オノマトペまみれ、だなす、『イーハトーヴ・オノマトペ・文例辞典3 し〜そ』。 |
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★宮沢賢治童話を是非ぜひゼヒ読んでネ★
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オノマトペばっかし、イーハトーヴ、だにゃぁ、『イーハトーヴ・オノマトペ・文例辞典3
し〜そ』 前後左右、上中下、縦横無尽、どっちを向いても、行けども行けども、イーハトーヴのオノマトペ、オノマトペ づくし、オノマトペだらけ、オノマトペまみれ、オノマトペばっかし、っつーの、シアワセ、だなす。(^ ^; 全部が全部、宮沢賢治童話で出来てる、『イーハトーヴ・オノマトペ・文例辞典』、楽しいにゃ、うれしいにゃ、 うきうきうかれ気分だにゃ。ボクはまるで子供のようにいそいそしてしまいました。by『四又の百合』 (^ ^; これぞ『イーハトーヴ・オノマトペ・文例辞典づくり』の醍醐味、『辞典づくり』冥利に尽きる、だにゃぁ。 但し、7ページに分割しなければならなかった、っつーのはなんとも、不満だぁぁぁぁぁぁ!なのら。 すんなり1ページで見られたら、『イーハトーヴ・オノマトペ・文例辞典』じゃぁ!って自慢できたのにぃ。残念! この辺が、ホムペの欠点だなす。印刷された『辞典』の便利さを総てクリアして、更に便利なホムペ、っつーの でないと、印刷物のほうが好きだにゃぁ、っつーことになるんよ、わがままなボクのバヤイは。(^ ^; っつーことで、第3ページ、『イーハトーヴ・オノマトペ・文例辞典3 し〜そ』、だなす。 |
1438. ジー:【みんな赤や橙や黄のあかりがついていて、それが代(かわ)る代(がわ)る色が変ったりジーと蝉の ように鳴ったり、数字が現われたり消えたりしているのです。】 by『グスコーブドリの伝記』 1439. ジー:【受話器がジーと鳴りました。】 by『グスコーブドリの伝記』 1440. じぃっ:【ある死火山のすそ野のかしわの木のかげに、「ベゴ」というあだ名の大きな黒い石が、永いこ とじぃっと座っていました。】 by『気のいい火山弾』 1441. じいっ:【「そのうち音をたてないで、じいっとやすんでいてくれい。わかったか。」】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1442. じいっ:【ただ一言も云わないでじいっと立って居ったのだ。】 by『フランドン農学校の豚』 1443. じいっ:【畜産の教師は鋭い目で、もう一遍じいっと豚を見てから、それから室(へや)を出て行った。】 by『フランドン農学校の豚』 1444. しぃん:【それから、みんなしぃんとして、水をみつめて立っていた。】 by『さいかち淵(ぶち)』 1445. しぃん:【俄に声が絶え、林の中はしぃんとなりました。】 by『二十六夜』 1446. しぃん:【松やにの匂(におい)がしぃんとして青い煙はあがり日光はさんさんと降っていました。】 by『車』 1447. しぃん:【その牛乳屋の黒い門を入り、牛の匂(におい)のするうすくらい台所の前に立って、ジョバンニ は帽子をぬいで「今晩は、」と云いましたら、家の中はしぃんとして誰も居たようではありませ んでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1448. しぃん:【そして車の中はしぃんとなりました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1449. しぃん:【汽車やその学者や天の川やみんないっしょにぽかっと光ってしぃんとなくなってぽかっととも ってまたなくなってそしてその一つがぽかっとともるとあらゆる広い世界ががらんとひらけあら ゆる歴史がそなわりすっと消えるともうがらんとしたただもうそれっきりになってしまうのを見ま した。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1450. しぃん:【それはいよいよ青くひかって、そこらはしぃんと鳴るばかり、タネリはとうとう、たまらなくなっ て、「おーい、誰か居たかあ。」と叫びました。】 by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』 1451. しぃん:【いちめんまっ白な雪、(それは大へんくらく沈んで見えました。空がすっかり白い雲でふさがり 太陽も大きな銀の盤のようにくもって光っていたのです。)がなだらかに起伏しそのところどこ ろに茶いろの栗や柏の木が三本四本ずつちらばっているだけじつにしぃんとして何ともいえな いさびしいのでした。】 by『ひかりの素足』 1452. しぃん:【どう云うわけか鞭の音も叫び声もやみました。しぃんとなってしまったのです。】 by『ひかりの素足』 1453. しぃん:【さあみんなはだんだんしぃんとなってまるで堅(かた)くなってしまいました。】 by『風の又三郎』 1454. シィン:【一郎はせなかがシィンとしてまわりがくるくる青く見えました。】 by『ひかりの素足』 1455. しいん:【頭がしいんとなってしまった。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 1456. しいん:【林の中は又しいんとなりました。】 by『二十六夜』 1457. しいん:【「いまも毎朝新聞をまわしに行くよ。けれどもいつでも家中まだしいんとしているからな。」】 by『銀河鉄道の夜』 1458. しいん:【どういうわけかみんなしいんとして穴の明くほどわたくしどものことばかり見ています。】 by『ポラーノの広場』 1459. しいん:【突然わたくしは頭がしいんとなってしまいました。】 by『ポラーノの広場』 1460. しいん:【私はまるで頭がしいんとなるように思いました。】 by『谷』 1461. しいん:【がどう云うわけかそれから急にしいんとなってしまいました。】 by『カイロ団長』 1462. しいん:【どんぐりはしいんとしてしまいました。それはそれはしいんとして、堅(かた)まってしまいまし た。】 by『どんぐりと山猫』 1463. しいん:【しばらくしいんとしましたので二人はも一度叫ぼうとして息をのみこんだとき森の中から、「凍 (し)み雪しんしん、堅雪(かたゆき)かんかん。」といいながら、キシリキシリ雪をふんで白い狐の子 が出て来ました。】 by『雪渡り』 1464. しいん:【それからしばらくしいんとしました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1465. しいん:【柏の木はみんな度ぎもをぬかれてしいんとなってしまいました。】 by『かしわばやしの夜』 1466. しいん:【ところが別荘の中はしいんとして煙突からはいつものコルク抜きのような煙も出ず鉄の垣が 行儀よくみちに影法師を落しているだけで中には誰も居ないようでした。】 by『黒ぶどう』 1467. しいん:【すると子供らは一どにしいんとなってなるほどという顔をしてその大きなうさぎうまを見送りま した。】 by『馬の頭巾』 1468. しいん:【じつにしばらくの間、しいんとしていました。】 by『山男の四月』 1469. しいん:【いろいろな服装や色彩が、処々に配置された橙や青の盛花と入りまじり、秋の空気はすきと おって水のよう、信者たちも又さっきとは打って変って、しいんとして式の始まるのを待ってい ました。】 by『ビジテリアン大祭』 1470. しいん:【まもなくしいんとなってしまいました。】 by『鳥をとるやなぎ』 1471. しいん:【「それでも夜中になって月も沈み話がとぎれるとしいんとなるんですね、遠くで川がざあと流 れる音ばかり、俄に気味が悪くなることもありました。」】 by『化物丁場(ばけものちょうば)』 1472. しいん:【すると鳥はにわかにしいんとなってそれから飛んで行ったらしくぼろんという羽の音も聞え樺 の木からは雫(しずく)がきらきら光って降りました。】 by『みじかい木ペン』 1473. しいん:【しいんとして何の返事もありませんでした。】 by『ひかりの素足』 1474. しいん:【栗の木の幹はしいんとして何の音もありません。】 by『若い木霊(こだま)』 1475. しいん:【しばらくしいんとなりました。】 by『土神ときつね』 1476. しいん:【そこにはすきとおって小さな紅火(べにび)や青の火をうかべました。しいんとしています。】 by『シグナルとシグナレス』 1477. しいん:【みんなはしいんとなってしまいました。】 by『風の又三郎』 1478. しいん:【この野原には、学校なんかあるわけはなし、これはきっと俄(にわか)に立ちどまった為に、私 の頭がしいんと鳴ったのだと考えても見ましたが、どうしても心からさっきの音を疑うわけには 行きませんでした。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1479. しいん:【その時いきなり、狐の生徒らはしいんとなりました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1480. しいん:【それからしばらくたって、どの教室もしいんとなりました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1481. しいん:【ひなげしはしいんとしてしまいました。】 by『ひのきとひなげし』 1482. しいん:【みんなはしいんとなりました。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 1483. しいん:【みんなはしいんとなりました。】 by『税務署長の冒険』 1484. しいん:【あたりがほんのしばらくしいんとなりました。】 by『種山ヶ原』 1485. しいん:【それから農学校長と、豚とはしばらくしいんとしてにらみ合ったまま立っていた。】 by『フランドン農学校の豚』 1486. しいん:【ところが聴衆はしいんとなって一生けん命聞いています。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 1487. シイン:【黒板から降る白墨のような、暗い冷たい霧の粒が、そこら一面踊りまわり、あたりが俄にシ インとして、陰気に陰気になりました。】 by『風の又三郎』 1488. シイン:【黒板から降る白墨の粉のような、暗い冷たい霧の粒が、そこら一面踊りまわり、あたりが俄 にシインとして、陰気に陰気になりました。】 by『種山ヶ原』 1489. しいんしいん:【それにつれて林中の女のふくろうがみなしいんしいんと泣きました。】 by『二十六夜』 1490. しいんしいん:【そこらはぼおっと明るくなり、下では虫が俄にしいんしいんと鳴き出しました。】 by『二十六夜』 1491. しう:【みんなは楊(やなぎ)の枝や萱(かや)の穂でしうと云いながら馬を軽く打ちました。】 by『風の又三郎』 1492. しおしお:【神学博士がまたしおしおと壇に立ちました。】 by『ビジテリアン大祭』 1493. しおしお:【主人はだまってしおしおと沼ばたけを一まわりしましたが、家(うち)へ帰りはじめました。】 by『グスコーブドリの伝記』 1494. しおしお:【さあ、そこでクンねずみはすっかり恐れ入ってしおしおと立ちあがりました。】 by『クンねずみ』 1495. しおしお:【デンドウイ属はしおしお出て行きました。】 by『税務署長の冒険』 1496. しきり:【しきりに汗をふきました。】 by『耕耘部(こううんぶ)の時計』 1497. しくしく:【女の子は、いきなり両手を顔にあててしくしく泣いてしまいました。】 by『銀河鉄道の夜』 1498. しくしく:【女の子は、いきなり両手を顔にあててしくしく泣いてしまいました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1499. しくしく:【「木ペン失ぐした。」キッコは両手を目にあててまたしくしく泣きました。】 by『みじかい木ペン』 1500. しくしく:【すると楢夫がしばらく口をゆがめて変な顔をしていましたがとうとうどうしたわけかしくしく泣 きはじめました。】 by『ひかりの素足』 1501. しくしく:【ついにはただしくしく泣きじゃくるだけになりました。】 by『ひかりの素足』 1502. しくしく:【シグナレスはしくしく泣きながら、丁度やって来る二時の汽車を迎える為にしょんぼりと腕を さげ、そのいじらしいい撫肩(なでかた)はかすかにかすかにふるえて居りました。】 by『シグナルとシグナレス』 1503. しくしく:【とうとうひるすぎの一時から、かま猫はしくしく泣きはじめました。】 by『寓話 猫の事務所』 1504. しくしく:【そしてしばらく口惜しさにしくしく泣いていましたがやっとあきらめてその壊れた傘も持たずう ちへ帰ってしまいました。】 by『風野又三郎』 1505. しくしくしくしく:【もちろんふくろうのお母さんはしくしくしくしく泣いていました。】 by『二十六夜』 1506. しくしくしくしく:【象は細ういきれいな声で、しくしくしくしく泣き出した。】 by『オツベルと象』 1507. しげしげ:【小十郎がすぐ下に湧水(わきみず)のあったのを思い出して少し山を降りかけたら愕(おどろ)い たことは母親とやっと一歳になるかならないような子熊と二疋(ひき)丁度人が額に手をあてて 遠くを眺めるといった風に淡い六日の月光の中を向うの谷をしげしげ見つめているのだった。】 by『なめとこ山の熊』 1508. しげしげ:【すると博士はジョバンニが挨拶に来たとでも思ったものですか、しばらくしげしげジョバンニ を見ていましたが、「あなたはジョバンニさんでしたね。どうも今晩はありがとう。」とていねいに 云いました。】 by『銀河鉄道の夜』 1509. しげしげ:【亮二が不思議がってしげしげ見ていましたら、にわかにその男が、眼をぱちぱちっとして、 それから急いで向うを向いて木戸口の方に出ました。】 by『祭の晩』 1510. しげしげ:【ふとハーシュは縮れ毛の可愛らしい子供が水色の水兵服を着て空気銃を持ってばらの藪 のこっち側に立ってしげしげとハーシュの車をひいて来るのを見ているのに気が付きました。】 by『車』 1511. しげしげ:【下女は着物のふちで赤い眼の下のとこを擦(こす)りながら、しげしげジョバンニを見て云い ました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1512. じたばた:【「えい。やかましい。じたばたするな。」と蜘蛛が云いました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 1513. じたばた:【「とじこめちまえ、畜生めじたばたしやがるな、丸太をそこへしばりつけろ。」】 by『オツベルと象』 1514. じたばた:【「えい。やかましい。じたばたするな。」と蜘蛛が云いました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 1515. じっ:【「ははあ、僕たちは、空へのぼるときも、のぼる位のぼって、一寸とまった時も、それから落ち て来るときも、いつも、じっとしていたのに、お前さんだけは、なぜそんなに、くるくるまわった ろうね。」】 by『気のいい火山弾』 1516. じっ:【じっと外を見ている若者の唇は笑うようにまた泣くようにかすかにうごきました。】 by『氷河鼠の毛皮』 1517. じっ:【小十郎もじっとそっちを見た。】 by『なめとこ山の熊』 1518. じっ:【小十郎は変な気がしてじっと考えて立ってしまいました。】 by『なめとこ山の熊』 1519. じっ:【その栗の木と白い雪の峯々にかこまれた山の上の平らに黒い大きなものがたくさん環になっ て集って各々(おのおの)黒い影を置き回々(フイフイ)教徒の祈るときのようにじっと雪にひれふした ままいつまでもいつまでも動かなかった。】 by『なめとこ山の熊』 1520. じっ:【昔、巨(おお)きな波をあげたり、じっと寂(しず)まったり、誰も誰も見ていない所でいろいろに変っ たその巨きな鹹水(かんすい)の継承者は、今日は波にちらちら火を点じ、ぴたぴた昔の渚をう ちながら夜昼南へ流れるのです。】 by『イギリス海岸』 1521. じっ:【夢のような黒い瞳をあげて、じっと東の高原を見た。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 1522. じっ:【まっ黒な四つの岩頸(がんけい)が ただしくもとの形になり じっとならんで立っていた。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 1523. じっ:【「一時はあまりの熱と力にみんな一緒に気違いにでもなりそうなのをじっとこらえて来たではあ りませんか。」】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 1524. じっ:【陸の方をじっと見定めて 急いでそっちへ歩いて行った。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 1525. じっ:【一疋(ぴき)の大きなのは、林の中の一番高い松の木の、一番高い枝にとまり、そのまわりの木 のあちこちの枝には、大きなのや小さいのや、もうたくさんのふくろうが、じっととまってだまっ ていました。】 by『二十六夜』 1526. じっ:【「なぜ穂吉ちゃんのように、じっとおとなしくしていないんだろうねえ。」】 by『二十六夜』 1527. じっ:【そこで大へんきまり悪く思ってもじもじしながら頭だけはじっと垂れていました。】 by『二十六夜』 1528. じっ:【梟(ふくろう)の坊さんがそれをじっと見送っていましたが、俄にからだをりんとして言いました。】 by『二十六夜』 1529. じっ:【またじっと眼をつぶっていると、その流れの音さえも聞えるような気がしました。】 by『二十六夜』 1530. じっ:【先生は意外なようにしばらくじっとカムパネルラを見ていましたが、急いで「では。よし。」と云い ながら、自分で星図を指しました。】 