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紙で作る9600

紙の9600 ボイラー基礎 ボイラーにキャブを取り付け 機関部完成

紙の9600 ボイラー基礎 ボイラーにキャブを取り付け 機関部完成

2004.4.9

自分の手で機関車を好きなように作ってみたいとは、工作好きの方なら誰でも考えることでしょう。
私の場合、プラスチックや金属で作ることは実力的に無理なので、まわりにいくらでも材料がある紙で工作することにしました。
紙で9mmゲージの電車を作っている方々もいらっしゃいますが、揃ったものを作れない私にはとてもムリでしょう。ただ、蒸気機関車は電車ほど難しくないような気がしますし、失敗しても何度でもやり直せば、何とか形になるかもしれないと思って始めました。

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紙のボイラー構造 題材は9600の初期型(キャブ下端が曲線になっているもの)とし、下廻りにはトミックスの9600を使うことにしました。あまり出番がなくなっていたからです。
市販製品の動力に紙の車体を載せる場合、組み合わせの部分をどう作ればよいか、誰でも悩むことと思います。
さらに、ボイラーは完全な筒にすることはできず、下側を空けなければいけないため、紙で形を保持できるかというのも心配です。
考えたすえ、ランボードを兼ねた紙箱を動力にかぶせ、その上にボイラーケーシングを張り重ねる二重構造にしました。
※以後「外ボイラー」と書いているのは、このボイラーケーシングのほうです。
紙に描いた検討図

何から手を付けたらよいかわかりませんので、とりあえず模型の原寸図を紙に作図しました。
まず、動力のあちこちの寸法を測って外形を紙に書き、そのうえでボディーの寸法を決めていきました。このときはすべてディバイダーと学習用三角定規で寸法を取りました。

その後は実際に作りながら、部品の絵を描きつつ寸法を決めていきました。この写真は、いくつかの形式を作り終えたあとに残った設計図?です。

基本的な紙の工作についてまとめます。
詳しくは色々なペーパークラフト関係のサイトを参考にされるのがよいと思います(たぶんいくつもあると思うのですが…無責任ですみません)

内ボイラーを動力にかぶせたところ

早速、内側の箱を作ります。
紙は厚さ0.3mm程度のケント紙を使っています。細かい部分や曲面には厚さ0.2mmの古名刺を使っています。これはオフセット印刷用で特殊コートされており、表面の平滑度が高く、一見するとつや消しのプラ板のようです。
紙の目を間違えると、ランボードがぐにゃぐにゃに波打ってしまいます。
箱の下部が左右に開いてしまうことを防ぐために、キャブ妻板もここで取り付けています。キャブ窓のようなものをナイフで開けるときは、どの辺も両端から内側に向かって、2回に分けて切り込むようにします。

キャブ妻板のカドは、キャブを作るまでぶつけたりして傷めやすいので、瞬間接着剤を少ししみこませて固めておくとよいです。

内ボイラーの裏側

内側はこのようになっています。
動力部にぴったりかぶさるような寸法にします。1回目はうまくいかなかったので、一度作り直しました。線を引いて切り抜き、折り曲げればいいだけなので、何度でもやり直せます。

作図には0.3mmの製図用シャープペンシルを使っています。0.5mmのものでも、芯の先端を少し削って尖らせると非常に使いやすくなります。

ボイラー控えを接着 外ボイラーを取り付ける前に、いくつかの控えを接着しておきます。
側面下部に紙帯を貼っていますが、これは丸めたボイラー下部が開きにくいようにする仕掛けのつもりでした。
しかし効果がないばかりか、寸法をぴったり合わせるのが難しく、外ボイラー下部とすき間が空いて見苦しかったので、あとではがしてしまいました。
外ボイラーを丸めたところ いよいよ外ボイラーを丸めます。ここでは厚さ0.2mmのプリンタ用フォト用紙を使っています(木工用ボンドが効かないことにあとで気づきました)。
丸棒でクセをつけながら、気長に丸めていきます。2時間ほど丸めていると、ほぼ完全に狙った形で固定し、手を離しても開かなくなるまでクセがつきます。
日常生活の中で、1日2時間も丸め続けることは難しいと思いますので、何日かに分けて行います。
外ボイラーを取り付け、ボイラーバンド付加

木工用ボンドで外ボイラーを貼り付けます。曲がらないように十分注意します。木工用ボンドの量によっては、予想外にガッチリついてしまい、曲がったままついてしまうと修正不可能になることがあります。何度も仮組みして、一度で決めるくらいの気持ちで慎重に接着します。

ボイラーバンドは、実物ではとても控えめなので省略してもよいのでしょうが、一応お約束ということで紙帯を巻きつけてあります。厚さ0.2mmでもオーバーすぎるので、ここでは雑誌のページ(新聞の折り込みのような紙質)を細く切って使いました。

なお、トミックスの9600の場合、煙室の下部が空いていないので、そのままではこのように作ることはできません。その部分だけダイキャストをヤスリで削り取る必要があります。

フロントデッキ

フロントデッキを作ります。端梁から屈曲したデッキまでが1枚で、紙の目は左右方向に走らせています。
デッキに顔を出した板台枠前部は別の紙です。端梁のカドには瞬間接着剤をしみこませておきます。

紙のフロントデッキの構造

フロントデッキ取り付け

フロントデッキを本体のランボードに接着します。
真上からも正面からも見て、曲がらないようにします。なお、本体のランボードは上面にもう一枚紙を張り重ねて付き合わせます。

ランボードの張り合わせ

デッキを壊さないよう、スタンドも作っておきましたが、工作を進めていくうちに色々な部品がついてどんどん丈夫になっていき、あまり使わなくなりました。

キャブ取り付け

キャブを作って取り付けます。
左右の側板と屋根がつながった1枚の板が内張りになっていて(屋根の丸めのため、水平方向に紙の目が走っています)、その表面に左右側板をもう一度張り合わせてあります。
重ね目に雨どいがあります。屋根が紙一枚低いので雨どいがオーバーになってしまいました。なぜかこのときは、この構造がよいと思ったのでしょう。

紙のキャブの構造

これで基本構造は終わりです。 ここから先は機関車の形を整えるため、煙突、ドームなどの工作に進んでいきます。
どう作ればいいのか、悩む箇所がたくさんあります。


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