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1. ああ:【「ああ、ここはすっかりもとの通りだ。木まですっかりもとの通りだ。木は却(かえ)って小さくなったよう
だ。 みんなも遊んでいる。ああ、あの中に私や私の昔の友達が居ないだろうか。」】
by『虔十(けんじゅう)公園林』
2. ああ:【「ああかっこう。あのときはすまなかったなあ。おれは怒ったんじゃなかったんだ。」と云いました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
3. あっ:【「その代(かわ)りおまえは、おれの死んだ息子の読んだ本をこれから一生けん命勉強して、いままで
おれを山師だといってわらったやつらを、、あっと云わせるような立派なオリザを作る工夫をしてく
れ。」】
by『グスコーブドリの伝記』
4. アッ:【ホモイが入り口でアッと云って倒れました。】
by『貝の火』
5. あっさり:【『わしはね、ごくあっさりとやって貰いたいじゃ。』】
by『林の底』
6. あっはっは:【あっはっは。みなさん。とうとう九月六日になりました。夕方、紫紺染(しこんぞめ)に熱心な人た
ちが、みんなで二十四人、内丸西洋軒に集まりました。】
by『紫紺染(しこんぞめ)について』
7. アッハッハッハ:【「それではお気をつけて。おみやげをとっこべとらこに取られないようにアッハッハッハ」】
by『とっこべとら子』
8. あっはは、あっはは:【画(え)かきはあっはは、あっははとびっこのような笑いかたをしました。】
by『かしわばやしの夜』
9. あっぷあっぷ:【「あっぷあっぷ溺れるまねをしたりなんかもするねえ、そんなことをしてふざけながらちゃん
と魚をつかまえるんだからえらいや、魚をつかまえてこんどは大威張りで又氷にあがるんだ。」】
by『風野又三郎』
10. あぶあぶ:【そうすると、魚はみんな毒をのんで、口をあぶあぶやりながら、白い腹を上にして浮びあがる
のです。】
by『毒もみのすきな署長さん』
11. アプッ:【するとアプッと云って死んでしまいました。】
by『よく利く薬とえらい薬』
12. ありあり:【さて平右衛門もあまりといえばありありとしたその白狐の姿を見ては怖さが咽喉(のど)までこみ
あげましたが、みんなの手前もありますので、やっと一声切り込んで行きました。】
by『とっこべとら子』
13. ありあり:【もうマジエル様と呼ぶ烏の北斗七星が、大きく近くなって、その一つの星のなかに生えている青
じろい苹果(りんご)の木さえ、ありありと見えるころ、どうしたわけか二人とも、急にはねが石のよう
にこわばって、まっさかさまに落ちかかりました。】
by『烏の北斗七星』
14. あんまり:【鳥の声があんまりやかましいので一郎は目をさましました。】
by『ひかりの素足』
15. あんまり:【「いや、そう仰っしゃってはあんまりでございます。」】
by『月夜のけだもの』
16. あんまり:【「あんまり気取ってやがる、畜生。」】
by『チュウリップの幻術』
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17. いきいき:【今日はまるでいきいきした顔いろになってにかにかにかにか笑っています。】
by『イーハトーボ農学校の春』
18. いそいそ:【みんなはまるで子供のようにいそいそしてしまいました。】
by『四又の百合』
19. いっこう:【ところがどうも困ったことは、どっちへ行けば戻れるのか、いっこう見当がつかなくなっていまし
た。】
by『注文の多い料理店』
20. いっさん:【ジョバンニはいっさんに丘を走っておりました。】
by『銀河鉄道の夜』
21. いっぷかぷ(アップアップの方言):【青い 仮面(めん)この こけおどし、 太刀を 浴びては いっぷかぷ、】
by『種山ヶ原』
22. イヒン、ヒン、ヒン、ヒン、ヒン:【「イヒン、ヒン、ヒン、ヒン、ヒン、」】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
23. いやいや:【「それでもいやいや日に二つ三つはやってましたが、そのやり方もごく大ざっぱになって来て、
茶いろと白と黒とで、細いぶちぶちにして呉れと頼んでも、黒は抜いてしまったり、赤と黒とで縞に
して呉れと頼んでも、燕のようにごく雑作なく染めてしまったり、実際なまけ出したのでした。」】
by『林の底』
24. いよいよ:【声はいよいよ高くなる。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
25. いよいよ:【(爪もあんまり尖(とが)っているしいよいよこわい。)山男はそっとこうおもいました。】
by『山男の四月』
26. いらいら:【ジョバンニはまるでたまらないほどいらいらしながらそれでも堅く唇を噛んで、こらえて窓の外
を見ていました。】
by『銀河鉄道の夜』
27. いらいら:【「丁度力が同じだとしばらくとまったりこの前のサイクルホールになったりするし勝ったってよっ
ぽど手間取るんだからそらぁ実際気がいらいらするんだよ。」】
by『風野又三郎』
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28. うう:【鍵穴の眼玉はたちまちなくなり、犬どもはううとうなってしばらく室(へや)の中をくるくる廻っていました
が、また一声「わん。」と高く吠えて、いきなり次の扉に飛びつきました。】
by『注文の多い料理店』
29. うう:【するとちょうざめがううと一つうなりました。】
by『サガレンと八月』
30. ウウゥイ:【それからどうした、ウン、するとかつおぶしがウウゥイ、ころは元禄十四年んん、おいおい、そ
れは何だい、うん、なにさ、かつおぶしだもふしばかり、ワッハハアッハハ、まあのめ、さあ一杯、
なんて大さわぎでした。】
by『とっこべとら子』
31. うううう:【それからシグナルは、ううううと云いながら眼をぱちぱちさせてしばらくの間だまって居ました。】
by『シグナルとシグナレス』
32. うかうか:【「ここの道理をよく聴きわけて、必ずうかうか短い一生をあだにすごすではないぞよ。」】
by『二十六夜』
33. うきうき:【夕方は、お日さまの光が木や草の緑を飴色にうきうきさせるまで歌ったり笑ったり叫んだりして
仕事をしました。】
by『カイロ団長』
34. うじゃうじゃ:【見たまえ、学士の来た方の 泥の岸はまるでいちめん うじゃうじゃの雷竜(らいりゅう)どもなの
だ。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
35. うずうず:【さて将軍の馬の方は、坂をうずうずのぼって行く】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
36. うつうつ:【やはりうつうつ寝たふりをしました。】
by『氷河鼠の毛皮』
37. うっかり:【「ほんとうに、済みませんでした。今日はひるすぎうっかりしてこうしの柵をあけて置いたもんで