by『銀河鉄道の夜』 1531. じっ:【六つの眼をギラギラ光らせてじっと網をみつめて居りました】 by『蜘蛛となめくじと狸』 1532. じっ:【「それはな。じっとしていさしゃれ。な。わしはお前のきばをぬくじゃ。な。お前の目をつぶすじ ゃ。な。それから。なまねこ、なまねこ、なまねこ。」】 by『蜘蛛となめくじと狸』 1533. じっ:【すると所長は一枚の紙きれを持って扉をあける前から恐い顔つきをしてわたくしの方を見てい ましたが、わたくしが前へ行って恭(うやうや)しく礼をすると、またじっとわたくしの様子を見てか らだまってその紙切れを渡しました。】 by『ポラーノの広場』 1534. じっ:【じっと虔十の顔を見て云いました。】 by『虔十(けんじゅう)公園林』 1535. じっ:【今までじっと立っていた馬は、この時一諸に頸(くび)をあげ、いかにもきれいに歩調を踏んで、 厩(うまや)の方へ歩き出し、空(から)のそりはひとりでに馬について雪を滑って行きました。】 by『耕耘部(こううんぶ)の時計』 1536. じっ:【ところが獅子は白熊のあとをじっと見送って呟やきました。】 by『月夜のけだもの』 1537. じっ:【すると男はびっくりした様子で、じっと亮二の顔を見下していましたが、やがていきなり屈(かが) んでそれを取るやいなや、主人の前の台にぱちっと置いて、大きな声で叫びました。】 by『祭の晩』 1538. じっ:【子供らがじっとアラムハラドを見上げていました。】 by『学者アラムハラドの見た着物』 1539. じっ:【その木の下で、一人の子供の影が、霧の向うのお日様をじっとながめて立っていました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 1540. じっ:【楢夫は、じっとそれを眺めて、ひとりごとを言いました。】 by『さるのこしかけ』 1541. じっ:【そして静かなところを、求めて林の中に入ってじっと道理を考えていましたがとうとうつかれて ねむりました。】 by『手紙』 1542. じっ:【おっかさんの木はまるで死んだようになってじっと立っています。】 by『いちょうの実』 1543. じっ:【けれども窓の外では、いっぱいに咲いた白百合が、十本ばかり息もつけない嵐の中に、その 稲妻の八分一秒を、まるでかがやいてじっと立っていたのです。】 by『ガドルフの百合』 1544. じっ:【「ええ。も少しです。傷は痛みますか。」とチュンセ童子が肩の骨の砕けそうなのをじっとこらえ て申しました。】 by『双子の星』 1545. じっ:【海蛇は不思議そうに二人の頭の上をじっと見て云いました。】 by『双子の星』 1546. じっ:【ジョバンニはじっと天の川を見ながら考えました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1547. じっ:【ジョバンニのうしろには、いつから乗っていたのか、せいの高い、黒いかつぎをしたカトリック 風の尼さんが、まん円な緑の瞳を、じっとまっすぐに落して、まだ何かことばか声かが、そっ ちから伝わって来るのを、虔(つつし)んで聞いているというように見えました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1548. じっ:【横目でじっと二人の通りすぎるのをみていました。】 by『かしわばやしの夜』 1549. じっ:【じっとお月さまを眺めてから、しずかに歌いだしました。】 by『かしわばやしの夜』 1550. じっ:【男は大へん目を光らせて、二人のたべる処(ところ)をじっと見て居りましたがその時やっと口を 開きました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1551. じっ:【そして二人はまるで二匹の獅子のように、じっとにらみ合いました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1552. じっ:【いちばん小さな子供が、馬を見て、びっくりして変な顔をして、黙って、じっと見つめていました が、やっとそれは馬が着物を着たのだということがわかると、もう大笑いをしてしまいました。】 by『馬の頭巾』 1553. じっ:【はじめの紳士は、すこし顔いろを悪くして、じっともひとりの紳士の、顔つきを見ながら云いまし た。】 by『注文の多い料理店』 1554. じっ:【私はじっとその顔を見ました。】 by『ビジテリアン大祭』 1555. じっ:【とにかく、式の始まるまでは、まだ一時間もありましたけれども、斯うにぎやかにやられては、と てもじっとして居られません、私たちは、大急ぎで二階に帰って、礼装をしたのです。】 by『ビジテリアン大祭』 1556. じっ:【じっと立っているのでした。】 by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』 1557. じっ:【その工夫の人は立ちあがって窓から顔を出し手をかざして行手の線路をじっと見ていましたが、 俄かに下の方へ「よう」と叫んで、挙手の礼をしました。】 by『化物丁場(ばけものちょうば)』 1558. じっ:【さあもうキッコのよろこんだことそれからびっくりしたこと、何と云っていいかわからないでただ もうお湯へ入ったときのようにじっとしていましたら先生がむちを持って立って「では吉三郎さ んと慶助さんと出て黒板へ書いて下さい。」と云いました。】 by『みじかい木ペン』 1559. じっ:【山男はお日さまに向いて倒れた木に腰掛けて何か鳥を引き裂いて喰(た)べようとしているらし いのですがなぜあのくろずんだ黄金(きん)の眼玉を地面にじっと向けているのでしょう。】 by『おきなぐさ』 1560. じっ:【楢夫はけむそうにめをこすり一郎はじっと火を見ていたのです。】 by『ひかりの素足』 1561. じっ:【その湖水はどこまでつづくのかはては孔雀石の色に何条もの美しい縞(しま)になり、その上には 蜃気楼のようにそしてもっとはっきりと沢山の立派な木や建物がじっと浮んでいたのです。】 by『ひかりの素足』 1562. じっ:【二人は私のうしろに来て、しばらくじっと鏡にうつる私の顔を見ていましたが、そのうち一人のア ーティストが、白服の腕を胸に組んで答えました。】 by『毒蛾』 1563. じっ:【きっと新聞記者もあの九つの椅子のどれかに腰掛けて、じっとあの問答をきいていたのです。】 by『毒蛾』 1564. じっ:【いよいよそうきまって見ると、鳥かごは、もう、一分もじっとしていられませんでした。】 by『鳥箱先生とフウねずみ』 1565. じっ:【ある日お父さんは、じっと頭をかかえて、いつまでもいつまでも考えていましたが、俄かに起き あがって、「おれは森へ行って遊んでくるぞ」と云いながら、よろよろ家を出て行きましたが、ま っくらになっても帰って来ませんでした。】 by『グスコーブドリの伝記』 1566. じっ:【男はじっと見ていましたが、「お前たちはいい子供だ。けれどもいい子供だというだけでは何に もならん。」】 by『グスコーブドリの伝記』 1567. じっ:【雪童子(わらす)は革むちをわきの下にはさみ、堅く腕を組み、唇を結んで、その風の吹いて来る 方をじっと見ていました。】 by『水仙月の四日』 1568. じっ:【さあ、虎も熊も河馬麒麟も馬も羊もカンガル−も兎も鼠もみんなじっとその前あしをちぢめて鉄 棒を見つめて号令がかかったらすぐにとりつく支度をしました。】 by『けだものの運動会』 1569. じっ:【息をこらしてじっと見つめながらいろいろにはぎ合せているのをちらっと私は見ました。】 by『サガレンと八月』 1570. じっ:【シグナレスはじっとその雲の行く方をながめました。】 by『シグナルとシグナレス』 1571. じっ:【けれどもどうにも仕方がありませんでしたからやっぱりじっと立っていたのです。】 by『シグナルとシグナレス』 1572. じっ:【『シグナレスさん、どうかまじめで聞いて下さい。僕あなたの為なら、次の十時の汽車が来る時 腕を下げないで、じっと頑張り通してでも見せますよ。』】 by『シグナルとシグナレス』 1573. じっ:【それからじっと固(かた)くなって答えました。】 by『シグナルとシグナレス』 1574. じっ:【赤毛の子どもは一向こわがる風もなくやっぱりちゃんと座ってじっと黒板を見ています。】 by『風の又三郎』 1575. じっ:【時には赤い竜の眼をして、じっとこんなにオツベルを見おろすようになった。】 by『オツベルと象』 1576. じっ:【じっとこらえてうつむいて居りました。】 by『寓話 猫の事務所』 1577. じっ:【赤毛の子どもは一向こわがる風もなくやっぱりじっと座っています。】 by『風野又三郎』 1578. じっ:【その子は大きな目をして、じっと二人を見ていましたが、逃げようともしなければ笑いもしませ んでした。】 by『風野又三郎』 1579. じっ:【「そしてまっくろな地面をじっと見おろしていたら何だか足もとがふらふらするんだ。」】 by『風野又三郎』 1580. じっ:【「あんまり僕も気の毒になったから屋根の上からじっとボールの往来をにらめてすきを見て置 いてねえ、丁度博士がサーヴをつかったときふうっと飛び出して行って球を横の方へ外らして しまったんだ。」】 by『風野又三郎』 1581. じっ:【黒のフロックを着た先生が尖った茶いろの口を閉じるでもなし開くでもなし、眼をじっと据(す)え て、しずかにやって来るのです。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1582. じっ:【校長は痩(や)せた白い狐で涼しそうな麻のつめえりでした。もちろん狐の洋服ですからずぼん には尻尾(しっぽ)を入れる袋もついてあります。仕立賃も廉(やす)くはないと私は思いました。 そして大きな近眼鏡をかけその向うの眼はまるで黄金(きん)いろでした。じっと私を見つめま した。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1583. じっ:【先生はみんなの書いてしまう間、両手をせなかにしょってじっとしていましたがみんながばたば た鉛筆を置いて先生の方を見始めますと、又講義をつづけました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1584. じっ:【六つの眼をギラギラ光らせながらじっと網をみつめて居た。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 1585. じっ:【それも睡っていないものはじっと話を聴いているよう大へんに梟(ふくろう)の機嫌がよかったから です。】 by『林の底』 1586. じっ:【お医者もじっとやっぱりおひげをにぎったきり、花壇の遠くの方などはもうぼんやりと藍いろで す。】by『ひのきとひなげし』 1587. じっ:【クンねずみはくやしくてくやしくてなみだが出ましたがどうしてもかないそうがありませんでした からしばらくじっとして居りました。】 by『クンねずみ』 1588. じっ:【ホモイは急いで岸にかけよって、じっと待ちかまえました。】 by『貝の火』 1589. じっ:【木も草もじっと黙り込みました。】 by『貝の火』 1590. じっ:【お父さんが腕を組んでじっと考えていましたがやがてホモイのせなかを静かに叩いて云いまし た。】 by『貝の火』 1591. じっ:【須利耶(すりや)さまは、その大きな黒い雁の列を、じっと眺めて立たれました。】 by『雁(かり)の童子』 1592. じっ:【山男は腰かけるとこんどは黄金色の目玉を据えてじっとパンや塩やバターを見つめ [ 以下原 稿一枚?なし] 】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 1593. じっ:【私もしばらくは耐えて膝を両手で抱えてじっとしていましたけれども、あんまり蜂雀がいつまで もだまっているもんですから、それにそのだまりようと云ったらたとえ一ぺん死んだ人が二度 とお墓から出て来ようたって口なんか聞くもんか云うように見えましたので、とうとう私は居た たまらなくなりました。】 by『黄いろのトマト』 1594. じっ:【「私は二階からじっと隣りの人たちの云うことを一晩寝ないで聞いて居りました。」】 by『税務署長の冒険』 1595. じっ:【「あのね、この前の村会議員のとこへ行ってね、僕からと云う口上でね、先ころはごちそうをい ただいて実にありがとう、と、ね、その節席上で戯談半分酒造会社設立のことをおはなしした ところ何だか大分本気らしいご挨拶があったとね、で一つこの際こちらから技術員も出すから 模範的なその造酒工場をその村ではじめてはどうだろう、原料も丁度そちらのは醸造に適し ていると思うと斯う吹っかけて見てじっと顔いろを見て呉れ給え。」】 by『税務署長の冒険』 1596. じっ:【涙をためてじっとおれを見たもんだ。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 1597. じっ:【耕平はじっとしばらく見ていましたが、いきなり高く叫びました。】 by『葡萄水』 1598. じっ:【歩哨は剣をかまえて、じっとそのまっしろな太い柱の、大きな屋根のある工事をにらみつけて います。】 by『朝に就ての童話的構図』 1599. じっ:【涙をためてはじっと遠くの砂を見た。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1600. じっ:【その枝に、さっきからじっと停(とま)って、ものを案じている烏があります。】 by『烏の北斗七星』 1601. じっ:【娘の烏は、もう枝に凍り着いたように、じっとして動きません。】 by『烏の北斗七星』 1602. じっ:【船頭は平太のうしろの入日の雲の白びかりを手でさけるようにしながらじっと平太を見ていま したがだんだん近くになっていよいよその白い洋服を着た紳士が平太だとわかると高く叫び ました。】 by『革トランク』 1603. じっ:【フランドン農学校の畜産学の先生は、毎日来ては鋭い眼で、じっとその生体量を、計算しては 帰って行った。】 by『フランドン農学校の豚』 1604. じっ:【(とにかくあいつら二人は、おれにたべものはよこすが、時々まるで北極の、空のような眼をし て、おれのからだをじっと見る、実に何ともたまらない、とりつきばもないようなきびしいこころ で、おれのことを考えている、そのことは恐い、ああ、恐い。)】 by『フランドン農学校の豚』 1605. じっ:【助手は唇へ指をあて、しばらくじっと考えて、それからぼんやり返事した。】 by『フランドン農学校の豚』 1606. じっ:【校長はじっと眼鏡(めがね)越しに、豚の小さな眼を見て云った。】 by『フランドン農学校の豚』 1607. じっ:【鼻を鳴らしてじっとうごかなくなっていた。】 by『フランドン農学校の豚』 1608. じっ:【「何しに来たんだい。」少しの顔色もうごかさずじっと私の瞳を見ながらその子は又こう云いまし た。】 by『インドラの網』 1609. じっ:【ゴーシュがやっと二寸ばかり窓をあけたとき、かっこうは起きあがって何が何でもこんどこそと いうようにじっと窓の向うの東のそらをみつめて、あらん限りの力をこめた風でぱっと飛びたち ました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 1610. じっ:【すると楽屋では楽長はじめ仲間がみんな火事にでもあったあとのように眼をじっとしてひっそり とすわり込んでいます。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 1611. じっ:【太陽が、ちょうど一本のはんのきの頂(いただき)にかかっていましたので、、その梢はあやしく青く ひかり、まるで鹿の群をみおろしてじっと立っている青いいきもののようにおもわれました。】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 1612. じっ:【[おお、洋傘直し、洋傘直し、なぜその石をそんなに眼の近くまで持って行ってじっとながめてい るのだ。]】 by『チュウリップの幻術』 1613. じっ:【「赤い花は風で動いている時よりもじっとしている時の方がいいようですね。」】 by『チュウリップの幻術』 1614. じっ:【よだかは、じっと目をつぶって考えました。】 by『よだかの星』 1615. しっ、ふう、どう:【「こら、起きんかい。起きんかい。しっ、ふう、どう、おい、この塩を、ほんの一口た べんかい。」】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1616. しっ、ふう、どう、おい:【「おい、起きんかい、起きんかい。しっ、ふう、どう、おい、貴さまの大好きの 朝鮮人蔘をほんの一口たべんかい。おい。」】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 1617. しっかり:【二番目がしっかりタイチをつかまえて引っぱって行こうとしますと三番目のはまだ立ったま まきょろきょろ車中を見まわしました。】 by『氷河鼠の毛皮』 1618. しっかり:【隣りには黒い洋服をきちんと着たせいの高い青年が一ぱいに風に吹かれているけやきの 木のような姿勢で、男の子の手をしっかりひいて立っていました。】 by『銀河鉄道の夜』 1619. しっかり:【「ねずちゃん。おいで。今夜のごちそうはあじのおつむだよ。お前さんのたべる間、わたし はしっかり押えておいてあげるから。ね。安心しておいで。」】 by『ツェねずみ』 1620. しっかり:【「さあ大変だ。大烏には毒がはいったのだ。早く吸いとってやらないといけない。ポウセさ ん。大烏をしっかり押えていて下さいませんか。」】 by『双子の星』 1621. しっかり:【ふたりのこどもは、おたがい肩にしっかりと手を組みあって、こっそり行ってみましたが、 どのざしきにもたれも居ず、刀の箱もひっそりとして、かきねの檜(ひのき)が、いよいよ青く見 えるきり、たれもどこにも居ませんでした。】 