羅臼の民宿を、朝7時半に出発。タクシー(前日に予約)に乗り込みます。
今日は、羅臼湖を往復した後、歩いて知床峠を越えて知床自然センターに向かいます。本当は羅臼から歩きたいのですが、時間的に厳しいので、羅臼湖入り口までは、タクシーを使うことにしました。
タクシーの運ちゃんと、羅臼について話したりしながら、羅臼湖入り口に着きます。と、そこにバイクの兄ちゃんが一人。話してみると、ちょうど彼も羅臼湖に行くというので、二人で行くことにしました。
この羅臼湖、最近までガイドにも載っていない(ちなみに、JTB「るるぶ」には載ってません)、まさに秘境です。また羅臼湖入り口といっても、案内板は無く、入山届けの入れ物があるだけ。
目印は、知床横断道路に唯一立っている、電波塔の近くと言うことだけです。ただ、駐車場はないので、車で来る場合、知床峠から歩いてくるしかありません。入山届けに記入して、ほとんど登山道のような道に入っていきます。
バイクの彼は、神奈川からフェリーで来たとのこと。毎年北海道に来ているらしく、今年は道東をまわるそうで、この後はサロマ湖に行くとか・・・。彼のツーリングマップにも、羅臼湖は載ってなく、人から聞いた目印で降りたところに、タクシーが来たので「もしかしたら」、と思ったそうです。
ちなみに僕は、去年も羅臼湖に訪れています。しかも、当然のごとく一人。
横断道路から羅臼湖までは、およそ1時間半の道のりです。
山道(?)に入って5分ほどで、「一の沼」につきます。一応各沼には案内板が設置されています。この「一の沼」は、低木林に囲まれた、まさに沼と言った感じ。。
「一の沼」を過ぎると、低木に囲まれた急な斜面を降りていき、視界が開けると、「二の沼」です。この「二の沼」は、すでに水はなく、沼の跡みたいになっています。でも、後ろに羅臼岳を眺めることが出来、景色はいいです。
鏡のような湖面が美しい、三の沼
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二の沼の前を過ぎ、斜面を登って、低木林の斜面を降りると、左の写真の、「三の沼」。
この「三の沼」はとても美しく、鏡のような湖面に水草が浮き、木道から枝分かれして進むと、小さな展望スペースがあります。
ここから見ると、湖面に映る羅臼岳がすばらしい・・・。ここで引き返してもいいくらい。(笑)今日は天気がいいから、なおさらです。
「三の沼」から先は、熊笹をかきわけ、低木林を進み、ちょっとした谷間を歩き、木道が整備されている所もあれば、獣道のような所もあります。熊よけの鈴をリュックに付けてますが、去年の一人に比べれば、今年は楽です。
20分くらい歩くと、視界が開けます。山に囲まれた平地で、小川が流れています。まるで別世界・・・。ちょうど木道整備作業のおじさん二人がいたので、少し話をして、先に進みます。
再び山の中に入り、低木をかき分けながら歩くと、ようやく「四の沼」です。木道に座って、ひと休み。少し話したあと、歩き出しましたが、ふと木道に目をやると、しめった点がぽつぽつと、大きい丸の形に小さい丸が3つ・・・・。それがずっと・・・・・。
「もしかして、ヒグマの足跡?・・・・・」二人して、緊張が・・・。
「四の沼」を眺めながら、木道を歩きます、相変わらず丸い足跡が・・・。まあとりあえず、鈴を付けているから大丈夫だろう、と言うことで、先に進みます。
「四の沼」を過ぎると、再び背丈より高い、低木林をかき分けながら進みます。木道はないので、少し歩きにくい所もあります。
そして、木道が現れて視界が開けると、「五の沼」。
相変わらず丸い足跡が・・・。「ひょっとしてこれって、さっきのおじさん達の足跡なんゃ・・・。」「木道整備した形跡もあるし・・・。」「そうかもしれない・・・。」と言うことで、少し安心しながら、「五の沼」を通り過ぎます。
羅臼湖に到着・・・。
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再び低木林に入り、それが熊笹に変わって木道が現れると、広い
熊笹原が出現。さらに歩き、熊笹原が草原に変わると、その先には湖が・・・・。
入り口から1時間半、ようやく羅臼湖に到達しました・・。
右の写真の木道の行き止まり先端が、小さな展望台になっていて、ここから眺める事しか出来ません。
それにしてもこの羅臼湖、とても美しい・・・。天気もいいし、湖全体を見渡すことができます。しばらく湖を眺めながら、少しぼ〜っとしてます。知床半島の、こんな山奥の中に、これだけ大きい湖が存在している。あまり人に知られていない湖・・・。そして、眺めるほど神秘的な雰囲気を漂わせる、不思議な湖、それが羅臼湖です。
神秘的な景観が・・・。
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去年来たときは、中之島がうっすらと見える、霧の羅臼湖でしたが、今日はいい天気。
ふと、「去年の方が神秘的だったりして・・・。」などと考えてました。
羅臼湖に着いて、どれくらい経ったのでしょう・・・・。ふと、人が歩
いてくるのが分かりました。
男性が二人のようです。近くに来て、あいさつします。若い兄ちゃんとおじさん。二人ともバイクで旅しているようです。若い方は関西人のようです。
しばらく4人で話していると、兄ちゃんが「羅臼湖に入れないかな」と言い出しました・・・。
木道を降りて、湖の近くに行って・・、「入れますよ〜」という声が・・・。
天気にも恵まれ、まさに別世界
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僕ら二人は、さすがに入りませんが、おじさんが「若者はいいなあ」と言いながら
木道を降りて・・・・・???。
僕たちは、「あの二人、テンション高いな〜」などと話していたら、低木の影からなんと・・・。まずはおじさんが、素っ裸で湖に入っていくではありませんか・・・・。あ然とする僕らを尻目に、兄ちゃんまでが全裸で湖に・・・・。
「マジで入っちゃったよ〜」と笑うしかありません。
今は僕達しかいないけど、これから何人か来るのにね〜。
それにしても、この神秘的な羅臼湖で、女性の裸を見るならまだしも、見たくもない
男の裸ですから・・・・。
二人して、「まあ話の種にはなるけどな〜」と言ってました。
でも二人の姿見てて、羅臼湖って浅いんですよ。以前民宿の親父さんに、聞いたことはあるけど、あんなに浅いとは・・・。水深1メートルちょっと、くらいでしょうか・・・。
羅臼湖は、一番深いところで3メートルだそうです。
それにしても、気持ちよさそう・・・・(笑)。「僕も入りたいな」と思いましたが、とどまりました。結局二人は、中之島まで行ってしまいました・・・。
中之島まで二人が渡ったところで、僕達は戻ることにしました。大声で二人に別れのあいさつをして、また来たいと思いつつ、羅臼湖を後に・・・・・。
あの後彼らはどうなったのでしょう・・・・・(笑)
ちなみに帰り道、「五の沼」で年輩の夫婦と、外国人のグループ。「四の沼」で、若いカップルに、さらにその先で、知床自然センターのグループと、すれ違いました(笑)
入山届けに、帰ってきた時刻を記入。
バイクのナンバーを見ると、兄ちゃんが神戸、おじさんが岐阜でした・・・。
そして、一緒にいた彼ともここでお別れ。お互いの旅の安全を祈り、知床峠に向かって走っていきました。
そして僕は、リュックを背負い、徒歩で知床峠から自然センターに向けて、
歩き出しました・・・。
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