すから大将早速親牛のところへ行って半分ばかり呑んでしまいましてね……」その人はわらいま
した。】
by『銀河鉄道の夜』
38. うっかり:【ですから斯(こ)う云う旅行のはなしを聞くことはみなさんにも決して差(さし)支(つか)えありませんが
あんまり度々うっかり出かけることはいけません。】
by『茨海(ばらうみ)小学校』
39. うっかり:【うっかり息を吸い込もうもんなら、胃から腸からすっかりまっ黒になったり、まっ赤になったりする
のでしたから、それはそれは気をつけて、顔を入れる前には深呼吸のときのように、息をいっぱい
に吸い込んで、染まったあとではもうとても胸いっぱいにたまった悪い瓦斯(ガス)をはき出すという
あんばいだったそうです。】
by『林の底』
40. うっとり:【やさしい虹は、うっとり西の碧(あお)いそらをながめていた大きな碧い瞳を、めくらぶどうに向けま
した。】
by『めくらぶどうと虹』
41. うっとり:【姉は弟を自分の胸によりかからせて眠らせながら、黒い瞳をうっとりと遠くへ投げて、何を見るで
もなしに考え込んでいるのでしたし、カムパネルラはまださびしそうにひとり口笛を吹き、男の子は
まるで絹で包んだ苹果(りんご)のような顔いろをしてねむって居りました。】
by『銀河鉄道の夜』
42. うっとり:【ブドリはまるでうっとりとしてそれに見とれました。】
by『グスコーブドリの伝記』
43. うっとり:【樺の木はうっとり昨夜(ゆうべ)の星のはなしをおもっていましたのでつい斯(こ)う云ってしまいまし
た。】
by『土神ときつね』
44. うっとり:【ホモイはうっとりそれを見とれました。】
by『貝の火』
45. うっとり:【マリヴロンは、うっとり西の碧いそらをながめていた大きな碧い瞳を、そっちへ向けてすばやく楽
譜に記された少女の名前を見てとった。】
by『マリヴロンと少女』
46. うっとり:【チャーナタはうっとりその青くすこし朧(おぼ)ろな水を見た。】
by『竜と詩人』
47. うつらうつら:【その八月二日の午すぎ、わたくしが支那漢時代の石に刻んだ画の説明をうつらうつら写し
ていましたら、給仕がうしろからいきなりわたくしの首すじを突っついて、「所長さん来いって。」と
いいました。】
by『ポラーノの広場』
48. うとうと:【そしてみんなはねむり、若いお父さんとお母さんもうとうとしました。】
by『氷と後光(習作)』
49. うとうと:【ひるすぎは先生もたびたび教壇で汗を拭き四年生の習字も五年生六年生の図画もまるでむし
暑くて書きながらうとうとするのでした。】
by『風の又三郎』
50. うとうと:【急いではねをひろげ姿勢を直し、大尉の居る方を見ましたが、またいつかうとうととしますと、こ
んどは山烏が鼻眼鏡などをかけてふたりの前にやって来て、大尉に握手しようとします。】
by『烏の北斗七星』
51. うとうと:【そして達二は又うとうとしました。】
by『種山ヶ原』
52. うとうと:【諒安はうとうとこう返事しました。】
by『マグノリアの木』
53. うとうと:【次の晩もゴーシュは夜通しセロを弾いて明方近く思わずつかれて楽器をもったままうとうとして
いますとまた誰か扉をこつこつと叩くものがあります。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
54. うとうとうとうと:【手を頭の上で組み うとうとうとうとした。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
55. うねうね:【それから黄いろな長いけむりがうねうね下って来ました。】
by『ビジテリアン大祭』
56. ウヘン:【『そしておいて、いきなり、ウヘン、ああ風でのどがぜいぜいする。』】
by『シグナルとシグナレス』
57. うむうむ:【柏の木大王も白いひげをひねって、しばらくうむうむと云いながら、じっとお月さまを眺めてか
ら、しずかに歌いだしました。】
by『かしわばやしの夜』
58. うようよ:【下では小猿共が手をうようよしているのが実に小さく見えます。】
by『さるのこしかけ』
59. うようよ:【病人がうようよしていたが将軍は構わず馬のままどしどし廊下へのぼって行く。】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
60. うらうら:【マジエルの星が、ちょうど来ているあたりの青ぞらから、青いひかりがうらうらと湧きました。】
by『烏の北斗七星』
61. うるうる:【まわりの山は、みんなたったいまできたばかりのようにうるうるもりあがって、まっ青なそらのし
たにならんでいました。】
by『どんぐりと山猫』
62. うろうろ:【うろうろ木の高いところを見ていましたしそれに林の前でぴたっと立ちどまったらしいのでした。】
by『二人の役人』
63. うろうろ:【するとじいさんはこんな悪者と話し合ってはどんな眼にあうかわからないというようにうろうろど
こか遁げ口でもさがすように立ちあがって、またべったり座りました。】
by『ポラーノの広場』
64. うろうろ:【とうとうこらえ切れなくなって、まっくらな森の中へ入って、いつかのホップの門のあたりや、湧水
のあるあたりをあちこちうろうろ歩きながら、お母さんを一晩呼びました。】
by『グスコーブドリの伝記』
65. うろうろ:【その辺をうろうろしていましたが考えれば考えるほど何もかもしゃくにさわって来るらしいのでし
た。】
by『土神ときつね』
66. うろうろ:【百姓どもは眼もくらみ、そこらをうろうろするだけだ。】
by『オツベルと象』
67. うろうろ:【「一年中うろうろど歩ってばがり居でいだずらばがりさな。」】
by『風野又三郎』
68. うろうろ:【税務署長は狐のようにうろうろ小屋のまわりをめぐった。】
by『税務署長の冒険』
69. うろうろ:【そこらをうろうろあるいている、病人たちをはね越こえて、門の前まで上っていた。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
70. うろうろうろうろ:【さあ、あまがえるはみんな泣き顔になって、うろうろうろうろやりましたがますますどうも
いけません。】
by『カイロ団長』
71. うろうろうろうろ:【夜中まで檻の中をうろうろうろうろしていた狐さえ、おかしな顔をしてねむっているようで
した。】
by『月夜のけだもの』
72. うろうろうろうろ:【狐も沢山くしゃみをして起きあがってうろうろうろうろ檻の中を歩きながら向うの獅子の
檻の中に居るまっくろな大きなけものを暗をすかしてちょっと見ました。】
by『月夜のけだもの』
73. うろうろうろうろ:【ネネムは泣いてどなって森の中をうろうろうろうろはせ歩きましたがとうとう疲れてばた
っと倒れてしまいました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
74. うろうろうろうろ:【土神は自分のほこらのまわりをうろうろうろうろ何べんも歩きまわってからやっと気がし
ずまったと見えてすっと形を消し融(と)けるようにほこらの中へ入って行きました。】
by『土神ときつね』