by『ざしき童子(ぼっこ)のはなし』 1622. しっかり:【突然そばに走って来て、ネネムの右の手首をしっかりつかんで云いました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1623. しっかり:【「ふん。今度のパンフレットはどれもかなりしっかりしてるね。」】 by『ビジテリアン大祭』 1624. しっかり:【お父さんは立って楢夫の額に手を当ててみてそれからしっかり頭を押さえました。】 by『ひかりの素足』 1625. しっかり:【足がうごいているかどうかもわからずからだは何か重い巌(いわ)に砕かれて青びかりの粉 になってちらけるよう何べんも倒れては又楢夫を抱き起して泣きながらしっかりとかかえ夢の ように又走り出したのでした。】 by『ひかりの素足』 1626. しっかり:【「さっきクーボー博士から電話があったのでお待ちしていました。まあこれから、ここで仕 事しながらしっかり勉強してごらんなさい。] 】 by『グスコーブドリの伝記』 1627. しっかり:【またそれらのはなしが金字の厚い何冊もの百科辞典にあるようなしっかりしたつかまえど このあるものかそれとも風や波といっしょに次から次と移って消えて行くものかそれも私には わかりません。】 by『サガレンと八月』 1628. しっかり:【「いや心配しなさんな。このことは決してほかへはもらしませんぞ。わしがしっかり呑み込み ました」】 by『シグナルとシグナレス』 1629. しっかり:【一郎はしばらくそっちを見ていましたがやがて鞄をしっかりかかえてさっさと窓の下に行き ました。】 by『風の又三郎』 1630. しっかり:【「ですから、みなさんも今日から又いっしょにしっかり勉強しましょう。」】 by『風の又三郎』 1631. しっかり:【「おい、みんな心配するなったら。しっかりしろよ。」オツベルはもう支度ができて、ラッパみ たいないい声で、百姓どもをはげました。】 by『オツベルと象』 1632. しっかり:【獅子が大きなしっかりした声で云いました。】 by『寓話 猫の事務所』 1633. しっかり:【一郎はしばらくそっちを見ていましたがやがて鞄をしっかりかかえてさっさと窓の下へ行き ました。】 by『風野又三郎』 1634. しっかり:【なかなか狐の小学生には、しっかりした所がありますよ。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1635. しっかり:【外へ聞えないようにしばらくの間口をしっかり閉じてそれから手で鼻をふさいでいました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 1636. しっかり:【「川岸の赤土の崖の下の粘土を、五とこ円(まる)くほりまして、その中に染料をとかし込み、 たのまれた鳥をしっかりくわいて、大股に足をひらき、その中にとっぷりと漬けるのでした。】 by『林の底』 1637. しっかり:【ホモイはいきなり水の中に飛び込んで、前あしでしっかりそれを捉(つか)まえました。】 by『貝の火』 1638. しっかり:【『ネリ、もう少しだよ、しっかり僕につかまっておいで。』】 by『黄いろのトマト』 1639. しっかり:【門を守った兵隊たちは、まず門をみなしっかりとざし、町をめぐった壁かべの上には、見 張りの者をならべて置いて、それからお宮へ知らせを出した。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1640. しっかり:【ところが馬を降りれない、もう将軍の両足は、しっかり馬の鞍につき、鞍はこんどは、がっ しりと馬の背中にくっついて、もうどうしてもはなれない。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1641. しっかり:【みなさんはあしたから、又しっかり勉強をするのです。】 by『種山ヶ原』 1642. しっかり:【あれぐらい昨日までしっかりしていたのに、明方の烈しい雷雨からさっきまでにほとんど半 分倒れてしまった。】 by『或る農学生の日誌』 1643. しぶしぶ:【カン蛙はふさぎこみながらしぶしぶあるき出しました。】 by『蛙のゴム靴』 1644. しみじみ:【しみじみと友達の方を見ながら、もう一本の黄色なダァリヤが云いました。】 by『まなづるとダァリヤ』 1645. じめじめ:【霧がじめじめ降っていた。】 by『マグノリアの木』 1646. じめじめ:【水がじめじめしてその表面にはあちこち赤い鉄の渋(しぶ)が沸(わ)きあがり見るからどろど ろで気味も悪いのでした。】 by『土神ときつね』 1647. じめじめ:【路(みち)が林の中に入り、しばらく路(みち)はじめじめして、あたりは見えなくなりました。】 by『風の又三郎』 1648. じめじめ:【次の朝は霧がじめじめ降って学校のうしろの山もぼんやりしか見えませんでした。】 by『風の又三郎』 1649. じめじめ:【霧とみぞれがじめじめと降り雁まで脚気(かっけ)でたびたび落ちた。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 1650. じめじめ:【おまけにあんまり永い間じめじめな処に居たもんだから将軍の顔や手からは灰いろの猿 をがせがいっぱいに生えてしまったのだ。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 1651. ジメジメ:【今日は陰気な霧がジメジメ降っています。】 by『貝の火』 1652. シャアシャア:【アーティストは、つめたい水でシャアシャアと私の頭を洗い時々は指で顔も拭いまし た。】 by『ポラーノの広場』 1653. シャアシャア:【アーティストは、つめたい水でシャアシャアと私の頭を洗い時々は指で顔も拭いまし た。】 by『毒蛾』 1654. じゃきじゃき:【まず第一にひげをはさみでじゃきじゃき刈りとって次に揮発油へ木タールを少しまぜ て茶いろな液体をつくって顔から首すじいっぱいに手にも塗った。】 by『税務署長の冒険』 1655. じゃぶじゃぶ:【佐太郎、大威張りで、上流(かみ)の瀬に行って笊をじゃぶじゃぶ水で洗いました。】 by『風の又三郎』 1656. じゃぶじゃぶ:【そこでリンパー先生は、別の薬でじゃぶじゃぶ洗う。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1657. ジャラジャラジャラジャラン:【「ジャラジャラジャラジャラン。」事務長が高くどなりました。】 by『寓話 猫の事務所』 1658. じゃらん:【赤毛はじゃらんと下に垂(さ)がりましたけれども、実は黄色の幽霊はもうずうっと向うのば けもの世界のかげろうの立つ畑の中にでもはいったらしく、影もかたちもありませんでした。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1659. じゃらんじゃららん:【「はんの木の みどりみじんの葉の向(もご)さ じゃらんじゃららんの お日さん 懸(か)がる」】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 1660. じゃりじゃり:【鋼砥(かなど)の上で金剛砂(こんごうしゃ)がじゃりじゃり云いチュウリップはぷらぷらゆれ、 陽が又降って赤い花は光ります。】 by『チュウリップの幻術』 1661. しゃりんしゃりん:【風が来たので鈴蘭は、葉や花を互(たがい)にぶっつけて、しゃりんしゃりんと鳴りま した。】 by『貝の火』 1662. しゃん:【その柄の所には緑いろのしゃんとした葉もついていたのです。】 by『ポラーノの広場』 1663. しゃん:【所長はカラーをはめてしまってしゃんとなりました。】 by『ポラーノの広場』 1664. しゃん:【「そら、あたらしいご命令だ。」と、あまがえるもとのさまがえるも、急いでしゃんと立ちまし た。】 by『カイロ団長』 1665. しゃん:【山ねこの馬車別当は、気を付けの姿勢で、しゃんと立っていましたが、いかにも、たばこの ほしいのをむりにこらえているらしく、なみだをぼろぼろこぼしました。】 by『どんぐりと山猫』 1666. しゃん:【ひとではみんな顔色を変えてよろよろしましたが二人はこらえてしゃんと立っていました。】 by『双子の星』 1667. しゃん:【たちまち道の右側に、その粘土作りの大きな家がしゃんと立って、世界裁判長官邸と看板が かかって居りました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1668. しゃん:【シグナルは、今日は巡査のようにしゃんと、立っていましたが、風が強くて太っちょの電信ば しらに聞えないのをいいことにして、シグナレスにはなしかけました。】 by『シグナルとシグナレス』 1669. しゃん:【おかしいとおもってみんながあたりをみると教室の中にあの赤毛のおかしな子がすましてし ゃんとすわっているのが目につきました。】 by『風の又三郎』 1670. しゃん:【おかしいとおもってみんながあたりを見ると、教室の中にあの赤毛のおかしな子がすまして しゃんとすわっているのが目につきました。】 by『風野又三郎』 1671. しゃん:【武田金一郎はしゃんとして返事しました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1672. しゃん:【シラトリキキチ氏はしゃんと礼をして出て行きました。】 by『税務署長の冒険』 1673. しゃん:【まっ黒くなめらかな烏の大尉、若い艦隊長もしゃんと立ったままうごきません。】 by『烏の北斗七星』 1674. しゅ:【「しゅ、戻れったら、しゅ、」雪童子(わらす)がはねあがるようにして叱りましたら、いままで雪にく っきり落ちていた雪童子の影法師は、ぎらっと白いひかりに変り、狼(おいの)どもは耳をたてて 一さんに戻ってきました。】 by『水仙月の四日』 1675. シュウ:【「土俵へ塩をまかなくちゃだめだ。そら。シュウ。」塩がまかれました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 1676. シュウ:【それからシュウとはしごのてっぺんから下へ落ちました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1677. しゅう:【「よろしい、しゅう。」と将軍は、例の白馬に一鞭くれて、一気に坂をかけあがる。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1678. しゅうしゅ:【「おまえのラムプのアルコホル、しゅうしゅと噴かせ。」】 by『水仙月の四日』 1679. しゅうしゅう しゅっこしゅっこ:【「風はしゅうしゅう しゅっこしゅっこ。」というように叫んだものがあっ た。】 by『さいかち淵(ぶち)』 1680. しゅっ:【「ふふん、まだお若いから、」と言いながら、マッチをしゅっと擦(す)って、わざと顔をしかめて、 青いけむりをふうと吐きました。】 by『どんぐりと山猫』 1681. シュッ:【はじめの子は、シュッとマッチをすりました。】 by『ビジテリアン大祭』 1682. シュッ:【「ははあ、すこし荒れたね。」セロ弾きは云いながらいきなりマッチを舌でシュッとすってじぶ んのたばこへつけました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 1683. しゅっしゅっ:【(ぼくはまるで軽便鉄道の機関車だ。ここは勾配だからこんなに速い。ぼくはいまその 電燈を通り越す。しゅっしゅっ。)】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1684. シュッポォン:【「首が太いからスポンとはいかない、シュッポォンと切られるぞ。」】 by『カイロ団長』 1685. シュッポン:【「巡査は首をシュッポンと切るぞ。」】 by『カイロ団長』 1686. しょぼしょぼ:【梟のお母さんが、大きな眼を泣いてまぶしそうにしょぼしょぼしながら尋ねました。】 by『二十六夜』 1687. しょんぼり:【西の方からあの梟のお父さんがしょんぼり飛んで帰って来ました。】 by『二十六夜』 1688. しょんぼり:【汽車が小さな小屋の前を通って、その前にしょんぼりひとりの子供が立ってこっちを見て いるときなどは、思わず、ほう、と叫びました。】 by『銀河鉄道の夜』 1689. しょんぼり:【ファゼーロが居ない、ファゼーロが居ない、あの青い半分の月のあかりのなか、争って 勝ったあとのあの何とも云われないさびしい気持をいだきながら、ファゼーロがつめくさのあ おじろいあかりの上に影を長く長く引いて、しょんぼりと帰って行った、そこには麻の夏外套 のえりを立てたデストゥパーゴが三四人の手下を連れて待ち伏せしている、ファゼーロがそ れを見て立ちどまると向うは笑いながらしずかにそばへ追って来る、いきなり一人がファゼ ーロを撲りつける、みんなたかって来て、むだに手をふりまわすファゼーロをふんだりけった りする、ファゼーロは動かなくなる、デストゥパーゴがそれをまためちゃくちゃにふみつける、 ええもう仕方ない持ってけ持ってけとデストゥパーゴが云う、みんなはそれを乾溜工場のかま の中に入れる。】 by『ポラーノの広場』 1690. しょんぼり:【汽車が小さな小屋の前を通ってその前にしょんぼりひとりの子供が立ってこっちを見て いるときなどは思わずほうと叫びました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1691. しょんぼり:【画(え)かきは顔をしかめて、しょんぼり立ってこの喧嘩をきいていましたがこのとき、俄か に林の木の間から、東の方を指さして叫びました。】 by『かしわばやしの夜』 1692. しょんぼり:【向うの木の上の二人もしょんぼりと頭を垂れてパンを食べながら考えているようすでし た。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1693. しょんぼり:【しょんぼり壇に登って来て「悔悟します。今日から私もビジテリアンになります。」と云って 今の青年の手をとったのでした。】 by『ビジテリアン大祭』 1694. しょんぼり:【けれども、その笑い声が、潰れたように丘へひびいて、それから遠くへ消えたとき、タネ リは、しょんぼりしてしまいました。】 by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』 1695. しょんぼり:【そこでブドリは、しょんぼりとみんなの足痕(あしあと)のついた白い灰をふんで野原の方へ 出て行きました。】 by『グスコーブドリの伝記』 1696. しょんぼり:【枕木の向うに青白くしょんぼり立って赤い火をかかげている、軽便鉄道のシグナル、則 (すなわ)ちシグナレスとても全くその通りでした。】 by『シグナルとシグナレス』 1697. しょんぼり:【しょんぼりと腕をさげ、そのいじらしいい撫肩(なでかた)はかすかにかすかにふるえて居り ました。】 by『シグナルとシグナレス』 1698. しょんぼり:【五郎はじつに申し訳けないと思って足の痛いのも忘れてしょんぼり肩をすぼめて立った のです。】 by『風の又三郎』 1699. しょんぼり:【狐の生徒らはみんな耳を伏せたり両手を頭にあげたりしょんぼりうなだれました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1700. しょんぼり:【ホモイはみんなのあとを泣きながらしょんぼりついて行きました。】 by『貝の火』 1701. しょんぼり:【童子はしょんぼり庭から道に出られました。】 by『雁(かり)の童子』 1702. しらしら:【背景はまっくろな夜の野原と空、空にはしらしらと銀河が亘(わた)っている。】 by『ポランの広場』 1703. しらしら:【天の川がしらしらと南から北へ亘(わた)っているのが見え、また頂の、天気輪の柱も見わけ られたのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1704. しらしら:【実にその光は、広い一本の帯になって、ところどころ枝を出したり、二つに岐(わか)れたりし ながら、空の野原を北から南へ、しらしらと流れるのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1705. しらしら:【空にはもう天の川がしらしらと渡り星はいちめんふるえたりゆれたり灯(とも)ったり消えたり していました。】 by『土神ときつね』 1706. しらじら:【天の川がしらじらと南から北へわたっているのが見え、また頂の、天気輪の柱も見わけら れたのでした。】 by『銀河鉄道の夜』 1707. しらじら:【「見たまえ。天の川はおれはよくは知らないが、何でもXという字の形になってしらじらとそ らにかかっている。」】 by『ポランの広場』 1708. じりじり:【その連中はじりじりとあと退(すさ)りして出て行きました。】 by『氷河鼠の毛皮』 1709. じりじり:【皿の上のテジマアはじりじりと顔をそっちへ寄せて行きます。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1710. じりじり:【みんなは思わずじりじりうしろへさがりました。】 by『けだものの運動会』 1711. じりりじりり:【白い泡をはいてじりりじりりとしりごみをしてしまいました。】 by『けだものの運動会』 1712. じろじろ:【そしていかにも恭一をばかにしたように、じろじろ横めでみて通りすぎます。】 by『月夜のでんしんばしら』 1713. じろじろ:【そしてネネムをじろじろ見ていましたが、突然そばに走って来て、ネネムの右の手首をしっ かりつかんで云いました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1714. じろじろ:【先生はもう書いてしまって、壇の上にまっすぐに立って、じろじろ学生たちの席を見まわし ています。】 