「お楽しみはこれからだ!」にゃぁ、『イーハトーヴ・オノマトペ・文例辞典6 ふ〜ほ』。 |
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★宮沢賢治童話を是非ぜひゼヒ読んでネ★
「お楽しみはこれからだ!」にゃぁ、 『イーハトーヴ・オノマトペ・文例辞典6
ふ〜ほ』 |
3663. フィー:【それからしばらくたってフィーとするどい笛のような声が聞えて来ました。】 by『ひかりの素足』 3664. フィーガロ、フィガロト、フィガロット:【「フィーガロ、フィガロト、フィガロット。」】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3665. フィウ:【又三郎は立ちあがってマントをひろげたと思うとフィウと音がしてもう形が見えませんでした。】 by『風野又三郎』 3666. フイウ:【空では風がフイウ、涙を知らない電信ばしらどもはゴゴンゴーゴーゴゴンゴーゴー。】 by『シグナルとシグナレス』 3667. ふいっ:【ネネムもマミミも何とも返事をしませんでしたが男はふいっとマミミをお菓子の籠の中へ入 れて、「おお、ホイホイ、おお、ホイホイ。」と云いながら俄かにあわてだして風のように家を出 て行きました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3668. ふいっ:【舞台の上の二人は、手を握ったまま、ふいっとおじぎをして、それから、「バラコック、バラ ラゲ、ボラン、ボラン、ボラン。」と変な歌を高く歌いながら、幕の中に引っ込んで行きました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3669. ぷいっ:【山男はあんまり困ってしまって、もう呑んで遁(に)げてしまおうとおもって、いきなりぷいっ とその薬をのみました。】 by『山男の四月』 3670. ぷいっ:【そしてぷいっとネリを抱きあげて、せなかの籠へ入れて、そのまま「おおほいほい。おお ほいほい。」とどなりながら、風のように家(うち)を出て行きました。】 by『グスコーブドリの伝記』 3671. ぷいっ:【ブドリはいやになって、ぷいっと表へ出ましたら、向うから髪を角刈りにしたせいの高い男 が来て、いきなり、「おい、お前、今年の夏、電気でこやしを降らせたブドリだな。」と云いま した。】 by『グスコーブドリの伝記』 3672. ぷいっ:【平右衛門が、「待て、待て、小吉。もう一杯やれ、待てったら」と言っていましたが、小吉は ぷいっと下駄をはいて表に出てしまいました。】 by『とっこべとら子』 3673. ぷいっ:【雪童子(ゆきわらす)はわらいながら、手にもっていたやどりぎの枝を、ぷいっとこどもになげつ けました。】 by『水仙月の四日』 3674. ぷいっ:【もうほんとうにだめなやつだ、はなしにもなんにもなったもんじゃない、と私がぷいっと歩き 出そうとしたときでした。】 by『サガレンと八月』 3675. ぷいっ:【又三郎は少し怒ったようにマントからとがった小さな手を出して、草を一本むしってぷいっ と投げつけながら云いました。】 by『風野又三郎』 3676. ぷいっ:【『ひわさん、いらっしゃいよ。』なんて遠くから呼びますのに、それが頬白(ほおじろ)で自分より もひわのことをよく思っていると考えて、憤(おこ)ってぷいっと横へ外(そ)れたりするのでした。】 by『林の底』 3677. ぷいっ:【野鼠はぷいっと行ってしまったのでした。】 by『蛙のゴム靴』 3678. プイッ:【親方のアーティストは、少ししゃくにさわったと見えて、プイッとうしろを向いて、フラスコを持 ったまま向うへ行ってしまいました。】 by『ポラーノの広場』 3679. プイッ:【ツェ鼠はプイッと中へはいって、むちゃむちゃむちゃっと半ぺんをたべて、又プイッと外へ出 て云いました。「おいしかったよ。ありがとう。」】 by『ツェねずみ』 3680. プイッ:【となりの垣根からも小さな黒い影がプイッと出てこっちへやって参ります。】 by『十月の末』 3681. プイッ:【親方のアーティストは、少ししゃくにさわったと見えて、プイッとうしろを向いて、フラスコを持 ったまま向うへ行ってしまいました。】 by『毒蛾』 3682. プイッ:【「何だ。ごみを焼いてるのかな。」と低くつぶやきながら、テーブルの上にあった鞄に、白墨 (チョーク)のかけらや、はんけちや本や、みんな一緒に投げ込んで小脇にかかえ、さっき顔を 出した窓から、プイッと外へ飛び出しました。】 by『グスコーブドリの伝記』 3683. プイプイ:【そしてカン蛙は又ピチャピチャ林の中を歩き、プイプイ堰を泳いで、おうちに帰ってやっ と安心しました。】 by『蛙のゴム靴』 3684. フゥ:【「僕がマントをフゥとやって通ったら火がぽっぽっと青くうごいてね、とうとう消えてしまったよ。」】 by『風野又三郎』 3685. ふう:【「僕たちしっかりやろうねえ。」ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧くように、ふうと息をし ながら云いました。】 by『銀河鉄道の夜』 3686. ふう:【それから口をまげてふうと息を吐(つ)き、よろよろ倒れそうになりました。】 by『月夜のでんしんばしら』 3687. ふう:【理助は炭俵をおろして尤(もっと)もらしく口をふくらせてふうと息をついてから又言いました。】 by『谷』 3688. ふう:【わざと顔をしかめて、青いけむりをふうと吐きました。】 by『どんぐりと山猫』 3689. ふう:【ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧くようにふうと息をしながら云いました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 3690. ふう:【十人ばかりの検事と十人ばかりの巡査がふうとけむりのように向うへ走って行きました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3691. ふう:【犬がふうとうなって戻ってきました。】 by『注文の多い料理店』 3692. ふう:【けれどもみんな底まで行かないに息がつまって浮びだして来て、かわるがわるふうとそらへ 霧をふきました。】 by『風の又三郎』 3693. ふう:【ふうと馳けて行って十ぺんばかりまわったと思うと、もうずっと上の方へのぼって行って、み んなゆっくり歩きながら笑っているんだ。】 by『風野又三郎』 3694. ふう:【「僕たちはもう上の方のずうっと冷たい所に居てふうと大きく息をつく、ガラスのマントがぱっ と曇ったり又さっと消えたり何べんも何べんもするんだよ。」】 by『風野又三郎』 3695. ふう:【そしてかえって蜘蛛からあざけられて、熱病を起して、毎日毎日、ようし、おれも大きくなるく らい大きくなったらこんどはきっと虫けら院の名誉議員になってくもが何か云ったときふうと 息だけついて返事してやろうと云っていた。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 3696. ふう:【さて八日目の朝署長が役所へ出て出勤簿を検査してそれから机の上へ両手を重ねてふうと 一つ息をしたとき扉がかたっと開いてデンドウイ属があの八日前の白服のままでまた入って 来ました。】 by『税務署長の冒険』 3697. フウ:【彗星は青白い光を一つフウとはいて云いました。】 by『双子の星』 3698. ブウ:【「ブウ。」と鼠とりは答えました。】 by『ツェねずみ』 3699. ふう、ふう:【「四本の脚はゆっくりゆっくり、上ったり下ったりしていたし、時々ふう、ふうという呼吸の 音も聞えた。」】 by『黄いろのトマト』 3700. ブウウ、フウウ:【本線シグナルつきの太っちょの電しんばしらも、もうでたらめの歌をやるどころの 話ではありません、できるだけからだをちぢめて眼を細くして、ひとなみに、ブウウ、フウウと うなってごまかして居りました。】 by『シグナルとシグナレス』 3701. ふうっ:【「丁度博士がサーヴをつかったときふうっと飛び出して行って球を横の方へ外らしてしまった んだ。」】 by『風野又三郎』 3702. ふうっ:【くろもじのにおいが風にふうっと漂って来た。】 by『税務署長の冒険』 3703. ぷうっ:【それからよこの方へ少しまがったように見えましたが、忽ち山が水瓜(すいか)を割ったように まっ二つに開き、黄色や褐色の煙がぷうっと高く高く噴きあげました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3704. ふうふう:【まっ白ないきをふうふう吐きながら大きなピストルをみんな握って車室の中にはいって来 ました。】 by『氷河鼠の毛皮』 3705. ふうふう:【あまがえるは一同ふうふうと息をついて顔を見合せるばかりです。】 by『カイロ団長』 3706. ふうふう:【又どこかであばれて来たと見えて鉛筆のことなどは忘れてしまったという風に顔をまっか にしてふうふう息をついていました。】 by『みじかい木ペン』 3707. ふうふう:【(そら、新聞紙(しんぶんがみ)を尖(とが)ったかたちに巻いて、ふうふうと吹くと、炭からまるで 青火が燃える。)】 by『水仙月の四日』 3708. ふうふう:【「馬は汗をかいて黒く光り、鼻からふうふう息をつき、しずかにだくをやっていた。」】 by『黄いろのトマト』 3709. ふうふう:【すると何か大へんな薬がしかけてあったらしく馬が大きくふうふうと夢のような息をしたと 思うと俄かにぺたんと脚を折り今度はごうごういびきをかいてよだれも垂らして寝てしまう。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 3710. ふうふう:【耕平は、さっき頬っぺたの光るくらいご飯を沢山喰べましたので、まったく嬉しがって赤く なって、ふうふう息をつきながら、大きな木鉢へ葡萄のつぶをパチャパチャむしっています。】 by『葡萄水』 3711. フウフウ:【口をあらんかぎりあけて、フウフウといきをしました。】 by『カイロ団長』 3712. フウフウ:【そしてそらを向いてフウフウといきをついたまま起きあがりかねていました。】 by『けだものの運動会』 3713. フウフウ:【その時みんなのうしろの方でフウフウというひどい声がきこえ、二つの眼玉が火のように 光って来ました。】 by『クンねずみ』 3714. フウフウ:【耕平は今夜も赤く光って、熱(ほて)ってフウフウ息をつきながら、だまって立って見ていま す。】 by『葡萄水』 3715. ぶうぶう:【扇風機にぶうぶう吹かれながら、「給仕をやっていながら、一通りのホテルの作法も知ら んのか。」と頬をふくらして給仕を叱りつけていました。】 by『ポラーノの広場』 3716. ぶうぶう:【向うには、髪もひげもまるで灰いろの、肥ったふくろうのようなおじいさんが、安楽椅子に ぐったり腰かけて、扇風機にぶうぶう吹かれながら、「給仕をやっていながら、一通りのホテ ルの作法も知らんのか。」と頬をふくらして給仕を叱りつけていました。】 by『毒蛾』 3717. ぶうぶう:【もう食堂のしたくはすっかり出来て、扇風機はぶうぶうまわり、白いテーブル掛けは波を たてます。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 3718. ぶうぶう:【「風がぶうぶう鳴ったんだ。」】 by『黄いろのトマト』 3719. ぶうぶう:【どこかで蜂か何かがぶうぶう鳴り風はかれ草や松やにのいい匂を運んで来た。】 by『税務署長の冒険』 3720. ブウブウ:【それからすきとおらせる為に、ガラスのかけらと水銀と塩酸を入れて、ブウブウとふいご にかけ、まっ赤に灼きました。】 by『よく利く薬とえらい薬』 3721. フウフウフウ:【大きな唐箕(とうみ)がもう据えつけられてフウフウフウと廻っていました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3722. フウララフウ:【唐箕(とうみ)のうなりはフウララフウ。」】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3723. ぷかぷか:【「青ぞらをぷかぷか泳いでいると思っているんだ。」】 by『風野又三郎』 3724. ブカブカどんどん:【鳥の方からたのんで来た楽隊はブカブカどんどんやっています。】 by『けだものの運動会』 3725. ふくふく:【「何でもおれのきくところに依(よ)ると、あいつらは海岸のふくふくした黒土や、美しい緑い ろの野原に行って知らん顔をして溝を掘るやら、濠(ほり)をこさえるやら、それはどうも実に ひどいもんだそうだ。」】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 3726. ふくふく:【そこはまっ黒な土があたたかにしめり湯気はふくふく春のよろこびを吐いていました。】 by『若い木霊(こだま)』 3727. ふくふく:【その窪地はふくふくした苔に覆われ、所々やさしいかたくりの花が咲いていました。】 by『若い木霊(こだま)』 3728. プクプク:【じっさいあのまっしろなプクプクした、玉髄のような、玉あられのような、又蛋白石を刻ん でこさえた葡萄の置物のような雲の峯は、誰の目にも立派に見えますが、蛙どもには殊に それが見事なのです。】 by『蛙のゴム靴』 3729. ふさふさ:【着物が夜のようにまっ黒、縮れた赤毛が頭から肩にふさふさ垂れまっ青な眼はかがや きそれが自分だかと疑った位立派でした。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3730. ふさふさ:【春の二つのうずのしゅげの花はすっかりふさふさした銀毛の房にかわっていました。】 by『おきなぐさ』 3731. ふさふさ:【馬はいかにも軽そうに、いまは全く毛だけになったしっぽを、ふさふさ振っている。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 3732. ぶちぶち:【淵の水には、大きなぶちぶちがたくさんできて、水だか石だかわからなくなってしまった。】 by『さいかち淵(ぶち)』 3733. ぶちぶち:【お日さまは赤と黄金(きん)でぶちぶちのやまなしのよう、かれくさのいいにおいがそこらを 流れ、すぐうしろの山脈では、雪がこんこんと白い後光をだしているのでした。】 by『山男の四月』 3734. ぶちぶち:【ペラペラの桃色の寒天で空が張られまっ青な柔らかな草がいちめんでその処々にあや しい赤や白のぶちぶちの大きな花が咲いていました。】 by『若い木霊(こだま)』 3735. ぶちぶち:【淵の水には、大きなぶちぶちがたくさんできて、水だか石だかわからなくなってしまいま した。】by『風の又三郎』 3736. ぶちぶち:【「あたしたちには何だかあなたに黒いぶちぶちができたように見えますわ。」】 by『まなづるとダァリヤ』 3737. ぶちぶち:【「茶いろと白と黒とで、細いぶちぶちにして呉れと頼んでも、黒は抜いてしまったり、赤と 黒とで縞にして呉れと頼んでも、燕のようにごく雑作なく染めてしまったり、実際なまけ出した のでした。」】 by『林の底』 3738. ぶぢぶぢ:【「瘠(や)せで長くて ぶぢぶぢで どごが口だが あだまだが ひでりあがりの なめぐじ ら」】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 3739. ふっ:【東の灰色の山脈の上を、つめたい風がふっと通って、大きな虹が、明るい夢の橋のようにや さしく空にあらわれました。】 by『めくらぶどうと虹』 3740. ふっ:【それでもそんな仕事のあいまにふっとファゼーロのことを思いだすと胸がどかっと熱くなって もうどうしたらいいかわからなくなるのでした。】 