75. うろうろうろうろ:【うろうろうろうろそこらをあるきまわるだけです。】
by『寓話 猫の事務所』
76. うろうろうろうろ:【「大膳職はさっきからそのご命を待ち兼ねてうろうろうろうろ厨(くりや)の中を歩きまわっ
て居ります。」】
by『四又の百合』
77. うん:【ところが、悦治はひとりはさみを出したので、みんなにうんとはやされたほかに鬼になった。】
by『さいかち淵(ぶち)』
78. うん:【ただ耕一は昨日又三郎にあんなひどい悪戯をされましたのでどうしても今日は遭(あ)ってうんとひ
どくいじめてやらなければと思って自分一人でもこわかったもんですから一郎をさそって朝の八
時頃からあの草山の栗の木の下に行って待っていました。】
by『風野又三郎』
79. うん:【税務署長の考えではうんと悪口を云ってどれ位赤くなって怒る人があるかを見て大体その村の濁
密の数を勘定しようと云うのでした。】
by『税務署長の冒険』
80. うん:【「兵隊さん。構わないそうだよ。あれはきのこというものだって。何でもないって。アルキル中佐は
うんと笑ったよ。それからぼくをほめたよ。」】
by『朝に就ての童話的構図』
81. ウン:【蠍は頭に深い傷を受け、大烏は胸を毒の鈎(かぎ)でさされて、両方ともウンとうなったまま重なり合
って気絶してしまいました。】
by『双子の星』
82. ウンウン:【上でもみんなつかれて来てウンウンうなったり手がぐらぐらしたりしはじめました。】
by『けだものの運動会』
83. ウントコショ、ウントコショ、ウウントコショ:【「へいへい。ウントコショ、ウントコショ、ウウントコショ。ウウン
トコショ。」】
by『とっこべとら子』
84. うんとこせうんとこせ:【けれども蜘蛛は「うんとこせうんとこせ」と云いながら、一生けん命糸をたぐり出し
て、それはそれは小さな二銭銅貨位の網をかけました。】
by『蜘蛛となめくじと狸』
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85. えーえー:【シグナルはつばをのみこんだりえーえーとせきばらいをしたりしていましたが、やっと咽喉(の
ど)の痛いのが癒(なお)ったらしく、もう一ぺんシグナレスに話しかけました。】
by『シグナルとシグナレス』
86. エップカップ:【そんなふうにして、水の中で死ぬことは、この国の語(ことば)ではエップカップと云いました。
これはずいぶんいい語(ことば)です。】
by『毒もみのすきな署長さん』
87. えへん、えへん:【「うまい、じつにうまい。どうです、すこし林のなかをあるこうじゃありませんか。そうそう、
どちらもまだ挨拶を忘れていた。ぼくからさきにやろう。いいか、いや今晩は、野はらには小さく
切った影法師がばら播(ま)きですね、と。ぼくのあいさつはこうだ。わかるかい。こんどは君だよ。
えへん、えへん。」】
by『かしわばやしの夜』
88. エヘン、エヘン:【「エヘン、エヘン。」いきなりクンねずみが大きなせきばらいをしたので、タねずみはびっ
くりして飛びあがりました。】
by『クンねずみ』
89. エヘン。エヘン。エン。エッヘン。ヴェイ、ヴェイ:【「エヘン。エヘン。エン。エッヘン。ヴェイ、ヴェイ。」】
by『クンねずみ』
90. エヘンエヘン:【紺三郎がエヘンエヘンと咳払いをしながら幕の横から出て来て丁寧にお辞儀をしました。】
by『雪渡り』
91. エヘンエヘン:【エヘンエヘンと云っているのも聞えます。】
by『茨海(ばらうみ)小学校』
92. エヘンエヘンブルルル エヒンエヒン フウ:【もうあっちからもこっちからもエヘンエヘンブルルル エヒン
エヒン フウという馬の挨拶が聞えて来る。】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
93. えらえら:【麦こなしは芒(のぎ)がえらえらからだに入って大へんつらい仕事です。】
by『イギリス海岸』
94. えらえら:【いきが苦しくてまるでえらえらする毒をのんでいるようでした。】
by『ひかりの素足』
95. エン、エン、エイ、エイ:【「エン、エン、エイ、エイ。」クンねずみは又ひくくせきばらいをしました。】
by『クンねずみ』
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96. おいおい:【柱は困ってしまって、おいおい泣きました。】
by『ツェねずみ』
97. おいおい:【狐もおいおい泣きだしました。】
by『月夜のけだもの』
98. おお、ホイホイ、おお、ホイホイ:【「おお、ホイホイ、おお、ホイホイ。」と云いながら俄かにあわてだして風
のように家を出て行きました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
99. おおほいほい。おおほいほい:【そのまま「おおほいほい。おおほいほい。」とどなりながら、風のように家
を出て行きました。】
by『グスコーブドリの伝記』
100. おずおず:【赤ひげの人が、少しおずおずしながら、二人に訊きました。】
by『銀河鉄道の夜』
101. おずおず:【赤ひげの人が、少しおずおずしながら、二人に訊きました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
102. おずおず:【ブドリは夢ではないかと思いましたら、まもなく一人の日に焼けた百姓のおかみさんのような
人が、おずおずと入って来ました。】
by『グスコーブドリの伝記』
103. おずおず:【それを呑んだためかさっき草の中に投げ出された木樵(きこり)はやっと気がついておずおずと
起きあがりしきりにあたりを見廻しました。】
by『土神ときつね』
104. おずおず:【一つの黄色のダァリヤが、おずおずしながら云いました。】
by『まなづるとダァリヤ』
105. おっ:【「やりますとも、おっと沢山沢山。」】
by『チュウリップの幻術』
106. おっほほほほほほん:【「ふくろはのろづき、おっほほほほほほん」】
by『かしわばやしの夜』
107. おどおど:【痩(や)せて青ざめて眼ばかり大きな子、髪の赫(あか)い小さな子、骨の立った小さな膝を曲げる
ようにして走って行く子、みんなからだを前にまげておどおど何かを恐れ横を見るひまもなくただ
ふかくふかくため息をついたり声を立てないで泣いたり、ぞろぞろ追われるように走って行くので
した。】
by『ひかりの素足』
108. おほん、おほん:【「のろづきおほん、のろづきおほん、おほん、おほん、ごぎのごぎのおほん、おほん、お
ほん、」とたくさんのふくろうどもが、お月さまのあかりに青じろくはねをひるがえしながら、するす
るするする出てきて、柏の木の頭の上や手の上、肩やむねにいちめんにとまりました。】
by『かしわばやしの夜』
109. オホン、オホン:【梟が目玉を途方もない方に向けながら、しきりに「オホン、オホン」とせきばらいをしま
す。】
by『貝の火』
110. おやおや:【(おやおや、あの手の指はずいぶん細いぞ。爪もあんまり尖(とが)っているしいよいよこわい。)
山男はそっとこうおもいました。】
by『山男の四月』
