医療機関を受診したほうがいいケース
快便のために必要な知識と生活習慣「重大な症状」
受診しなければいけない便秘の見極め方
2~3日出なくても便秘とはいえない…や毎日出ていてもスッキリしない場合は便秘…などと素人には判断がつきにく便秘。普段はあまり深刻にならない便秘ですが、やはりきちんと医療機関を受診したほうが早く改善する便秘もあります。そこで現在の便秘が受診する必要があるかどうかの判断法です。
次にあげる7項目のうち該当するものがあれば一度は医療機関で受診するのが望ましいでしょう。
- 幼児の頃から便秘がち
- これまで便秘体質ではなかったが急に便秘をするようになってしまった
- もともと便秘がちだったが、最近、特にひどくなった
- 頑固な便秘で、いろいろ工夫をしてみたがよくならない
- 便に血や粘膜がまじる
- 便の形が不整になる
- 強い腹痛や嘔吐を伴う
便秘を引き起こす病気
病気が原因により便秘を引き起こすケースは以下ような病気があります。
- ヒルシュスプルング病(先天性巨大結腸症)
- 先天的に腸に異常があり起こる病気で、子どものときから便秘がつづきます。
- 老人性巨大結腸症(特発性巨大結腸症)
- 老人に見られる病気で、もともとS状結腸が長くて、便秘を繰り返しているうちに、ますます長く太くなって、そこに便がたまるようになったものです。とても頑固な便秘がつづきます。
- 大腸ガン、大腸ポリープ
- 大腸にガンができたり、ポリープと呼ばれるイボないしはコブのような突起ができるために、便の通過が妨げられます。便に血や粘液がついたり、便の形がいびつになっているときは特に要注意です。便秘は年齢のせいだろうと、あまり気にしていなかったお年寄りが、実は大腸ガンが原因だったという例にしばしばぶつかります。ポリープが大腸を刺激して、便秘と下痢を繰り返していたという場合もあります。
- 大腸憩室
- 大腸の壁に袋のようなくぼみのできる病気で、炎症を繰り返しているうちに、その刺激で腸管が狭くなり、便秘になることがあります。
- クローン病
- 大腸や小腸に潰瘍が多発する原因不明の難病で、腸管が狭くなり、腹痛、腹部膨満、便秘を起こします。便に血や粘液のまじることもあります。
- 腸閉塞
- 腸が途中で詰まってしまう病気で、そこから先に便が通れないので、はげしい腹痛や吐きけ、腹部膨満を起こします。
- 腸管癒着
- 腸や腹膜に炎症を起こしたり、盲腸炎(虫垂炎〉や婦人病の手術をしたあとに大腸に癒着が起こると、便の通過が妨げられて、便秘になることがあります。
二十代ぐらいの若い女性の腸管癒着の場合、心身症が原因になっていることが少なくありません。精神的な原因があっておなかが痛むのですが、それを盲腸炎や婦人病とまちがえられて手術を受けるのです。原因がとり除かれていないのですから、また腹痛を起こしたり便秘を繰り返したりします。この場合は、心身症の専門医の治療が必要です。 - 婦人病
- 子宮筋腫や卵巣嚢腫が大きくなって腸管を圧迫し、便秘をもたらすことがあります。女性の場合には、婦人科の病気を疑ってみることもたいせつです。子宮内膜症といって、もともと子宮の内側にあるべき内膜が、子宮の外に出てしまう病気があります。生理のたびに外にある膜も出血を起こし、はげしい生理痛を起こします。腸管に子宮内膜の飛び火した女性がいましたが、出血を繰り返しているうちに癒着を起こし、便秘をするようになりました。