by『ポラーノの広場』 3741. ふっ:【やがて風が霧をふっと払いましたので、露はきらきら光り、きつねのしっぽのような茶色の草 穂は一面波を立てました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 3742. ふっ:【それは、森の中に青くさし込んでいた一本の日光の棒が、ふっと消えてそこらがぼんやりか すんで来たのでもわかりました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 3743. ふっ:【「僕たちなんか鼻でふっと吹き飛ばされちまうよ。」】 by『いちょうの実』 3744. ふっ:【ネネムはふっと目をあきました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3745. ふっ:【(木ペン樺の木に沢山(うんと)あるぢゃ)キッコはふっとこう思いました。】 by『みじかい木ペン』 3746. ふっ:【ふっと一郎は思い出しました。】 by『ひかりの素足』 3747. ふっ:【ブドリがふっと眼をひらいたとき、いきなり頭の上で、いやに平べったい声がしました。】 by『グスコーブドリの伝記』 3748. ふっ:【霧がふっと切れました。】 by『風の又三郎』 3749. ふっ:【自分までが一緒に空を翔(か)けて行くような気持ちになって胸を一ぱいはって息をふっと吹 きました。】 by『風の又三郎』 3750. ふっ:【オツベルもすこしぎょっとして、大きな琥珀のパイプから、ふっとけむりをはきだした。】 by『オツベルと象』 3751. ふっ:【「ふっと気がついて見るともう北極圏に入っているんだ。」】 by『風野又三郎』 3752. ふっ:【それは少しの風のために、ふっとはっきりして来たり、又俄かに遠くなったりしました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 3753. ふっ:【先生はふっとうしろを振りかえりました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 3754. ふっ:【蜘蛛は森の入り口の楢(なら)の木に、どこからかある晩、ふっと風に飛ばされて来てひっかか りました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 3755. ふっ:【税務署長はちょっと鹿踊りのような足つきをしたがとっさにふっとアセチレンの火を消した。】 by『税務署長の冒険』 3756. ふっ:【「今日は何日だ。」署長はふっとうしろを向いてシラトリ属にきいた。】 by『税務署長の冒険』 3757. ふっ:【助手は軽くはいと答え馬の耳に口をあててふっと一っつ息を吹く。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 3758. ふっ:【霧がふっと切れました。】 by『種山ヶ原』 3759. ふっ:【何べんも何べんも霧がふっと明るくなりまたうすくらくなりました。】 by『マグノリアの木』 3760. ふっ:【いま、そのうしろ、東の灰色の山脈の上を、つめたい風がふっと通って、大きな虹が、明るい 夢の橋のようにやさしく空にあらわれる。】 by『マリヴロンと少女』 3761. ふっ:【ふっと何だかこれは鳥の方がほんとうのドレミファにはまっているかなという気がしてきまし た。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 3762. ふっ:【そのあとで陽が又ふっと消え、風が吹き、キャラコの洋傘はさびしくゆれます。】 by『チュウリップの幻術』 3763. ぷっ:【じいさんはぷっとすまして、片っ方の頬をふくらせてそらを仰ぎました。】 by『月夜のでんしんばしら』 3764. ぷっ:【タネリは、柔らかに噛んだ藤蔓(ふじつる)を、いきなりぷっと吐いてしまって、こんどは力いっぱ い叫びました。】 by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』 3765. ぷっ:【とうとう小吉がぷっと座を立ちました。】 by『とっこべとら子』 3766. プッ:【狐はプッと五つぶめの肉を吐き出しながら云いました。】 by『黒ぶどう』 3767. ぷつっ:【「おれ海へ行って孔石(あないし)をひろって来るよ。」とタネリが云いましたらおっかさんは太 い縫糸を歯でぷつっと切ってそのきれはしをぺっと吐いて云いました。】 by『サガレンと八月』 3768. ふっふっ:【自分の鼻さきがふっふっ鳴って 暖かいのに気がついた。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿 3769. ふっふっ:【それから英国ばかりじゃない、十二月ころ兵営へ行ってみると、おい、あかりをけしてこ いと上等兵殿に云われて新兵が電燈をふっふっと吹いて消そうとしているのが毎年五人や 六人はある。】 by『月夜のでんしんばしら』 3770. ふっふっ:【二人は泉の水をすくって、傷口にかけて奇麗に洗いました。そして交る交るふっふっと 息をそこへ吹き込みました。】 by『双子の星』 3771. ふっふっ:【見るとすぐ頭の上のばけもの栗の木がふっふっと湯気を吐いていました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3772. ふっふっ:【中ではふっふっとわらってまた叫んでいます。】by『注文の多い料理店』 3773. ふっふっ:【嘉(か)ッコは、小さなわらじをはいて、赤いげんこを二つ顔の前にそろえて、ふっふっと 息をふきかけながら、土間から外へ飛び出しました。】 by『十月の末』 3774. フッフッ:【それでも二人はいつものようにめいめいのお宮にきちんと座って向いあって笛を吹いて いますと突然大きな乱暴ものの彗星がやって来て二人のお宮にフッフッと青白い光の霧を ふきかけて云いました。】 by『双子の星』 3775. ぶつぶつ:【ひとりぶつぶつ言いながら、からだを深く折り曲げて、眼一杯にみひらいて、足もとの砂 利をねめまわしながら、兎のようにひょいひょいと、葛丸川の西岸の 大きな河原をのぼって 行った。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 3776. ぶつぶつ:【「平二さん、お早うがす。」と云って向うに立ちあがりましたので平二はぶつぶつ云いな がら又のっそりと向うへ行ってしまいました。】 by『虔十(けんじゅう)公園林』 3777. ぶつぶつ:【百姓のおかみさんはあとでまだぶつぶつ云っていました。】 by『車』 3778. ぶつぶつ:【楢(なら)夫はいやそうに顔をしかめて何かぶつぶつ云っていましたがとうとううすく眼を開 きました。】 by『ひかりの素足』 3779. ぶつぶつ:【すると波はすこしたじろいだようにからっぽな音をたててからぶつぶつ呟(つぶや)くように 答えました。】 by『サガレンと八月』 3780. ぶつぶつ:【大工はあとでぶつぶつ云った。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 3781. ぷつぷつ:【私どもははじめまるで死んだようになっていましたがだんだん近くなって見ますとその役 人の顔はまっ赤でまるで湯気が出るばかり殊(こと)に鼻からはぷつぷつ油汗が出ていました ので何だか急にこわくなくなりました。】 by『二人の役人』 3782. ぶつぶつぶつぶつ:【雲の海はあっちでもこっちでもぶつぶつぶつぶつ呟(つぶや)いているのです。】 by『グスコーブドリの伝記』 3783. ふにゃふにゃ:【「お前もいくじのないやつだ。何というふにゃふにゃだ。」】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3784. ふにゃふにゃ:【「お前もいくじのないやつだ。何というふにゃふにゃだ。」】 by『グスコーブドリの伝記』 3785. ふら、ふら、ふら、ふら、ふら:【「伊佐戸の町の電気工夫のむすこぁ、ふら、ふら、ふら、ふら、ふら、」 とどこかで云っています。】 by『種山ヶ原』 3786. フラッ:【私はこの時 あんまりひどい今の語(ことば)に頭がフラッとしました。】 by『ビジテリアン大祭』 3787. ふらっ:【土神は何とも云えずさびしくてそれにむしゃくしゃして仕方ないのでふらっと自分の祠(ほこら) を出ました。】 by『土神ときつね』 3788. ふらっ:【さすがの歩哨もとうとう睡(ねむ)さにふらっとします。】 by『朝に就(つい)ての童話的構図』 3789. ぶらっ:【そいつは象のことだから、たぶんぶらっと森を出て、ただなにとなく来たのだろう。】 by『オツベルと象』 3790. ふらふら:【鴉(からす)なども半分凍ったようになってふらふらと空を流されて行きました。】 by『氷河鼠の毛皮』 3791. ふらふら:【「びっくりして頭をふらふら、ゆすぶったようにだ。ハッハッハ。」】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 3792. ふらふら:【そこから一羽の鶴がふらふらと落ちて来て、また走り出したインデアンの大きくひろげた 両手に落ちこみました。】 by『銀河鉄道の夜』 3793. ふらふら:【そしていかにもつかれたようにふらふら頭をふって、それから口をまげてふうと息を吐(つ) き、よろよろ倒れそうになりました。】 by『月夜のでんしんばしら』 3794. ふらふら:【それにみんなはつかれてふらふらして、目をあいていることも立っていることもできませ んでした。】 by『カイロ団長』 3795. ふらふら:【台の上に空気獣がねばりついていたのです。それは大きな平べったいふらふらした白 いもので、どこが頭だか口だかわからず、口上云いがこっち側から棒でつっつくと、そこは 引っこんで向うがふくれ、向うをつっつくとこっちがふくれ、まん中を突くとまわりが一たいふ くれました。】 by『祭の晩』 3796. ふらふら:【そこから一羽の鶴がふらふらと落ちて来てまた走り出したインデアンの大きくひろげた 両手に落ちこみました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 3797. ふらふら:【ばけものわらびなどもふらふらと生え出しています。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3798. ふらふら:【そしてもう夕方になったと見えてばけものぞらは緑色になり変なばけものパンが下の方 からふらふらのぼって来てネネムの前にとまりました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3799. ふらふら:【チョッキがふらふらのぼって来ました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3800. ふらふら:【「ハンムンムンムンムン・ムムネの市まで、もうどれ位ありましょうか。」とペンネンネンネ ンネン・ネネムが、向うからふらふらやって来た黄色な影法師のばけ物にたずねました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3801. ふらふら:【すぐ前には本当に夢のような細い細い路が灰色の苔の中をふらふらと通っているのでし た。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3802. ふらふら:【もう山男こそ雲助のように、風にながされるのか、ひとりでに飛ぶのか、どこというあても なく、ふらふらあるいていたのです。】 by『山男の四月』 3803. ふらふら:【それから支那人の大きな手が、いきなり山男の眼の前にでてきたとおもうと、山男はふ らふらと高いところにのぼり、まもなく荷物のあの紙箱の間におろされました。】 by『山男の四月』 3804. ふらふら:【タネリは、青い影法師といっしょに、ふらふらそれを追いました。】 by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』 3805. ふらふら:【うずのしゅげは光ってまるで踊るようにふらふらして叫びました。】 by『おきなぐさ』 3806. ふらふら:【あとから来た子供らはそれを見てもただふらふらと避けて行くだけ一語(ひとこと)も云うも のがありませんでした。】 by『ひかりの素足』 3807. ふらふら:【そして又ふらふらと歩き出しました。】 by『若い木霊(こだま)』 3808. ふらふら:【若い木だまにはそのうすむらさきの立派な花はふらふらうすぐろくひらめくだけではっき り見えませんでした。】 by『若い木霊(こだま)』 3809. ふらふら:【ある晩、象は象小屋で、ふらふら倒れて地べたに座り、藁もたべずに、十一日の月を見 て、「もう、さようなら、サンタマリア。」と斯(こ)う言った。】 by『オツベルと象』 3810. ふらふら:【黄色なダァリヤは、いくら赤い花を見ようとしても、ふらふらしたうすぐろいものがあるだ けでした。】 by『まなづるとダァリヤ』 3811. ふらふら:【「そしてまっくろな地面をじっと見おろしていたら何だか足もとがふらふらするんだ。」】 by『風野又三郎』 3812. ふらふら:【「赤い魚も水の中でもうふらふら泳いだりじっととまったりして夢を見ているんだ。」】 by『風野又三郎』 3813. ふらふら:【黄金(きん)の日光が、青い木や稲を、照してはいましたが、空には、方角の決まらない雲 がふらふら飛び、山脈も非常に近く見えて、なんだかまだほんとうに霽(は)れたというような 気がしませんでした。】 by『化物丁場(ばけものちょうば)』 3814. ふらふら:【両側の家がふらふらと影法師のように見えるだけもうプランペラポラン将軍は向うの方で 兵隊の「おお将軍 将軍」と歓呼するのをはっきり聞いた。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 3815. ぶらぶら:【小猿の大将は、手帳のようなものを出して、足を重ねてぶらぶらさせながら、楢夫(ならお) に云いました。】 by『さるのこしかけ』 3816. ぶらぶら:【バキチはすっかり悄気切ってぶらぶら町を歩きまわってとうとう夜中の十二時にタスケの 厩(くりや)にもぐり込んだって云うんです。】 by『バキチの仕事』 3817. ぶらぶら:【そこで清作も、鍬(くわ)をもたないで手がひまなので、ぶらぶら振ってついて行きました。】 by『かしわばやしの夜』 3818. ぶらぶら:【「君よくたっしゃで居て呉れたね。」と云いながら、テジマアはそのわかばけものの手を取 って、五六ぺんぶらぶら振りました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3819. ぶらぶら:【「あの耳をごらん。あの耳をごらん。折れてしまったよ。折れてぶらぶらしてるよ。」】 by『馬の頭巾』 3820. ぶらぶら:【ぶらぶら振りまわしながら森から出てきました。】 by『山男の四月』 3821. ぶらぶら:【見るとそれは茶いろなきのこしゃっぽをかぶって外套にすぐシャツを着た男で、何か針 金でこさえたものをぶらぶら持っているのでした。】 by『グスコーブドリの伝記』 3822. ぶらぶら:【そこで象が鼻をぶらぶらさせて云いました。】 by『けだものの運動会』 3823. ぶらぶら:【そのうすぐらい仕事場を、オツベルは、大きな琥珀のパイプをくわい、吹殻(すいがら)を藁 に落(おと)さないよう、眼を細くして気をつけながら、両手を背中に組みあわせて、ぶらぶら往 (い)ったり来たりする。】 