SIMOON
STOCKHOLM CZECH PHOTO ABOUT US LINK LINK
CZECH トップ
September 25, 2005:ストックホルム〜プラハに到着
September 26, 2005:プラハ/プラハ大聖堂など
September 27, 2005:プラハ〜チェスケークロムロフへ
September 28, 2005:チェスケークロムロフ〜プラハに戻る
September 29, 2005:プラハ/ヴルタヴァ川クルージングなど
September 30, 2005:プラハ最後の夜
プラハ最後の夜
いよいよプラハ観光最後の日。
今日は憧れのドボルジャークホールでコンサートを聴き、憧れのHotel Parizに泊まるクライマックスが待っている。

チェックアウトぎりぎりにホテル PRAGA1を出た。14番のトラムに乗ってHotel Parizまで行く事にした。
St. Josefa教会前で下りるとHotel Parizはすぐ近くで、あっという間に着いてしまった。
まだ12時前で、チェックインには早い時間だが、荷物だけ預けられるかも知れないのでフロントに聞いてみた。
すると、チェックインは出来るが、部屋の用意があと1時間くらいかかるということで、荷物だけ先に預かってくれた。
そしてRoom No.の書かれた手帳(部屋の鍵を受け取るとき必要)を渡してくれた。

今日の予定は、コンサートに行く以外まだ何も決めていなかった。
コンサートは夜19:30からなので時間はたっぷりある。身軽になったので、まずプラハ中央駅まで歩いて行った。
以前プラハからドイツへの列車に乗った時に、駅のドーム天井がとても印象に残っていて、また行きたいと思ったのだ。
途中、プラハマサリク駅と間違えたりしたが、ようやくプラハ中央駅に着いた。
3階に上がると、そこに駅のドームが見えるカフェがあった。

以前来たのが夜だったためか、通路でユーズドショップのワゴンセールをやっていたせいなのか、何かが自分の記憶と違う気がした。ここは夜の方が良い雰囲気なのかも知れない。
カフェでお茶をしながらドームの装飾を眺めた。
せっかくの装飾なのに ところどころが剥げ落ちている状態で、少しもったいない気がした。

ステンドグラスの光
柱を照らすステンドグラスの光
それからもう一度プラハ城に行く事にして、9番のトラムに乗った。レジー(Legii)橋を渡った所の停留所で下りて、23番のトラムに乗り換えて山の上のプラハ城前で下車した。

今回もB券を購入し、大聖堂に入る。
じっくりとミュシャのステンドグラスを見ていると、急に後ろで聖歌の合唱が聞こえてきた。
振り返ると、聖堂の中央で旅行者らしき若者の一団が指揮者に合わせて歌っている。Dバックを背負ったりしていてどう見ても旅行者なのだが、歌はとても上手い。まわりの観光客も彼らの合唱を喜んで聴いていた。

別に誰も止められる訳でもなく曲が終わると、周りから一斉の拍手。するともう一曲歌い始めた。
教会の大聖堂に響く歌声は独特の響きで、ステンドグラスから差し込む光と相まって幻想的で最高だった。
曲が終わると、彼らは何事もなかったかの様に普通の観光客に戻って行った。
思わぬサプライズだったが、とってもラッキーだった。

26日に来た時には、大聖堂の上に行くことができなかったので、今日は上まで登る事にした。
階段は全部で278段(?)あるという。数を数えながら登っていたが、途中下りてくる人とすれ違うために止まったり、窓からの景色を眺めたりしているうちに数を忘れてしまった。

プラハ城からの眺め
プラハ城からの眺め
廻り階段のせいもあり、最後の方はちょっとフラフラになった。ようやく登り切って外の眺めを見ると、やはりすばらしい景色だった。
今までの苦労が 吹き飛ぶとは、まさにこの事を言うのだろう。
プラハ市内を一望に見渡すことができて気分が良い。写真を撮るにも絶好の場所だ。360度街全体の景色を堪能した。

塔から下りて、今度は外から大聖堂を見上げてみた。青い空とのコントラストが奇麗で、吸い込まれそうな気分だった。
次にOld Royal Placeを見学したが、この中には壁に紋章がたくさん並んでいる部屋があった。魚や動物をあしらった紋章などが並んでいて印象的だった。
最後に再び黄金の小道をブラブラしてからプラハ城を後にした。

丘の上から長い石畳を歩いて、カレル橋に着いた。
カンパ島に下りて、レストランでまたもグラーシュとピルスナーを頼んだ。この店の食事も美味しかった。
16:00 くらいに店を出て、ホテルに戻った。

Hotel Parizのフロントでキーをもらい、預けていた荷物も部屋に運んでもらった。
エレベーターはドアを手で引いて開けて中に入る。着いてからもドアを押して開ける仕組みだ。
廊下は広く豪華で、彫刻や絵画、奇麗なティーカップなどが飾ってあってすばらしい。ただ豪華なだけでなく、歴史の重さを感じられる華麗さだった。

