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D51・D61 その7-マイクロエース(2)

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マイクロエース(2)

1996年末に最初のD51を発売してから2年半後。
1999年7月に、マイクロエースのD51シリーズは突然第2ステージに突入しました。 最初は驚きのスーパーなめくじです。

●1999年製品(1999〜2002年)

A9507 D51 22 スーパーナメクジ 1999年 D51 22 A9507
D51 22 スーパーナメクジ

1999年 (拡大写真)
有名なスーパーなめくじです。当時、スーパーなめくじはナカセイ製品か、パーツを買ってKATO製品を改造するしかありませんでした。
A9508 D51 23 スーパーナメクジ 1999年 D51 23 A9508
D51 23 スーパーナメクジ

1999年 (拡大写真)
ナンバーがランボード上にある23号機です。この頃は全体的に少し値上げされて8,600円となっており、ラインの有無での値段の違いはなくなりました。

この時期から、D51のキャブにも窓ガラスが入るようになりました。
23号機は、途中でタブレットキャッチャーが設置され、ナンバーがランボード上に移設された姿です。模型はナンバープレート用の孔をふさぐように、大きなタブレットキャッチャーが取り付けられています。
もともとマイクロエースのD51は重心が高いところに、全長にわたってなめくじドームがついているため、とても機関部が重たい印象になってしまいました。テンダーの大きさとの落差も強調され、同社のD51の中でもアンバランスな印象です。 しかし、もはや珍品になってしまったかもしれません。→2013年に改良品として再登場しました。

製品化はまだまだ続きます。D51ばかり出るので、このへんでちょっと飽きてきました。

A9509 D51 859 星マーク 1999年 D51 859 A9509
D51 859 星マーク

1999年 (拡大写真)
重油タンクとデフの星マーク付きです。
A9510 D51 906 ピースマーク 1999年 D51 906 A9510
D51 906 ピースマーク

1999年  (拡大写真)
集煙装置・重油タンク付き、ライン入りの仕様です。

「星マーク」では、煙突がそれまでの杯状から、土管状に変更されました。これはこれで似ていないので、変更の意図は不明です。
D61 1と同じく、「星マーク」のケース裏のイラストは密閉キャブなのに、中身の模型は開放キャブです。問い合わせてみたところ、「実物も両方あった」との回答でした。
伺いたかったのはそういう意味でもなかったのですが、マイクロエースらしい回答だと思いました。昔の子供向けのプラ模型では、パッケージと中身が異なるのはざらでした。

859号機のパッケージ

A9513 D51 838 お召指定機 1999年 D51 838 A9513
D51 838 お召指定機

1999年 (拡大写真)
日章旗付きで、パッケージも黒を基調として少し高級感を出しています。値段は当時マイクロエース製品中最高の9,800円に設定されました。

ピカピカのお召し機関車で、美しく色差しされており、デフには鳳凰マークもついています。
この製品からボックス動輪の丸穴が貫通するようになり、全体の形よりも端々に力を入れるマイクロエースの方針(こだわり?)が出来上がってきました。ただ、それまでの動輪の丸穴のモールドは浅かったので、この変更により下廻りはずいぶん立体的になりました。

初期の動輪 お召指定機の動輪
初期製品の動輪周辺。
リターンクランクの角度も変でした。
お召指定機。動輪の穴が貫通しています。

翌年にも印刷によるバリエーション追加が続きます。この頃からライトの形が変わり、おなじみの首付きになりました。内部的には第一・第二動輪間の連動ギヤがなくなり、第一動輪はロッド連動のみとなりました(第一動輪軸のギヤは残っていますが噛み合っていません)。よって本当はここから別ステージなのかもしれません。
まずは全体の形から何とかしてほしいという気持ちがあったため、デフの印刷替えだけ(でもないのですが)で次々と製品が出てくることに、当時苦々しい気持ちが混じっていたのは確かです。

A9511 D51 882 月と鹿マーク 2000年 D51 882 A9511
D51 882 月と鹿マーク

2000年 (拡大写真)
月と鹿の金属プレートは白の印刷で表現されています。なお実物の非公式側の月マークは、時期によって向きが違っていたようです。
A9512 D51 560 鶴マーク >2000年 D51 560 A9512
D51 560 鶴マーク

2000年 (拡大写真)
デフのマーク以外は標準的な仕様の模型です。
D51 560実物 こちらはD51 560の保存機です。北海道室蘭市に出張した際、出先のすぐそばにありました。切り詰めデフと密閉キャブになっておりました。
(拡大写真)

標準タイプの印刷替えはここで一段落します。
2002年には初期に発売されたなめくじ2種が、この時期の仕様で改良品として再生産されています。

A9534 D51 78 ナメクジ 改良品 2002年 D51 78ナメクジ改良品 A9534
D51 78 ナメクジ 改良品

2002年 (拡大写真)
A9535 D51 51 ナメクジ 改良品 2002年 D51 51ナメクジ改良品 A9535
D51 51 ナメクジ 改良品

2002年 (拡大写真)

初回品との違いは、丸穴の開いた黒色車輪・リターンクランク角度の修正・窓ガラスの追加です。
D51シリーズはこのあたりから黒色車輪化されました。

●2003年製品(2003年〜2006年)

2003年あたりからが第3ステージ?です。デフを含んだフロントパーツを新製して、ラインナップを増やしてきます。

A0320 D51 398 北海道形 2003年 D51 398 A0320
D51 398 北海道形

2003年 (拡大写真)
「キマロキ」セットとして、キ604と一緒に発売されました。
むしろこちらのほうが、上の560号機の保存機には似ています。
A3022 D51 1042 ギースルエジェクタ 2003年 D51 1042 A3022
D51 1042 ギースルエジェクタ