by『オツベルと象』 3824. ぶらぶら:【「そしてその日はずうっと西の方の瀬戸物の塔のあるあたりまで行ってぶらぶらし、その 晩十七夜のお月さまの出るころ海へ戻って睡(ねむ)ったんだ。」】 by『風野又三郎』 3825. ぶらぶら:【私は背嚢(はいのう)の中に火山弾を入れて、面倒くさいのでかけ金もかけず、締革(しめかわ) をぶらさげたまませなかにしょい、パンの袋だけ手にもって、又ぶらぶらと向うへ歩いて行き ました。】 by『茨海(ばらうみ)小学校』 3826. ぶらぶら:【仔牛が厭きて頭をぶらぶら振っていましたら向うの丘の上を通りかかった赤狐が風のよ うに走って来ました。】 by『黒ぶどう』 3827. ぶらぶら:【頭をぶらぶらしたりして、将軍の馬に挨拶する。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 3828. ぶらぶら:【鞭もぶらぶらふっている。】 by『フランドン農学校の豚』 3829. ぷらぷら:【詩集はぷらぷらしましたがなかなかそれで落ちませんでした。】 by『土神ときつね』 3830. ぷらぷら:【まっ赤な花がぷらぷらゆれて光っています。】 by『チュウリップの幻術』 3831. ふらふらっ:【カン蛙はふらふらっと一寸ばかりめり込みました。】 by『蛙のゴム靴』 3832. ふらふらっ:【ふらふらっとしてそれからまたさっきのように「かっこうかっこうかっこうかっかっかっか っかっ」と云ってやめました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 3833. ぶらりぶらり:【ちょうどその頃平右衛門の家ではもう酒盛りが済みましたので、お客様はみんなでご 馳走の残りを藁のつとに入れて、ぶらりぶらりと提げながら、三人ずつぶっつかったり、四人 ずつぶっつかり合ったりして、門の処(ところ)まで出て参りました。】 by『とっこべとら子』 3834. ぷらん:【思わずくらげをぷらんと手でぶら下げてそっちをすかして見ましたらさあどうでしょう、いま までの明るい青いそらががらんとしたまっくらな穴のようなものに変ってしまってその底で黄 いろな火がどんどん燃えているようでした。】 by『サガレンと八月』 3835. ぶりぶり:【よその紳士はすっかりぶりぶりしてそれでもきまり悪そうにやはりうつうつ寝たふりをしま した。】 by『氷河鼠の毛皮』 3836. ぶりぶり:【じいさんはぶりぶり怒ってぐんぐんつめくさの上をわたって南の方へ行ってしまいました。】 by『ポラーノの広場』 3837. ぶりぶり:【というわけはネネムはきちんと地面の上に立っていて紳士がネネムの耳をつかんでぶ りぶり云いながら立っていました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3838. ぶりぶり:【男はブドリを地面におろしながらぶりぶり憤(おこ)り出しました。】 by『グスコーブドリの伝記』 3839. ぶりぶり:【ガドルフはこんなことを考えながら、ぶりぶり憤(おこ)って歩きました。】 by『ガドルフの百合』 3840. ぶりぶり:【ベン蛙とブン蛙はぶりぶり怒って、いきなりくるりとうしろを向いて帰ってしまいました。】 by『蛙のゴム靴』 3841. ぷりぷり:【ねずみとりははりがねをぷりぷりさせて怒っていましたので、ただ一こと、「おたべ。」と 云いました。】 by『ツェねずみ』 3842. ぷりぷり:【柏の木大王がぷりぷりしてどなりました。】 by『かしわばやしの夜』 3843. ぷりぷり:【樺の木はさっと青くなってまた小さくぷりぷり顫(ふる)いました。】 by『土神ときつね』 3844. ぷりぷり:【一郎はこたえましたが耕一はぷりぷり怒っていました。】by『風野又三郎』 3845. ぷりぷり:【又その桔梗(ききょう)いろの冷たい天盤には金剛石の劈開片(へきかいへん)や青宝玉の尖 (とが)った粒やあるいはまるでけむりの草のたねほどの黄水晶のかけらまでごく精巧のピン セットできちんとひろわれきれいにちりばめられそれはめいめい勝手に呼吸し勝手にぷり ぷりふるえました。】 by『インドラの網』 3846. プリプリ:【少女のギルダは、まるでぶなの木の葉のようにプリプリふるえて輝いて、いきがせわしく て思うように物が云えない。】 by『マリヴロンと少女』 3847. プリプリ:【めくらぶどうは、まるでぶなの木の葉のようにプリプリふるえて、輝いて、いきがせわしく て思うように物が云えませんでした。】 by『めくらぶどうと虹』 3848. プリプリ:【男のふくろうはもうとても斯(こ)うしていられないというようにプリプリしていました。】 by『二十六夜』 3849. プリプリ:【いたちはプリプリして、金平糖を投げ出しました。】 by『ツェねずみ』 3850. ぷりぷりぷりぷり:【樺の木はもうすっかり恐くなってぷりぷりぷりぷりゆれました。】 by『土神ときつね』 3851. ぷりりぷりり:【ほんとうにそのうめばちそうは、ぷりりぷりりふるえていましたので、その花の中の一 つぶのダイヤモンドは、まるで叫び出す位に橙や緑や美しくかがやき、うめばちそうの花び らにチカチカ映って云うようもなく立派でした。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 3852. ブリリン:【うめばちそうはブリリンと起きあがってもう一ぺんサッサッと光りました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 3853. ぶるっ:【けれども何とも仕方ありませんでしたから冷たさに一ぺんぶるっとしながらもう少し行きま した。】by『風野又三郎』 3854. ぶるっ:【将軍はぶるっと身ぶるいして馬にきちんと起きあがる。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 3855. ぶるっ:【将軍はぶるっと身ぶるいして、馬にきちんと起きあがる。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 3856. ぶるっ:【たった二疋(ひき)の遅れた馬が、鼻をぶるっと鳴らしただけだ。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 3857. ぶるっ:【そらのなかほどへ来て、よだかはまるで鷲が熊を襲うときするように、ぶるっとからだをゆ すって毛をさかだてました。】 by『よだかの星』 3858. ぶるっ:【その睡(ねむ)りの中でも豚は、何べんも何べんもおびえ、手足をぶるっと動かした。】 by『フランドン農学校の豚』 3859. ブルッ:【たった一疋の馬がブルッと鼻を鳴らしただけ。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 3860. ぶるぶる:【片っ方の翅(はね)をひらいたり、片脚でぶるぶる立ったり、枝へ爪を引っかけてくるっと 逆さになって小笠原島のこうもりのまねをしたりしていました。】 by『二十六夜』 3861. ぶるぶる:【穂吉はどうしたのか折られた脚をぶるぶる云わせその眼は白く閉じたのです。】 by『二十六夜』 3862. ぶるぶる:【『どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。』】 by『やまなし』 3863. ぶるぶる:【デストゥパーゴは毒蛾のためにふくれておかしな格好になった顔でななめにわたくしを見 ながらぶるぶるふるえてまるで聞きとれないくらい早口に云いました。】 by『ポラーノの広場』 3864. ぶるぶる:【「ツェ」ねずみはぶるぶるふるえてしまいました。】 by『ツェねずみ』 3865. ぶるぶる:【そして背嚢(はいのう)から小さな敷布をとり出してからだにまとい、寒さにぶるぶるしながら 階段にこしかけ、手を膝に組み眼をつむりました。】 by『ガドルフの百合』 3866. ぶるぶる:【大烏はもう怒ってぶるぶる顫(ふる)えて今にも飛びかかりそうです。】 by『双子の星』 3867. ぶるぶる:【お互いにその顔を見合せ、ぶるぶるふるえ、声もなく泣きました。】 by『注文の多い料理店』 3868. ぶるぶる:【博士はたしかに青くなってぶるぶる顫(ふる)えていました。】 by『ビジテリアン大祭』 3869. ぶるぶる:【そしてやっぱり心配そうにぶるぶるふるえてまちました。】 by『土神ときつね』 3870. ぶるぶる:【タネリはこわくてもうぶるぶるふるえながらそのまっ暗な孔(あな)の中へはい込んで行き ましたら、ほんとうに情けないと思いながらはい込んで行きましたら犬神はうしろから砂を吹 きつけて追い込むようにしました。】 by『サガレンと八月』 3871. ぶるぶる:【「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ。」とかわるがわる叫びながら大悦(おおよろこ)びで門をは いって来たのでしたが、ちょっと教室の中を見ますと、二人ともまるでびっくりして棒立ちにな り、それから顔を見合わせてぶるぶるふるえました。】 by『風の又三郎』 3872. ぶるぶる:【嘉助はぶるぶるふるえました。】 by『風の又三郎』 3873. ぶるぶる:【それから金だらいを出して顔をぶるぶる洗うと戸棚から冷たいごはんと味噌をだしてま るで夢中でざくざく喰べました。】 by『風の又三郎』 3874. ぶるぶる:【「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ。」とかわるがわる叫びながら大悦(おおよろこ)びで門をは いって来たのでしたが、ちょっと教室の中を見ますと、二人ともまるでびっくりして棒立ちにな り、それから顔を見合せてぶるぶるふるえました。】 by『風野又三郎』 3875. ぶるぶる:【「その小さな子がね、まるでまっ青になってぶるぶるふるえているだろう。」】 by『風野又三郎』 3876. ぶるぶる:【「エヘン、エヘン。」クンねずみは又いやなせきばらいをやりましたので、タねずみはこ んどというこんどはすっかりびっくりして半分立ちあがって、ぶるぶるふるえて眼をパチパチ させて、黙りこんでしまいました。】 by『クンねずみ』 3877. ぶるぶる:【母親のひばりは、物も言えずにぶるぶる顫(ふる)えながら、子供のひばりを強く強く抱い てやりました。】 by『貝の火』 3878. ぶるぶる:【するとその下にむぐらの親子が八疋(ぴき)かたまってぶるぶるふるえて居りました。】 by『貝の火』 3879. ぶるぶる:【童子さまの脳はもうすっかり疲れて、白い網のようになって、ぶるぶるゆれ、その中に赤 い大きな三日月が浮かんだり、そのへん一杯にぜんまいの芽のようなものが見えたり、また 四角な変に柔らかな白いものが、だんだん拡(ひろ)がって恐ろしい大きな箱になったりするの でございました。】 by『雁(かり)の童子』 3880. ぶるぶる:【おまけに給仕がテーブルのはじの方で新らしいお酒の瓶を抜いたときなどは山男は手 を長くながくのばして横から取ってしまってラッパ呑みをはじめましたのでぶるぶるふるえ出 した人もありました。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 3881. ぶるぶる:【おお、よだかでないただのたかならば、こんな生はんかのちいさい鳥は、もう名前を聞 いただけでも、ぶるぶるふるえて、顔色を変えて、からだをちぢめて、木の葉のかげにでも かくれたでしょう。】 by『よだかの星』 3882. ぷるぷる:【その二つのうずのしゅげの銀毛の房はぷるぷるふるえて今にも飛び立ちそうでした。】 by『おきなぐさ』 3883. ぷるぷる:【「ふん。日の光がぷるぷるやってやがる。」】 by『若い木霊(こだま)』 3884. ぷるぷる:【二匹の馬が、一郎を見て、鼻をぷるぷる鳴らしました。】 by『風の又三郎』 3885. ぷるぷる:【二匹の馬は、達二を見て、鼻をぷるぷる鳴らしました。】 by『種山ヶ原』 3886. ブルブル:【ガタガタ、ブルブル、リウリウとふるえました。】 by『ツェねずみ』 3887. ブルブル:【今度は、とのさまがえるは、だんだん色がさめて、飴色にすきとおって、そしてブルブル ふるえて参りました。】 by『カイロ団長』 3888. ブルブル:【おかみさんは青くなってブルブルしながら銭凾(ぜにばこ)からお金を集めて十円出しまし た。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3889. ブルブル:【フウのおっかさんねずみは、ブルブルふるえているフウねずみのえり首をつかんで、鳥 箱先生の前に連れて来ました。】 by『鳥箱先生とフウねずみ』 3890. ブルブル:【たしかに手ごたえがあって、白いものは薙刀(なぎなた)の下で、ブルブル動いています。】 by『とっこべとら子』 3891. ブルブル:【クンねずみはどうも思わずブルブルしました。】 by『クンねずみ』 3892. プルプル:【折れたクラレの花がプルプルとゆれました。〔以下原稿なし〕】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3893. プルプル:【狐が頭から雷さんをひっかぶったようにびっくりして眼をプルプルさせて少しずつあと戻 りして引っ込みました。】 by『けだものの運動会』 3894. ぶるぶるっ:【からだをぶるぶるっとして毛をたてて水をふるい落しそれから鼻をしかめて主人の来 るのを待っている。】 by『なめとこ山の熊』 3895. ぶるぶるっ:【マットン博士はしずかにフラスコから水を呑み肩をぶるぶるっとゆすり腹を抱えそれか ら極めておもむろに述べ始めました。】 by『ビジテリアン大祭』 3896. ぷるぷるっ:【二疋(ひき)のふんばった足がぷるぷるっとけいれんし、そのつぎにはとうとう「ポトン、バ チャン。」】 by『蛙のゴム靴』 3897. ブルブルッ:【からだがブルブルッとふるい、何かきれいな流れが頭から手から足まで、すっかり洗 ってしまったよう、何とも云えずすがすがしい気分になりました。】 by『よく利く薬とえらい薬』 3898. ブルブルッ:【さあそれを見たシグナル附きの電信ばしらの怒(いか)りよう云ったらありません、早速 ブルブルッとふるえあがり、青白く逆上(のぼ)せてしまい唇をきっと噛みながらすぐひどく手を 廻(まわ)してすなわち一ぺん東京まで手をまわして風下に居る軽便鉄道の電信ばしらに、シ グナルとシグナレスの対話が、一体何だったか今シグナレスが笑ったことは、どんなことだ ったかたずねてやりました。】 by『シグナルとシグナレス』 3899. ぶるぶるぶる:【虎の手はもうぶるぶるぶるとふるえて来てとうとうばたりと落ちました。】 by『けだものの運動会』 3900. ぶるぶるぶるっ:【あまがえるどもは緑色の手足をぶるぶるぶるっとけいれんさせました。】 by『カイロ団長』 3901. ぶるぶるぶるぶる:【見るとすっかり目をつぶってぶるぶるぶるぶるふるえていました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 3902. ぷるぷるぷるぷる:【向うからぷるぷるぷるぷる一ぴきの蟻の兵隊が走って来ます。】 by『朝に就(つい)ての童話的構図』 3903. ぷるぷるぷるぷる:【ぷるぷるぷるぷる顫(ふる)えていることでもわかります。】 by『朝に就(つい)ての童話的構図』 3904. ぶるるっ:【猫は嘉(か)ッコの手から滑り落ちて、ぶるるっとからだをふるわせて、それから一目散に どこかへ走って行ってしまいました。】 by『十月の末』 3905. ぶるるっ:【馬はぶるるっと鼻を鳴らしました。】 by『風の又三郎』 3906. ぶるるっ:【馬はぶるるっと鼻を鳴らしました。】 by『風野又三郎』 3907. ぶるるっ:【するとテねずみはぶるるっとふるえて、目を閉じて、小さく小さくちぢまりましたがだんだ んそろりそろりと延びて、そおっと目をあいて、それから大声で叫びました。】 