111. おろおろ:【女のふくろうにはおろおろ泣いているのもありましたし、男のふくろうはもうとても斯(こ)うしてい
られないというようにプリプリしていました。】
by『二十六夜』
112. おろおろ:【説教の坊さんの声が、俄におろおろして変りました。】
by『二十六夜』
113. おろおろ:【中ではこんどは山猫博士の馬車別当が何か訊かれているようす、たびたび、何か高声でどな
りつけるたびに馬車別当のおろおろした声がきこえていました。】
by『ポラーノの広場』
114. おろおろ:【すると陳が外でおろおろ声を出しました。】
by『山男の四月』
115. おろおろ:【そして何か云おうとしたようでしたが、あんまり嬉しかったと見えて、もうなんにも云えず、ただ
おろおろと泣いてしまいました。】
by『ビジテリアン大祭』
116. おろおろ:【おかみさんはおろおろ泣きはじめました。】
by『グスコーブドリの伝記』
117. おろおろ:【樺の木はおろおろ声になりました。】
by『土神ときつね』
118. おろおろ:【とうとう木樵(きこり)はおろおろ泣き出しました。】
by『土神ときつね』
119. オンオンオンオン、ゴゴンゴーゴーゴゴンゴー:【『オンオンオンオン、ゴゴンゴーゴーゴゴンゴー。』】
by『シグナルとシグナレス』
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120. があ:【「があ、艦長殿、点呼の時間でございます。一同整列して居ります。」】
by『烏の北斗七星』
121. があ:【たちまち杜(もり)はしずかになって、ただおびえて脚をふみはずした若い水兵が、びっくりして眼を
さまして、があと一発、ねぼけ声の大砲を撃つだけでした。】
by『烏の北斗七星』
122. かあお:【「かあお、ずいぶんお待ちしたわ。いっこうつかれなくてよ。」】
by『烏の北斗七星』
123. かあお、かあお、かあお、かあお:【「それではあたし、あんまりひどいわ、かあお、かあお、かあお、かあ
お」】
by『烏の北斗七星』
124. があがあ:【ところが、そのときはもう、そらがいっぱいの黒い雲で、楊も変に白っぽくなり、蝉ががあがあ
鳴いていて、そこらは何とも云われない、恐ろしい景色にかわっていた。】
by『さいかち淵(ぶち)』
125. があがあ:【『これは本当の暴風ですね、林ががあがあ云ってますよ、枝も折れてますよ。』】
by『風野又三郎』
126. があがあ:【「があがあ、遅くなって失敬。今日の演習で疲れないかい。」】
by『烏の北斗七星』
127. ガアガア:【「母(があ)、こう云(ゆ)にしてガアガアど聞えるものぁ何だべ。」】
by『十月の末』
128. ガアガア:【林はガアガアと鳴り、カン蛙のうちの前のつめくさは、うす濁(にご)った水をかぶってぼんやりと
かすんで見えました。】
by『蛙のゴム靴』
129. があがあがあがあ:【みんなその梢の中に入ってしばらくがあがあがあがあ鳴いていましたが、まもなくし
いんとなってしまいました。】
by『鳥をとるやなぎ』
130. があがあがあがあ:【艦隊はいっせいに、があがあがあがあ大砲をうちました。】
by『烏の北斗七星』
131. ガアガアコーコー:【「ばさん、こう云(ゆ)にしてガアガアコーコーど鳴るものぁ何だべ。」】
by『十月の末』
132. カーカーココーコー、ジャー:【「カーカーココーコー、ジャー。」という水の流れるような音が聞えるのでし
た。】
by『十月の末』
133. ガアガアッ:【「雹(ひょう)だ。」お父さんが云いました。ガアガアッと云うその雹(ひょう)の音の向うから、「ホー
ォ。」ととなりの善コの声が聞えます。】
by『十月の末』
134. ガァッ:【「そして俄に耳もとでガァッと云う声がするからびっくりして眼を醒(さ)ましたのだ。」】
by『月夜のけだもの』
135. があっ:【すると森までががあっと叫んで熊はどたっと倒れ赤黒い血をどくどく吐き鼻をくんくん鳴らして死
んでしまうのだった。】
by『なめとこ山の熊』
136. があっ:【石はその半分も行きませんでしたが、百舌はにわかにがあっと鳴って、まるで音譜をばらまきに
したように飛びあがりました。】
by『鳥をとるやなぎ』
137. カーララ、カーララ、カー:【からすカーララ、カーララ、カー、】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
138. カアン:【「あっ。裁判長がしくじった。」と誰かがけたたましく叫んでいるようでしたが、ネネムはもう頭がカ
アンと鳴ったまままっ黒なガツガツした岩の上に立っていました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
139. カアン:【おしまいの音がカアンと向うから戻って来ました。】
by『貝の火』
140. カーン:【大学士はカーンと鳴った。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
141. カーン:【署長さんは落ち着いて、卓子(テーブル)の上の鐘を一つカーンと叩いて、赤ひげのもじゃもじゃ生え
た、第一等の探偵を呼びました。】
by『毒もみのすきな署長さん』
142. がぁん:【といきなりうしろから一つがぁんとやられた。】
by『税務署長の冒険』
143. があん:【と思うと小十郎はがあんと頭が鳴ってまわりがいちめんまっ青になった。】
by『なめとこ山の熊』
144. ガアン:【ガアンと頭が鳴った。】
by『税務署長の冒険』
145. ガーン:【とうとうガーンと気絶してしまいました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
146. ガーン、ドロドロドロドロドロ、ノンノンノンノン:【「ガーン、ドロドロドロドロドロ、ノンノンノンノン。」と耳もや
ぶれるばかりの音がやって来ました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
147. がくがく:【「何だい。」といいましたが、からだはやはりがくがくふるっていました。】
by『風の又三郎』
148. かくっ:【手拭(てぬぐい)の上にすっかり頭を下げて、それからいかにも不審だというように、頭をかくっと動
かしましたので、こっちの五疋(ひき)がはねあがって笑いました。】
by『鹿(しし)踊りのはじまり』
149. かさかさ:【だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。】
by『注文の多い料理店』
150. かさかさ:【みんなもこれに力を得てかさかさしたときの声をあげて景気をつけ、ぞろぞろ随(つ)いて行き
ました。】
by『とっこべとら子』
151. かさかさ:【夜中になってから「とっこべ、とら子」とその沢山の可愛らしい部下とが又出て来て、庭に抛(ほ
う)り出されたあのおみやげの藁の苞(つと)を、かさかさ引いた、たしかにその音がしたとみんなが
さっきも話していました。】
by『とっこべとら子』