by『グスコーブドリの伝記』 1715. じろじろ:【するとその間あのおかしな子は何かおかしいのかおもしろいのか奥歯で横っちょと舌を噛 むようにしてじろじろみんなを見ながら先生のうしろに立っていたのです。】 by『風の又三郎』 1716. じろじろ:【「ヘルマン大佐はまっすぐに立って腕を組んでじろじろあたりをめぐっているものを見てい るねえ、そして僕たちの眼の色で卑怯だったものをすぐ見わけるんだ。」】 by『風野又三郎』 1717. じろじろ:【ふくろうはじろじろ室(へや)の中を見まわしながら「たった六日だったな。ホッホ たった六日 だったな。ホッホ。」とあざ笑って肩をゆすぶって大股に出て行きました。】 by『貝の火』 1718. じろじろ:【おまけに校長がじろじろと豚のからだを見ることは全くあの畜産の、教師とおんなじことな のだ。】 by『フランドン農学校の豚』 1719. じろっ:【じろっとあたりを見まわしているのでした。】 by『シグナルとシグナレス』 1720. じろっ:【「夏猫は全然旅行に適せず。」するとどういうわけか、この時みんながかま猫の方をじろっと 見ました。】 by『寓話 猫の事務所』 1721. じわじわ:【サラバアユウ先生はそんなことには頓着なく今度は馬のせなかからじわじわ鞍を引きは なす。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 1722. しん:【みんなもしんとして何か考え込んでいました。】 by『氷河鼠の毛皮』 1723. しん:【みんなの声はだんだん低く、とうとうしんとしてしまう。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 1724. しん:【じっとまっすぐを向いて、枝に止まったまま、はじめからおしまいまで、しんとしていました。】 by『二十六夜』 1725. しん:【そのつめたい水の底まで、ラムネの瓶(びん)の月光がいっぱいに透きとおり天井では波が青じ ろい火を、燃したり消したりしているよう、あたりはしんとして、ただいかにも遠くからというよう に、その波の音がひびいて来るだけです。】 by『やまなし』 1726. しん:【すると小屋のなかはしんとして藁が凹(へこ)んでいるだけであのみじかい角も白い髪も見えま せんでした。】 by『ポラーノの広場』 1727. しん:【けれどもどこかしんとして春の底の樺の木の気分はあるけれどもそれは偶然性だ。】 by『台川(だいかわ)』 1728. しん:【藪の中はしんとしてしまいました。】 by『月夜のけだもの』 1729. しん:【つめたいしめった空気がしんとみんなのからだにせまったとき子供らは歓呼の声をあげまし た。】 by『学者アラムハラドの見た着物』 1730. しん:【そしてしばらくしんとしました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 1731. しん:【家の中はまっ暗で、しんとして返事をするものもなく、そこらには厚い敷物や着物などが、くしゃ くしゃ散らばっているようでした。】 by『ガドルフの百合』 1732. しん:【天の野原はしんとして返事もありません。】 by『双子の星』 1733. しん:【みんなはしんとなりました。】 by『雪渡り』 1734. しん:【大きな家にたれも居ませんでしたから、そこらはしんとしています。】 by『ざしき童子(ぼっこ)のはなし』 1735. しん:【ところがみんなは、もうしんとしてしまって、ひとりもでるものがありませんでした。】 by『かしわばやしの夜』 1736. しん:【支那人は、外でしんとしてしまいました。】 by『山男の四月』 1737. しん:【この宣伝書を読んでしまったときは、白状しますが、私たちはしばらくしんとしてしまったので す。】 by『ビジテリアン大祭』 1738. しん:【けれども、中はしんとして、まだ芽も葉もうごきはじめるもようがありませんでした。】 by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』 1739. しん:【外はつめたくて明るくて、そしてしんとしています。】 by『十月の末』 1740. しん:【「来た、来た。おおくらい。急にあたりが青くしんとなった。」】 by『おきなぐさ』 1741. しん:【声がしんと空へ消えてしまいました。】 by『ひかりの素足』 1742. しん:【それらの建物はしんとして音もなくそびえその影は実にはっきりと水面に落ちたのです。】 by『ひかりの素足』 1743. しん:【若い木霊はその幹に一本ずつすきとおる大きな耳をつけて木の中の音を聞きましたがどの樹 もしんとして居りました。】 by『若い木霊(こだま)』 1744. しん:【狐はしばらくしんとしながら斯(こ)う考えていたのでした。】 by『土神ときつね』 1745. しん:【二人はまるでしんとなってしまいました。】 by『シグナルとシグナレス』 1746. しん:【というわけは、そのしんとした朝の教室のなかにどこから来たのか、まるで顔も知らないおかし な赤い髪の子供が一人、一番前の机にちゃんと座っていたのです。】 by『風の又三郎』 1747. しん:【というわけはそのしんとした朝の教室のなかにどこから来たのか、まるで顔も知らないおかし な赤い髪の子供がひとり一番前の机にちゃんと座っていたのです。】 by『風野又三郎』 1748. しん:【そして事務所はしばらくしんとしました。】 by『寓話 猫の事務所』 1749. しん:【みんなはしんとなってしまいました。】 by『風野又三郎』 1750. しん:【「誰だ。誰だ。」耕一はもうきっと誰かのいたずらだと思ってしばらく上をにらんでいましたがし んとして何の返事もなくただ下の方で川がごうごう鳴るばかりでした。】 by『風野又三郎』 1751. しん:【生徒はしばらくしんとしました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1752. しん:【男たちはよろこんで手をたたき、さっきから顔色を変えて、しんとして居た女やこどもらは、に わかにはしゃぎだして、子供らはうれしまぎれに喧嘩をしたり、女たちはその子をぽかぽか撲 ったりしました。】 by『狼(おいの)森と笊(ざる)森、盗(ぬすと)森』 1753. しん:【それというのもその晩は林の中に風がなくて淵のようにひそまり西のそらには古びた黄金の 鎌がかかり楢の木や松の木やみなしんとして立っていてそれも睡っていないものはじっと話 を聴いているよう大へんに梟(ふくろう)の機嫌がよかったからです。】 by『林の底』 1754. しん:【梟(ふくろう)は話してしまって、しんと向うのお月さまをふり向きました。】 by『林の底』 1755. しん:【土の中はしんとして居りました。】 by『貝の火』 1756. しん:【途中の野原は青い石でしんとして子供は泣きながら随(つ)いて参りました。】 by『雁(かり)の童子』 1757. しん:【蜂雀はいよいよだまってガラスの向うでしんとしています。】 by『黄いろのトマト』 1758. しん:【しばらくしんとした。】 by『税務署長の冒険』 1759. しん:【全軍しんとしてしまいたった一疋(ぴき)の馬がブルッと鼻を鳴らしただけ。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 1760. しん:【みんなが馬にまたがれば、まもなくそこらはしんとして、たった二疋(ひき)の遅れた馬が、鼻を ぶるっと鳴らしただけだ。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1761. しん:【林はしんとして青く、すかして見ても百合の花は見えませんでした。】 by『四又の百合』 1762. しん:【みんなぴたりと曲をやめてしんとしました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 1763. しんこ:【「四郎はしんこ、かん子はかんこ、おらはお嫁はいらないよ。」】 by『雪渡り』 1764. しんしん:【その両脚は今でもまだしんしんと痛みます。】 by『二十六夜』 1765. しんしん:【けれども虫がしんしん鳴き時々鳥が百疋(ぴき)も一かたまりになってざあと通るばかり、一 向人も来ないようでしたからだんだん私たちは恐くなくなってはんのきの下の萱(かや)をがさが さわけて初茸(はつたけ)をさがしはじめました。】 by『二人の役人』 1766. しんしん:【その底がどれほど深いか、その奥に何があるか、いくら眼をこすってのぞいてもなんにも 見えず、ただ目がしんしんと痛むのでした。】 by『銀河鉄道の夜』 1767. しんしん:【「凍(し)み雪しんしん、堅雪(かたゆき)かんかん。」】 by『雪渡り』 1768. しんしん:【その底がどれほど深いかその奥に何があるかいくら眼をこすってのぞいてもなんにも見え ずただ眼がしんしんと痛むのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1769. しんしん:【ところが、そのときはもう、そらがいっぱいの黒い雲で、楊も変に白っぽくなり、山の草はし んしんとくらくなりそこらは何とも云われない、恐ろしい景色にかわっていました。】 by『風の又三郎』 1770. しんしん:【針金の綱はしんしんと鳴りました。】 by『革トランク』 1771. しんしん:【そして一晩睡らないで、頭のしんしん痛む豚に、又もや厭な会話を聞かせたのだ。】 by『フランドン農学校の豚』 1772. しんしん:【豚はもう眼もあけず頭がしんしん鳴りだした。】 by『フランドン農学校の豚』 1773. シンシンシン:【鎌のひかりは シンシンシン。」】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1774. しんねり:【夕方など、よだかにあうと、さもさもいやそうに、しんねりと目をつぶりながら、首をそっ方 へ向けるのでした。】 by『よだかの星』 |
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1775. すいすいすい:【「くるみはみどりのきんいろ、な、風にふかれて、すいすいすい」】 by『かしわばやしの夜』 1776. ずいぶん:【からすの大監督は、もうずいぶんの年寄りです。】 by『烏の北斗七星』 1777. すう:【「もう一語でもききもらすまいと思っていましたら、そのうち一人がすうと口をまげて歯へ風を入 れたような音がしました。」】 by『税務署長の冒険』 1778. すう:【「ホーシュ君か。」ゴーシュはねぼけたように叫びました。ところがすうと扉を押してはいって来 たのはいままで五六ぺん見たことのある大きな三毛猫でした。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 1779. ずう:【どうしてネネムの胸につけ切れるもんではありませんでしたから、ネネムの大礼服の上着は、 胸の処(ところ)から長さ十米(メートル)ばかりの切れがずうと続いて、それに勲章をぞろっとつけ て、その帯のようなものを、三十人の部下の人たちがぞろぞろ持って行くのでした。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1780. すうすう:【網は時々風にやぶれたりごろつきのかぶとむしにこわされたりしましたけれどもくもはすぐ すうすう糸をはいて修繕しました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 1781. すうすう:【深く息をしながらやっぱりすうすう寝ています。】 by『氷と後光(習作)』 1782. すうすう:【二人は連れ立って私たちの方へ下り技師もその空いた席へ腰かけて肩ですうすう息をし ていました。】 by『ビジテリアン大祭』 1783. すうすう:【息ばかりすうすうきこえました。】 by『手紙』 1784. すうすう:【楢夫は目をつぶったまま一寸(ちょっと)顔をしかめましたがまたすうすう息をしてねむりまし た。】 by『ひかりの素足』 1785. すうすう:【網は時々風にやぶれたりごろつきのかぶとむしにこわされたりしましたけれどもくもはすぐ すうすう糸をはいて修繕しました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 1786. すうっ:【そのとき電燈がすうっと赤く暗くなりました。】 by『氷河鼠の毛皮』 1787. すうっ:【それから小十郎はふところからとぎすまされた小刀を出して熊の顎(あご)のとこから胸から 腹へかけて皮をすうっと裂いて行くのだった。】 by『なめとこ山の熊』 1788. すうっ:【くろもじの木の匂いが月のあかりといっしょにすうっとさした。】 by『なめとこ山の熊』 1789. すうっ:【二十四日の黄金(きん)の角(つの)、鎌の形の月だったのです。忽(たちま)ちすうっと昇ってしま いました。】 by『二十六夜』 1790. すうっ:【また折角剥いたそのきれいな皮も、くるくるコルク抜きのような形になって床へ落ちるまでの 間にはすうっと、灰いろに光って蒸発してしまうのでした。】 by『銀河鉄道の夜』 1791. すうっ:【「ここへおいで。」と手長の蜘蛛が云って糸を一本すうっとさげてやりました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 1792. すうっ:【いつか霧がすうっとうすくなって、お日さまの光が黄金色に透って来ました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 1793. すうっ:【けれどもそのときはもう硝子(ガラス)の呼子は鳴らされ汽車はうごき出しと思ううちに銀いろの 霧が川下の方からすうっと流れて来てもうそっちは何も見えなくなりました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1794. すうっ:【そのときすうっと霧がはれかかりました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1795. すうっ:【それは一寸(ちょっと)嘗(な)めたときからだ中すうっと涼しくなりました。】 by『ひかりの素足』 1796. すうっ:【もうすうっと見えなくなってただ雲がどんどん飛ぶばかり一郎はせなか一杯風を受けながら 手をそっちへのばして立っていたのです。】 by『風野又三郎』 1797. すうっ:【「ここへおいで」と手長の蜘蛛が云って糸を一本すうっとさげてやりました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 1798. すうっ:【丁度、六時十五分前に一台の人力車がすうっと西洋軒の玄関にとまりました。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 1799. ずうっ:【ある年の春はやく山の木がまだ一本も青くならないころ小十郎は犬を連れて白沢をずうっと のぼった。】 by『なめとこ山の熊』 1800. ずうっ:【その証拠には、第一にその泥岩は、東の北上山地のへりから、西の中央分水嶺の麓まで、 一枚の板のようになってずうっとひろがって居ました。】 by『イギリス海岸』 1801. ずうっ:【ずうっと向うで一列濤(なみ)が鳴るばかり。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 1802. ずうっ:【そして東の山からは、昨日の金角、二十五日のお月さまが、昨日よりは又ずうっと痩(や)せ て上りました。】 by『二十六夜』 1803. ずうっ:【「構うもんか、入ろう、入ろう。ここは天子さんのとこでそんな警部や何かのとこじゃないんだ い。ずうっと奥へ行こうよ。」】 by『二人の役人』 1804. ずうっ:【「わたしはずうっと工合がいいよ。」】 by『銀河鉄道の夜』 1805. ずうっ:【黒い円い大きなものが、天井から落ちてずうっとしずんで又上へのぼって行きました。】 by『やまなし』 1806. ずうっ:【二人の影ももうずうっと遠くの緑青(ろくしょう)いろの林の方へ行ってしまい、月がうろこ雲から ぱっと出て、あたりはにわかに明るくなりました。】 by『月夜のでんしんばしら』 1807. ずうっ:【ずうっと下の方の野原でたった一人野葡萄(のぶどう)を喰(た)べていましたら馬番の理助が欝 金(うこん)の切れを首に巻いて木炭(すみ)の空俵をしょって大股に通りかかったのでした。】 by『谷』 1808. ずうっ:【お日さまさえ、ずうっと遠くの天の隅のあたりで、三角になってくるりくるりとうごいているよう に見えたのです。】 by『カイロ団長』 1809. ずうっ:【このみちはずうっと上流まで通っているんだ。】 by『台川(だいかわ)』 1810. ずうっ:【「こういう太い木を一本、ずうっと曲げて、それをもう一本の枝でやっと押えて置いて、その 先へ魚などぶら下げて、狐だの熊だの取りに来ると、枝にあたってばちんとはねかえって殺 すようにしかけたりしているそうだ。」】 by『祭の晩』 1811. ずうっ:【ずうっと遠くが大へん青くて明るくてそこに黄金の葉をもった立派な樹がぞろっとならんでさ んさんさんと梢を鳴らしているように思ったのです。】 by『学者アラムハラドの見た着物』 1812. ずうっ:【麦のはぜがずうっとかかってその向うに小さな赤い屋根の家と井戸と柳の木とが明るく日光 に照っているのを見ました。】 by『車』 1813. ずうっ:【ずうっとうしろの方で、けらいたちの声が又かすかに聞えました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 1814. ずうっ:【ガドルフはあらんかぎりすねを延ばしてあるきながら、並木のずうっと向うの方のぼんやり 白い水明りを見ました。】 