by『クンねずみ』 3908. ぶるるっ:【「鼻をぶるるっと鳴らすのも聞えたんだ。」】 by『黄いろのトマト』 3909. ブルルッ:【狐は電気をかけられたようにブルルッとふるえてからだ中から赤や青の火花をそこら中 へぱちぱち散らしてはげしく五六遍まわってとまりました。】 by『月夜のけだもの』 3910. ブルルッ:【それからブルルッと頭をふって水を払いました。】 by『双子の星』 3911. ブルルッ:【すると不意に、空でブルルッとはねの音がして、二疋(ひき)の小鳥が降りて参りました。】 by『貝の火』 3912. プルルッ:【「ではならんで。」と云いながらプルルッと笛を吹きました。】 by『風の又三郎』 3913. プルルル:【馬はプルルルと鼻を一つ鳴らして、青い青い向うの野原の方へ、歩き出しました。】 by『気のいい火山弾』 3914. ブルルル、ピイ、ピイ、ピイ、ピイ:【「ブルルル、ピイ、ピイ、ピイ、ピイ、ブルルル、ピイ、ピイ、ピイ、 ピイ。」とけたたましい声がして、うす黒いもじゃもじゃした鳥のような形のものが、ばたばた ばたばたもがきながら、流れて参りました。】 by『貝の火』 3915. ぶるるるふう:【ソン将軍が、お医者の弟子と、けしの畑をふみつけて向うの方へ歩いて行くと、もう あっちからもこっちからも、ぶるるるふうというような、馬の仲間の声がする。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 3916. ブルルルブルッ:【するとおどろいたことは、王子たちの青い大きな帽子に飾ってあった二羽の青び かりの蜂雀が、ブルルルブルッと飛んで、二人の前に降りました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 3917. プルルルルルル:【「プルルルルルル。」】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 3918. ふわふわ:【その澄み切った碧(あお)いそらをふわふわうるんだ雲が、あてもなく東の方へ飛んで行 きました。】 by『山男の四月』 3919. ふわふわ:【「ザラメがみんな、ふわふわのお菓子になるねえ、だから火がよく燃えればいいんだ よ。」】 by『水仙月の四日』 3920. ふわふわ:【するとたちまち、将軍の、顔じゅうの毛はまっ赤に変り、みんなふわふわ飛び出して、 見ているうちに将軍は、すっかり顔がつるつるなった。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 3921. ふん:【ふんと狐の謙遜のような自慢のような息の音がしてしばらくしいんとなりました。】 by『土神ときつね』 3922. ぷん:【大砲をうつとき、片脚をぷんとうしろへ挙げる艦(ふね)は、この前のニダナトラの戦役での負 傷兵で、音がまだ脚の神経にひびくのです。】by『烏の北斗七星』 3923. ふんにゃふにゃ:【「青じろ番兵(ばんぺ)は ふんにゃふにゃ 吼えるもさないば 泣ぐもさない」】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 3924. ふんふん:【うしろでふんふんうなずいているのは藤原清作だ。】 by『台川(だいかわ)』 3925. ふんふん:【柏はざわめき、月光も青くすきとおり、大王も機嫌を直してふんふんと云いました。】 by『かしわばやしの夜』 3926. ふんふん:【「すると支那人の博士が葉巻をくわえたままふんふん笑って 『家が飛ばないじゃない か。』と云うと子供の助手はまるで口を尖(とが)らせて、『だって向うの三角旗や何かぱたぱ た云ってます。』というんだ。」】 by『風野又三郎』 3927. ふんふん:【馬屋では馬もふんふん云っています。】 by『葡萄水』 3928. ふんふん:【そしてとうとう手拭のひと足こっちまで行って、あらんかぎり首を延ばしてふんふん嗅い でいましたが、俄にはねあがって遁げてきました。】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 3929. ぶんぶん:【「ああ、蜂が、ごらん、さっきからぶんぶんふるえているのは、月が出たので蜂が働き だしたのだよ。」】 by『ポラーノの広場』 3930. ぶんぶん:【ところが丁度幸に花のたねは雨のようにこぼれていましたし蜂もぶんぶん鳴いていま したのであまがえるはみんなしゃがんで一生けん命ひろいました。】 by『カイロ団長』 3931. ぶんぶん:【かぶとむしやびろうどこがねは列になってぶんぶんその下をまわっている。」】 by『ポランの広場』 3932. ぶんぶん:【そこで軽便鉄道附きの電信柱どもは、やっと安心したように、ぶんぶんとうなり、シグナ ルの柱はかたんと白い腕木をあげました。】 by『シグナルとシグナレス』 3933. ぷんぷん:【デストゥパーゴはぷんぷん怒りだしました。】 by『ポラーノの広場』 3934. ぷんぷん:【ねずみとりは、とんだ疑いを受けたので、一日ぷんぷん怒っていました。】 by『ツェねずみ』 3935. ぷんぷん:【靴をはいた無闇にせいの高い眼のするどい画(え)かきが、ぷんぷん怒って立っていまし た。】 by『かしわばやしの夜』 3936. ぷんぷん:【「それでも頂上に着いてしまうとそのとし老りがガラスの瓶を出してちいさなちいさなコッ プについでそれをそのぷんぷん怒っている若い人に持って行って笑って拝むまねをして出し たんだよ。】 by『風野又三郎』 3937. ぷんぷん:【台所の方からは、いい匂(におい)がぷんぷんします。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 3938. ぷんぷん:【雪がぷんぷんと降る】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 3939. ぷんぷん:【校長はぷんぷん怒り、顔をまっ赤にしてしまい証書をポケットに手早くしまい、大股に小 屋を出て行った。】 by『フランドン農学校の豚』 3940. プンプン:【そこでクンねずみは散歩に出ました。そしてプンプン怒りながら、天井うら街の方へ行く 途中で、二疋(ひき)のむかでが親孝行の蜘蛛のはなしをしているのを聞きました。】 by『クンねずみ』 3941. ブンブンゴンゴン:【電信ばしらどもは、ブンブンゴンゴンと鳴り、風はひゅうひゅうとやりました。】 by『シグナルとシグナレス』 3942. ぶんぶんぶんぶん:【ちょうどそのときはかたくりの花の咲くころで、たくさんのたくさんの眼の碧い蜂 の仲間が、日光のなかをぶんぶんぶんぶん飛び交いながら、一つ一つの小さな桃いろの花 に挨拶して蜜や香料を貰ったり、そのお礼に黄金(きん)いろをした円い花粉をほかの花のと ころへ運んでやったり、あるいは新らしい木の芽からいらなくなった蝋を集めて六角形の巣 を築いたりもういそがしくにぎやかな春の入口になっていました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 3943. ぷんぷんぷんぷん:【そして又ひとりでぷんぷんぷんぷん言いながら二つの低い丘を越えて自分の 家に帰り、おみやげを待っていた子供を叱りつけてだまって床にもぐり込んでしまいました。】 by『とっこべとら子』 |
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3944. ぺかぺか:【そしてジョバンニはすぐうしろの天気輪の柱がいつかぼんやりした三角標の形になっ て、しばらく蛍のように、ぺかぺか消えたりともったりしているのを見ました。】 by『銀河鉄道の夜』 3945. ぺかぺか:【ジョバンニが、こう呟(つぶや)くか呟かないうちに、愕(おどろ)いたことは、いままでぼんや り蕈(きのこ)のかたちをしていた、その青じろいひかりが、にわかにはっきりした三角標の形 になって、しばらく蛍のように、ぺかぺか消えたりともったりしていましたが、とうとうりんとう ごかないようになって、濃い鋼青のそらの野原にたちました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 3946. ぺかぺか:【すると鷺は、蛍のように、袋の中でしばらく、青くぺかぺか光ったり消えたりしていまし たが、おしまいとうとう、みんなぼんやり白くなって、眼をつぶるのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 3947. ぺかぺか:【そして向うに一人の子供が丁度風で消えようとする蝋燭の火のように光ったり又消え たりぺかぺかしているのを見ました。】 by『ひかりの素足』 3948. ペコペコ:【そして、ペコペコ頭をさげて、急いで自分の穴へもぐり込んで、子供のフウねずみを連 れ出して、鳥箱先生の処へやって参りました。】 by『鳥箱先生とフウねずみ』 3949. ぺこぺこ:【二人は頭をぺこぺこさげました。】by『鳥箱先生とフウねずみ』 3950. へたへた:【「おれたちの仕事はな、地殻の底の底で、とけてとけて、まるでへたへたになった岩漿 (がんしょう)や、上から押しつけられて古綿のようにちぢまった蒸気やらを取って来て、いざと いう瞬間には大きな黒い山の塊(かたまり)を、まるで粉々に引き裂いて飛び出す。」】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 3951. へたへた:【からだはまるでへたへた風のようになり、世界はほとんどまっくらに見えました。】 by『カイロ団長』 3952. ヘタヘタ:【もう大へんなさわぎです。みんな泥足でヘタヘタ座敷へ逃げ込みました。】 by『とっこべとら子』 3953. ペタペタ:【見る見る監督どもが、みんなペタペタしばられて十五分もたたないうちに三十人というば けものが一列にずうっとつづいてひっぱられて来ました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3954. ペタペタ:【そして草原をペタペタ歩いて畑にやって参りました。】 by『蛙のゴム靴』 3955. ペタペタペタペタ:【すると家の中からペタペタペタペタ沢山の沢山のばけものどもが出て参りました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3956. ペタリ:【さあそこでその頃は、牛でも馬でも、もうみんな、殺される前の日には、主人から無理に強 いられて、証文にペタリと印を押したもんだ。】by『フランドン農学校の豚』 3957. ぺたん:【ぺたんと肢(あし)を折って座り、ふいごの代(かわ)りに半日炭を吹いたのだ。】 by『オツベルと象』 3958. ぺたん:【おれはその間 馬で馳けどおし馬がつかれてたびたびぺたんと座り涙をためてじっとおれ を見たもんだ。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 3959. ぺたん:【俄かにぺたんと脚を折り今度はごうごういびきをかいてよだれも垂らして寝てしまう。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 3960. ペタン:【馬がつかれてたびたびペタンと座り 涙をためてはじっと遠くの砂を見た。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 3961. ぺたん:【たびたびぺたんと砂漠に寝た、この有名な白馬は、ここで最後の力を出し、がたがたがた がた鳴りながら、風より早くかけ出した。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 3962. ぺたん:【ぺたんと四つ脚を折り、今度はごうごういびきをかいて、首を落してねむってしまう。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 3963. べちゃべちゃ:【『ゴゴンゴーゴー霜がとければ つちはまっくろ。馬はふんごみ 人もべちゃべちゃゴ ゴンゴーゴー。』】 by『シグナルとシグナレス』 3964. べちゃべちゃ:【『若さま、さっきから何をべちゃべちゃ云っていらっしゃるのです。』】 by『シグナルとシグナレス』 3965. べちゃん:【十一、ノルデは三べん胴上げのまま地べたにべちゃんと落とされた。】 by『ペンネンノルデはいまはいないよ太陽にできた黒い棘(とげ)をとりに行ったよ』 3966. ぺちゃん:【ぺちゃんと投げつけました。】 by『カイロ団長』 3967. ペチン:【さて、「ねずみ競争新聞」というのは実にいい新聞です。これを読むと、ねずみ仲間の競 争のことは何でもわかるのでした。ペねずみが、沢山とうもろこしのつぶをぬすみためて、 大砂糖持ちのパねずみと意地ぱりの競争をしていることでも、ハ鼠ヒ鼠フ鼠の三疋(びき)の むすめねずみが学問のきょうそうをやって、比例の問題まで来たとき、とうとう三疋共頭が ペチンと裂けたことでも何でもすっかり出ているのでした。】 by『クンねずみ』 3968. ヘッ:【ところがほかの三人の書記は、いかにも馬鹿にしたように横目で見て、ヘッとわらっていま した。】 by『寓話 猫の事務所』 3969. ぺっ:【そのきれはしをぺっと吐いて云いました。】 by『サガレンと八月』 3970. べったらこ:【「白いお餅はべったらこ。」】 by『雪渡り』 3971. べったり:【どこか遁げ口でもさがすように立ちあがって、またべったり座りました。】 by『ポラーノの広場』 3972. へとへと:【なんべんも谷へ降りてまた登り直して犬もへとへとにつかれ小十郎も口を横にまげて息 をしながら半分くずれかかった去年の小屋を見つけた。】 by『なめとこ山の熊』 3973. ヘトヘト:【つかれてヘトヘトになったネネムはもう何でも構わないから下りて行こうとしました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3974. べとべと:【足のさきからだんだん腐れてべとべとになり、ある日とうとう雨に流れてしまいました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 3975. べとべと:【そこで四人は足のさきからだんだん腐れてべとべとになり、ある日とうとう雨に流されて しまいました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 3976. へらへら:【ある日夫婦のくもは、葉のかげにかくれてお茶をのんでいますと、下の方でへらへらし た声で歌うものがあります。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 3977. へらへら:【ある日夫婦のくもは、葉のかげにかくれてお茶をのんでいますと、下の方でへらへらし た声で歌うものがあります。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 3978. ヘラヘラ:【なめくじはいつでもハッハハと笑って、そしてヘラヘラした声で物を言うけれども、どうも 心がよくなくて蜘蛛やなんかよりは却って悪いやつだというのでみんなが軽べつをはじめま した。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 3979. べらべら:【「おめでとう。お早う。いいお天気です。天の幸、君にあらんことを。」とつづけざまにべ らべら挨拶しました。】 by『ビジテリアン大祭』 3980. べらべら:【土神は今度はまるでべらべらした桃いろの火でからだ中燃されているようにおもいまし た。】 by『土神ときつね』 3981. ぺらぺら:【(どうだい、おれの頭のうえは。いつから、こんな、ぺらぺら赤い火になったろう。)】 