クトゥルー10 (ホラー:アンソロジー)
(大瀧 啓裕編 / 青心社文庫 1997)
20世紀アメリカが生んだ暗黒神話体系“クトゥルー神話”のアンソロジー第10巻。
さすがに10巻目ともなると、原書のネタも尽きてきたのか、箸にも棒にもかからぬ駄作も混じっています。編者の大瀧さんも、苦労してるんだろうなあ。
今回、全体の7割弱を占めているのが、ラヴクラフト最大の(唯一の?)長編小説「チャールズ・デクスター・ウォード事件」。以前、創元推理文庫版で読んだ時には、これが“クトゥルー”に属するという意識はなかったんですが、今読み返してみると、ちゃんと“クトゥルー”ですね。
<収録作品と作者>「ファルコン岬の漁師」(H・P・ラヴクラフト&オーガスト・ダーレス)、「妖術師の宝石」(ロバート・ブロック)、「クラーリッツの秘密」(ヘンリイ・カットナー)、「クトゥルーの眷属」(ロバート・シルヴァーバーグ)、「グラーグのマント」(フレデリック・ポール&H・ドクワイラー&R・A・W・ロウンデズ)、「アルハザードのランプ」(H・P・ラヴクラフト&オーガスト・ダーレス)、「チャールズ・デクスター・ウォード事件」(H・P・ラヴクラフト)
オススメ度:☆☆
2002.8.1