152. かさかさ:【王は早速許されたので、その場でバーユー将軍は、鎧もぬげば兜もぬいで、かさかさ薄い麻
を着た。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
153. カサカサ:【柏の葉も暗く見え風もカサカサ云って大へん気味が悪くなりました。】
by『谷』
154. カサカサ:【その時林のへりの藪がカサカサ云いました。】
by『月夜のけだもの』
155. カサカサ:【冬が近くて、天山はもうまっ白になり、桑の葉が黄いろに枯れてカサカサ落ちました頃、ある日
のこと、童子が俄に帰っておいでです。】
by『雁(かり)の童子』
156. カサカサ:【斉藤平太はすっかり困って口の中もカサカサしながら三日仕事をさがしました。】
by『革トランク』
157. カサカサ:【おまけにその晩は強いふぶきで、外では風がすさまじく、乾いたカサカサした雪のかけらが、
小屋のすきまから吹きこんで豚のたべものの余りも、雪でまっ白になったのだ。】
by『フランドン農学校の豚』
158. がさがさ:【字はまるでへたで、墨もがさがさして指につくくらいでした。】
by『どんぐりと山猫』
159. がさがさ:【中山街道はこのごろは誰も歩かないから蕗(ふき)やいたどりがいっぱいに生えたり牛が遁
(に)げて登らないように柵をみちにたてたりしているけれどもそこをがさがさ三里ばかり行くと向
うの方で風が山の頂(いただき)を通っているような音がする。】
by『なめとこ山の熊』
160. がさがさ:【その頸(くび)は途方もない向うの 鼠いろのがさがさした胴まで まるで管のように続いていた。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
161. がさがさ:【はんのきの下の萱(かや)をがさがさわけて初茸(はつたけ)をさがしはじめました。】
by『二人の役人』
162. がさがさ:【がさがさした、けれども親切そうな、大人の声が、二人のうしろで聞えました。】
by『銀河鉄道の夜』
163. がさがさ:【がさがさした、けれども親切そうな、大人の声が、二人のうしろで聞えました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
164. がさがさ:【「にゃあお、くゎあ、ごろごろ。」という声がして、それからがさがさ鳴りました。】
by『注文の多い料理店』
165. がさがさ:【そこへ隣の教員室から、黒いチョッキだけ着た、がさがさした茶いろの狐の先生が入って来て
私に一礼して云いました。】
by『茨海(ばらうみ)小学校』
166. がさがさ:【「だめだ。まるでなっていない。このへんは曲の心臓なんだ。それがこんながさがさしたことで。」】
by『セロ弾きのゴーシュ』
167. ガサガサ:【さっきの茶いろの毛のガサガサした先生の教室なのです。】
by『茨海(ばらうみ)小学校』
168. ガサガサ:【「おっかさんの手はそんなにガサガサしているのでしょう。」】
by『雁(かり)の童子』
169. カサカサカサカサ:【カサカサカサカサ音がだんだん遠くなります。】
by『月夜のけだもの』
170. ガサガサガサガサ:【みんなでガサガサガサガサさがしましたが、どうしてもそんなものはありません。】
by『よく利く薬とえらい薬』
171. ガサガサガサガサ:【天井がガサガサガサガサ云います。】
by『風の又三郎』
172. ガサガサガサガサ:【天井がガサガサガサガサ云います。】
by『種山ヶ原』
173. カサっ:【柏の木はすっかり静まってカサっとも云いませんでした。】
by『若い木霊(こだま)』
174. ガサリ:【空へ行った声はまもなくそっちからはねかえってガサリと樺の木の処(ところ)にも落ちて行きまし
た。】
by『土神ときつね』
175. ガサリ:【するとカン蛙の載った木の葉がガサリと鳴り、カン蛙はふらふらっと一寸ばかりめり込みました。】
by『蛙のゴム靴』
176. がじゃっ:【すると間もなくさっきの扉ががじゃっとあいて馬車別当がまっ青になってよろよろしながら出て
きました。】
by『ポラーノの広場』
177. ガタアッ:【俄に途方もない、空の青セメントが一ぺんに落ちたというようなガタアッという音がして家はぐら
ぐらっとゆれ、みんなはぽかっとして呆れてしまいました。】
by『十月の末』
178. かたかた:【ホトランカン先生が噴霧器をかたかたやるのをやめ号令するとすぐ助手がタオルで頭や顔を
拭く。】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
179. がたがた:【ようやく、みんなのいるねむのはやしについたとき、しゅっこはがたがたふるえながら、「いま
叫んだのはおまえらだか。」ときいた。】
by『さいかち淵(ぶち)』
180. がたがた:【その膝はもうがたがたと鳴り出した。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
181. がたがた:【赤いジャケツのぼたんもかけずひどくびっくりしたような顔をしてがたがたふるえてはだしで立
っていました。】
by『銀河鉄道の夜』
182. がたがた:【じいさんはやっと云いましたがそれからがたがたふるえました。】
by『ポラーノの広場』
183. がたがた:【じいさんはしばらく月や雲の工合(ぐあい)をながめていましたが、あまり恭一が青くなってがたが
たふるえているのを見て、気の毒になったらしく、少ししずかに斯(こ)う云いました。「おれは電気
総長だよ。」】
by『月夜のでんしんばしら』
184. がたがた:【赤シャツの農夫は、窓ぶちにのぼって、時計の蓋(ふた)をひらき、針をがたがた動かして見て
から、盤に書いてある小さな字を読みました。】
by『耕耘部(こううんぶ)の時計』
185. がたがた:【「この車がたがたしますよ。よござんすか。坊ちゃん。」】
by『車』
186. がたがた:【ガドルフはまなこを庭から室の闇にそむけ、丁寧にがたがたの窓をしめて、背嚢のところに戻
って来ました。】
by『ガドルフの百合』
187. がたがた:【けれども電光があんまりせわしくガドルフのまぶたをかすめて過ぎ、飢えとつかれとが一しょに
がたがた湧きあがり、さっきからの熱(ほて)った頭はまるで舞踏のようでした。】
by『ガドルフの百合』
188. がたがた:【がたがた寒さにふるえながら立ちあがりました。】
by『ガドルフの百合』
189. がたがた:【男の子が赤いジャケツのぼたんもかけずひどくびっくりしたような顔をしてがたがたふるえては
だしで立っていました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
190. がたがた:【「おい、お前の足はどうしてそうがたがた鳴るんだい。」】
by『黒ぶどう』
191. がたがた:【「遁(に)げ……。」がたがたしながら一人の紳士はうしろの戸を押そうとしましたが、どうです、
戸はもう一分(いちぶ)も動きませんでした。】
by『注文の多い料理店』
192. がたがた:【それから支那人は、荷物をしょったらしく、薬の紙箱は、互いにがたがたぶっつかりました。】