by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』 3982. ペラペラ:【「桃色のペラペラの寒天でできているんだ。」】 by『若い木霊(こだま)』 3983. へらへらへら、ばばあ:【ところが清作は却ってじぶんで口をすてきに大きくして横の方へまげて、 「へらへらへら清作、へらへらへら、ばばあ。」とどなりつけましたので、柏の木はみんな度 ぎもをぬかれてしいんとなってしまいました。】 by『かしわばやしの夜』 3984. べらり:【けれども牛は、美しい草を見る度に、頭を下げて、舌をべらりと廻して喰べました。】 by『種山ヶ原』 3985. ベランべランベラン:【ばけもの麦はベランべランベラン】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3986. ベランベランベラン:【たちまち床からベランベランベランと大きな緑色のばけもの麦の木が生え出 して見る間に立派な茶色の穂を出し小さな白い花をつけました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 3987. へろへろ:【けれども会長さんももうへろへろ酔っていたのです。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 3988. べろべろ:【だからもう熊はなめとこ山で赤い舌をべろべろ吐いて谷をわたったり熊の子供らがすも うをとっておしまいぽかぽか撲(なぐ)りあったりしていることはたしかだ。】 by『なめとこ山の熊』 3989. べろべろ:【退くつそうにひとりでべろべろ舌を出して遊んでいましたが、みんなの来たのを見て途方 もないいい声で云いました。】 by『カイロ団長』 3990. べろべろ:【ところが入口から三本目の若い柏の木は、ちょうど片脚をあげておどりのまねをはじめ るところでしたが二人の来たのを見てまるでびっくりして、それからひどくはずかしがって、あ げた片脚の膝を、間がわるそうにべろべろ嘗(な)めながら、横目でじっと二人の通りすぎるの をみていました。】 by『かしわばやしの夜』 3991. べろべろ:【二疋(ひき)の雪狼(ゆきおいの)が、べろべろまっ赤な舌を吐きながら、象の頭のかたちをし た、雪丘の上の方をあるいていました。】 by『水仙月の四日』 3992. べろり:【いたずらの弟はそれを聞かずに 光る大きな長い舌を出して 大学士の額をべろりと嘗 (な)めた。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 3993. べろり:【狐は一つぶべろりとなめてつゆばかり吸って皮と肉とさねは一しょに絨緞(じゅうたん)の上に はきだしました。】 by『黒ぶどう』 3994. べろり:【すると三郎は、「怖くなんかないやい。」と云いながらすぐポケットの手を馬の鼻づらへのば しましたが馬が首をのばして舌をべろりと出すとさあっと顔いろを変えてすばやくまた手をポ ケットへ入れてしまいました。】 by『風の又三郎』 3995. べろり:【野菜が出ると手をふところに入れたまま舌だけ出してべろりとなめてしまいます。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 3996. ぺろり:【いかの切り込みを手の甲にのせてぺろりとなめたりうやうやしく黄いろな酒を小さな猪口 (ちょこ)についだりしている。】 by『なめとこ山の熊』 3997. ぺろり:【向うの一疋はそこで得意になって、舌を出して手拭を一つぺろりと嘗(な)めましたが、にわ かに怖くなったとみえて、大きく口をあけて舌をぶらさげて、まるで風のように飛んで帰って きました。】 by『鹿(しし)踊りのはじまり』 3998. ベロリ:【猫はばかにしたように尖った長い舌をベロリと出しました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 3999. ペロリ:【そこで銀色のなめくじはかたつむりをペロリと喰べてしまいました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 4000. ペロリ:【そこでなめくじはペロリととかげをたべました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 4001. へろれって、へろれって、けろれって、へろれって:【そして眼をまっかにして「へろれって、へろれっ て、けろれって、へろれって」なんて途方もない声で咆えはじめました。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 4002. ヘン:【殊(こと)に狸はなめくじの話が出るといつでもヘンと笑って云いました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 |
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4003. ホイッ:【「もう藁(わら)のオムレツが出来あがった頃だな。」と呟やいてテーブルの上にあった革のカ バンに白墨のかけらや講義の原稿やらを、みんな一諸に投げ込んで、小脇にかかえ、さっ き顔を出した窓からホイッと向うの向うの黒い家をめがけて飛び出しました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 4004. ぽいっ:【慶次郎がぽいっとおじぎをしましたから私もしました。】 by『二人の役人』 4005. ほいほい:【けだものどもはみなほいほいととびつきましたがただ一疋(ぴき)河馬だけは手を外してド タリと落ちてひどく尻餅をつきました。】 by『けだものの運動会』 4006. ほう:【その前にしょんぼりひとりの子供が立ってこっちを見ているときなどは、思わず、ほう、と叫び ました。】 by『銀河鉄道の夜』 4007. ほう:【しょんぼりひとりの子供が立ってこっちを見ているときなどは思わずほうと叫びました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4008. ほう:【主人は、「頭から石油を漬(つ)けられたら人だって死ぬだ。」と云いながら、ほうと息を吸って 首をちぢめました。】 by『グスコーブドリの伝記』 4009. ホウ:【「僕はもう丁度こっちへ来ないといけなかったもんだからホウと一つ叫んで岩手山の頂上か らはなれてしまったんだ。」】 by『風野又三郎』 4010. ほう:【みんなは、はじめてほうと息をつきました。】 by『風野又三郎』 4011. ぼう:【それはひる学校で見たあの図よりはずうっと小さかったのですがその日と時間に合せて盤を まわすと、そのとき出ているそらがそのまま楕円形のなかにめぐってあらわれるようになって 居りやはりそのまん中には上から下へかけて銀河がぼうとけむったような帯になってその下 の方ではかすかに爆発して湯気でもあげているように見えるのでした。】 by『銀河鉄道の夜』 4012. ぼう:【硫黄のほのおのようにぼうとした紫いろのあかりやらで、眼をほそくしてみると、まるで大きな お城があるようにおもわれるのでした。】 by『月夜のでんしんばしら』 4013. ぼう:【ブドリはしばらくぼうとしてつっ立ってしまいました。】 by『グスコーブドリの伝記』 4014. ぼう:【そしておしまいまで来たときは今夜もまた東がぼうと明るくなっていました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 4015. ボウ:【「ええ、ひどい風ですよ。大きく口をあくと風が僕のからだをまるで麦酒瓶(ビールびん)のように ボウと鳴らして行く位ですからね。わめくも歌うも容易なこっちゃありませんよ。」】 by『おきなぐさ』 4016. ホウ、ホウ:【「ホウ、ホウ。」柏の木はみんなあらしのように、清作をひやかして叫びました。】 by『かしわばやしの夜』 4017. ぼう、ぼう、:【するとあちらでもこちらでも、ぼう、ぼう、と鳥が睡(ねむ)そうに鳴き出すのでした。】 by『グスコーブドリの伝記』 4018. ぼうっ:【「こっちやこっちの方はガラスが厚いので、光る粒即ち星がたくさん見えその遠いのはぼう っと白く見えるというこれがつまり今日の銀河の説なのです。」】 by『銀河鉄道の夜』 4019. ぼうっ:【するとそこらがぼうっとけむりのようになってわたくしもそのけむりだか月のあかりだかわか らなくなってしまいました。】 by『月夜のけだもの』 4020. ぼうっ:【その月に向いた方のからだはぼうっと燐のように黄いろにまた青じろくひかりました。】 by『月夜のけだもの』 4021. ぼうっ:【そこには、河原のぼうっと白く見える、小さな川があって、細い鉄の欄干のついた橋がかか っていました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4022. ぼうっ:【見ると、もうじつに、金剛石や草の露やあらゆる立派さをあつめたような、きらびやかな銀 河の河床の上を水は声もなくかたちもなく流れ、その流れのまん中に、ぼうっと青白く後光 の射した一つの島が見えるのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4023. ぼうっ:【「そのとき俄かに大きな音がして私たちは水に落ちもう渦に入ったと思いながらしっかりこ の人たちをだいてそれからぼうっとしたと思ったらもうここへ来ていたのです。」】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4024. ぼうっ:【ブラシを板の上に置くや否や、そいつがぼうっとかすんで無くなって、風がどうっと室(へや)の 中に入ってきました。】 by『注文の多い料理店』 4025. ぼうっ:【気がついて見るとそのうすぐらい赤い瑪瑙(めのう)の野原のはずれがぼうっと黄金(きん)いろ になってその中を立派な大きな人がまっすぐにこっちへ歩いて来るのでした。】 by『ひかりの素足』 4026. ぼうっ:【しばらくたってからだ中から何とも云えないいい匂(におい)がぼうっと立つのでした。】 by『ひかりの素足』 4027. ぼうっ:【今年の夏からのいろいろなつらい思いが何だかぼうっとみんな立派なもやのようなものに 変って頭の上に環になってかかったように思いました。】 by『土神ときつね』 4028. ぼうっ:【空はたいへん暗く重くなり、まわりがぼうっと霞(かす)んで来ました。】 by『風の又三郎』 4029. ぼうっ:【そこらは、籾(もみ)や藁から発(た)ったこまかな塵(ちり)で、変にぼうっと黄いろになり、まるで 砂漠のけむりのようだ。】 by『オツベルと象』 4030. ぼうっ:【空はたいへん暗く重くなり、まわりがぼうっと霞(かす)んで来ました。】 by『種山ヶ原』 4031. ぼうっ:【盛岡の上のそらがまだぼうっと明るく濁って見える。】 by『或る農学生の日誌』 4032. ぼうっ:【東のそらがぼうっと銀いろになってそこをまっ黒な雲が北の方へどんどん走っています。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 4033. ほうほう:【着物はまるで厚い壁のくらい着込み、馬油(ばゆ)を塗った長靴をはきトランクにまで寒さで ひびが入らないように馬油を塗ってみんなほうほうしていました。】 by『氷河鼠の毛皮』 4034. ほうほう:【『ガタンコガタンコ、シュウフッフッ、やっぱりかけると あったかだ 僕はほうほう 汗が出 る。もう七、八里 はせたいな、今日も、一日 霜ぐもり。ガタンガタン、ギー、シュウシュウ。』】 by『シグナルとシグナレス』 4035. ほうほう:【俥屋(くるまや)はまるでまっかになって汗をたらしゆげをほうほうあげながら膝かけを取 りました。】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 4036. ほうほう:【杜(もり)に帰って烏の駆逐艦は、みなほうほう白い息をはきました。】 by『烏の北斗七星』 4037. ほお:【すると外の支那人は、やっと胸をなでおろしたらしく、ほおという息の声も、ぽんぽんと足を 叩いている音も聞えました。】 by『山男の四月』 4038. ぼぉ:【するとまもなく、ぼぉというようなひどい音がして、水はむくっと盛りあがり、それからしばらく、 そこらあたりがきぃんと鳴った。】 by『さいかち淵(ぶち)』 4039. ぼぉ:【ぼぉとたしかにトローンボーンかバスの音がきこえました。】 by『ポラーノの広場』 4040. ぼぉ:【するとまもなく、ぼぉというようなひどい音がして、水はむくっと盛りあがり、それからしばらく、 そこらあたりがきぃんと鳴りました。】 by『風の又三郎』 4041. ポー:【汽缶車は一つポーとほえて、汽車は一目散に飛び出しました。】 by『氷河鼠の毛皮』 4042. ポオ、ポオ、ポオ、ポオ:【「おお、うちのせがれもこんなわらじでどこを今ごろ、ポオ、ポオ、ポオ、ポ オ。」】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 4043. ぼぉっ:【そのうち何だかわたくしどもの影が前の方へ落ちているようなのでうしろを振り向いて見ま すと、おお、はるかなモリーオの市のぼぉっとにごった灯照(ほて)りのなかから十六日の青い 月が奇体に平べったくなって半分のぞいているのです。】 by『ポラーノの広場』 4044. ぼおっ:【それから東の山脈の上の空はぼおっと古めかしい黄金(きん)いろに明るくなりました。】 by『二十六夜』 4045. ぼおっ:【沼の底の光のような朧(おぼろ)な青いあかりがぼおっと林の高い梢にそそぎ一疋(ぴき)の大 きな梟(ふくろう)が羽をひるがえしているのもひらひら銀いろに見えました。】 by『二十六夜』 4046. ぼおっ:【そこらはぼおっと明るくなり、下では虫が俄にしいんしいんと鳴き出しました。】 by『二十六夜』 4047. ぼおっ:【「さぎというものは、みんな天の川の砂が凝って、ぼおっとできるもんですからね、そして始 終川へ帰りますからね、川原で待っていて、鷺がみんな、脚をこういう風にして下りてくるとこ を、そいつが地べたへつくかつかないうちに、ぴたっと押えちまうんです。」】 by『銀河鉄道の夜』 4048. ぼおっ:【眼をつぶったくらやみの中ではそこら中ぼおっと燐の火のように青く見え、ずうっと遠くが大 へん青くて明るくてそこに黄金(きん)の葉をもった立派な樹がぞろっとならんでさんさんさんと 梢を鳴らしているように思ったのです。】 by『学者アラムハラドの見た着物』 4049. ぼおっ:【「そいつはな、雑作ない。さぎというものは、みんな天の川の砂が凝って、ぼおっとできるも んですからね、そして始終川へ帰りますからね、川原で待っていて、鷺がみんな、脚をこうい う風にして下りてくるとこを、そいつが地べたへつくかつかないうちに、ぴたっと押えちまうん です。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4050. ぼおっ:【百も千もの大小さまざまの三角標、その大きなものの上には赤い点点をうった測量旗も 見え、野原のはてはそれらがいちめん、たくさんたくさん集ってぼおっと青白い霧のよう、そ こからかまたはもっと向うからかときどきさまざまの形のぼんやりした狼煙(のろし)のようなも のが、かわるがわるきれいな桔梗いろのそらにうちあげられるのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4051. ぼおっ:【月はもう青白い霧にかくされてしまってぼおっと円く見えるだけ、その霧はまるで矢のよう に林の中に降りてくるのでした。】 by『かしわばやしの夜』 4052. ぼおっ:【いつかチュンセはぼおっと黄いろな野原のようなところを歩いて行くようにおもいました。】 