2003年 (拡大写真)
こちらはキ620とのセットです。

デフと一体の前面パーツが作り直されたため、煙室扉が変更されました。1042号機は浅い船底テンダーで、煙突はギースルエジェクタですが、カタログVol.1〜Vol.3掲載の写真では普通の煙突(ちょっと傷みがあって怪しい)です。

この2種は、2007年に発売されたリアル・ラインのD51のライバル商品?かもしれません。表現方法はずいぶん違いますが、こちらは扱いやすさと走りが長所でしょう。

なお、「A3020 D51 398+キ604」は、2007年に再生産されています。→D51 398+キ604(再生産)

続いて単品のシリーズも再開します。まずは、最初に発売された498号機の再生産です。

A9500 D51 498 標準型・改良品 2003年 D51 498改良品 A9500
D51 498 標準型・改良品

2003年 (拡大写真)

先になめくじが改良品として再生産されたため、498号機もそれに続いたものです。値段は他にならって8,600円となり、最初の6,500円に比べると2,100円の大幅アップです。

初回製品と比べると、ランボードと空気作用管、給水温め器・煙室扉ハンドルに色入れされ、煙突が土管に、ナンバーが当時の実機をモデルにした青色に変わりました。スノープロー・テンダー上部の形状も変更され、車輪や窓ガラスなども新しい仕様となっています。
ただし、別に完全新規作成というわけではありません。

初期製品のテンダー 改良品のテンダー
498初期製品498改良品

なお、ずっと左先行だった動輪がここで右先行になりましたが、ついでにその後の9600まで右先行になる惨事がありました。

2003年にはもう1種が発売されています。

A9514 D51 499 変形デフ 2003年 499変形デフ A9514
D51 499 変形デフ

2003年 (拡大写真)
後藤式変形デフが特徴です。

特徴あるデフと一緒に煙室前面が新規作成されています。扉の表現は初代のD51 498よりよいと思いますが、やけに目立つシンダー除けがツライチで付いたため、保存機とはちょっと印象が異なります。 代わりにつかみ棒を付けたほうが喜ばれたような気がします。

さらに3年後、同じ路線で続きます。

A9521 D51 473 長工デフ 2006年 473長工デフ A9521
D51 473 長工デフ

2006年 (拡大写真)
長野工場式の変形デフですが、集煙装置は他と共用です。前面はさらに改良され、今回シンダー除けは付きませんでした。
A9531 D51 758 お召予備機 2006年 758お召し予備機 A9531
D51 758 お召予備機

2006年 (拡大写真)
以前発売された838号機の予備機です。色の入り方は838とは細々と違います。

ずいぶん仲間が増えたものです。走りには不満はありませんが、このままの姿でまだシリーズが続くのでしょうか。

●2008年以降

…外見はやっぱりそのまま続きました(笑)。しかし、長らくおなじみだった首付きライトがついになくなりました。
表からはわかりませんが、動力ユニットのダイキャストブロックの形状が変更されており、「動力改良品」とされています。

A9536 D51 498 動力改良 2008年 498動力改良

A9536
D51 498 動力改良

2008年 (拡大写真)
各部印刷が追加されました。テンダー後部や発電機周りもディテールアップしています。しかし、煙室扉はなぜか初回のままです。
2011年にも再生産されています。

A9529 D51 1002 戦時型・船底テンダー 2008年 1002戦時型 A9529
D51 1002 戦時型・船底テンダー

2008年 (拡大写真)
久々の戦時型です。498号機と違い、改良された煙室扉がついています。

今まで銀色だったモーションプレートが黒成型となりました。反面、早い時期に修正されていたリターンクランクの角度が、また逆向きになるというよくわからない先祖返りもあります。事情を知っていた方が異動されたのな?などと想像してしまいました。
これら2製品については、こちらもどうぞ→D51498動力改良品/D511002

3年後、初めての門鉄デフが追加されました。

A9527 D51 706 門鉄デフ・JNRマーク 2011年 706門鉄デフ A9527
D51 706 門鉄デフ・JNRマーク

2011年 (拡大写真)
以前の後藤式変形デフのときはつかみ棒がありませんでしたが、今回は装備されています。

前年にKATOから驚くばかりの出来栄えのD51 498が同じ価格帯で出たばかりですが、ひるむことなく同じ路線で登場しました。この年には2008年製品の498号機(動力改良品)も再生産されましたので、根本的にKATOとは客層が違うと判断されているのかもしれません。あるいは、D51というのは本当に幅広く売れる形式なのかもしれません。

2013年には14年ぶりにスーパーなめくじ2種が生産されています。

A9537 D51 22 スーパーナメクジ改良品 2013年 22スーパーナメクジ改良品 A9537
D51 22 スーパーナメクジ改良品

2013年 (拡大写真)
細かい印刷追加でお化粧されました。
テンダーの水槽部は、2008年以降のライト付きのものが使われています。
A9538 D51 23 スーパーナメクジ改良品 2013年 23スーパーナメクジ改良品 A9538
D51 23 スーパーナメクジ改良品

2013年 (拡大写真)
ランボードの白線とロッドの赤線はなくなり、旧製品に比べると落ち着いた印象です。ただし両機とも、前面が大変なことになってしまいました。

旧製品には煙室扉上部に手すりがあったため(実物の落成当初にはありません)、今回は手すりのない前面パーツが新規製作されました。しかし、どういうわけか標準形の前面をベースに作られてしまい、なめくじの最大の特徴である煙室枠外周の丸みがなくなってしまいました。
旧製品とは違う方向に似なくなってしまい、やはり、ただではすみません。
D51 22/23スーパーナメクジ 改良品

17年にわたって継続されてきたシリーズなので、ラインナップも膨大なものになりました。今後も…? もはや私はすべてを覚えられません。


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