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C62の組み立て(接着剤) その7

動輪がスムーズに転がるように、一手順ずつ確かめながら組み立てます。なお、この過程はネジ止めだけですから、ハンダ付けも接着剤も関係ありません。

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動輪とロッド

動輪にサイドロッド、メインロッド、リターンクランク等を取り付け、回転の調整をします。

動輪をはめ込む メインフレームの軸受けに動輪を置きます。指で回して軽く回ることを確かめます。もし引っかかるときは、動輪の内側にバリが出ていないかどうか調べます。動きがしぶいときは、軸受けを少しヤスってみます。
線路上で転がす 線路に乗せて転がしてみます。今回はR280で走らせることを狙っているので、実際にR280の線路で試しています。そのつど、頭の向きを逆向きにもして試します。
サイドロッドの取り付け

サイドロッドを、第1・第3動輪にロッドピンで取り付けます。ロッドピンは動輪にぎゅっと差し込むだけですが、このとき片側の車輪を裏表からはさんで圧入するようにします。左右両側の車輪をはさむと曲がってしまいます。
ロッドピンは予備が入っていることもありますが、ちょっとしたことで飛ばしてしまうとおしまいなので、ピンセットに両面テープを巻いておくなどして紛失を予防するのがよいのでしょう(めったに予防しませんけど…)。

ロッドピンは、あまりぴったり差し込まずに、少しガタがある程度に余裕を持たせます。特にカーブでは、予想外に動輪が左右にずれるので、ピンに余裕がないと動きがしぶくなってしまいます。しかし、あまり浮かせすぎると、コンプレッサーやメインロッドに干渉します。

線路で転がす

サイドロッドは左右とも取り付けてから転がしてみたほうがよいと思います。片側だけではねじれて転がらないことがあります。

また、矢印で示している第2動輪ピンの穴にサイドロッドが引っかかることがあるので、ここではまだ直線上で軽く転がることを確かめる程度にします。

ラジアスロッドの取り付け

ラジアスロッドは、バルブスピンドルガイドや加減リンクと一体になっています。同じような部品が2組エッチングされていますが、ラジアスロッドはBのほうを使います。最初に加減リンクを手前に180度折り返しておきます。

加減リンクを上手にモーションプレートの裏側に通し、前端をシリンダーブロックに差し込んだら、一番後ろの穴を1mmネジでモーションプレート台座に取り付けます。ここだけネジの直径が違うので、タップを使うときは間違えないようにします。。

エキセントリックロッドの切断

左右のエキセントリックロッドはつながっているので、先端に近い位置で切り離します。関節にある小さい突起(油壺)が上になるように取り付けます。

エキセントリックロッドの長さ調整

エキセントリックロッドを加減リンクの穴に通し、仮に取り付けて長さを調整します。リターンクランクが写真のような角度になったとき、エキセントリックロッドが一番後ろに下がりますから、この状態で抜け落ちない程度の長さに切断します。

次に、エキセントリックロッドが一番前に来るように車輪を回転させ、先端がモーションプレートにぶつからないことを確かめます。C62はこのあたりに余裕があるので簡単ですが、他の形式では前後の長さがシビアで大変苦労することがあります。

線路で転がす

この状態で線路に置き、転がしてみます。
曲線では第2動輪が大きく外側にはみ出し、サイドロッドとリターンクランクが押し出されますから、リターンクランクのピンの差し込みに余裕がないと、回転が止まってしまいます。ピンを浮かせてもだめなときは、サイドロッドの中央も心持ち第2動輪から浮かせてみるとよいでしょう。

問題ないことを確認したら、いったんリターンクランクとエキセントリックロッドを外しておきます。

クロスヘッドの切り離し

クロスヘッドのピストン棒を切り離します。途中に目安のキズが付けられていますが、組み立て方によっては短すぎることがあるので、2〜3mm長めに切断して、調整しながら短くしていきます。

ピストン棒はまっすぐになっていないことがあるので、きちんと修正しておきます。横や上から見て、クロスヘッドと一直線になるようにします。

さて、常にハズレを引く私は、クロスヘッドからメインロッドが取れていました。ただ取れているだけならいいのですが、クロスヘッドピンがちぎれているため、同じ部品で付け直すことができません。
ここで部品請求して届くのを待つ時間はないので、真鍮線で新しいピンを自作して直しました。