by『手紙』 4053. ぼおっ:【地面はごく麗(うる)わしい青い石で、空がぼおっと白く見え、雪もま近でございました。】 by『雁(かり)の童子』 4054. ぼおっ:【春らしいしめった白い雲が丘の山からぼおっと出てくろもじのにおいが風にふうっと漂って 来た。】 by『税務署長の冒険』 4055. ポーッ:【「にわかにポーッと霧の出ることがあるだろう。」】 by『風野又三郎』 4056. ボーボー:【クラリネットもボーボーとそれに手伝っています。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 4057. ぽかっ:【そして二人がそのあかしの前を通って行くときは、その小さな豆いろの火はちょうど挨拶で もするようにぽかっと消え、二人が過ぎて行くときまた点くのでした。】 by『銀河鉄道の夜』 4058. ぽかっ:【そして二人がそのあかしの前を通って行くときはその小さな豆いろの火はちょうど挨拶でも するようにぽかっと消え二人が過ぎて行くときまた点くのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4059. ぽかっ:【するといきなりジョバンニは自分というものがじぶんの考というものが、汽車やその学者や 天の川やみんないっしょにぽかっと光ってしぃんとなくなってぽかっとともってまたなくなって そしてその一つがぽかっとともるとあらゆる広い世界ががらんとひらけあらゆる歴史がそな わりすっと消えるともうがらんとしたただもうそれっきりになってしまうのを見ました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4060. ぽかっ:【(ぜんたい雲というものは、風のぐあいで、行ったり来たりぽかっと無くなってみたり、俄か にまたでてきたりするもんだ。そこで雲助とこういうのだ。)】 by『山男の四月』 4061. ぽかっ:【みんなはぽかっとして呆れてしまいました。】 by『十月の末』 4062. ぽかっ:【ひなげしはみんなあっけにとられてぽかっとそらをながめています。】 by『ひのきとひなげし』 4063. ポカッ:【あたりがポカッとうすぐらくなったのは。】 by『シグナルとシグナレス』 4064. ほかほか:【それにかれ草がほかほかしてばけものわらびなどもふらふらと生え出しています。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 4065. ぽかぽか:【熊の子供らがすもうをとっておしまいぽかぽか撲(なぐ)りあったりしていることはたしか だ。】 by『なめとこ山の熊』 4066. ぽかぽか:【三疋(びき)はぽかぽか流れて行くやまなしのあとを追いました。】 by『やまなし』 4067. ぽかぽか:【中ではお茶がひっくり返って、アルコールが青くぽかぽか燃えていました。】 by『グスコーブドリの伝記』 4068. ぽかぽか:【「いい天気だ。ぽかぽかするなあ。」】 by『若い木霊(こだま)』 4069. ぽかぽか:【子供らはうれしまぎれに喧嘩をしたり、女たちはその子をぽかぽか撲ったりしました。】 by『狼(おいの)森と笊(ざる)森、盗(ぬすと)森』 4070. ぽかぽか:【おもてへ出て見ると日光は実に暖かくぽかぽか飴色に照っていた。】 by『税務署長の冒険』 4071. ポカポカ:【又、夕方、車が空いて、それから、馬が道をよく知って、ひとりでポカポカあるいている ときも、甲太はほかの人たちのように、車の上へこしかけて、ほほづえをついてあくびをし たり、ねころんで空をながめて歌をうたったりしませんでした。】 by『馬の頭巾』 4072. ぽかん:【それでもむりやりそっちを見ますと、ひとりのおかっぱの子供が、ぽかんと陳の前に立っ ていました。】 by『山男の四月』 4073. ぽかん:【「わあい、喧嘩するなったら、先生ぁちゃんと職員室に来てらぞ。」と一郎が云いながらま た教室の方を見ましたら一郎は俄にまるでぽかんとしてしまいました。】 by『風の又三郎』 4074. ポカン:【丁度出て来た巡査が三人ばかり飛んで行って、車にポカンと腰掛けて居た黒い硬いばけ ものを、くるくるくるっと縛ってしまいました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 4075. ポカン:【シグナルとシグナレスもあまりのことに今さらポカンとして呆(あき)れていました。】 by『シグナルとシグナレス』 4076. ポキッ:【そのとき、ポキッと脚を折ったのです。】 by『二十六夜』 4077. ポキリ:【そしてポキリと枝を折りました。】 by『まなづるとダァリヤ』 4078. ほくほく:【するとあの鳥捕りは、すっかり注文通りだというようにほくほくして、両足をかっきり六十 度に開いて立って、鷺のちぢめて降りて来る黒い脚を両手で片っ端から押えて、布の袋の 中に入れるのでした。】 by『銀河鉄道の夜』 4079. ほくほく:【わたくしはまるでほくほくしてしまいました。】 by『ポラーノの広場』 4080. ほくほく:【するとあの鳥捕りは、すっかり注文通りだというようにほくほくして、両足をかっきり六十 度に開いて立って、鷺のちぢめて降りて来る黒い脚を両手で片っ端から押えて、布の袋の 中に入れるのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4081. ほくほく:【六平はひとりで考えて、それからほくほくするのを無理にかくして申しました。】 by『とっこべとら子』 4082. ほくほく:【そしてじっさいオツベルは、そいつで上手に腹をへらし、ひるめしどきには、六寸ぐらいの ビフテキだの、雑巾ほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。】 by『オツベルと象』 4083. ほくほく:【「その次の日僕がまた海からやって来てほくほくしながらもう大分の早足で気象台を通り かかったらやっぱり博士と助手が二人出ていた。」】 by『風野又三郎』 4084. ほくほく:【それからホモイは一寸(ちょっと)立ちどまって、腕を組んでほくほくしながら、「まるで僕は川 の波の上で芸当をしているようだぞ。」と云いました。】 by『貝の火』 4085. ほくほく:【ほくほくして室(へや)の中を往来する。】 by『植物医師』 4086. ホクホク:【私はひとりホクホクしながら通りをゆっくり歩いて行きました。】 by『毒蛾』 4087. ホクホク:【猫のおうちはどうもそれは立派なもんでした。紫色の竹で編んであって中は藁や布きれ でホクホクしていました。おまけにちゃあんとご飯を入れる道具さえあったのです。】 by『クンねずみ』 4088. ぽくぽく:【(なんだ、やっぱりこいつはお菓子だ。チョコレートよりも、もっとおいしいけれども、こんな 雁が飛んでいるもんか。この男は、どこかそこらの野原の菓子屋だ。けれどもぼくは、この ひとをばかにしながら、この人のお菓子をたべているのは、大へん気の毒だ。)とおもいな がら、やっぱりぽくぽくそれをたべていました。】 by『銀河鉄道の夜』 4089. ぽくぽく:【とおもいながら、やっぱりぽくぽくそれをたべていました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4090. ぽくりぽくり:【そして納屋から唐鍬を持ち出してぽくりぽくりと芝を起して杉苗を植える穴を掘りはじ めました。】 by『虔十(けんじゅう)公園林』 4091. ぼさぼさ:【そして、風と雪と、ぼさぼさの灰のような雲のなかで、ほんとうに日は暮れ雪は夜じゅう 降って降って降ったのです。】 by『水仙月の四日』 4092. ぼさぼさ:【ことになんとも奇体なことは、兵隊たちが、みな灰いろでぼさぼさして、なんだかけむり のようなのだ。】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 4093. ぼさぼさ:【「いいえおりゃのあそごぁひでえ谷地(やじ)で、なんぼ旱(ひでり)でも土ぼさぼさづぐなるづ ごとのなぃどごだます。」】 by『植物医師』 4094. ポシャポシャ:【霧がポシャポシャ降って来ました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4095. ポシャポシャ:【今までポシャポシャやっていた雨が急に大粒になってざあざあと降って来たのです。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4096. ポシャポシャ:【「ところが、十二月の十日でしたが、まるで春降るようなポシャポシャ雨が、半日ば かり降ったんです。」】 by『化物丁場(ばけものちょうば)』 4097. ポシャポシャ:【霧がポシャポシャ降って、もう夜があけかかっています。】 by『貝の火』 4098. ぽしゃぽしゃ:【苔(こけ)いちめんに、霧がぽしゃぽしゃ降って、蟻の歩哨は、鉄の帽子のひさしの下 から、するどいひとみであたりをにらみ、青く大きな羊歯(しだ)の森の前をあちこち行ったり来 たりしています。】 by『朝に就(つい)ての童話的構図』 4099. ぼしょぼしょ:【せきはとめたし落し口は切ったし田のなかへはまだ入られないしどうすることもでき ずだまってあのぼしょぼしょしたりまたおどすように強くなったりする雨の音を聞いていなけ ればならないのだ。】 by『或る農学生の日誌』 4100. ぽたっ:【「清夫さんもうおひるです。辯当(べんとう)おあがりなさい。落しますよ。そら。」と云いながら 青いどんぐりを一粒ぽたっと落して行きました。】 by『よく利く薬とえらい薬』 4101. ポタッポタッ:【雫(しずく)の音もポタッポタッと聞えて来たのです。】 by『谷』 4102. ぽたぽた:【めくらぶどうは感激して、すきとおった深い息をつき、葉から雫(しずく)をぽたぽたこぼし ました。】 by『めくらぶどうと虹』 4103. ぽたぽた:【みんなは傘をさしたり小さな簑(みの)からすきとおるつめたい雫(しずく)をぽたぽた落した りして学校に来ました。】 by『風野又三郎』 4104. ぽたぽた:【めくらぶどうの藪からはきれいな雫(しずく)がぽたぽた落ちる。】 by『マリヴロンと少女』 4105. ポタポタ:【清夫はお母さんのことばかり考えながら、汗をポタポタ落して、一生けん命実をあつめま したがどう云う訳かその日はいつまで経っても籠の底がかくれませんでした。】 by『よく利く薬とえらい薬』 4106. ポタポタ:【それは音なく砥石をすべり陽の光が強いので洋傘直しはポタポタ汗を落します。】 by『チュウリップの幻術』 4107. ポタリ:【「はやしのなかにふるきりの、つぶはだんだん大きくなり、いまはしづくがポタリ。」】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4108. ポタリッポタリッ:【あちこちの木からポタリッポタリッと雫(しずく)の音がきこえて来ました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4109. ポタリポタリ:【その杉には鳶色(とびいろ)の実がなり立派な緑の枝さきからはすきとおったつめたい雨 のしずくがポタリポタリと垂れました。】 by『虔十(けんじゅう)公園林』 4110. ポタリポタリ:【草からは、もう雫(しずく)の音がポタリポタリと聞えて来ます。】 by『風の又三郎』 4111. ポタリポタリ:【草からは、もう雫(しずく)の音がポタリポタリと聞えて来ます。】 by『種山ヶ原』 4112. ぼちゃぼちゃ:【しゅっこは、ぼちゃぼちゃ、もう近くまで行っていた。】 by『さいかち淵(ぶち)』 4113. ぼちゃぼちゃ:【又三郎は、ぼちゃぼちゃ、もう近くまで行きました。】 by『風の又三郎』 4114. ぽちゃぽちゃ:【その証拠には熊どもは小十郎がぽちゃぽちゃ谷をこいだり谷の岸の細い平らない っぱいにあざみなどの生えているとこを通るときはだまって高いとこから見送っているのだ。】 by『なめとこ山の熊』 4115. ぼちゃんぼちゃん:【するとみんなは、ぼちゃんぼちゃんと一度に水にすべって落ちた。】 by『さいかち淵(ぶち)』 4116. ぼちゃんぼちゃん:【するとみんなは、ぼちゃんぼちゃんと一度に水にすべって落ちました。】 by『風の又三郎』 4117. ほっ:【「僕がやっと体格と人格を完成してほっと息をついてるとお前がすぐ僕の足もとでどんな声を したと思うね。」】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 4118. ほっ:【女の子は小さくほっと息をしてだまって席へ戻りました。】 by『銀河鉄道の夜』 4119. ほっ:【ほっとため息をして歌いました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4120. ほっ:【はじめてほっと息をつきました。】 by『ガドルフの百合』 4121. ほっ:【女の子は小さくほっと息をしてだまって席へ戻りました。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4122. ほっ:【「進行検査にも間に合ったてんで、監督たちもほっとしていたようでした。」】 by『化物丁場(ばけものちょうば)』 4123. ほっ:【どう云うわけかみんなはほっとしたように思ったのです。】 by『ひかりの素足』 4124. ほっ:【野はらも丘もほっとしたようになって、雪は青じろくひかりました。】 by『水仙月の四日』 4125. ほっ:【シグナレスはほっと小さなため息をついて空を見上げました。】 by『シグナルとシグナレス』 4126. ほっ:【黒い枕木はみなねむり赤の三角や黄色の点々さまざまの夢を見ているとき、若いあわれな シグナルはほっと小さなため息をつきました。】 by『シグナルとシグナレス』 4127. ほっ:【草を焼く匂(におい)がして、霧の中をほっと流れています。】 by『風の又三郎』 4128. ほっ:【そしてほっと息をついてしばらくそらを向いて腹をこすってから、又少し糸をはいた。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 4129. ほっ:【草を焼く匂(におい)がして、霧の中を煙がほっと流れています。】 by『種山ヶ原』 4130. ほっ:【少しの平らなところではほっと息をつきながら地面を這わなければならないと諒安は思いま した。】 by『マグノリアの木』 4131. ほっ:【そこは少し黄金(きん)いろでほっとあたたかなような気がしました。】 by『マグノリアの木』 4132. ほっ:【ほっと安心しながら、つづけて弾いていますと楽長がまた手をぱっと拍ちました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 4133. ほっ:【洋傘直しは剃刀(かみそり)をていねいに調べそれから茶いろの粗布の上にできあがった仕事 をみんな載せほっと息して立ちあがります。】 by『チュウリップの幻術』 4134. ホッ:【そしてホッと息をついてしばらくそらを向いて腹をこすってから、又少し糸をはきました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 4135. ぼっ:【『あらあら、そんなこと。』軽便鉄道の木でつくったシグナレスは、まるで困ったというように肩 をすぼめましたが、実はその少しうつむいた顔は、うれしさにぼっと白光(しろびかり)を出してい ました。】 by『シグナルとシグナレス』 4136. ぽっ:【ばかなラクシャンの第二子が、すぐ釣り込まれてあわて出し、顔いろをぽっとほてらせながら、 「おい兄貴、一(ひと)吠えしようか。」と斯(こ)う云った。