by『ガドルフの百合』 1815. ずうっ:【ジョバンニは、なにか大へんさびしいようなかなしいような気がして、だまって正面の時計を 見ていましたら、ずうっと前の方で、硝子の笛のようなものが鳴りました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1816. ずうっ:【そこから流れて来るあやしい楽器の音ももう汽車のひびきや風の音にすり耗(へ)らされてず うっとかすかになりました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1817. ずうっ:【十八等官でしたから役所のなかでもずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでしたが、 受持ちが標本の採集や整理で、生れ付き、好きなことでしたから、わたくしは毎日ずいぶん 愉快にはたらきました。】 by『ポラーノの広場』 1818. ずうっ:【そして二人はずうっと木の間を通って、柏の木大王のところに来ました。】 by『かしわばやしの夜』 1819. ずうっ:【二人が一諸に応接室の椅子にこしかけたとき、署長さんの黄金(きん)いろの眼は、どこかず うっと遠くの方を見ていました。】 by『毒もみのすきな署長さん』 1820. ずうっ:【もう男は森を抜けてずうっと向うの黄色な野原を走って行くのがちらっと見えるだけでした。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1821. ずうっ:【三十人というばけものが一列にずうっとつづいてひっぱられて来ました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1822. ずうっ:【たちまち穂は立派な実になって頭をずうっと垂れました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1823. ずうっ:【私が云いましたら慶次郎も心配そうに向うの方からずうっとならんでいる木を一本ずつ見て いました。】 by『鳥をとるやなぎ』 1824. ずうっ:【もずが、まるで千疋(びき)ばかりも飛びたって、野原をずうっと向うへかけて行くように見えま したが、今度も又、俄に一本の柳の木に落ちてしまいました。】 by『鳥をとるやなぎ』 1825. ずうっ:【そのほかにはずうっとはずれのはずれの方に、白い牛のようなものが、頭だか足だか一寸 出しているだけです。】 by『十月の末』 1826. ずうっ:【「だからずうっと脚がひろがっていかにも丈夫そうになったんです。」】 by『化物丁場(ばけものちょうば)』 1827. ずうっ:【新学期からずうっと使っていた鉛筆です。】 by『みじかい木ペン』 1828. ずうっ:【来た方を見ると路(みち)は一すじずうっと細くついて人も馬ももう丘のかげになって見えませ んでした。】 by『ひかりの素足』 1829. ずうっ:【男はもう森の横を通ってずうっと向うの草原(くさはら)を走っていて、そこからネリの泣き声が、 かすかにふるえて聞えるだけでした。】 by『グスコーブドリの伝記』 1830. ずうっ:【それからずうっと遠くでどーんという音がしました。】 by『グスコーブドリの伝記』 1831. ずうっ:【見るまにずうっと扇形にひろがりながら海へ入りました。】 by『グスコーブドリの伝記』 1832. ずうっ:【もうよほど年は老(と)っていましたが、やはり非常な元気で、こんどは毛の長い兎を千疋(びき) 以上も飼ったり、赤い甘藍(かんらん)ばかり畑に作ったり、相変らずの山師はやってい ましたが、暮しはずうっといいようでした。】 by『グスコーブドリの伝記』 1833. ずうっ:【「さよなら。」とずうっとうしろで黄金(きん)色のやどり木のまりが云っていました。】 by『若い木霊(こだま)』 1834. ずうっ:【ずうっと積まれた黒い枕木の向うにあの立派な本線のシグナルばしらが今はるかの南か ら、かがやく白けむりをあげてやって来る列車を迎える為にその上の堅い腕をさげ たところでした。】 by『シグナルとシグナレス』 1835. ずうっ:【お日さまはずうっと高くなり、シグナルとシグナレスとはほっとまたため息をついてお互いに 顔を見合わせました。】 by『シグナルとシグナレス』 1836. ずうっ:【それからずうっと下の組の子どもらは一目散に教室を飛び出しましたが四年生の小どもら はまだもじもじしていました。】 by『風の又三郎』 1837. ずうっ:【そして鼻づらをずうっとのばして何かほしそうにするのです。】 by『風の又三郎』 1838. ずうっ:【「ずうっとこっちに居たらどうだい。」】 by『オツベルと象』 1839. ずうっ:【「逃げたんじゃないや。昨日は二百十日だい。本当なら兄さんたちと一諸にずうっと北の方 へ行ってるんだ。」】 by『風野又三郎』 1840. ずうっ:【なあにほんとうはあの茨(いばら)やすすきの一杯生えた野原の中で浜茄(はまなす)などをさがす よりは、初めから狐小学校を参観したほうがずうっとよかったのです。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1841. ずうっ:【クンねずみは横の方をを向いて、おひげをひっぱりながら、横目でタねずみの顔を見ていま したがずうっとしばらくたってから、あらんかぎり声をひくくして、「へい。そして。」と云いました。】 by『クンねずみ』 1842. ずうっ:【「逃がさんぞ。コラッ。」と猫大将はその一疋(ぴき)を追いかけましたがもうせまいすきまへず うっと深くもぐり込んでしまったのでいくら猫大将が手をのばしてもとどきませんでした。】 by『クンねずみ』 1843. ずうっ:【沙(すな)がずうっとひろがって居りました。】 by『雁(かり)の童子』 1844. ずうっ:【丘の頂上には小さな三角標があってそこから頂がずうっと向うのあの三角な丘までつづい ていた。】 by『税務署長の冒険』 1845. ずうっ:【それからずうっとしばらくたって、又音がします。】 by『葡萄水』 1846. ずうっ:【三疋(びき)がカン蛙のおうちに着いてから、しばらくたって、ずうっと向うから、蕗(ふき)の葉を かざしたりがまの穂を立てたりしてお嫁さんの行列がやって参りました。】 by『蛙のゴム靴』 1847. ずうっ:【からだがずうっと赤や黄の星のあいだをのぼって行ったり、どこまでも風に飛ばされたり、又 鷹が来てからだをつかんだりしたようでした。】 by『よだかの星』 1848. ずうっ:【ずうっと向うの窪みで、達二の兄さんの声がしました。】 by『種山ヶ原』 1849. ずうっ:【「それはマグノリアの木にもあらわれ、けわしい峯のつめたい巌にもあらわれ、谷の暗い密 林もこの河がずうっと流れて行って氾濫をするあたりの度々の革命や饑饉や疫病やみんな 覚者の善です。」】 by『マグノリアの木』 1850. ずうっ:【鹿が少なくとも五六疋(ぴき)、湿っぽいはなづらをずうっと延ばして、しずかに歩いているら しいのでした。】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 1851. ずうっ:【すると今度はずうっと遠くで風の音か笛の声か、又は鹿の子の歌かこんなように聞えました。】 by『雪渡り』 1852. ずうっ:【すると、どこかずうっと遠くで、なにかが大へんよろこんで、手を拍(う)ったというような気がし ました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1853. ずうっとずうっと:【その松林のずうっとずうっと高い処(ところ)で誰かゴホゴホ唱えています。】 by『二十六夜』 1854. ずうっとずうっと:【ずうっとずうっと遠くで騎兵の演習らしいパチパチパチパチ塩のはぜるような鉄砲 の音が聞えました。】 by『土神ときつね』 1855. すがすが:【するともう身体の痛みもつかれも一遍にとれてすがすがしてしまいました。】 by『双子の星』 1856. すきっ:【削り取られた分の窓ガラスはつめたくて実によく透(す)きとおり向うでは山脈の雪が耿々(こう こう)とひかり、その上の鉄いろをしたつめたい空にはまるでたったいまみがきをかけたような 青い月がすきっとかかっていました。】 by『氷河鼠の毛皮』 1857. すきっ:【いま新らしく灼いたばかりの青い鋼の板のような、そらの野原に、まっすぐにすきっと立った のです。】 by『銀河鉄道の夜』 1858. すきっ:【いま新らしく灼いたばかりの青い鋼の板のような、そらの野原に、まっすぐにすきっと立った のです。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1859. すきっ:【その島の平らないただきに、立派な眼もさめるような、白い十字架がたって、それはもう凍 った北極の雲で鋳(い)たといったらいいか、すきっとした金いろの円光をいただいて、しずか に永久に立っているのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1860. すくすく:【足をすくすく延ばしてまっすぐに走って大監督の前に行きました。】 by『烏の北斗七星』 1861. すごすご:【間もなく青い格子縞(こうしじま)の短い上着を着た狐の生徒が、今の先生のうしろについて すごすごと入って参りました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1862. すたすた:【平らな熊出街道を すたすた歩いて行ったのだ。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 1863. すたすた:【その声がだんだん遠くなってどこかの町の角でもまがったらしいときその青い海の中の ような床屋の店のなかからとうとうデストゥパーゴが出て来てしばらく往来を見まわしてからす たすた南の方へあるきだしました。】 by『ポラーノの広場』 1864. すたすた:【ある晩、恭一はぞうりをはいて、すたすた鉄道線路の横の平らなところをあるいて居りま した。】 by『月夜のでんしんばしら』 1865. すたすた:【男はポケットから、まりを十ばかり出してブドリに渡すと、すたすた向うへ行ってしまいまし た。】 by『グスコーブドリの伝記』 1866. すたすた:【主人はさきに立ってすたすた家(うち)へあるきはじめました。】 by『グスコーブドリの伝記』 1867. すたすた:【運動場を出るときその子はこっちをふりむいてじっと学校やみんなの方をにらむようにす るとまたすたすた白服の大人について歩いて行きました。】 by『風の又三郎』 1868. すたすた:【すると山男は、「うんもっともだ。さあこれだけやろう。つりは酒代だ。」と云いながらいくら だかわからない大きな札を一枚出してすたすた玄関にのぼりました。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 1869. すっ:【この時電燈がまたすっとつきボーイはまた、「紅茶はいかがですか。」と云いながら大股にそし て恭(うやうや)しく向うへ行きました。】 by『氷河鼠の毛皮』 1870. すっ:【それがまただんだん横へ外れて、前のレンズの形を逆に繰り返し、とうとうすっとはなれて、サ ファイアは向うへめぐり、黄いろのはこっちへ進み、また丁度さっきのような風になりました。 銀河の、かたちもなく音もない水にかこまれて、ほんとうにその黒い測候所が、睡っているよ うに、しずかによこたわったのです。】 by『銀河鉄道の夜』 1871. すっ:【あちこちの工場の笛は一斉に鳴り、子供らは叫び、教会やお寺の鐘まで鳴り出して、それから 電燈がすっと消えたのです。】 by『ポラーノの広場』 1872. すっ:【すっと歩き出せ。】 by『台川(だいかわ)』 1873. すっ:【するとそれは、チョコレートででもできているように、すっときれいにはなれました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1874. すっ:【あらゆる歴史がそなわりすっと消えるともうがらんとしたただもうそれっきりになってしまうのを 見ました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1875. すっ:【おじいさんはすっと行ってしまいました。】 by『みじかい木ペン』 1876. すっ:【あちこちの工場の笛は一斉に鳴り、子供らは叫び、教会やお寺の鐘まで鳴り出して、それから 電燈がすっと消えたのです。】 by『毒蛾』 1877. すっ:【やっと気がしずまったと見えてすっと形を消し融(と)けるようにほこらの中へ入って行きました。】 by『土神ときつね』 1878. すっ:【「胸もすっとなるんだ。」】 by『風野又三郎』 1879. すっ:【「すっとかけぬけただろう。」】 by『風野又三郎』 1880. すっ:【又三郎はすっと見えなくなってしまいました。】 by『風野又三郎』 1881. スッ:【はちすずめのあとを追って二つぶの宝石がスッと光って二人の青い帽子に下(お)ちそれから花 の間に落ちました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 1882. ずっ:【「雁の方がずっと柄がいいし、第一手数がありませんからな。」】 by『銀河鉄道の夜』 1883. ずっ:【「そうでないよ。蜂ならぼくはずっと前から知っているんだ。」】 by『ポラーノの広場』 1884. ずっ:【おれのはもっとずっと上流の北上川から遠くの東の山地まで見はらせるようにあの小桜山の 下の新らしく墾(ひら)いた広い畑を云ったんだ。】 by『台川(だいかわ)』 1885. ずっ:【「雁の方がずっと柄がいいし、第一手数がありませんからな。」】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1886. ずっ:【楢夫は夕方、裏の大きな栗の木の下に行きました。その幹の、丁度楢夫の目位高い所に、 白いきのこが三つできていました。まん中のは大きく、両がわの二つはずっと小さく、そして 少し低いのでした。】 by『さるのこしかけ』 1887. ずっ:【見る間にずっと扇形にひろがりました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1888. ずっ:【「けれども又異教席のやつらと、異派席の連中とくらべて見たんじゃ又ずっと違ってますね。」】 by『ビジテリアン大祭』 1889. ずっ:【もうずっと上の方へのぼって行って、みんなゆっくり歩きながら笑っているんだ。】 by『風野又三郎』 1890. ずっ:【見るとそれはいつのまにかずっと大きくなったあの銀色のなめくじでした。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 1891. ずっ:【そしてずっと下ってまがり角を三つ四つまがってから、非常に警戒しながらふり向いて見ると もう向うは一本の松の木が崖の上につき出ているばかりすっかりあの男も家も見えなくなっ ていた。】 by『税務署長の冒険』 1892. ずっ:【たとえば、ひばりも、あまり美しい鳥ではありませんが、よだかよりは、ずっと上だと思ってい ましたので、夕方など、よだかにあうと、さもさもいやそうに、しんねりと目をつぶりながら、首 をそっ方へ向けるのでした。】 by『よだかの星』 1893. ずっ:【谷の部落がずっと下に見え、達二の家の木小屋の屋根が白く光っています。】 by『種山ヶ原』 1894. ずっ:【僕のうちの近くなら洪積と沖積があるきりだしずっと簡単だ。】 by『或る農学生の日誌』 1895. すっかり:【そして、今はもう、すっかり消えました。】 by『めくらぶどうと虹』 1896. すっかり:【何せ北極のじき近くまで行くのですからみんなはすっかり用意していました。】 by『氷河鼠の毛皮』 1897. すっかり:【子どもらは、すっかり恐(こわ)がってしまった。】 by『さいかち淵(ぶち)』 1898. すっかり:【けれどもいくら熊どもだってすっかり小十郎とぶっつかって犬がまるで火のついたまりのよ うになって飛びつき小十郎が眼をまるで変に光らして鉄砲をこっちへ構えることはあんまりす きではなかった。】 by『なめとこ山の熊』 1899. すっかり:【いつになったら兵隊たちがみな馬のたてがみに取りついて、泳いでこっちへ来るのやらす っかり待ちあぐねてしまいました。】 by『イギリス海岸』 1900. すっかり:【いつか空がすっかり晴れて、まるで一面星が瞬(またた)き、まっ黒な四つの岩頸(がんけい)が ただしくもとの形になり じっとならんで立っていた。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 1901. すっかり:【蠍座は西へ沈むとこでしたし、天の川もすっかり斜めになりました。】 by『二十六夜』 1902. すっかり:【私たちはすっかり失策(しくじ)ってしまったのです。】 by『二人の役人』 1903. すっかり:【ジョバンニは、せわしくいろいろのことを考えながら、さまざまの灯や木の枝で、すっかりき れいに飾られた街を通って行きました。】 by『銀河鉄道の夜』 1904. すっかり:【蜘蛛はすっかり安心して、又葉のかげにかくれました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 1905. すっかり:【蟹の子供らはもうよほど大きくなり、底の景色も夏から秋の間にすっかり変りました。】 by『やまなし』 1906. すっかり:【「わかったよ、とうとう。僕ゆうべ行くみちへすっかり方角のしるしをつけて置いた。」】 by『ポラーノの広場』 1907. すっかり:【「つかれたつかれた すっかりつかれた」】 by『饑餓陣営』 1908. すっかり:【すっかりふだんのとおりになりました。】 by『月夜のでんしんばしら』 1909. すっかり:【こどもはすっかりさっきの通りの姿勢ですやすやと睡っています。】 by『氷と後光(習作)』 1910. すっかり:【しかしあいにくバケツにはおひげもありませんでしたし、まどうというわけにも行かずすっか り参ってしまって、泣いてあやまりました。】 by『ツェねずみ』 1911. すっかり:【昨年のことなどはすっかり途中で話して来たのです。】 by『谷』 1912. すっかり:【ところがある日三十疋(ぴき)のあまがえるが、蟻の公園地をすっかり仕上げて、みんなよろ こんで一まず本部へ引きあげる途中で、一本の桃の木の下を通りますと、そこへ新らしい店 が一軒出ていました。】 