。まあこれがK川書店だったら、間違いなく2巻か3巻本にしてるでしょうから、それだけ高くなってるはずですね。しかし、電車の中で立って読む時、片手で支えるのがえらく疲れました(笑)。
あの「水晶のピラミッド」事件から2年後。和製ハリウッドスター、松崎レオナが、再び事件に巻き込まれます。しかも、今回は彼女自身が犯人としか思えない凄惨な連続殺人事件が・・・。
前半、“血の伯爵夫人”と呼ばれた歴史上の人物エリザベートを描いた長い長いプロローグが語られ、それをモチーフにした小説を書いていたホラー作家が、首をはねられて殺されます。続いて起こる連続幼児誘拐事件。精神を病んでいるとしか思えない奇怪な行動をするレオナ・・・。
彼女を救いに白馬の騎士よろしく颯爽と登場する名探偵、御手洗潔・・・ということになるのですが、なんというか、彼が初めて出てくるのは753ページなんですけど(汗)。
一応、わずかですが話のつながりはあるので、「暗闇坂の人食いの木」、
「水晶のピラミッド」、本書の順に読むことをお勧めします。
とんでもなく面白いですけど、好みは分かれるところだと思います。万人受けする作品ではないね。

オススメ度:☆☆☆

2001.12.21


星界の紋章1 ―帝国の王女―  (SF)
(森岡 浩之 / ハヤカワ文庫JA 1996)

なぜか定刻の王女と変換されてしまった・・・(どんな王女だよ)。
えっと、この作品って、アニメ化されてるんですよね。フィルムブックとか出てるし。
読んでて感じるんですけど、作品自体のイメージが、アニメなんですよね。
作者は○にと同世代なんですけど、もっと上の世代の作家さんだと、「アニメ」じゃなくて「活動写真」。
TVのSFアニメをリアルタイムで見て育った世代でないと書けない作品だと思いました。
内容は・・・オリジナルの造語がたくさん出てきて、それになじめるかどうかで評価が分かれると思いますが、面白いですよ。まだ始まったばかりで続きがあるし。

オススメ度:☆☆☆

2001.12.23


星界の紋章2 ―ささやかな戦い― & 星界の紋章3 ―異郷への帰還― (SF)
(森岡 浩之 / ハヤカワ文庫JA 1996)

えっと、2巻と3巻まとめて読んじゃったので、まとめて書きます。
ま、要するにスペオペです。
え、略すなって? はい、正確にはスペース・オペラ。
ストーリー紹介は野暮になるので省略しますが、少年少女が大冒険に巻き込まれる正統派。
といいながら、見事にフェイントをかける意外な造形のキャラが出て来たりして、思わずニヤリとさせられたり。
森岡さんは、この作品が処女長編だったそうですが、とにかく書くのが楽しくてたまらないという書き手の気持ちがビンビンに伝わってきます。
3冊まとめて一気に読むが吉。
続編『星界の戦旗』も期待大。

オススメ度:☆☆☆☆

2001.12.25


ガルムの標的 (ヒロイック・ファンタジー)
(栗本 薫 / ハヤカワ文庫JA 1996)

グイン・サーガの第53巻です。
でも世間では既に82巻が出てるんですけど。いいのかそれで(汗)。
いや、全部買ってはあるんですけどね。順番があるってことで(滝汗)。
今回は、舞台がモンゴールに移ります。
てことは、あの人とアイツのひそかなる戦いの巻ってわけで。
相変わらず陰惨です、アイツ。
個人的には、某魔道師に拉致された彼の運命が気になるんですが(代名詞ばっか(^^;)

オススメ度:☆☆☆

2001.12.28


カー短編全集4/幽霊射手 (ミステリ)
(ディクスン・カー / 創元推理文庫 1996)

『不可能犯罪の巨匠』と言われるディクスン・カー。
20世紀前半を彩った本格探偵小説作家はみんな好きですが(クイーン、クロフツ、ヴァン・ダイン、セイヤーズ、クリスティetc.)、カーはその中でも好きな部類に入ります。あの怪奇趣味がなんとも言えず・・・。
で、本書はその散逸した作品群を集めた貴重な短編集です。人間消失や密室殺人など、トリッキイな小品集。編者のD・G・グリーンの解説も読み応えがあります。

<収録作品>「奇跡を創り出した男」、「死者を飲むかのように……」、「山羊の影」、「第四の容疑者」、「正義の果て」、「四号車室の殺人」、「B13号室」、「絞首人は待ってくれない」、「幽霊射手」、「花嫁消失」

オススメ度:☆☆☆

2001.12.28


ゴールデン・マン (SF)
(フィリップ・K・ディック / ハヤカワ文庫SF 1995)

冬祭りの待ち行列の中で、ほとんど読んでしまったという(笑)
ディックの作品は、政治や宗教に関する批判精神に富んだものが多いんですけど、この短編集もその通りで、ちょっと癖がありますが、いつのまにか引き込まれて読んでしまいます。
しかもディック一流のブラックユーモアで味付けして供されます。
中でも「妖精の王」が面白かったかな・・・。

<収録作品>「ゴールデン・マン」、「リターン・マッチ」、「妖精の王」、「ヤンシーにならえ」、「ふとした表紙に」、「小さな黒い箱」、「融通のきかない機械」

オススメ度:☆☆☆

2001.12.29


妖精Who’s Who (事典)
(キャサリン・ブリッグズ / ちくま文庫 1996)

キャサリン・ブリッグズと言えば、英国妖精学の権威です。彼女の著書「妖精事典」(冨山房)は、これ1冊あれば他に何も要らないという書物(高いですけどね)。
本書は、その「妖精事典」のエッセンスを抽出してコンパクトにまとめたものです。
イラストも満載で、ファンタジー気分にひたれます〜。

オススメ度:☆☆☆

2001.12.30


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