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 4137. ぽっ:【そこの草穂のかげに小さな小さなつめくさの花が青白くさびしそうにぽっと咲いていました。】 by『ポラーノの広場』 4138. ぽっ:【と云ったかと思うとぽっとあたりが青ぐらくなりました。】 by『サガレンと八月』 4139. ぽっ:【署長はぽっと夢のように考えた。】 by『税務署長の冒険』 4140. ぽっ:【川の向うの青い林のこっちにかすかな黄金(きん)いろがぽっと虹のようにのぼるのが見えま した。】 by『四又の百合』 4141. ぽっ:【青い上着の園丁は独乙(ドイツ)唐檜(とうひ)の茂みをくぐって消えて行き、それからぽっと陽も 消えました。】 by『チュウリップの幻術』 4142. ボッ:【そこで「ボッ」という爆発のような音が、どこからとなく聞えて来ました。】 by『葡萄水』 4143. ホッ、ホ、ホッ、ホウ:【「夜風さかまき ひのきはみだれ、月は射そそぐ 銀の矢なみ、打ぅつも果て るも 一つのいのち、太刀の軋りの 消えぬひま。ホッ、ホ、ホッ、ホウ。」】 by『種山ヶ原』 4144. ぽっかりぽっかり:【そして又長い顎(あご)をうでに載(の)せ、ぽっかりぽっかり寝てしまう。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 4145. ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイ、トン:【「ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイ、トン。」(霧)】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4146. ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイツイ:【「ポッシャリ、ポッシャリ、ツイツイツイ。」(霧)】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4147. ポッシャリポッシャリ、ツイツイトン:【「ポッシャリポッシャリ、ツイツイトン。」(霧)】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4148. ポッシャン、ポッシャン、ツイ、ツイ、ツイ:【「ポッシャン、ポッシャン、ツイ、ツイ、ツイ。」(雨)】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4149. ぽっしゃん、ぽっしゃん、ぽっしゃん:【「こざる、こざる、おまえのこしかけぬれてるぞ、霧、ぽっしゃ ん、ぽっしゃん、ぽっしゃん、おまえのこしかけくされるぞ」】 by『かしわばやしの夜』 4150. ポッシャン、ポッシャン、ポッシャン、シャン:【「ポッシャン、ポッシャン、ポッシャン、シャン。」(雨)】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4151. ポッシャントン:【「まっしろきりのポッシャントン。」】 by『気のいい火山弾』 4152. ポッシャンポッシャン:【きりはこあめにかわり、ポッシャンポッシャン降って来ました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4153. ぽっちょり:【「いいえ。鶴のはちゃんと注文で、自分の好みの注文で、しっぽのはじだけぽっちょり 黒く染めて呉れと云うのです。」】 by『林の底』 4154. ホッホウ、ホッホウ、ホッホウ:【「ホッホウ、ホッホウ、ホッホウ。」柏の木どもは風のような変な声 をだして清作をひやかしました。】 by『かしわばやしの夜』 4155. ホッホッ:【その時栗の木が湯気をホッホッと吹き出しましたのでネネムは少し暖まって楽になった ように思いました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 4156. ぼつぼつ:【二人はしばらく物も言えませんでしたが、やっとブドリが、その後のことをたずねますと、 ネリもぼつぼつとイーハトーブの百姓のことばで、今までのことを談(はな)しました。】 by『グスコーブドリの伝記』 4157. ぼつぼつ:【ところが梟(ふくろう)はよろこんでぼつぼつ話をつづけました。】 by『林の底』 4158. ぽっぽっ:【「火がぽっぽっと青くうごいてね、とうとう消えてしまったよ。」】 by『風野又三郎』 4159. ポッポッポ:【「凍(し)み雪しん子、堅雪(かたゆき)かん子、野原のまんじゅうはポッポッポ。」】 by『雪渡り』 4160. ぽっぽっぽっ:【蟹の子供らもぽっぽっぽっとつづけて五六粒泡を吐きました。】 by『やまなし』 4161. ホッホッホッホ:【「凍(し)み雪しん子、堅雪(かたゆき)かん子、野原のおそばはホッホッホッホ。」】 by『雪渡り』 4162. ぼつりぼつり:【又三郎は少し機嫌を悪くしながらぼつりぼつり話しはじめました。】 by『風野又三郎』 4163. ポツリポツリ:【丁度そのときさっきからどうしても降りそうに見えた空から雨つぶがポツリポツリとや って来ました。】 by『谷』 4164. ポツン:【大学士の吸う巻煙草が ポツンと赤く見えるだけ】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 4165. ぽつん:【ぽつんとしたまっ赤なあかりや、硫黄のほのおのようにぼうとした紫いろのあかりやらで、 眼をほそくしてみると、まるで大きなお城があるようにおもわれるのでした。】 by『月夜のでんしんばしら』 4166. ポツンポツン:【清夫はお日さまで紫色に焦げたばらの実をポツンポツンと取りはじめました。】 by『よく利く薬とえらい薬』 4167. ポツンポツン:【耕平のおかみさんは、ポツンポツンとむしっています。】 by『葡萄水』 4168. ぽとっ:【砂の一とこが円(まる)くぽとっとぬれたように見えてそこに指をあてて見ますとにくにく寒天 のようなつめたいものでした。】 by『サガレンと八月』 4169. ぼとぼと:【実にあのペイントを塗った顔から黒い汗がぼとぼとに落ちてシャツを黄いろに染めたの だ。】 by『税務署長の冒険』 4170. ぽとぽと:【けれどもとにかくおしまい小十郎がまっ赤な熊の肝(い)をせなかの木のひつに入れて血 で毛がぽとぽと房になった毛皮を谷であらってくるくるまるめせなかにしょって自分もぐんな りした風で谷を下って行くことだけはたしかなのだ。】 by『なめとこ山の熊』 4171. ぽとぽと:【「濤(なみ)がぽとぽと鳴るばかり」】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 4172. ぽとぽと:【一郎が顔をまっかにして、汗をぽとぽとおとしながら、その坂をのぼりますと、にわかに ぱっと明るくなって、眼がちくっとしました。】 by『どんぐりと山猫』 4173. ぽとぽと:【プランペラポラン将軍の鼻から雫(しずく)がぽとぽと落ちてガラスの槽にたまって行く。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 4174. ポトポト:【野ばらの木が赤い実から水晶の雫(しずく)をポトポトこぼしながらしずかに歌いました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4175. ポトポト:【そして林の底の萱(かや)の葉は夏の夜の雫(しずく)をもうポトポト落して居りました。】 by『二十六夜』 4176. ポトン、バチャン:【そのつぎにはとうとう「ポトン、バチャン。」】 by『蛙のゴム靴』 4177. ぼゃっ:【「何だかお日さんぼゃっとして来たな。」】 by『風の又三郎』 4178. ほやほや:【「何だ。それじゃ新米のひとでだ。ほやほやの悪党だ。」】 by『双子の星』 4179. ほやほや:【「暖かそうだよ。どうだ。湯気さえほやほやと立っているよ。」】 by『フランドン農学校の豚』 4180. ぼやぼや:【こいつらは人の眼には見えないのですが、一ぺん風に狂い出すと、台地のはずれの雪 の上から、すぐぼやぼやの雪雲をふんで、空をかけまわりもするのです。】 by『水仙月の四日』 4181. ぼやぼや:【雪婆(ゆきば)んごの、ぼやぼやつめたい白髪は、雪と風とのなかで渦になりました。】 by『水仙月の四日』 4182. ぼやぼや:【「二人がも一度、樺の木の生えた丘をまわったとき、いきなり眼の前に白いほこりのぼ やぼや立った大きな道が、横になっているのを見た。」】 by『黄いろのトマト』 4183. ぼやぼや:【猫のような耳をもち、ぼやぼやした灰いろの髪をした雪婆(ゆきば)んごは、西の山脈の、 ちぢれたぎらぎらの雲を越えて、遠くへでかけていたのです。】 by『水仙月の四日』 4184. ぼりぼり:【太い根や枝までついた、ぼりぼりに折られた太い薪でした。】 by『祭の晩』 4185. ボローン:【とうとう狼をたべてから二十五日めに狸はからだがゴム風船のようにふくらんでそれから ボローンと鳴って裂けてしまった。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 4186. ぽろっ:【騎兵はだんだん橋を渡り、最后の一人がぽろっと光って、それからみんな見えなくなりまし た。】 by『イギリス海岸』 4187. ぽろっ:【ブドリがいよいよ呆(あき)れて見ていますと、間もなく大博士は、向うの大きな灰いろの建物 の平屋根に着いて船を何かかぎのようなものにつなぐと、そのままぽろっと建物の中へ入っ て見えなくなってしまいました。】 by『グスコーブドリの伝記』 4188. ぽろっ:【するとまるで注文通り小屋の中からさっきの若い男がぽろっと出て来た。】 by『税務署長の冒険』 4189. ホロホロ:【とのさまがえるはホロホロ悔悟のなみだをこぼして、「ああ、みなさん、私がわるかった のです。私はもうあなた方の団長でもなんでもありません。私はやっぱりただの蛙です。あ したから仕立屋をやります。」】 by『カイロ団長』 4190. ほろほろ:【「そのときと鰯もつぐみもまっ黒な鯨やくちばしの尖ったキスも出来ないような鷹に食べ られるよりも仁慈あるビジテリアン諸氏に泪をほろほろそそがれて喰べられた方がいいと 云わないだろうか。」】 by『ビジテリアン大祭』 4191. ぼろぼろ:【尤(もっと)もそれは間もなく日光にあたってぼろぼろに裂け、度々の出水に次から次と削 られては行きましたが、新らしいものも又出て来ました。】 by『イギリス海岸』 4192. ぼろぼろ:【それは、茶いろの少しぼろぼろの外套を着て、白い巾でつつんだ荷物を、二つに分け て肩に掛けた、赤髯のせなかのかがんだ人でした。】 by『銀河鉄道の夜』 4193. ぼろぼろ:【すると山羊小屋の中からファゼーロよりも三つばかり年上のちゃんときゃはんをはいて ぼろぼろになった青い皮の上着を着た顔いろのいいわか者が出てきてわたくしにおじぎしま した。】 by『ポラーノの広場』 4194. ぼろぼろ:【恭一はびっくりしてまた顔をあげてみますと、列のよこをせいの低い顔の黄いろなじいさ んがまるでぼろぼろの鼠(ねずみ)いろの外套(がいとう)を着て、でんしんばしらの列を見まわしな がら、「お一二、お一二、」と号令をかけてやってくるのでした。】 by『月夜のでんしんばしら』 4195. ぼろぼろ:【いかにも、たばこのほしいのをむりにこらえているらしく、なみだをぼろぼろこぼしまし た。】 by『どんぐりと山猫』 4196. ぼろぼろ:【ですから今夜だって、みんなが町の広場にあつまって、一緒に星めぐりの歌をうたった り、川へ青い烏瓜のあかしを流したりする、たのしいケンタウル祭なのに、ジョバンニはぼろ ぼろのふだん着のままで、病気のおっかさんの牛乳の配られて来ないのをとりに、下の町 はずれまで行くのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4197. ぼろぼろ:【それは、茶いろの少しぼろぼろの外套(がいとう)を着て、白い巾でつつんだ荷物を、二つ に分けて肩に掛けた、赤髯(ひげ)のせなかのかがんだ人でした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4198. ぼろぼろ:【そのときキッコは向うから灰いろのひだのたくさんあるぼろぼろの着物を着た一人のお じいさんが大へん考え込んでこっちへ来るのを見ました。】 by『みじかい木ペン』 4199. ぼろぼろ:【キッコはまだ涙をぼろぼろこぼしながら見ましたらその鉛筆は灰色でごそごそしておま けに心の色も黒でなくていかにも変な鉛筆でした。】 by『みじかい木ペン』 4200. ぼろぼろ:【一郎はその自分の泣きながらはだしで走って行ってぼろぼろの布が風でうしろへなび いている景色を頭の中に考えて一そう恐ろしくかなしくてたまらなくなりました。】 by『ひかりの素足』 4201. ぼろぼろ:【「まだそんなでない。けれどもどうも岩がぼろぼろ上から落ちているらしいんだ。」】 by『グスコーブドリの伝記』 4202. ぼろぼろ:【樺の木はどちらかと云えば狐の方がすきでした。なぜなら土神の方は神という名こそ ついてはいましたが、ごく乱暴で髪もぼろぼろの木綿糸の束のよう眼も赤くきものだってま るでわかめに似、いつもはだしで爪も黒く長いのでした。】 by『土神ときつね』 4203. ぼろぼろ:【それからいかにもむしゃくしゃするという風にそのぼろぼろの髪毛を両手で掻きむしっ ていました。】by『土神ときつね』 4204. ぼろぼろ:【丁度ぼろぼろになった地図を組み合せる時のように息をこらしてじっと見つめながらい ろいろにはぎ合せているのをちらっと私は見ました。】 by『サガレンと八月』 4205. ぼろぼろ:【タネリは辛い塩水の中でぼろぼろ涙をこぼしました。】 by『サガレンと八月』 4206. ぼろぼろ:【かよがとうとうぼろぼろ涙をこぼしたのを見るとだまって右手に持っていた半分ばかり になった鉛筆を佐太郎の眼の前の机におきました。】 by『風の又三郎』 4207. ぼろぼろ:【涙がぼろぼろこぼれたのです。】 by『黄いろのトマト』 4208. ぼろぼろ:【将軍は倒れた馬のせなかでひとりぼろぼろ泪を流しとうとうしくりあげて言う。】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 4209. ぼろぼろ:【「おや。君の靴がぼろぼろだね。どうしたんだろう。」】 by『蛙のゴム靴』 4210. ぼろぼろ:【駆逐艦隊はもうあんまりうれしくて、熱い涙をぼろぼろ雪の上にこぼしました。】 by『烏の北斗七星』 4211. ぼろぼろ:【ごくとしよりの馬などは、わざわざ蹄鉄をはずされて、ぼろぼろなみだをこぼしながら、そ の大きな判をぱたっと証書に押したのだ。】 by『フランドン農学校の豚』 4212. ぼろぼろ:【ゴーシュはその粗末な箱みたいなセロをかかえて壁の方へ向いて口をまげてぼろぼろ 泪(なみだ)をこぼしましたが、気をとり直してじぶんだけたったひとりいまやったところをはじめ からしずかにもいちど弾きはじめました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 4213. ポロポロ:【今度は向うの三番書記の三毛猫が、朝仕事を始める前に、筆がポロポロころがって、と うとう床に落ちました。】 by『寓話 猫の事務所』 4214. ボロボロ:【兎もそうきいていると、たいへんうれしくてボロボロ涙をこぼして云いました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 4215. ボロボロ:【兎もそうきいていると、たいへんうれしくてボロボロ涙をこぼして云いました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 4216. ボロボロ:【「耳はボロボロの麻のはんけち或は焼いたするめのようだ。」】 