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D51・D61 その2-キャブ・フロント

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キャブ周辺

その蒸機に似ているかどうかを半分以上決めてしまう(と私は思っています)、キャブの形状の違いです。
モーター搭載の都合や全体とのバランスの調整のため、色々な形があります。

KATO・旧 標準形 KATO・旧なめくじ

KATO・旧 標準形
旧製品はあっさりした開放キャブです。内部のモーターは当初角型で、はみ出している様子が今よりも目立ちました。

KATO・旧 なめくじ
キャブは左の標準形(旧)と同じ形です(実物はほんの少し違います)。逆転レバー箱のディテールなどは変えられており、ドロダメ前方にあった丸穴も隠されています。

KATO 標準形 KATO 一次形

KATO 標準形
新系列で縮尺が見直され、コアレスモーターが完全にボイラーに内蔵されています。後部台枠が固定式となったため配管がにぎやかです。

KATO 一次形(なめくじ)
新系列ではなめくじと標準形のキャブ形状が作り分けられました。前後に少し短くなっています。
これは東北仕様のため後部に防寒カーテンが付いているのですが、写真では比較のため外しています。

KATO D51498 KATO D51北海道形

KATO D51 498
新系列で最初に発売されたものです。

KATO 北海道形
新系列で追加された密閉キャブです。これに合わせてテンダーの後退角も作られています。

ナカセイ やえもんデザイン

中村精密 スーパーなめくじ
テンダードライブなのでキャブ内は空です。キャブは床面1本のネジで留められているので傾きやすいです。

やえもんデザイン 標準タイプ
マイクロエースの上廻りの置き換え用で、上手に実物に似せられています。テンダーとの落差も種車に比べずいぶん小さくなっています。

やえもんデザイン D61 やえもんデザイン なめくじ

やえもんデザイン D61
うまくデザインされた北海道型の密閉キャブ。D61の独特な2軸従台車もロストで製作されています。

やえもんデザイン なめくじ標準タイプ
なめくじのキャブは、上の標準型キャブに比べて少し短く作られています。窓の前後長も少し変えられています。

マイクロエース標準型 マイクロエースD61

マイクロエース D51 498
屋根が高くテンダーとの落差を感じます。若干後方に伸びているのはモーターを隠すためかもしれません。なめくじも同形のキャブです。

マイクロエース D61 3
密閉キャブで、キャブ本体が前後に長かったために、扉の部分は細くなっているようです。従台車はD61特有の前が下がった2軸従台車です。

天賞堂 D51498 天賞堂 D51半流型北海道

天賞堂 D51 498
モーターはボイラー内にあるので内部がすっきりしています。窓周りの表情のみ、微妙に実物の雰囲気と異なるかもしれません。周辺のディテールは非常に細かいです。 従台車は後部台枠から独立して首を振ります。

天賞堂 密閉キャブ北海道タイプ
半流線型の密閉キャブです。従台車の構造が変わり、担バネやイコライザーと一体になりました。

リアル・ライン北海道型 リアル・ライン1号機

リアル・ライン 北海道型
屋根はテンダーに対してやや高めです。ドアを除いた側板の前後長が少し短いようで、ややバランスが悪くなっているのが惜しいです。

リアル・ライン D51 1
かなり細いですが、左の密閉キャブのドア部分を手作業で削り取り、開放キャブとして流用しているようです。

リアル・ラインD61

リアル・ライン D61
基本的にはD51北海道型と同じですが、従台車がロストで新製されています。
上の初年度製品(D51)ではキャブ下の配管が浅い位置に取り付けられていましたが、今では本来の位置に取り付けられており、配管の立体感が増しています。

先発のKATO製品(旧)が発売されたのは1973年のことです。当時としては小型のモーターを開発していましたが、やはりキャブの後ろから多めにはみ出してしまいました。 斜め前方から見るとそれほど目立たないので、すぐ慣れてしまいますが、モーターを引っ込めたり、小型のコアレスモーターなどに交換する工作はかつての定番でした。

メーカーでも気になったと思え、発売当時のカタログの写真では、モーターが外されていました。

D51 旧カタログ写真 (C)関水金属 より画像引用
※1973年カタログ「NGAUGE SCALE MODEL」(有限会社関水金属)より画像引用

これをイメージしてお店に買いに行くと、目が点になるというものでした。当時は今ほど製品の情報が得られず、先に買った人の評判もなかなか聞くことができなかったのです。
最新のD51では全体が一回り小さくなったにも関わらずモーターが完全に内蔵され、この間の技術の進歩を感じます。


フロント周辺

機関車の顔です。D51の顔は標準形となめくじ(半流線形)で大きく2つに分かれます。さらに1,115両のD51の中には煙室扉が大きく見えるもの、小さく見えるものもあり、色々な表情があります。模型も様々です。

