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対象とする症状
会食恐怖症(外食恐怖・会食不能症)

会食恐怖症(外食恐怖・会食不能症)とは
  外食・会食など、外で食事をするときや、他者と一緒に食事をするとき、吐き気やめまいがしたり、飲み込むことができなくなるため、外食(会食)ができないという症状です。実際に嘔吐したり、下痢や胃の痛みなど、お腹の調子が悪くなってしまう人もいます。
特に緊張するような場面や相手によって、症状が強くなり、会食場面を避けてしまう、食事に誘われても断らざるを得ない、食事が怖くて旅行や訪問ができない、など日常生活や社会適応に支障をきたします。
 また口に入れたモノを飲み込めなくなる、スプーンやナイフが緊張してふるえてしまう、など身体症状も多くの場合にみられます。
 私たちが思っている以上に会食に不安や緊張を感じている人は多いでしょう。
 神経症の一種で不安神経症でもあり、対人緊張、対人恐怖症のうちであるとも考えら、嘔吐感などの身体症状に着目すると、自律神経失調症ということもできます。また、口に入れて噛むことはできても、飲み込むことができない、といった嚥下困難といった身体症状をみると、感覚・運動失調という面もあります。

会食恐怖症(外食恐怖・会食不能症)の症状
 人と食事が出来ないことが基本的な症状なのですが、会食恐怖症候群(会食不能症)の場合、その症状の程度や形は千差万別です。例えば、家や野外などでは大丈夫だが、レストランになると人と食事ができなくなる人や、親しい友人など、気心が知れた人は会食可能だが、目上の人や馴染みの薄い人とはできなくなる人、家族との会食のみできない人も存在します。「会食会話恐怖症」とも呼ばれており、会食中の会話に不安を覚え食事ができない人も存在します。というよりも、基本的には「食べられない」という以前に、人とリラックスして上手く会話をすることができない、それ以前に、
 不安になり、吐いてしまったらどうしよう、人前で緊張して食べられなくなり、それを変に思われるのではないか、などと思うこと自体が、悪い自己催眠になり、さらに緊張し不安を大きくしてしまい、吐き気やめまいなどの症状も強くなり、悪循環になってしまいます。 

会食恐怖症(外食恐怖・会食不能症)の原因
 不安神経症の一種とも言え、他の神経症と基本的には同じです。すなわち、小さい頃からの環境による影響(親・養育者の対応、接し方)が根本的な原因です。

 最近は、塾や習い事など、また、親も仕事などで忙しく、「孤食」が多くなり、家族揃ってにぎやかに食事をする機会が減っていることも症状形成の一つの要因となっていますが、それが原因というわけではありません。

会食恐怖症(外食恐怖・会食不能症)の治療
  精神科・心療内科などの病院では、薬物療法が行われることがある。他にカウンセリングなど。
 薬物療法では、不安感の軽減を目的にベンゾジアゼピン系抗不安薬が用いられたり、抗うつ剤(SSRI、SNRIや三環系抗うつ剤・スルピリドなど)が用いられることもあります。
 一見、有効性があるかのように見える場合もあるが、実際にはそれで改善するわけではありません。薬を止めてしまうと、余計に不安になったり、結果的には食べられたり、食べられなくなったりということはあるので、あたかも治療効果があるかのように錯覚するだけであり、薬を飲まないとダメ、という心理的依存を形成しやすく、表面的な効果さえないのに薬が止められない、という方も多いのです。
 特にベンゾジアゼピン系抗不安薬は依存性が高く、心理的依存だけでなく、身体的依存性が非常に高く危険です。抗うつ剤の依存性、危険性はいうまでもなく別項でも述べているとおりであり、離脱症状も強く、服用を中止したり飲み忘れでも、数日後に激しいめまいがあり、長期服用の安全性は確かめられていません。

・吐き気やめまい自体はそうそう長く続くことは、あまりありません。

基本的には、なるべく会食・外食の機会を避けないのがいいでしょう。会食恐怖症の人は、食べなきゃいけない、食べられないのはおかしい、といった強迫観念も強いといえます。
 一般の人でも、食事をしたくないときやできないことはあり、実際にしなくても本人も回りの人も別に何とも思いません。
 今日はお昼が遅かったからお腹一杯、家に家族が用意してあるから…、などといった理由をそつなく言えば誰も不思議に思いませんし、もちろん実際にそういうことは多いのです。お茶だけ頼むとか、飲みものさえ無理なら、別に飲まなくてもいいわけです。
 頻回に会食をしなければならない相手には、症状を伝えたほうがいいかもしれません。その方が却って気分的に楽になり、食べられるようになることもあるでしょう。

 また、なるべく難しいかもしれないけど、食べやすい条件を作り段階的に自信をつけていくのがいいでしょう。ハイキングに行って一緒におにぎりを食べる。

多くの人の場合、人に食事をおごる、という経験をしていません。なるべく、自分が食べやすい状況を進んで作り、経験を積んで行くことも必要です。例えば職場の上司などと一緒では、食べにくいでしょうが、同僚や後輩を食事に誘う、などは食べやすい場合もあると思います。

 「急がば回れ」でもあります。食べられる・食べられないという結果だけにこだわるより、人と同じ時間と場を共有できる、その場でリラックスしていられる、相手を安心させる、緊張させない、楽しく有意義な話ができる、ということに努力したほうが、結果的には食べられるという自信にもつながります。

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