2010.6

初めてのクルーズ

MSC MUSICA 89600t

 

兎に角デカイ船にビックリ、初日は船内探訪と施設の見学で終わってしまう事となりました。     7階にある避難デッキは直線200m以上ですから運動会が出来ます。
イタリア国籍船主のカジュアルクラスだから、フォーマルな服装は要求されないと思い
初めての七泊八日クルーズにチャレンジしたのですが、少々早とちりだったようで、
まごまごする羽目と成りました。 カジュアルクラスと言えどもタキシードまたはそれに類するドレスアップのフォーマルデイが、航海中に二日あることが分かったのです。
     
 一方寄港日以外の船上では、2500名の乗客の半数以上がデッキで甲羅干しています。 その様子は、
壮観を通り越して恐怖感が湧きそうです。     足の踏み場もなくなるような状況ですから、人の熱気で
むせかえります。      そんな雑踏の中の舞台上で、スピーカーをガナラセてジャズダンスのレッスン
が始まります。 「喧噪にむせ返る」様子に圧倒されてしまい、60名の日本人が乗船していたそうですが、
影も形もありません。 イタリア語・スペイン語・ドイツ語・英語の船内放送がありますが、語学に弱い私の
出る幕はゼロ、ただ呆然と見ているだけと相成りました。     (12080 12階の80号室がねぐらです)
   
     
 打って変わって、夕方からの船内は着飾った紳士淑女がグラスを片手に音楽に聴き惚れたり、シアター
でのサーカスショーやマジックショー・歌や踊りに盛んな拍手を送ります。     その規模はご覧の通り
で、船内であることを忘れてしまいます。    免税店を始め多くのストアーが軒を連ねますが、ここでは
現金もカードも使用することが出来ません。      船内では乗船時に渡される船専用の個人カードが
「船室の鍵」「パスポート変わりの乗下船時の身分証明書」「全ての支払い用クレジット」の三役をはたして
くれるのです。    下船乗船時にはカードを入れると乗客の画面に顔が表示され、船員が確認してOK
を出します。   勿論手荷物検査はその都度セキュリティーチェックを受けることになります。   面倒
ではありますが、安全のためにはやむを得ないことでしょう。    
     
 フィットネスクラブの規模も半端ではありません。  ショー演劇や三回の食事設備の使用料等は全て料金
に含まれていますので、飲み物類と指定食堂以外の特別なレストラン使用時以外は全て無料となります。
船もこの大きさになるとほとんど揺れを感じませんし、スクリューの航跡はとてつもなく大きな物と成ります。
     
寄港地毎に行はれる募集ツアーも方面別に半端な数ではありません。   港毎にバスが数十台用意され
思い思いの方面に別れて行きますが、それこそ10カ国語以上が入り乱れるのですからその誘導と統率方
法に大変興味がありました。 方面別・言語別にシールをもらい胸に張って、その数字に従って行動します
残念ながら日本語ツアーは在りませんから、多少馴染みのある英語グループにくっついて廻りました。

寄港地によっては、船と町の中心までのシャトルバス運行があり、これは重宝しました。  自分の意志で
行動できるのですから、いつもの自由旅行に戻れるわけで、出航時間さえ守れば問題ありません。
これだけの大世帯になりますと必ず遅刻常習犯が出現し船の出航を遅らせます。 そのへんはどこの国も
似たようなものですが、几帳面な人の多い日本人のグループは「中でも模範的」な行動をしています。
残念ながら日本人はツアーグループがほとんどで、個人参加は大変少なく外人さんとは反対なようです。
     
 バージンロードなら新婦のお父さんは途中で音を上げてしまいそうな廊下の長さです。  海上に浮かぶ船
が、今回乗船のMSCムジカ号の全景です。    さてその期待度と結果はどうかと申しますと、設備は◎
料理は残念賞・総評「大男、総身に知恵が廻り兼ね」と言うところでしょうか。     サービスを受け持つ
船員の多くがインドネシア・フィリピン等の比較的賃金の安い人たちが雇用されているので教育が仕切れ
ないのではないでしょうか。      それにしても荷物を持ち歩くこともなく、疲れれば船室で横になれ、
寝ている間に隣の国まで移動してしまうこの船旅は、今までの旅とは全く違った物と成りました。       
たまたま同席した船旅のベテラン夫妻のYさんのお話によると、もう一度諦めずに他の船籍にチャレンジ
することを薦められました。    タキシードが出来たらチャレンジしましょう!