クロスヘッドの取り付け

クロスヘッドとメインロッドを取り付けます。
まずピストン棒を後ろからシリンダーブロックの穴に差し込み、クロスヘッドをスライドバーに引っ掛けます。次にメインロッドを後ろに回転させます。

回転テスト中に、クロスヘッドがスライドバーから脱落してしまうときは、クロスヘッドとメインロッドをとめているピン(先ほど、ちぎれていたもの)がゆるいことが考えられるので、ヤットコなどで表裏からピンをぎゅっとはさんでカシメ直してみます。また、メインロッドの裏側の上部(スライドバーの裏側に来る部分)を、少しクロスヘッド側に曲げても直ることがあります。

メインロッドの調整 ここでエキセントリックロッドとリターンクランクを再び取り付け、メインロッドを第2動輪にとめます。
第1動輪ピンがメインロッドに引っかかると思いますので、写真のようにメインロッドをゆるく曲げてピンを避けるようにします。引っかからなかったらそのままに…。
最終回転調整

指で軽く回るようになったら、まず直線で転がし、次に曲線でもテストします。曲線で動かなくなるときは、第1動輪ピンがメインロッドに引っかかっていないかもう一度確かめます。また、リターンクランクのピンを深く差し込みすぎていないかも確認します。

終わったら、コンビネーションレバーを取り付けて最終確認します。コンビネーションレバーは上側をバルブスピンドルガイドの穴に引っ掛けて、下側の2本に分かれているところでクロスヘッドのユニオンリンクを表裏からはさんで留めます。
このあたりの構造は、正直言って不安定な感じです。

サブウエイトの取り付け 牽引力増強装置のサブウエイトをサブフレームに載せ、裏からネジで止めました。説明書には「接着取付」とありますが、ネジは付属しています。

最終組み込み

上下を合体させます。

安全弁 安全弁と汽笛を接着剤で取り付けます。塗装後なので、ゴム系接着剤やエポキシ系接着剤がよいと思います。瞬間接着剤の場合は塗装面が白くなってしまうことがあるので、もしそうなったら綿棒で鼻の脂をちょっと付けて拭けば、きれいに取れます(本当ですヨ!)。
余分なステーの切り取り 火室の内側の、左右のランボードをつないでいる2本のステーを切り取ります。ここには牽引力増強装置のサブウエイトが入り込みます。
ボイラー下部ふさぎ板 ボイラー前方の下部に、ボイラー下部ふさぎ板を接着します。
下廻りのネジ留め

下廻りと上廻りをネジで留めます。前方のネジはボイラーボスに留められます。後方の2箇所のネジはキャブ床板に留められますが、間にハシゴと、高さ調整板をはさんでおきます。

これらのネジは、一度にぎゅっと締めずに、最初は軽く締めて様子を見ます。上廻りや下廻りに歪みがあると、この3点がぴったり合わず、無理にネジを締めるとどこかの接合面が壊れたり、曲がったりすることがあります。また、高さ調整板は、横から見て後ろが高すぎるようなら外します。

ちょっと怖いのですが、線路に載せて、左右に傾いていないか前から見てみます。実物は、デフがでこぼこだったりランボードが波打ったりしていることはありますが、上廻りだけが目に見えて左右に傾いていることは、まずありません。

先台車 先台車・従台車に車輪を入れて取り付けます。先台車は先に後部のネジを留め、車輪を入れてから車輪押さえをネジ留めします。従台車は車体との取り付けネジが外側にあるので、先に車輪と車輪押さえを取り付けても構いません。
機関車の最終調整 最後に線路で転がしてみます。上廻りを取り付けたとたんに動きが悪くなったときは、リターンクランクがエアタンクの内側に接触していないか、第3動輪ピンがコンプレッサーや給水ポンプに当たっていないかを調べます。この場合、下廻りは触らずに、上廻りのほうを削ったほうがよいと思います。また、従台車の一部がキャブ下の配管やドロダメに当たって脱線することがあるので、どちらかを削ります。
この作例は、無事にR280を通過できるようになりました。

いよいよ最後は動力ユニットです。今回のC62は、前回品(2年前)とは動力ユニットの構造が少し変わりました。


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