by『月夜のけだもの』 4217. ボロボロ:【実際ゴム靴はもうボロボロになって、カン蛙の足からあちこちにちらばって、無くなりまし た。】 by『蛙のゴム靴』 4218. ぽろぽろっ:【それからもう四粒ばかりぽろぽろっところがって来たと思うとあとは器械ばかりまるで 今までとちがった楽なような音をたてながらまわりつづけました。】 by『耕耘部(こううんぶ)の時計』 4219. ぽろぽろぽろぽろ:【こうしてこしらえた黄いろな糸が小屋に半分ばかりたまったころ、外に置いた繭 からは、大きな白い蛾がぽろぽろぽろぽろ飛びだしはじめました。】 by『グスコーブドリの伝記』 4220. ぼろん:【小さなみそさざいどもは、みんなまるでまん円(まる)になって、ぼろんと飛んでしまったので す。】 by『十月の末』 4221. ぼろん:【それから飛んで行ったらしくぼろんという羽の音も聞え樺の木からは雫(しずく)がきらきら光 って降りました。】 by『みじかい木ペン』 4222. ぼろん:【悪魔の弟子はさっそく大きな雀の形になってぼろんと飛んで行きました。】 by『ひのきとひなげし』 4223. ぼろん:【ゴーシュが叫びますといきなり天井の穴からぼろんと音がして一疋の灰いろの鳥が降りて 来ました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 4224. ボロン、ボロン、ボロロン:【ボロン、ボロン、ボロロン、とどらが鳴りました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 4225. ボロンボロン:【ゴーシュはセロを取り上げてボロンボロンと糸を合せてドレミファソラシドとひきまし た。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 4226. ほん:【神経なんというのはほんの少ししか働きません。】 by『ビジテリアン大祭』 4227. ほん:【するとかげろうは手を合せて「お慈悲でございます。遺言のあいだ、ほんのしばらくお待ちな されて下されませ。」とねがいました。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 4228. ほん:【「貴さまの大好きの朝鮮人蔘をほんの一口たべんかい。おい。」】 by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』 4229. ほん:【その旅人と云っても、馬を扱う人の外は、薬屋か林務官、化石を探す学生、測量師など、ほ んの僅かなものでした。】 by『種山ヶ原』 4230. ほん:【ほんのまぐれあたりでもあんまり度々になるととうとうそれがほんとになる。】 by『インドラの網』 4231. ポン:【大三もしばらくは困って立っていましたが、やがてポンと手を叩いて云いました。】 by『よく利く薬とえらい薬』 4232. ぽん:【その男は籠の中から円(まる)い餅をとり出してぽんと投げながら言いました。】 by『グスコーブドリの伝記』 4233. ぽん:【倒れている木樵のからだを向うの草はらの方へぽんと投げ出しました。】 by『土神ときつね』 4234. ポンポコポンポン:【そして狸はポンポコポンポンとはらつづみをうちました。】 by『蜘蛛となめくじと狸』 4235. ぼんぼん:【「島で銅鑼がだるそうにぼんぼんと鳴り椰子の木もパンの木も一ぱいにからだをひろげ てだらしなくねむっているよう、赤い魚も水の中でもうふらふら泳いだりじっととまったりして夢 を見ているんだ。」】 by『風野又三郎』 4236. ぽんぽん:【ぽんぽんと手で足のうらをたたきました。】 by『山男の四月』 4237. ぽんぽん:【すると狸の子は棒をもってセロの駒の下のところを拍子をとってぽんぽん叩きはじめま した。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 4238. ポンポン:【そして麦束はポンポン叩かれたと思うと、もうみんな粒が落ちていました。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 4239. ポンポン:【たちまち空で白いけむりが起り、ポンポンと音が下って来それから青い柳のけむりが垂 れ、その間を燕の形の黒いものが、ぐるぐる縫って進みました。】 by『ビジテリアン大祭』 4240. ポンポンポンポン:【片っぱしからあまがえるの緑色の頭をポンポンポンポンたたきつけました。】 by『カイロ団長』 4241. ぼんやり:【小十郎はやっぱりぼんやり立っていた。】 by『なめとこ山の熊』 4242. ぼんやり:【ぼんやりたき火をながめながら、わらの上に横になり、手を頭の上で組み うとうとうと うとした。】 by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』 4243. ぼんやり:【穂吉はこれをぼんやり夢のように聞いていました。】 by『二十六夜』 4244. ぼんやり:【「だめだ、磁石じゃ探せないから。」とぼんやり云いました。】 by『ポラーノの広場』 4245. ぼんやり:【わたくしどもがこの前別れたところへ来たころは丁度夕方の青いあかりがつめくさにぼ んやり注いでいて、その葉の爪の痕のような紋ももう見えなくなりかかったときでした。】 by『ポラーノの広場』 4246. ぼんやり:【恭一は見ているのさえ少しつかれてぼんやりなりました。】 by『月夜のでんしんばしら』 4247. ぼんやり:【月が車室のちょうど天井にかかっているらしく、窓の氷はただぼんやり青白いばかり、 電燈は一そう暗くなりました。】 by『氷と後光(習作)』 4248. ぼんやり:【「何をぼんやりしてるんだ。早くとれとれ。」理助が云いました。】 by『谷』 4249. ぼんやり:【そしてぼんやり立っている虔十にきげんよく云いました。】 by『虔十(けんじゅう)公園林』 4250. ぼんやり:【農夫長はじき一時だと云い、時計もたしかにがちっと鳴り、それに針は二十分前、今朝 は進んでさっきは合い、今度は十五分おくれている、赤シャツはぼんやりダイヤルを見てい ました。】 by『耕耘部(こううんぶ)の時計』 4251. ぼんやり:【亮二がぼんやりそのおかしな形の空気獣の看板を見ているうちに、達二が又云いまし た。】 by『祭の晩』 4252. ぼんやり:【そこらがぼんやりかすんで来たのでもわかりました。】 by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』 4253. ぼんやり:【ぼんやり白い水明りを見ました。】by『ガドルフの百合』 4254. ぼんやり:【向うのぼんやり白いものは、かすかにうごいて返事もしませんでした。】 by『ガドルフの百合』 4255. ぼんやり:【いままでばけもののように、長くぼんやり、うしろへ引いていたジョバンニの影ぼうしは、 だんだん濃く黒くはっきりなって、足をあげたり手を振ったり、ジョバンニの横の方へまわっ て来るのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4256. ぼんやり:【おしまいとうとう、みんなぼんやり白くなって、眼をつぶるのでした。】 by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』 4257. ぼんやり:【林を出てから空を見ますと、さっきまでお月さまのあったあたりはやっとぼんやりあかる くて、そこを黒い犬のような形の雲がかけて行き、林のずうっと向うの沼森のあたりから、「赤 いしゃっぽのカンカラカンのカアン。」と画かきが力いっぱい叫んでいる声がかすかにきこえ ました。】 by『かしわばやしの夜』 4258. ぼんやり:【その時ネネムは、ふともっと向うを見ますと、大低五間隔(お)きぐらいに、あくびをしたり うでぐみをしたり、ぼんやり立っているものがまだまだたくさん続いています。】 by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 4259. ぼんやり:【山男がこんなことをぼんやり考えていますと、その澄み切った碧(あお)いそらをふわふわ うるんだ雲が、あてもなく東の方へ飛んで行きました。】 by『山男の四月』 4260. ぼんやり:【けれども私はあんまりこのあっけなさにぼんやりしてしまいました。】 by『ビジテリアン大祭』 4261. ぼんやり:【そこではまっくろな泥が、あたたかに春の湯気を吐き、そのあちこちには青じろい水ばし ょう、牛(べご)の舌の花が、ぼんやりならんで咲いていました。】 by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』 4262. ぼんやり:【嘉(か)ッコは呆(あき)れてぼんやりとむしろに座りました。】 by『十月の末』 4263. ぼんやり:【「ぼんやりした黄いろのランプの下へ頭をあげたまま誰も何とも云わないんです。」】 by『化物丁場(ばけものちょうば)』 4264. ぼんやり:【キッコは自分の手首だか何だかもわからないような気がして呆れてしばらくぼんやり見 ていました。】 by『みじかい木ペン』 4265. ぼんやり:【また、普通の顕微鏡で見えないほどちいさなものでも、ある装置を加えれば約○、○○ ○○○五粍(ミリ)位までのものならばぼんやり光る点になって視野にあらわれその存在だけ を示します。】 by『手紙』 4266. ぼんやり:【ぼんやりと立ちながら、一つぶのばらの実を唇にあてました。】 by『よく利く薬とえらい薬』 4267. ぼんやり:【楢夫は返事しないで何かぼんやりほかのことを考えているようでした。】 by『ひかりの素足』 4268. ぼんやり:【「ええ。」私は外のことを考えながらぼんやり返事をしました。】 by『毒蛾』 4269. ぼんやり:【とうとう二人はぼんやり家へ帰って中へはいりますと、まるで死んだように睡(ねむ)ってし まいました。】 by『グスコーブドリの伝記』 4270. ぼんやり:【見ると唇のいろまで水いろになって、ぼんやりまっすぐ見つめているのです。】 by『グスコーブドリの伝記』 4271. ぼんやり:【電光の合間に、東の雲の海のはてがぼんやり黄ばんでいるのでした。】 by『グスコーブドリの伝記』 4272. ぼんやり:【「全体星というものははじめはぼんやりした雲のようなもんだったんです。】 by『土神ときつね』 4273. ぼんやり:【もうそのころは、ぼんやり暗くなって、まだ三時にもならないに、日が暮れるように思わ れたのです。】 by『水仙月の四日』 4274. ぼんやり:【肩をひどく打ってタネリが起きあがって見ましたらそこはもう海の底で上の方は青く明る くただ一とこお日さまのあるところらしく白くぼんやり光っていました。】 by『サガレンと八月』 4275. ぼんやり:【風はますます吹きつのり、西のそらが変にしろくぼんやりなってどうもあやしいと思って いるうちにチラチラチラチラとうとう雪がやって参りました。】 by『シグナルとシグナレス』 4276. ぼんやり:【光ったり陰ったり幾通りにも重なったたくさんの丘の向うに川に沿ったほんとうの野原が ぼんやり碧(あお)くひろがっているのでした。】 by『風の又三郎』 4277. ぼんやり:【学校のうしろの山もぼんやりしか見えませんでした。】 by『風の又三郎』 4278. ぼんやり:【かま猫もぼんやり立って、下を向いたままおじぎをしました。】 by『寓話 猫の事務所』 4279. ぼんやり:【「夜がぼんやりうすあかるくてそして大へんみじかくなる。」】 by『風野又三郎』 4280. ぼんやり:【そこでひもじいのを我慢して、ぼんやりしたお月様の光で網をかけはじめた。】 by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』 4281. ぼんやり:【花壇の遠くの方などはもうぼんやりと藍いろです。】 by『ひのきとひなげし』 4282. ぼんやり:【ホモイは何だか嬉しいようなおかしいような気がしてぼんやり考えながら、にわとこの木 の陰に行きました。】 by『貝の火』 4283. ぼんやり:【須利耶(すりや)さまも従弟(いとこ)さまも鉄砲をもったままぼんやりと立っていられました。】 by『雁(かり)の童子』 4284. ぼんやり:【「それからあれを染めるには何でも黒いしめった土をつかうというはなしもぼんやりおぼ えています。」】 by『紫紺染(しこんぞめ)について』 4285. ぼんやり:【「ネリはその粉を四百グレンぐらいずつ木綿の袋につめ込んだりつかれてぼんやり戸口 によりかかりはたけをながめていたりする。」】 by『黄いろのトマト』 4286. ぼんやり:【「ほこりの為にお日さまはぼんやり赤くなった。」】 by『黄いろのトマト』 4287. ぼんやり:【耕平のうちには黄いろのランプがぼんやりついて、馬屋では馬もふんふん云っていま す。】 by『葡萄水』 4288. ぼんやり:【だいいち輪廓のぼんやり白く光ってぷるぷるぷるぷる顫(ふる)えていることでもわかりま す。】 by『朝に就(つい)ての童話的構図』 4289. ぼんやり:【「雪の降る日はひるまでも そらはいちめんまっくらで わずかに雁(がん)の行くみちが ぼんやり白く見えるのだ。」】 by『北守将軍と三人兄弟の医者』 4290. ぼんやり:【カン蛙のうちの前のつめくさは、うす濁(にご)った水をかぶってぼんやりとかすんで見え ました。】 by『蛙のゴム靴』 4291. ぼんやり:【「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりし ていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」】 by『銀河鉄道の夜』 4292. ぼんやり:【そして、とうとう、大きなてっぺんの焼けた栗の木の前まで来た時、ぼんやり幾つにも岐 (わか)れてしまいました。】 by『種山ヶ原』 4293. ぼんやり:【全く霧は白く痛く竜の髯の青い傾斜はその中にぼんやりかすんで行きました。】 by『マグノリアの木』 4294. ぼんやり:【いままでやすんでいた虫どもが、ぼんやりといま眼をさまし、しずかに息をするらしいの です。】 by『イーハトーボ農学校の春』 4295. ぼんやり:【助手は唇へ指をあて、しばらくじっと考えて、それからぼんやり返事した。】 by『フランドン農学校の豚』 4296. ぼんやり:【教師は教員室へ帰り豚はもうすっかり気落ちして、ぼんやりと向うの壁を見る、動きも叫 びもしたくない。】 by『フランドン農学校の豚』 4297. ぼんやり:【却って私は草穂と風の中に白く倒れている私のかたちをぼんやり思い出しました。】 by『インドラの網』 4298. ぼんやり:【ぼんやりとしてそれでいて何だか堅苦しそうにしている新入生はおかしなものだ。】 by『或る農学生の日誌』 4299. ぼんやり:【すると狸の子はぼんやりした顔をしてきちんと床へ座ったままどうもわからないというよう に首をまげて考えていましたが、しばらくたって「狸汁ってぼく知らない。」と云いました。】 by『セロ弾きのゴーシュ』 4300. ぼんやり:【太陽は少しの午睡(ごすい)のあとのようにどこか青くぼんやりかすんではいますがたしか にかがやく五月のひるすぎを拵(こしら)えました。】 by『チュウリップの幻術』 |
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『イーハトーヴ・オノマトペ・文例辞典7 ま〜わ』 へつづく、だなす。2006.12.15. |
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