部屋に到着してポーターがドアを開けてくれた。ドアは二重になっていて、部屋の天井はかなり高い。
ポーターにチップを渡してから、ゆっくりと部屋の中を眺めてみると、これまたすばらしい部屋だ。
部屋は広く、絨毯の色も落ち着いていて、ベットもいい感じだ。ベランダがあり、外から街を眺めることもできた。
バスルームはドアが大きくて高い(3mくらいある)。中も広くてびっくりした。
しばらく部屋をチェックして楽しんだ。

ドボルジャークホールの彫像
ドボルジャークホールの彫像
コンサートの時間が近づいてきたので、いよいよドレスアップをして出かける事にした。
ホテルのすぐ近くが地下鉄BのNamesti Republiky駅なので、ここから地下鉄に乗り、Mustek駅でA線に乗り換えてStaromestska駅で下車した。

駅を出て道路の向こう側にドボルジャークホールがある。建物の屋根には多くの作曲家の彫刻が立っている。

正面の階段を上り、チケットを見せて中に入ると、向かって左側のロビーに案内された。奥にはドリンクバーがあり、シャンパンや軽食をとることができる。念のためペットボトルのミネラルウォーターを買った。
周りの客を見ると、ドレスアップしている人はもちろんいるが、結構ラフな格好の人もいた。

ホールの天井
ホールの天井
ホールに入り、舞台、客席、天井を見回すと、そのすばらしさに絶句した。
歴史と伝統、市民のプライドや愛情、色々なものがこのホールに込められているような気がした。
開演されるまでの間、ずっと天井や階上の装飾を眺めていた。

席はA席10-13。前から10列目、舞台に向かって中央よりやや左寄り。11列目からS席なのでA席ではかなり良い席だ。
このコンサートはプラハで9月から10月に行われている秋の国際音楽祭で、事前に日本からネットでチケットの予約購入したのだが、早めに購入して良かった。

プラハといえば、チェコフィルだけど、自分の滞在期間中はプラハでの演奏予定はなかった。
チェコフィル以外で一番聴きたかったのが今日のプログラムだった。
Gerard Schwarz指揮、Royal Liverpool Philhamonic Orchestra 演奏。
歌はJitka Svobadova。名前からチェコの人らしいが、プラハでは有名なオペラ歌手なのかも知れない。

曲はヤナーチェク、ドボルジャーク、スメタナとチェコの作曲者ばかりだ。
ヤナーチェク
The cunning little Vixen, suite from the opera
Jenufa, aria of Jenufa
ドボルジャーク
Rusalka, aria of Rusalka
スメタナ
The bartered Bride, aria of Marenka
ドボルジャーク
Symphony No. 6 in D Major

ステージの様子
ステージの様子
オーケストラのメンバーが入場し、指揮者が入場してきた時、興奮は最高潮に達した。
オーケストラのライブは久しぶりだったので、胸がドキドキした。
1曲めの演奏が始まると、身体中の細胞が目覚める様な気がした。ヤナーチェクの曲はあまり聴いたことがなかったが、ホールにとけ込むような演奏で、曲を聴いているというより、演奏の中に自分が漂っている様な感じだった。

次は構成が変わり、指揮者とともに歌手が登場して演奏が始まった。
普段オペラには興味がないが、アリアなのでとても聴きやすかった。地元(?)の歌手なのか、お客さんも家庭的に迎えているようで堅苦しさは感じなかった。
特にRusalkaはすばらしく、歌声と彼女の表情に引き込まれ、その姿から目を離すことが出来なかった。
素直に感動して心の中が洗い流されるような気持ちだった。

最後のシンフォニーもすばらしかった。演奏の間、まるで身体の中からマッサージを受けているような気持ち良い演奏だった。
何度も鳥肌が立つくらい幸福感を感じていた。まさに「アガペ」状態だった。
コンサートが終わっても、幸福感は心の中で満足感に代わり、しばらくの間ずっと残っていた。

ホテルに帰ると、今度は部屋のすばらしさで幸せになった。
部屋のベッドの上には、宿泊のお礼のメッセージカードと、チョコレートが置いてあった。
美味しいチョコレートを食べると少し気分が落ち着いた。

豪華なバスタブに浸かり、大好きなピルスナー・ビールを飲んで部屋の雰囲気を満喫した。
最後の夜はゆっくり更けてゆく。もう帰らなくては行けない事がちょっぴり残念で、少し感傷的な気分になった。

翌朝の空港行きのバスは、目の前のSt. Josefa教会の近くから出るので、慌てる必要はない。
まだ夜は長い。窓から夜の市内をしばらく眺めていた。
誰もいない道をトラムがゆっくり走って行った。
 
前のページ PAGE TOP
Copyright (c) 2005-2010 simoon All Rights Reserved.