by『山男の四月』
193. がたがた:【タネリの小屋が、兎ぐらいに見えるころ、タネリはやっと走るのをやめて、ふざけたように、口を
大きくあきながら、頭をがたがたふりました。】
by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』
194. がたがた:【樺の木はあわてて枝が一ぺんにがたがたふるえ、狐もそのけはいにどうかしたのかと思って
何気なくうしろを見ましたら土神がまるで黒くなって嵐のように追って来るのでした。】
by『土神ときつね』
195. がたがた:【そのとき風がどうと吹いて来て教室のガラス戸はみんながたがた鳴り、学校のうしろの山の萱
(かや)や栗の木はみんな変に青じろくなってゆれ、教室のなかのこどもは何だかにやっとわらって
すこしうごいたようでした。】
by『風の又三郎』
196. がたがた:【すると又三郎はまるであわてて、何かに足をひっぱられるように淵からとびあがって一目散に
みんなのところに走って来てがたがたふるえながら、「いま叫んだのはおまえらだちかい。」ときき
ました。】
by『風の又三郎』
197. がたがた:【風はまだやまず、窓がらすは雨つぶのために曇りながらまだがたがた鳴りました。】
by『風の又三郎』
198. がたがた:【オツベルは云ってしまってから、にわかにがたがた顫(ふる)え出す。】
by『オツベルと象』
199. がたがた:【「けれどもとうとうすっかり冷くなって僕たちはがたがたふるえちまうんだ。」】
by『風野又三郎』
200. がたがた:【「目をねらったりするもんで、こいつがでたらもう馬は、がたがたふるえてようあるかんね。」】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
201. がたがた:【冬中いつも唇が青ざめて、がたがたふるえていた阿部時夫などが、今日はまるでいきいきし
た顔いろになってにかにかにかにか笑っています。】
by『イーハトーボ農学校の春』
202. がたがた:【ゴーシュが窓のわくをしきりにがたがたしているうちにまたかっこうがばっとぶっつかって下へ
落ちました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
203. がたがた:【そしてがたがたふるえました。】
by『鹿(しし)踊りのはじまり』
204. ガタガタ:【ねずみとりの方も、痛いやら、しゃくにさわるやら、ガタガタ、ブルブル、リウリウとふるえました。】
by『ツェねずみ』
205. ガタガタ:【狐がガタガタ顫(ふる)えながら云いました。】
by『月夜のけだもの』
206. ガタガタ:【ネネムは小さなマミミとただ二人、寒さと飢えとにガタガタふるえて居りました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
207. ガタガタ:【その人は興奮の為にガタガタふるえてそれからやけに水をのみました。】
by『ビジテリアン大祭』
208. ガタガタ:【やがてガタガタ顫(ふる)え出しました。】
by『シグナルとシグナレス』
209. ガタガタ:【ひばりの子は草の上に倒れて、目を白くしてガタガタ顫(ふる)えています。】
by『貝の火』
210. がたがたがたがた:【がたがたがたがた、ふるえだしてもうものが言えませんでした。】
by『注文の多い料理店』
211. ガタガタガタガタ:【鳥籠先生も、今度という今度は、すっかり怒ってしまって、ガタガタガタガタふるえて叫
びました。】
by『鳥箱先生とフウねずみ』
212. ガタガタガタガタ:【虎ははじめの威勢はどこへやらからだ中の筋がみな別々にガタガタガタガタ顫(ふる)え
出して白い泡をはいてじりりじりりとしりごみをしてしまいました。】
by『けだものの運動会』
213. ガタガタガタガタ:【シグナルはもううれしくてうれしくて、なおさら、ガタガタガタガタふるえました。】
by『シグナルとシグナレス』
214. がたがたがたがた:【この有名な白馬は、ここで最後の力を出し、がたがたがたがた鳴りながら、風より早
くかけ出した。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
215. がたがたがたがた:【すると俄かに白馬は、がたがたがたがたふるえ出しそれからからだ一面に、あせと
けむりを噴き出した。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
216. がたがたっ:【本線シグナル附きの電信ばしらは、がたがたっとふるえてそれからじっと固(かた)くなって答
えました。】
by『シグナルとシグナレス』
217. かたっ:【若いお父さんは、その青白い時計をチョッキのポケットにはさんで靴をかたっと鳴らしました。】
by『氷と後光(習作)』
218. かたっ:【扉がかたっと開いてデンドウイ属があの八日前の白服のままでまた入って来ました。】
by『税務署長の冒険』
219. かたっ:【署長は思わず椅子をかたっと云わせました。】
by『税務署長の冒険』
220. カタッ:【東の遠くの海の方では、空の仕掛けを外したような、ちいさなカタッという音が聞え、いつかまっし
ろな鏡に変ってしまったお日さまの面を、なにかちいさなものがどんどんよこ切って行くようです。】
by『水仙月の四日』
221. カタッ:【おしまいにカタッと二つかけらが組み合って、すっかり昔の貝の火になりました。】
by『貝の火』
222. がたっ:【汽車は時々素通りする停車場の踏切でがたっと横にゆれながら一生けん命ふぶきの中をかけ
ました。】
by『氷河鼠の毛皮』
223. がたっ:【いきなり扉ががたっと開き朝日はビールのように流れ込みました。】
by『氷河鼠の毛皮』
224. がたっ:【大学士はひどくびっくりして それでも笑いながら眼をさまし 寒さにがたっと顫(ふる)えたのだ。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
225. がたっ:【いきなり奥の扉ががたっとあきました。】
by『ポラーノの広場』
226. がたっ:【私も呑んでがたっとふるえました。】
by『ポラーノの広場』
227. がたっ:【山の中の小さな駅を素通りするたんびにがたっと横にゆれながら、汽車はいっしんにその七時雨
(ななしぐれ)の傾斜をのぼって行きました。】
by『氷と後光(習作)』
228. がたっ:【そのたびに車はがたっとゆれました。】
by『車』
229. がたっ:【その雲のどこからか、雷の一切れらしいものが、がたっと引きちぎったような音をたてました。】
by『ガドルフの百合』
230. がたっ:【キッコの机はたびたび誰かにぶっつかられて暗礁に乗りあげた船のようにがたっとゆれました。】
by『みじかい木ペン』
231. がたっ:【それから又五六日たって、フウねずみが、いつものとおり、大いそぎで鳥箱先生のそばを通りす
ぎようとしますと、先生が網のチョッキをがたっとさせながら、呼びとめました。】
by『鳥箱先生とフウねずみ』
232. がたっ:【とうとうがたっと事務長の前の床に落ちてしまったのです。】