KATO・旧 標準 KATO・旧なめくじ
KATO・旧 標準形
大柄ですがうまくデザインされています。デフ手すり・開放テコなど細かいディテールは省略されています。ライトもただの筒型でした。
KATO・旧 なめくじ
丸みのついた煙室周辺がちゃんと表現されています。ライトも標準形(旧)より改良されています。
KATO 標準形 KATO 一次形(東北)
KATO 標準形
新系列の標準形です。向こう側のステップに給水温め器の配水管らしきモールドがあります。
KATO 一次形(東北仕様)
デフを薄く見せるための裏側の削ぎ取りがなくなり、全体に薄くなりました。写真は東北仕様のため副灯が高めです。
KATO・新 標準形(長野式集煙装置付) KATO D51北海道ギースル
KATO 標準形(長野式集煙装置付)
長野式集煙装置が装着済みです。ばねカバー前面に標識灯が1灯付いています。
KATO 北海道形ギースルエジェクター
切詰デフとデッキ上の大型手すりが特徴です。これはギースルエジェクター搭載機なので煙突の形が独特です。
KATO・旧 498タイプ KATO D51 498
KATO・旧 D51 498タイプ
旧系列では珍しい企画品です。デフは久々の点検口がないタイプでライトも形状変更され、下部のステップも追加されています。
KATO D51 498
新系列初の製品です。デフ裏の補強表現、ランボードの網目などが追加され、ピストン尻棒もあります。デッキ上のバネ箱を交換して、付属のヘッドマーク2種を付けられます。
ナカセイ
中村精密 スーパーなめくじ
スーパーなめくじですが、煙室扉周辺の丸みは表現されていません。また煙室扉は上部が切り取られた、一部の戦時型のようになっている不思議なデザインです。
マイクロエース 498 マイクロエース なめくじ
マイクロエース D51 498・動力改良品
マイクロエースの498号機の3代目です。
ライトは改良されていますが、その他の形状は初代と変わりません。煙室扉のフチのほうが高く、扉が小さく引っ込んで見えます。
マイクロエース なめくじ
初期の製品です。なめくじなので煙室外周には少し丸みがついています。このライトもD51シリーズ初代のもので、左のD51 498も初代はこれでした。
マイクロエース スーパーなめくじ旧 マイクロエース スーパーなめくじ改良品
マイクロエース D51 23スーパーナメクジ
マイクロエースの初代スーパーなめくじ。
マイクロエース D51 23スーパーナメクジ・改良品
なぜか前面外周の丸みがなくなり、標準形と合体したような謎の外観に。
マイクロエース 北海道型 マイクロエース 499変形デフ
マイクロエース 切詰デフ
キマロキセットに含まれるもので、北海道末期の切詰デフとなっています。このライトは2代目の首付きタイプです。
マイクロエース D51 499変形デフ
後藤式変形デフが付いた独特の外観です。煙室扉は形状が見直されましたが、このシンダー除けは妙に目立つような気がします。
マイクロエース 長工デフ マイクロエース 戦時型
マイクロエース D51 473長工デフ
後藤式のあとに発売された長工式デフ機です(集煙装置は他と同じ)。煙室扉はさらに改良され、まだ小さく見えるものの、未変更の498号機に比べれば相当な進歩です。
マイクロエース D51 1002戦時型
498動力改良と一緒に発売された製品で、ライトは大きくなり、煙室扉は473号機と同様の改良品です。デフも薄くなっていますが、斜めのカットの形が少し変わりました。
マイクロエース 門鉄デフ
マイクロエース D51 706門鉄デフ
JNRマーク付きの門鉄デフです。台形のシンダー避けの付いた煙室扉が新製されています。ライトの接着がぐちゃぐちゃな感じですが、個体差かどうか不明です。
天賞堂 498 天賞堂 長野工場集煙装置
天賞堂 D51 498
余計な飾りがなく、すっきりして見えるフロントです。ナンバーを交換するとずっとよくなりそうです。デフは強度優先なのか簡素な作りです。
天賞堂 長野工場集煙装置付
全体のスケールが正しいので、集煙装置を付けても似合います。全体にわたって線材によるディテールが豊富です。
天賞堂 全流 天賞堂 半流
天賞堂 全流型
ナンバーはフチの太さも書体も見直され、かなり良くなっています。煙室外周には、もう一歩丸みが欲しかった気がしますが、丸みはついています。
天賞堂 半流型 密閉キャブ・北海道タイプ
北海道タイプのため切り詰めデフとなっています。天賞堂の半流・全流では煙室扉が開閉可能です。
リアル・ライン 710号機 リアル・ライン 711号機
リアル・ライン D51 710
実物の北海道型の雰囲気はよく出ていると思います。初回シリーズはちょっとデフが曲がっているのが残念です。
リアル・ライン D51 711
煙突がギースルエジェクタになっているほかは、710号機と同じです。
リアル・ライン 1号機
リアル・ライン D51 1
なめくじタイプで、相変わらず前面のデザインは上手です。デフの傾きなどもすっかり改善されました。
やえもんデザイン 標準タイプ やえもんデザイン 長工タイプ
やえもんデザイン 標準タイプ
煙室扉は開閉可能です。デフ前の手すりもエッチングで大変細く作られています。
やえもんデザイン 長工タイプ
長野式集煙装置と変形デフです。デフステーはストレートですが、弓形のパーツも付いているので後方のみ付けてみました。
やえもんデザイン 後藤タイプ やえもんデザイン D61
やえもんデザイン 後藤タイプ
有名な変形デフです。これを組み立てたあと、実物のD51 498がこの姿になって驚きました。
やえもんデザイン D61
北海道型のD61です。切り詰めデフとデッキ前面の手すりが特徴です。
やえもんデザイン なめくじ標準タイプ
やえもんデザイン なめくじ標準タイプ
煙室枠の丸みがとてもいいです。やや高めの煙突ですが、マイクロエース動力に合わせてうまくバランスがとられています。

こうして見るとマイクロエースのクロスヘッドは、下部が内側に傾きがちでちょっと落ち着きません。


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