by『カイロ団長』 1913. すっかり:【そこで虔十(けんじゅう)もやっと安心して兄さんと一緒に杉の木の下にくぐって落とした枝をす っかり集めました。】 by『虔十(けんじゅう)公園林』 1914. すっかり:【赤シャツの農夫はすっかり塵(ちり)にまみれ、しきりに汗をふきました。】 by『耕耘部(こううんぶ)の時計』 1915. すっかり:【狐はすっかりしょげて首を垂れてしまいました。】 by『月夜のけだもの』 1916. すっかり:【亮二はすっかりわかりました。】 by『祭の晩』 1917. すっかり:【たしかに構わないで置けば車輪はすっかり抜けてしまうのでした。】 by『車』 1918. すっかり:【楢夫はすっかり面白くなって、自分も立ちあがりましたが、どうも余りせいが高過ぎて、調 子が変なので、又座って云いました。】 by『さるのこしかけ』 1919. すっかり:【バキチはすっかりまごついて一目散に警察へ遁げて帰ったんです。】 by『バキチの仕事』 1920. すっかり:【僕はその時ばけ物の胃袋の中でこの網を出してね、すっかり被(かぶ)っちまうんだ。】 by『いちょうの実』 1921. すっかり:【(もうすっかり法則がこわれた。何もかもめちゃくちゃだ。これで、も一度きちんと空がみが かれて、星座がめぐることなどはまあ夢だ。夢でなけぁ霧だ。みずけむりさ。)】 by『ガドルフの百合』 1922. すっかり:【「あ、チュンセさん。失礼いたしました。もうすっかり明るくなったんですね。」】 by『双子の星』 1923. すっかり:【四郎はすっかり弱ってしまいました。】 by『雪渡り』 1924. すっかり:【(じきにすっかりちぢまってしまうぞ。)】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 1925. すっかり:【ところが画(え)かきはもうすっかりよろこんで、手をぱちぱち叩いて、それからはねあがっ て言いました。】 by『かしわばやしの夜』 1926. すっかり:【「更木の斎藤では病気もすっかり直ったし、むすこも大学を終ったし、めきめき立派にな ったから」】 by『ざしき童子(ぼっこ)のはなし』 1927. すっかり:【それは昔の川の流れたあとで、洪水のたびにいくらか形も変るのでしたが、すっかり無く なるということもありませんでした。】 by『毒もみのすきな署長さん』 1928. すっかり:【(小学校長が青くなっている。役場から云われて仕方なく学校を借したのだが何が何でも これではあんまりだと思ってすっかり青くなったな)と税務署長は思いました。】 by『税務署長の冒険』 1929. すっかり:【その城あとのまん中の、小さな四っ角山の上に、めくらぶどうのやぶがあってその実がす っかり熟している。】 by『マリヴロンと少女』 1930. すっかり:【ネネムは起きあがって見ますとお「キレ」さまはすっかりふだんの様になっておまけにテカ テカして何でも今朝あたり顔をきれいに剃ったらしいのです。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1931. すっかり:【すっかりついています。】 by『馬の頭巾』 1932. すっかり:【一昨日別段気にもとめなかった、小さなその門は、赤いいろの藻類と、暗緑の栂(つが)と で飾られて、すっかり立派に変っていました。】 by『ビジテリアン大祭』 1933. すっかり:【嘉(か)ッコのおばあさんが、やっぱりけらを着て、すっかり支度をして、家の中から出て来 ました。】 by『十月の末』 1934. すっかり:【雲が下の方と上の方と、すっかり反対に矢のように馳(は)せちがっていたのです。】 by『化物丁場(ばけものちょうば)』 1935. すっかり:【キッコはすっかり気持をわるくしてだまって窓へ行って顔を出して雨だれを見ていました。】 by『みじかい木ペン』 1936. すっかり:【すっかり覚悟がきまりましたので目をつぶって痛いのをじっとこらえ、またその人を毒に あてないようにいきをこらして一心に皮をはがれながらくやしいというこころさえ起しませんで した。】 by『手紙』 1937. すっかり:【とうとうすっかりつかれてしまって、ぼんやりと立ちながら、一つぶのばらの実を唇にあて ました。】 by『よく利く薬とえらい薬』 1938. すっかり:【もうすっかり夜があけていたのです。】 by『ひかりの素足』 1939. すっかり:【ホテルへ着いて見ると、この暑いのに、窓がすっかり閉めてあるのです。】 by『毒蛾』 1940. すっかり:【しかし鳥箱先生は、それからはすっかり信用をなくしました。】 by『鳥箱先生とフウねずみ』 1941. すっかり:【それでもどうにかその冬は過ぎて次の春になり、畑には大切にしまって置いた種子も播か れましたが、その年もまたすっかり前の年の通りでした。】 by『グスコーブドリの伝記』 1942. すっかり:【風がやみましたので柏の木はすっかり静まってカサっとも云いませんでした。】 by『若い木霊(こだま)』 1943. すっかり:【間もなく木樵がすっかり逆上(のぼ)せて疲れてばたっと水の中に倒れてしまいますと、ゆっ くりと立ちあがりました。】 by『土神ときつね』 1944. すっかり:【もうすっかり夜でしたが、ぼんやり月のあかりに澱(よど)んだ霧の向うから狐の声が聞えて 来るのでした。】 by『土神ときつね』 1945. すっかり:【獅子はすっかり怒ってしまいました。】 by『けだものの運動会』 1946. すっかり:【「おまえの眼は悪いものを見ないようにすっかりはらってあるんだから。」】 by『サガレンと八月』 1947. すっかり:【みんなもすっかり元気になってついて行きました。】 by『風の又三郎』 1948. すっかり:【中にはいるとそのために、すっかり腹が空(す)くほどだ。】 by『オツベルと象』 1949. すっかり:【星はめぐり、金星の終りの歌で、そらはすっかり銀色になり、夜があけました。】 by『まなづるとダァリヤ』 1950. すっかり:【みんなもすっかり元気になってついて行きました。】 by『風野又三郎』 1951. すっかり:【ええ、どこの学校って正直に云っちまいますとね、茨海(ばらうみ)狐(きつね)小学校です。愕(お どろ)いてはいけません。実は茨海(ばらうみ)狐(きつね)小学校をそのひるすぎすっかり参観して来 たのです。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 1952. すっかり:【蜘蛛はすっかり安心して、又葉のかげにかくれました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 1953. すっかり:【七、ノルデは頭からすっかり灰をかぶってしまった。】 by『ペンネンノルデはいまはいないよ太陽にできた黒い棘(とげ)をとりに行ったよ』 1954. すっかり:【私もすっかり向うが思う壺にはまったとよろこびました。】 by『林の底』 1955. すっかり:【「お前はこれで帰ってよし。そしてキャベジと鮒とをな灰で煮込んでおいてくれ。ではおれは 今度は医者だから。」といいながらすっかり小さな白い鬚の医者にばけました。】 by『ひのきとひなげし』 1956. すっかり:【タねずみはこんどというこんどはすっかりびっくりして半分立ちあがって、ぶるぶるふるえ て眼をパチパチさせて、黙りこんでしまいました。】 by『クンねずみ』 1957. すっかり:【ホモイがおとうさんやおっかさんや、兎のお医者さんのおかげで、すっかりよくなったのは、 鈴蘭にみんな青い実ができた頃でした。】 by『貝の火』 1958. すっかり:【童子さまの脳はもうすっかり疲れて、白い網のようになって、ぶるぶるゆれ、その中に赤 い大きな三日月が浮かんだり、そのへん一杯にぜんまいの芽のようなものが見えたり、また 四角な変に柔らかな白いものが、だんだん拡(ひろ)がって恐ろしい大きな箱になったりするの でございました。】 by『雁(かり)の童子』 1959. すっかり:【そしてとうとう、すっかり昔のようないいものが出来るようになって、東京大博覧会へも出 ましたし、二等賞も取りました。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 1960. すっかり:【「おひるすぎになって、すっかり仕事がすむころはペムペルは汗で顔がてかてかしてた。」】 by『黄いろのトマト』 1961. すっかり:【勇ましい凱旋だと云いたいのだが実はすっかり 参って来たのだとにかくあそこは寒い処 (ところ)だよ。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 1962. すっかり:【眼をひらいてまた見ますと、あのまっ白な建物は、柱が折れてすっかり引っくり返っていま す。】 by『朝に就ての童話的構図』 1963. すっかり:【そしてその日の午(ひる)ちかく、ひづめの音や鎧(よろい)の気配、また号令の声もして、向う はすっかり、この町を、囲んでしまった模様であった。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1964. すっかり:【勇ましい凱旋だと云いたいが 実はすっかり参って来たのだ とにかくあすこは寒い処(とこ ろ)さ。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1965. すっかり:【もうすっかり夜になって、空は青ぐろく、一面の星がまたたいていました。】 by『よだかの星』 1966. すっかり:【空にはうすい雲がすっかりかかり、太陽は白い鏡のようになって、雲と反対に馳(は)せまし た。】 by『種山ヶ原』 1967. すっかり:【「すっかりしてしまわなかった人は手をあげて。」】 by『種山ヶ原』 1968. すっかり:【「町はもうすっかり掃除ができてございます。」】 by『四又の百合』 1969. すっかり:【「この証明書を持って薬屋へ行って亜砒酸を買って水へとかしてあなたの陸稲へおかけな さい。すっかり直りますから。」】 by『植物医師』 1970. すっかり:【わたくしがはたらきながら、また重いものをはこびながら、手で水をすくうことも考えること のできないときは、そこから白びかりが氷のようにわたくしの咽喉(のど)に寄せてきて、こくっと わたくしの咽喉(のど)を鳴らし、すっかりなおしてしまうのです。】 by『イーハトーボ農学校の春』 1971. すっかり:【そこで斉藤平太はすっかり気分を悪くしてそっと財布を開いて見ました。】 by『革トランク』 1972. すっかり:【さあ第一流の紳士だもの、豚がすっかり幸福を感じ、あの頭のかげの方の鮫(さめ)によく 似た大きな口を、にやにや曲げてよろこんだのも、けして無理とは云われない。】 by『フランドン農学校の豚』 1973. すっかり:【豚はこれをすっかり聴いた。】 by『フランドン農学校の豚』 1974. すっかり:【豚はすっかりおびえて了(しま)い、「つきます。つきます。」と、かすれた声で云ったのだ。】 by『フランドン農学校の豚』 1975. すっかり:【いつの間にかすっかり夜になってそらはまるですきとおっていました。】 by『インドラの網』 1976. すっかり:【今年は肥料だのすっかり僕が考えてきっと去年の埋め合せを付ける。】 by『或る農学生の日誌』 1977. すっかり:【ゴーシュはすっかりまっ赤になってひるま楽長のしたように足ぶみしてどなりましたがにわ かに気を変えて云いました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 1978. すっかり:【それでもすっかり手拭(てぬぐい)の前まで行って、いかにも思い切ったらしく、ちょっと鼻を手 拭に押しつけて、それから急いで引っ込めて、一目さんに帰ってきました。】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 1979. すっかり:【いつかすっかり明るくなり、太陽は少しの午睡(ごすい)のあとのようにどこか青くぼんやりか すんではいますがたしかにかがやく五月のひるすぎを拵(こしら)えました。】 by『チュウリップの幻術』 1980. すっく:【署長はもうすっかり決心してすっくと立ちあがった。】 by『税務署長の冒険』 1981. すっくり:【テジマアはすっくりと皿の上に立ちあがって、それからひらりと皿をはね下りて、自分が椅 子にどっかり座りそれから床の上に倒れている若ばけものを、雑作もなく皿の上につまみ上 げました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1982. すっくり:【「お前の友達といっても、むかでなどはせなかをすっくりとのばしてあるいているではない か。」】 by『鳥箱先生とフウねずみ』 1983. すっこすっこ:【「うんにゃ。税務署に見っけらえれば、罰金取らえる。見っけらえなぃば、すっこすっ こど葡ん萄酒呑む。」】 by『葡萄水』 1984. すっこんすっこ(ゴクリゴクリ):【「のはらのまん中の めつけもの すっこんすっこ(ゴクリゴクリ)の 栃だん ご」】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 1985. すっこんすっこ(ゴクリゴクリ):【「おう、すっこんすっこ(ゴクリゴクリ)。」】 by『鹿踊りのはじまり』 1986. すっす:【ペンクラアネイ先生はすばやく酒精を綿につけ将軍の顔をしめしてからすっすとさるをがせ を剃った。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 1987. すっす:【そこで砥石に水が張られすっすと払われ、秋の香魚(あゆ)の腹にあるような青い紋がもう刃 物の鋼(はがね)にあらわれました。】 by『チュウリップの幻術』 1988. すっすっ:【「僕がこいつをはいてすっすっと歩いたらまるで芝居のようだろう。」】 by『蛙のゴム靴』 1989. すっぽり:【肩から胸から腰へかけてすっぽりと斬られて、からだがまっ二つに分れ、バランチャンと 床に倒れてしまいました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 1990. ストン:【ところが、途中に急な坂が一つありましたので、鼠は三度目に、そこからストンところげ落ち ました。】 by『ツェねずみ』 1991. すとん:【はずみを食った将軍は、床にすとんと落された。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 1992. ズドン:【ズドン。ピストルが鳴りました。】 by『氷河鼠の毛皮』 1993. ズドン:【熊の月の輪をめがけてズドンとやるのだった。】 by『なめとこ山の熊』 1994. ズドン:【ズドンと一発やりたいなと署長は思った。】 by『税務署長の冒険』 1995. ずどん:【いきなりずどんと大尉を射殺し、大尉はなめらかな黒い胸を張って倒れかかります。】 by『烏の北斗七星』 1996. ストンストン:【片っぱしからストンストンと投げつけられました。】 by『カイロ団長』 1997. すぱすぱ:【鼻の尖(とが)った人は、すぱすぱと、煙草を吸うときのような口つきで云った。「この水呑 むのか、ここらでは。」】 by『さいかち淵(ぶち)』 1998. すぱすぱ:【さっぱりした空気をすぱすぱ吸って働き出し、夕方は、お日さまの光が木や草の緑を飴 色にうきうきさせるまで歌ったり笑ったり叫んだりして仕事をしました。】 by『カイロ団長』 1999. すぱすぱ:【さっきの赤い髪の子が、まるで権現さまの尾っぱ持ちのようにすまし込んで白いシャッポ をかぶって先生についてすぱすぱとあるいて来たのです。】 by『風の又三郎』 2000. すぱすぱ:【鼻の尖(とが)った人は、すぱすぱと、煙草を吸うときのような口つきで云いました。】 by『風の又三郎』 2001. すぱり:【両手でそれをゆすぶると、兜はすぐにすぱりととれた。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 2002. すぱり:【たちまち鞍はすぱりとはなれ、はずみを食った将軍は、床にすとんと落された。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 2003. ズブリ:【達二は、素早く刀を取り返して、山男の横腹をズブリと刺しました。】 by『種山ヶ原』 2004. すぽっ:【間もなく鞍はすぽっととれ馬は見当がつかないらしく四五へんせ中をゆすぶった。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 2005. スポリ:【ネネムがノートを出した時、フゥフィーボー博士は大きなあくびをやりましたので、ノートはス ポリと先生に吸い込まれてしまいました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 2006. すぽり:【四、フウケーボー大博士はあくびといっしょにノルデの筆記帳をすぽりとのみ込んでしまっ た。】 by『ペンネンノルデはいまはいないよ太陽にできた黒い棘(とげ)をとりに行ったよ』 2007. スポン:【「よし、さあでは引きあげ、おい誰でもおれたちがこの車を出ないうちに一寸(ちょっと)でも動 いたやつは胸にスポンと穴をあけるから、そう思え。」】 by『氷河鼠の毛皮』 2008. スポン:【「その太い首をスポンと切られるぞ。」】 by『カイロ団長』 2009. スポン:【「さあ来い。へたな方の一等から九等までは、あしたおれがスポンと切って、こわいとこへ 連れてってやるぞ。」】 by『かしわばやしの夜』 2010. スポン:【そして桃いろの封筒へ入れて、岩手郡西根山、山男殿と上書きをして、三銭の切手をはっ て、スポンと郵便凾へ投げ込みました。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 2011. すやすや:【赤い天蚕絨(ビロード)の頭巾をかぶったちいさな子が、毛布につつまれて窓の下の飴色の 壁に上手にたてかけられ、まるで寝床に居るように、足をこっちにのばしてすやすやと睡って います。】 