by『寓話 猫の事務所』
233. がたっ:【すると八時過ぎて玄関でがたっと自転車を置いた音がしてそれからシラトリ属がまるで息を切ら
して帰って来たのです。】
by『税務署長の冒険』
234. ガタッ:【「すると俄かに監督が戸をガタッとあけて走って入って来ました。」】
by『化物丁場(ばけものちょうば)』
235. ガタッ:【六平の娘が戸をガタッと開けて、「あれまあ、父さん。そったに砂利しょって何しただす」と叫びまし
た。】
by『とっこべとら子』
236. ガタッ:【ガタッ。扉が開(あ)いて三毛猫がはいって来ました。】
by『寓話 猫の事務所』
237. ガタッ、ピシャーン:【ガタッ、ピシャーン。白猫が入って来ました。】
by『寓話 猫の事務所』
238. ガタピシ:【ガドルフはそっちへ進んで行ってガタピシの壊れかかった窓を開きました。】
by『ガドルフの百合』
239. 堅雪(かたゆき)かんこ、しみ雪しんこ:【「堅雪(かたゆき)かんこ、しみ雪しんこ。」】
by『雪渡り』
240. がたり:【でんしんばしらはしずかにうなり、シグナルはがたりとあがって、月はまたうろこ雲のなかにはいり
ました。】
by『月夜のでんしんばしら』
241. がたり:【若ばけものは、がたりと椅子から落ちました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
242. がたり:【戸はがたりとひらき、犬どもは吸い込まれるように飛んで行きました。】
by『注文の多い料理店』
243. ガタリ:【その時向うの窓がガタリと開(あ)いて「どうだ、いい裁判長だろう。みんな感心したかい。」と云う声
がしました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
244. かたん:【シグナルの柱はかたんと白い腕木をあげました。】
by『シグナルとシグナレス』
245. カタン:【画かきは絵の具箱をカタンとおろしました。】
by『かしわばやしの夜』
246. カタン:【『カタン。』】
by『シグナルとシグナレス』
247. がたん:【とつぜん、右手のシグナルばしらが、がたんとからだをゆすぶって、上の白い横木を斜めに下の
方へぶらさげました。】
by『月夜のでんしんばしら』
248. がたん:【二人はびっくりして、互いによりそって、扉をがたんと開けて、次の室(へや)へ入って行きました。】
by『注文の多い料理店』
249. ガタン:【ところが丁度この時に、三毛猫はあんまり乗り出し過ぎてガタンとひっくり返ってひどく頭をついて
机から落ちました。】
by『寓話 猫の事務所』
250. ガタン:【その時はもう博士の顔は消えて窓はガタンとしまりました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
251. ガタン、ピシャリ:【ガタン、ピシャリ。「ふう、ずいぶんひどい風だね。」事務長の黒猫が入って来ました。】
by『寓話 猫の事務所』
252. ガタン。ピシャン:【ガタン。ピシャン。虎猫がはいって来ました。】
by『寓話 猫の事務所』
253. ガタンガタン、ギー、シュウシュウ:【『ガタンガタン、ギー、シュウシュウ。』】
by『シグナルとシグナレス』
254. ガタンコガタンコ、シュウフッフッ:【『ガタンコガタンコ、シュウフッフッ、さそりの赤眼が 見えたころ、四時
から今朝も やって来た。遠野の盆地は まっくらで、つめたい水の 声ばかり。』】
by『シグナルとシグナレス』
255. かちかち:【デストゥパーゴは何か瓶をかちかち鳴らしてから白いきれで顔を押えながら出て来ました。】
by『ポラーノの広場』
256. かちかち:【光は針や束になってそそぎそこらいちめんかちかち鳴りました。】
by『インドラの網』
257. カチカチ:【そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼(や)きをかけた鋼(はがね)です。】
by『いちょうの実』
258. カチカチ:【嘴(くちばし)のカチカチ鳴る音、低くごろごろつぶやく音などで、一杯になりました。】
by『二十六夜』
259. カチカチ:【歯がカチカチ云うたびに青い火花はそこらへちらばりました。】
by『月夜のけだもの』
260. カチカチ:【野ばらがあまり気が立ち過ぎてカチカチしながら叫びました。】
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』
261. カチカチ:【「光の骨までがカチカチ云うぜ。」】
by『双子の星』
262. カチカチ:【そしてポケットが大へん重くカチカチ鳴るのに気がつきました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
263. カチカチ:【楢夫さんと一諸になった時などは、刀がほんとうにカチカチぶっつかった位だ。】
by『種山ヶ原』
264. カチカチ:【組は二つに分れ、剣がカチカチ云います。】
by『種山ヶ原』
265. がちがち:【恭一はすっかりこわくなって、歯ががちがち鳴りました。】
by『月夜のでんしんばしら』
266. がちがち:【赤い実のついた小さな枝を、がちがち齧じりました。】
by『水仙月の四日』
267. がちがち:【大きな口をあけたり立てたりし歯をがちがち鳴らす恐ろしいばけものがだんだんせり出して昇
って来ました。】
by『サガレンと八月』
268. がちがち:【「それはみんながちがちの氷なんだ。」】
by『風野又三郎』
269. カチッ:【ステッキのカチッと鳴る音がして誰か二三人はしご段をのぼって来るようでした。】
by『黒ぶどう』
270. カチッ:【貝の火は鋭くカチッと鳴って二つに割れました。】
by『貝の火』
271. がちっ:【するとまたしばらくしずかになっていましたが間もなく扉のとってが力なくがちっとまわってロザーロ
が眼を大きくあいてよろめくようにでてきました。】
by『ポラーノの広場』
272. がちっ:【時計ががちっと鳴りました。】
by『耕耘部(こううんぶ)の時計』
273. がちっ:【模型はがちっと鳴って奇体な船のような形になりました。】
by『グスコーブドリの伝記』
274. カチッ、カチッ:【ガラスの沓(くつ)がカチッ、カチッとぶっつかって鳴ったようでした。】
by『風野又三郎』
275. カチッカチッ:【その振子は、風もなくなり汽車もうごかず、しずかなしずかな野原のなかに、カチッカチッと
正しく時を刻んで行くのでした。】
by『銀河鉄道の夜』
276. カチッカチッ:【その正面の青じろい時計はかっきり第二時を示しその振子は風もなくなり汽車もうごかずし
ずかなしずかな野原のなかにカチッカチッと正しく時を刻んで行くのでした。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
277. がちゃ:【行って見て来いっていふわけでバキチが剣をがちゃつかせ、耕牧舎へやって来たでしょう。】
by『バキチの仕事』