by『氷と後光(習作)』 2012. すやすや:【楢夫の顔はりんごのように赤く口をすこしあいてまだすやすや睡(ねむ)って居ました。】 by『ひかりの素足』 2013. すらすら:【私(わたくし)どもはもう尋常(じんじょう)五年生でしたからすらすら読みました。】 by『二人の役人』 2014. すらすら:【その日キッコが学校から帰ってからのはしゃぎようと云ったら第一におっかさんの前で十 けたばかりの掛算と割算をすらすらやって見せてよろこばせそれから弟をひっぱり出して猫 の顔を写生したり荒木又右ェ門の仇討のとこを描いて見せたりそしておしまいもうお話を自分 でどんどんこさえながらずんずんそれを絵にして書いて行きました。】 by『みじかい木ペン』 2015. スラッ:【燕尾服もあれば厚い粗羅紗(そらしゃ)を着た農夫もあり、綬をかけた人もあれば、スラッと瘠 (や)せた若い軍医もありました。】 by『ビジテリアン大祭』 2016. ずらっ:【奥の方には二十石入の酒樽が十五本ばかりずらっとならび横には麹室らしい別の室(へや) さえあったのだ。】 by『税務署長の冒険』 2017. ずらり:【さて瓶がずらりと板の間にならんで、まるでキラキラします。】 by『葡萄水』 2018. するする:【ふちの上の滝へ平らになって水がするする急いで行く。】 by『台川(だいかわ)』 2019. するする:【博士は名刺をとり出して何かするする書き込んでブドリに呉れました。】 by『グスコーブドリの伝記』 2020. するする:【おれそれでぁあの木の上がら落すがらな。と一郎は云いながら崖の中ごろから出ている さいかちの木へするする昇って行きました。】 by『風の又三郎』 2021. するする:【ゴーシュはあわてて立って窓をあけようとしましたが元来この窓はそんなにいつでもする する開く窓ではありませんでした。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 2022. スルスル:【「赤いてながのくぅも、天のちかくをはいまわり、スルスル光のいとをはき、きぃらりきぃら り巣をかける。」】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 2023. スルスル:【「赤いてながのくぅも、天のちかくをはいまわり、スルスル光のいとをはき、きぃらりきぃら り巣をかける。」】 by『蜘蛛となめくじと狸』 2024. するするするする:【たくさんのふくろうどもが、お月さまのあかりに青じろくはねをひるがえしながら、 するするするする出てきて、柏の木の頭の上や手の上、肩やむねにいちめんにとま りました。】 by『かしわばやしの夜』 2025. するするするっ:【するとテねずみは紙切れを出してするするするっと何か書いて捕り手のねずみに 渡しました。】 by『クンねずみ』 2026. するするっ:【するとまた鉛筆がうごき出してするするっと288と二けた目までのとこへ書いてしまい ました。】 by『みじかい木ペン』 2027. するするっ:【これは猫仲間では、目上の人にも無礼なことでも何でもなく、人ならばまず鬚でもひね るぐらいのところですから、それはかまいませんけれども、いけないことは、足をふんばった ために、テーブルが少し坂になって、べんとうばこがするするっと滑って、とうとうがたっと事務 長の前の床に落ちてしまったのです。】 by『寓話 猫の事務所』 2028. するり:【するりと向うへ行ってしまいました。】 by『クンねずみ』 2029. すれすれ:【つめたいいじの悪い雲が、地べたにすれすれに垂れましたので、野はらは雪のあかりだ か、日のあかりだか判らないようになりました。】 by『烏の北斗七星』 2030. すれすれ:【「おしまいはまるで海とすれすれになる。」】 by『風野又三郎』 2031. すれすれ:【よだかはまるで雲とすれすれになって、音なく空を飛びまわりました。】 by『よだかの星』 2032. すれすれ:【もう夕方でしたが雲が縞をつくってしずかに東の方へ流れ、白と黒とのぶちになったせき れいが水銀のような水とすれすれに飛びました。】 by『革トランク』 2033. ずんずん:【その両側の山どもは、一生懸命の大学士などにはお構いなく ずんずん黒く暮れて行く。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 2034. ずんずん:【その足跡さえずんずんたどって 遁(に)げてさえ行くならもう直きに 汀(みぎわ)に濤(なみ)も 打って来るし 空も赤くなるし 足もとももう泥に食いこまない 堅い頁岩(けつがん)の上を行く。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 2035. ずんずん:【ずんずん近づいて来たのです。】 by『二人の役人』 2036. ずんずん:【そのうち船はもうずんずん沈みますから、私はもうすっかり覚悟してこの人たち二人を抱 いて、浮べるだけは浮ぼうとかたまって船の沈むのを待っていました。】 by『銀河鉄道の夜』 2037. ずんずん:【食物がずんずんたまって、腐敗したのです。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 2038. ずんずん:【「僕ばかな小さいときだから、ずんずん行ったんだ。」】 by『ポラーノの広場』 2039. ずんずん:【さて、私の頭はずんずん奇麗になり、疲れも大へん直りました。】 by『ポラーノの広場』 2040. ずんずん:【「きさまの店を訴えるぞ。」と云いながら、ずんずん赤くはれて行く頬を鏡で見ていました。】 by『ポラーノの広場』 2041. ずんずん:【兵隊はやはりずんずん歩いて行きます。】 by『月夜のでんしんばしら』 2042. ずんずん:【それでも私たちはずんずん登って行きました。】 by『谷』 2043. ずんずん:【その杉の列には、東京街道ロシヤ街道それから西洋街道というようにずんずん名前が ついて行きました。】 by『虔十(けんじゅう)公園林』 2044. ずんずん:【お話はずんずん急ぎます。】 by『虔十(けんじゅう)公園林』 2045. ずんずん:【そこらの畑や田はずんずん潰(つぶ)れて家がたちました。】 by『虔十(けんじゅう)公園林』 2046. ずんずん:【大内は夏服の上に黄色な実習服を着て結びを腰にさげてずんずん藪をこいで行く。】 by『台川(だいかわ)』 2047. ずんずん:【もうずんずん瀑(たき)をのぼって行く。Cascadeだ。】 by『台川(だいかわ)』 2048. ずんずん:【ハーシュはずんずん車を引っぱりました。】 by『車』 2049. ずんずん:【それでも王子は、ずんずんはいって行きました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 2050. ずんずん:【それが、ずんずん、楢夫に進んで来て、沢山の手を出し、楢夫を上に引っ張りあげまし た。】 by『さるのこしかけ』 2051. ずんずん:【ただその音は、たちまち格闘らしくなり、やがてずんずんガドルフの頭の上にやって来て、 二人の大きな男が、組み合ったりほぐれたり、けり合ったり撲り合ったり、烈しく烈しく叫んで 現われました。】 by『ガドルフの百合』 2052. ずんずん:【二人はずんずん沈みました。】 by『双子の星』 2053. ずんずん:【天の川がずんずん近くなります。】 by『双子の星』 2054. ずんずん:【「そのうち船はもうずんずん沈みますから、私はもうすっかり覚悟してこの人たち二人を 抱いて、浮べるだけは浮ぼうとかたまって船の沈むのを待っていました。」】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 2055. ずんずん:【ずんずん廊下を進んで行きますと、こんどは水いろのペンキ塗りの扉(と)がありました。】 by『注文の多い料理店』 2056. ずんずん:【それもずんずんうしろの方へ遠くなってしまい、向うには栗駒山が青く光って、カラッとし たそらに立っていました。】 by『化物丁場(ばけものちょうば)』 2057. ずんずん:【それから弟をひっぱり出して猫の顔を写生したり荒木又右ェ門の仇討のとこを描いて見 せたりそしておしまいもうお話を自分でどんどんこさえながらずんずんそれを絵にして書いて 行きました。】 by『みじかい木ペン』 2058. ずんずん:【それでも一郎はずんずん進みました。】 by『ひかりの素足』 2059. ずんずん:【さて、私の頭はずんずん奇麗になり、気分も大へん直りました。】 by『毒蛾』 2060. ずんずん:【紳士は「弱ったなあ、あしたは僕は陸軍の獣医たちと大事な交際があるんだ。こんなこと になっちゃ、まるで向うの感情を害するだけだ。困ったなあ。」と云いながら、ずんずん赤くは れて行く頬を鏡で見ていました。】 by『毒蛾』 2061. ずんずん:【若い木霊は、ずんずん草をわたって行きました。】 by『若い木霊(こだま)』 2062. ずんずん:【陸地はずんずんうしろの方へ行ってしまって自分は青いくらい波の上を走って行くのでし た。】 by『サガレンと八月』 2063. ずんずん:【仕事はずんずん進みました。】 by『寓話 猫の事務所』 2064. ずんずん:【ところが梟(ふくろう)はずんずん話をつづけました。】 by『林の底』 2065. ずんずん:【どの室の扉も窓も高さが二丈ぐらいある。馬でずんずん入れたのだ。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 2066. ずんずん:【それから苔の上をずんずん通り、幾本もの虫のあるく道を横切って、大粒の雨にうたれ ゴム靴をピチャピチャ云わせながら、楢の木の下のブン蛙のおうちに来て高く叫びました。】 by『蛙のゴム靴』 2067. ずんずん:【(なあに、向うの方の草の中で、牛はこっち向いて、だまって立ってるさ。)と思いながら、 ずんずん進んで行きました。】 by『種山ヶ原』 2068. ずんずん:【さて豚はずんずん肥(ふと)り、なんべんも寝たり起きたりした。】 by『フランドン農学校の豚』 |
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2069. せいせい:【「ああせいせいした。どうもからだに恰度合うほど稼いでいるくらい、いいことはありませ んな。」】 by『銀河鉄道の夜』 2070. せいせい:【そのうちに蜘蛛は腐敗して雨で流れてしまいましたので、なめくじも少しせいせいしまし た。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 2071. せいせい:【「わたくしはあれですっかりかたが着いたと思ってせいせいして働いていたのでありま す。」】 by『ポラーノの広場』 2072. せいせい:【「ああせいせいした。どうもからだに恰度合うほど稼いでいるくらい、いいことはありませ んな。」というききおぼえのある声が、ジョバンニの隣りにしました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 2073. せいせい:【「ええ、ありがとう。ああ、僕まるで息がせいせいする。」】 by『おきなぐさ』 2074. せいせい:【晩方象は小屋に居て、八把(わ)の藁(わら)をたべながら、西の四日の月を見て、「ああ、 せいせいした。サンタマリア。」と斯(こ)うひとりごとをしたそうだ。】 by『オツベルと象』 2075. せいせい:【そのうちに蜘蛛が腐敗して溶けて雨に流れてしまいましたので、なめくじも少しせいせい しながら誰か早く来るといいと思ってせっかく待っていた。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 2076. せいせい:【「あいつが死んだらほんとうにせいせいするだろうね。」というような声ばかりです。】 by『クンねずみ』 2077. せいせい:【「どうです、せいせいしたでしょう。そこで百と百とをたすと答はいくらになりますか。」】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 2078. せいせい:【「どうです、せいせいしたでしょう。ところで百と百とをたすと、答はいくらになりますか。」】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 2079. せいせい:【それから、やっとせいせいしたというようにぐっすりねむりました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 2080. ぜいぜい:【『ああ風でのどがぜいぜいする。』】 by『シグナルとシグナレス』 2081. せかせか:【二人はやっと馳けるのをやめて、いきをせかせかしながら、草をばたりばたりと踏んで 行きました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 2082. せかせか:【その人はまるで顔をまっ赤にしてせかせかと祭壇にのぼりました。】 by『ビジテリアン大祭』 2083. せかせか:【そしてまるでせかせかとのぼりました。】 by『ひかりの素足』 2084. せかせか:【息がせかせかしてほんとうにたまらなくなりました。】 by『土神ときつね』 2085. せかせか:【ひとりの子供が、赤い毛布(けっと)にくるまって、しきりにカリメラのことを考えながら、大き な象の頭のかたちをした、雪丘の裾を、せかせかうちの方へ急いで居りました。】 by『水仙月の四日』 2086. せかせか:【みんなはまるでせかせかと走ってのぼりました。】 by『風の又三郎』 2087. せかせか:【嘉助はやっと起き上がって、せかせか息しながら馬の行った方に歩き出しました。】 by『風の又三郎』 2088. せかせか:【達二はやっと起き上って、せかせか息しながら、牛の行った方に歩き出しました。】 by『種山ヶ原』 2089. せっせ:【「ところでおれは一体何のために歩いているんだったかな。ええと、よく思い出せないぞ。た しかに昨日も一昨日(おととい)も人の居ない処(ところ)をせっせと歩いていたんだが。」】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 2090. せっせ:【そして白いのばかりえらんで二人ともせっせと集めました。】 by『谷』 2091. せっせ:【清作は、さあ日暮れだぞ、日暮れだぞと云いながら、稗(ひえ)の根もとにせっせと土をかけ ていました。】 by『かしわばやしの夜』 2092. せっせ:【旗や電燈が、ひのきの枝ややどり木などと、上手に取り合せられて装飾され、まだ七八人 の人が、せっせと明後日の仕度をして居りました。】 by『ビジテリアン大祭』 2093. せっせ:【そうそうこのときは丁度秋に蒔いた蕎麦の花がいちめん白く咲き出したときであの眼の碧 いすがるの群はその四っ角な畑いっぱいうすあかい幹の間をくぐったり花のついたちいさな 枝をぶらんこのようにゆすぶったりしながら今年の終りの蜜をせっせと集めて居りました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 2094. せっせ:【それから二人はせっせと汁を瓶につめて栓をしました。】 by『葡萄水』 2095. せらせら:【ホモイは呆(あき)れていましたが、馬があんまり泣くものですから、ついつりこまれて一寸 (ちょっと)鼻がせらせらしました。】 by『貝の火』 2096. せらせらせらばあ:【ちょうどそのとき風が来ましたので、林中の柏の木はいっしょに、「せらせらせら 清作、せらせらせらばあ。」とうす気味のわるい声を出して清作をおどそうとしました。】 by『かしわばやしの夜』 2097. せわしくせわしく:【日光に青くすきとおりせわしくせわしくふるえました。】 by『土神ときつね』 |
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2098. そうっ:【こんな訳だから、ほんとうに豚を可哀そうと思うなら、そうっと怒らせないように、うまいものを たべさせて置いて、にわかに熱湯にでもたたき込んでしまうがいい、豚は大悦びだ、くるっと 毛まで剥(む)けてしまう。】 by『ビジテリアン大祭』 2099. そおっ:【それからそおっと萱(かや)をわけて林のうしろの方へ出ようとしました。】 by『二人の役人』 2100. そおっ:【「けれどものぼって行くたってそれはそれはそおっとのぼって行くんだよ。」】 by『風野又三郎』 2101. そおっ:【雲のみねはだんだん崩れてしずかな金いろにかがやき、そおっと、北の方へ流れ出しまし た。】 by『ひのきとひなげし』 2102. そおっ:【そおっと目をあいて、それから大声で叫びました。】 by『クンねずみ』 2103. ぞくぞく:【「さがすと証拠もぞくぞく出ている。」】 by『銀河鉄道の夜』 2104. ぞくぞく:【私はまるでぞくぞくしました。】 by『谷』 2105. ぞくぞく:【寒さがぞくぞくからだに浸(し)みる。】 by『フランドン農学校の豚』 2106. ぞくっ:【青年はぞくっとしてからだをふるうようにしました。】 by『銀河鉄道の夜』 2107. ぞくっ:【青年はぞくっとしてからだをふるうようにしました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 2108. そこそこ:【なぜならいままでは塩水選をしないでやっと反当二石そこそこしかとっていなかったのを 今度はあちこちの農事試験場の発表のように一割の二斗ずつの増収としても一町一反では 二石二斗になるのだ。】 by『或る農学生の日誌』 2109. そっ:【そっとかくして云ったもんだ。】 by『なめとこ山の熊』 2110. そっ:【その眼はじっと雷竜(らいりゅう)を見 その手はそっと空気を押す。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 2111. そっ:【学士はそっと岬にのぼる】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 2112. そっ:【二疋(ひき)はもうそっと遁(に)げ出し、穂吉はいよいよ堅くなって、兄弟三人分一人で聴こうとい う風でした。】 by『二十六夜』 2113. そっ:【「すると、丁度子供が二人、草刈りに来て居ましたそうで、穂吉もそれを知らないうちに、一人 がそっとのぼって来て、穂吉の足を捉(つか)まえてしまったと申します。」】 by『二十六夜』 2114. そっ:【まるで私の耳のそばでそっと云ったのです。】 by『二人の役人』 2115. そっ:【カムパネルラは、指でそっと、鷺の三日月がたの白いつぶった眼にさわりました。】 by『銀河鉄道の夜』 2116. そっ:【わたくしはこの前のことを思いだしながらそっとたずねました。】 by『ポラーノの広場』 2117. そっ:【若いお母さんはそっと云いました。】 by『氷と後光(習作)』 2118. そっ:【はがきをそっと学校のかばんにしまって、うちじゅうとんだりはねたりしました。】 by『どんぐりと山猫』 2119. そっ:【それから少ししずかな心待ちになって、足音をたてないように、そっと次の室(へや)にはいって 見ました。】 by『ガドルフの百合』 2120. そっ:【かん子もあんまり面白いので四郎のうしろにかくれたままそっと歌いました。】 by『雪渡り』 2121. そっ:【カムパネルラは、指でそっと、鷺の三日月がたの白い瞑(つぶ)った眼にさわりました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 2122. そっ:【清作はびっくりして顔いろを変え、鍬(くわ)をなげすてて、足音をたてないように、そっとそっちへ 走って行きました。】 by『かしわばやしの夜』 2123. そっ:【「僕のようにそっとあるけないのかい。」】 by『黒ぶどう』 2124. そっ:【「あっ、そうでしたか。この先生ですか。名高い人なんですね。」とネネムはそっとつぶやきなが ら自分もふところから鉛筆と手帳を出して筆記をはじめました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 2125. そっ:【書かれた学生は、いかにも気がかりらしく、そっと肩をすぼめて廊下まで出て、友達に読んで 貰って、よろこんだり泣いたりするのでした。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 2126. そっ:【山男はそっとこうおもいました。】 by『山男の四月』 2127. そっ:【とうとう、そっと私にささやきました。】 by『ビジテリアン大祭』 2128. そっ:【一年生はまだはいらないし三年生は居ない。居ないのでないもうこっちが三年生なのだが、あ の挨拶を待ってそっと横眼で威張っている卑怯な上級生が居ないのだ。】 by『或る農学生の日誌』 2129. そっ:【キッコは思いながらそっと帳面をみんな出しました。】 by『みじかい木ペン』 2130. そっ:【ブドリはそっとききました。「ね、この先生は何て云うんですか。」すると学生はばかにしたよう に鼻でわらいながら答えました。「クーボー大博士さお前知らなかったのかい。」】 by『グスコーブドリの伝記』 2131. そっ:【学生はその間、いかにも心配そうに首をちぢめているのでしたが、それからそっと肩をすぼめ て廊下まで出て、友達にそのしるしを読んでもらって、よろこんだりしょげたりするのでした。】 by『グスコーブドリの伝記』 2132. そっ:【木霊はそっと窪地をはなれました。】 by『若い木霊(こだま)』 2133. そっ:【「ええ。」樺(かば)の木はそっと返事をしました。】 by『土神ときつね』 2134. そっ:【その間に本線のシグナル柱が、そっと西風にたのんでこう云いました。】 by『シグナルとシグナレス』 2135. そっ:【シグナルは力を落として青白く立ち、そっとよこ眼でやさしいシグナレスの方を見ました。】 by『シグナルとシグナレス』 2136. そっ:【「そんなら、おいら此処へ置いてくからいいや。」と云いながらさっきの木の根もとへそっとその 葉を置きました。】 by『風の又三郎』 2137. そっ:【なるべく足を横に引きずらず抜きさしするような工合(ぐあい)にしてそっと歩きましたけれどもま だ二十歩も行かないうちに、又ばったりと倒されてしまいました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 2138. そっ:【ホモイはそっと玉を捧げて、おうちへ入りました。】 by『貝の火』 2139. そっ:【兎のおっかさんまでが泣いて、前かけで涙をそっと拭(ぬぐ)いながらあの美しい玉のはいった 瑪瑙(めのう)の函(はこ)を戸棚から取り出しました。】 by『貝の火』 2140. そっ:【そっと枕もとの貝の火を見ました。】 by『貝の火』 2141. そっ:【「まだ入口を開けるに一時間半も間があるのにおまえだけそっと入れてやったのだ。」】 by『黄いろのトマト』 2142. そっ:【さあ、そこでこんどこそは、耕平が、そっとしまった葡萄酒は順序ただしくみんなはじけてなくな った。と斯(こ)う云うわけです。】 by『葡萄水』 2143. そっ:【急いで籠を開けて、小鳥を、そっとつかみました。】 by『種山ヶ原』 2144. そっ:【そっと財布を開いて見ました。】 by『革トランク』 2145. そっ:【ゴーシュはそれを床の上にそっと置くと、いきなり棚からコップをとってバケツの水をごくごくの みました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 2146. そっ:【嘉十はすすきに触れないように気を付けながら、爪立(つまだ)てをして、そっと苔を踏んでそっ ちの方へ行きました。】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 2147. ぞっ:【わたくしはひとりでかんがえてぞっとして眼をひらきました。】 by『ポラーノの広場』 2148. ぞっ:【ネネムはそれを見て思わずぞっとしました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 2149. ぞっ:【一郎もなぜかぞっとしました。】 by『ひかりの素足』 2150. ぞっ:【ホモイはそれを見るとぞっとして、いきなり跳(と)び退(の)きました。】 by『貝の火』 2151. ぞっ:【よだかはすぐそれを呑みこみましたが、その時何だかせなかがぞっとしたように思いました。】 by『よだかの星』 2152. そっくり:【「いま川の流れているとこに、そっくり塩水が寄せたり引いたりもしていたのだ。」】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 2153. そっくり:【スナイダーは、自分のバンド(もっともその半数は、みんなビジテリアンだったのです、)を、 そっくりつれてやはり一昨日、ここへ着いたのだそうです。】 by『ビジテリアン大祭』 2154. そっくり:【前に崩れた分もそっくり使って。】 by『化物丁場(ばけものちょうば)』 2155. そっくり:【なあにまるっきり猫そっくりなんだと思いながら、私はつくづく梟(ふくろう)の顔を見ました。】 by『林の底』 2156. そっこり:【「ぎんがぎがの すすぎの底でそっこりと 咲くうめばぢの 愛(え)どしおえどし。」】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 2157. そら:【「いいかい。今度はおまえがこいつをのぼって行くんだよ。そら、登ってごらん。」】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 2158. そら:【そらと思って弾き出したかと思うといきなり楽長が足をどんと踏んでどなり出しました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 2159. そろそろ:【風があっちへ行くないくなと思いながらそろそろと小十郎は後退(あとずさ)りした。】 by『なめとこ山の熊』 2160. そろそろ:【大学士は又そろそろと起きあがり、あたりをさがすが何もない。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 2161. そろそろ:【するとしばらくたってから、年老った女の人が、どこか工合が悪いようにそろそろと出て来 て何か用かと口の中で云いました。】 by『銀河鉄道の夜』 2162. そろそろ:【鼠はみんな、「へん、うまく云ってらあ。」とか「へい、へい。よくわかりましてございます。い ずれ、おやじやせがれとも、相談の上で。」とか云ってそろそろ逃げて行ってしまいます。】 by『ツェねずみ』 2163. そろそろ:【理助は云いながらそろそろと私を崖のはじにつき出しました。】 by『谷』 2164. そろそろ:【ハーシュはうしろを見ながら車をそろそろ引っぱりはじめました。】 by『車』 2165. そろそろ:【「さあ、もうそろそろやすんでいいよ。」】 by『水仙月の四日』 2166. そろそろ:【けれども小さい方のこどもらはもうあんまりその変な子のことばかり考えていたもんです からもうそろそろ厭きていました。】 by『風野又三郎』 2167. そろそろ:【茨には青い実がたくさんつき、萱(かや)はもうそろそろ穂を出しかけていました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 2168. そろそろ:【私たちが過ぎてから、みんなそろそろ立ちあがりました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 2169. そろそろ:【税務署長は唇に指をあて、眼を変に光らせて考え込みながらそろそろ帰り支度をしまし た。】 by『税務署長の冒険』 2170. そろそろ:【そしてそろそろとあの十五本の暗い酒だるのかげの方へ走った。】 by『税務署長の冒険』 2171. そろそろ:【二人は這うようにそろそろとやって来た。】 by『税務署長の冒険』 2172. そろそろ:【「それにもうそろそろと肥育をやってもよかろうな、毎日阿麻仁(あまに)を少しずつやって置 いて呉れないか。」】 by『フランドン農学校の豚』 2173. そろそろ:【「日の照らない処を、厩舎の陰のあたりの、雪のない草はらを、そろそろ連れて歩いて呉 れ。」】 by『フランドン農学校の豚』 2174. そろそろ:【おしまいの一疋がまたそろそろ出て行きました。】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 2175. ぞろぞろ:【あまがえるは珍らしいものですから、ぞろぞろ店の中へはいって行きました。】 by『カイロ団長』 2176. ぞろぞろ:【造林のときは苗や何かを一杯つけた馬がぞろぞろここを行くんだぞ。】 by『台川(だいかわ)』 2177. ぞろぞろ:【その帯のようなものを、三十人の部下の人たちがぞろぞろ持って行くのでした。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 2178. ぞろぞろ:【実は私は日本から出ました際には、ニュウファウンドランドへさえ着いたら、誰の眼もみ なそのヒルテイという村の方へ向いてるだろう、世界中から集った旅人が、ぞろぞろそっちへ 行くのだろうから、もうすぐ路(みち)なんかわかるだろうと思って居りました。】 by『ビジテリアン大祭』 2179. ぞろぞろ:【そして私たちは、いつかぞろぞろ列になっていました。】 by『ビジテリアン大祭』 2180. ぞろぞろ:【すぐ眼の前は谷のようになった窪地でしたがその中を左から右の方へ何ともいえずいた ましいなりをした子供らがぞろぞろ追われて行くのでした。】 by『ひかりの素足』 2181. ぞろぞろ:【ぞろぞろ随(つ)いて行きました。】 by『とっこべとら子』 2182. ぞろぞろ:【鳥はぞろぞろついて行きました。】 by『貝の火』 2183. ぞろぞろ:【そしてもうぞろぞろみんなはイーハトヴ密造会社の工場を出たのだ。】 by『税務署長の冒険』 2184. ぞろぞろ:【ぞろぞろホールの舞台から引きあげて来ました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 2185. ぞろっ:【窓の外にぞろっとならんでいたのです。】 by『氷河鼠の毛皮』 2186. ぞろっ:【小さなこどもらは、よろこんで顔を赤くして、押しあったりしながら、ぞろっと淵を囲んだ。】 by『さいかち淵(ぶち)』 2187. ぞろっ:【ところがどうも仕方ないことは、私たちのイギリス海岸では、川の水からよほどはなれた処 (ところ)に、半分石炭に変った大きな木の根株が、その根を泥岩の中に張り、そのみきと枝を 軽石の火山礫層に圧し潰されて、ぞろっとならんでいました。】 by『イギリス海岸』 2188. ぞろっ:【銀座でこさえた長靴の あともぞろっとついていた。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 2189. ぞろっ:【それは向側の鏡が、九枚も上手に継いであって、店が丁度二倍の広さに見えるようになっ て居り、糸杉やこめ栂(つが)の植木鉢がぞろっとならび、親方らしい隅のところで指図をしてい る人のほかに職人がみなで六人もいたのです。】 by『ポラーノの広場』 2190. ぞろっ:【そこに黄金の葉をもった立派な樹がぞろっとならんでさんさんさんと梢を鳴らしているように 思ったのです。】 by『学者アラムハラドの見た着物』 2191. ぞろっ:【愕(おど)ろいた事には赤い光のひとでが幅のひろい二列にぞろっとならんで丁度街道のあか りのようです。】 by『双子の星』 2192. ぞろっ:【それに勲章をぞろっとつけて、その帯のようなものを、三十人の部下の人たちがぞろぞろ持 って行くのでした。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 2193. ぞろっ:【向側の鏡が、九枚も上手に継いであって、店が丁度二倍の広さに見えるようになって居り、 糸杉やこめ栂(つが)の植木鉢がぞろっとならび、親方はもちろん理髪アーティストで、外にもア ーティストが六人もいるんですからね、殊に技術の点になると、実に念入りなもんでした。】 by『毒蛾』 2194. ぞろっ:【小さなこどもらは、よろこんで顔を赤くして、押しあったりしながら、ぞろっと淵を囲みました。】 by『風の又三郎』 2195. ぞろっ:【村会議員の家は立派なもので五十畳の広間にはあかりがぞろっとともり正面には銀屏風が 立ってそこに二人は座らされました。】 by『税務署長の冒険』 2196. ぞろっ:【みんなはみちの両側に垣になってぞろっとならび北から帰った軍勢を大悦びで迎えたのだ。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 2197. ぞろっ:【みんなは、みちの両側に、垣をきずいて、ぞろっとならび、泪を流してこれを見た。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 2198. ぞろり:【立派なひまわりの花がうしろの方にぞろりとならんで光っています。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 2199. ぞろり:【はじめカン蛙を見たときは、実はゴム靴のほかにはなんにも気を付けませんでしたので、三 疋(びき)ともはだしでぞろりとならんでいるのでは実際どうも困ってしまいました。】 by『蛙のゴム靴』 2200. そろりそろり:【そろりそろりと後退(あとずさ)りして 来たほうへ遁(に)げて戻る。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 2201. そろりそろり:【竜巻がそろりそろりと立ちあがりました。】 by『双子の星』 2202. そろりそろり:【小さく小さくちぢまりましたがだんだんそろりそろりと延びて、そおっと目をあいて、それ から大声で叫びました。】 by『クンねずみ』 2203. そろりそろり:【そしてからだをかがめて、そろりそろりと、そっちに近よって行きました。】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 2204. そろりそろり:【そこでまた一疋が、そろりそろりと進んで行きました。】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 2205. そわそわ:【カムパネルラのとなりの女の子はそわそわ立って支度をはじめました。】 by『銀河鉄道の夜』 2206. そわそわ:【カムパネルラのとなりの女の子はそわそわ立って支度をはじめましたけれどもやっぱり ジョバンニたちとわかれたくないようなようすでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 2207. そわそわ:【爾薩待(にさったい)正(ただし)、椅子に坐り心配そうに新聞を見て居る。立ってそわそわそこ らを直したりする。】 by『植物医師』 2208. そわそわ:【ひるすぎはそわそわ窓に立ってシラトリ属の帰るのをいまかいまと待っていました。】 by『税務署長の冒険』 |
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メモリーは果たして、何KBになってるでしょうか? 200KBは越えないでしょううが、かなり厳しいですね。 『イーハトーヴ・オノマトペ・文例辞典4 た〜と 』、へつづく、だなす。 2006.11.23. |
(貴重なほんのわずかな読者の方々へ) ←トップページのみんなの掲示板、ご覧くなさい。 スネオ 拝 (^ ^; |
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