278. ガチャッ:【園丁がいつか俄かにやって来てガチャッと持って来たものを置きました。】
by『チュウリップの幻術』
279. カチャンカチャン:【剣がカチャンカチャンと云うたびに、青い火花が、まるで箒のように剣から出て、二人の
顔を物凄く照らし、見物のものはみんなはらはらしていました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
280. カチン:【白い歯が少しばかり見えていましたので一郎はいきなり指でカチンとその歯をはじきました。】
by『ひかりの素足』
281. カチンカチン:【その宝石の雨は、草に落ちてカチンカチンと鳴りました。】
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』
282. かちんかちん:【かちんかちんと葉と葉がすれあって音をたてたようにさえおもわれ、すすきの穂までが鹿
にまじって一しょにぐるぐるめぐっているように見えました。】
by『鹿(しし)踊りのはじまり』
283. かっ:【窓ガラスからはうるんだ白い雲が、額もかっと痛いようなまっ青なそらをあてなく流れて行くのが見
えました。】
by『耕耘部(こううんぶ)の時計』
284. かっ:【そしてガドルフのいとしい花は、まっ白にかっと瞋(いか)って立ちました。】
by『ガドルフの百合』
285. かっ:【大烏はかっとして思わず飛びあがって叫びました。】
by『双子の星』
286. かっ:【山男はさっきから、支那人がむやみにしゃくにさわっていましたので、このときはもう一ぺんにかっ
としてしまいました。】
by『山男の四月』
287. かっ:【お日さまが又かっと明るくなり、二人はむしろに座ってひばりもいないのに、「ひばり焼げこ、ひばり
こんぶりこ。」なんて出鱈目なひばりの歌を歌っていました。】
by『十月の末』
288. カッ:【俄にカッと明るくなった。】
by『フランドン農学校の豚』
289. ガツガツ:【まっ黒なガツガツした岩の上に立っていました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
290. ガツガツ:【全く峯にはまっ黒のガツガツした巌が冷たい霧を吹いてそらうそぶき折角いっしんに登って行
ってもまるでよるべもなくさびしいのでした。】
by『マグノリアの木』
291. カッカッカッ:【ある朝、お日様がカッカッカッと厳(おごそ)かにお身体をゆすぶって、東から昇っておいでにな
った時、チュンセ童子は銀笛を下に置いてポウセ童子に申しました。】
by『双子の星』
292. がっかり:【私はがっかりしてしまいました。】
by『二人の役人』
293. がっかり:【「生きていたねえ、だまってみんな僕たちのこと見てたんだよ。」慶次郎はがっかりしたようでし
た。】
by『鳥をとるやなぎ』
294. がっかり:【ブドリのお父さんもお母さんも、たびたび薪を野原の方へ持って行ったり、冬になってからは何
べんも巨きな樹を町へそりで運んだりしたのでしたが、いつもがっかりしたようにして、わずかの
麦の粉などもって帰ってくるのでした。】
by『グスコーブドリの伝記』
295. がっかり:【またあの森の中へ主人の息子といっしょに何べんも行って見たけれども、家はすっかり壊れて
いたし、ブドリはどこへ行ったかわからないのでいつもがっかりして帰っていたら、昨日新聞で主
人がブドリのけがをしたことを読んだのでやっとこっちへ訪ねて来たということも云いました。】
by『グスコーブドリの伝記』
296. がっかり:【嘉助はがっかりして、黒い道を又戻りはじめました。】
by『風の又三郎』
297. がっかり:【けれどもみんなは山にのぼるとがっかりしてしまいました。】
by『風野又三郎』
298. がっかり:【「いけなかったか。」署長はがっかりしました。】
by『税務署長の冒険』
299. がっかり:【達二はがっかりして、黒い道を又戻りはじめました。】
by『種山ヶ原』
300. かっきり:【樺(かば)の幹の影といっしょに雪にかっきり藍いろの影になってうごくのを見ながら遡って行っ
た。】
by『なめとこ山の熊』
301. かっきり:【「ああ、十一時かっきりには着くんだよ。」】
by『銀河鉄道の夜』
302. かっきり:【時計の黒い針は、かっきりと夜中の四時を指し、窓のガラスはすっかり氷で曇っていました。】
by『氷と後光(習作)』
303. かっきり:【両足をかっきり六十度に開いて立って、鷺のちぢめて降りて来る黒い脚を両手で片っ端から
押えて、布の袋の中に入れるのでした。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
304. かっきり:【「私どもの会社ももうかっきり今日ぎり解散いたしまして酒は全部私の名儀でつくったとして税
金も納めます。」】
by『税務署長の冒険』
305. かっきり:【「では今日は練習はここまで、休んで六時にはかっきりボックスへ入ってくれ給え。」】
by『セロ弾きのゴーシュ』
306. かっこうかくうかっかっかっかっか:【するとかっこうは残念そうに眼をつりあげてまだしばらくないていまし
たがやっと「……かっこうかくうかっかっかっかっか」と云ってやめました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
307.
かっこうかっこうかっこうかっこうかっこう:【「つまりこうだろう。」セロ弾きはまたセロをとって、かっこうか
っこうかっこうかっこうかっこうとつづけてひきました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
308. がっしり:【鞍はこんどは、がっしりと馬の背中にくっついて、もうどうしてもはなれない。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
309. がっしり:【巨きな鉄の胸甲(むないた)を、がっしりはめていることは、ちょうどやっぱり鎧のようだ。馬にけら
れぬためらしい。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
310. かったらこ:【「堅雪(かたゆき)かんこ、凍(し)み雪しんこ、堅いお餅はかったらこ、白いお餅はべったらこ。」】
by『雪渡り』
311. がばっ:【馬はがばっとはね起きて将軍も俄かにせいが高くなる。】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
312. がばっ:【馬はがばっとはねあがり、ソン将軍は俄かに背が高くなる。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
313. かぷかぷ:【『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』】
by『やまなし』
314. がぶがぶ:【「あれが山猫博士だよ。」ファゼーロが向うの卓にひとり座ってがぶがぶ酒を呑んでいる黄い
ろの縞のシャツと赤皮の上着を着た肩はばのひろい男を指さしました。】
by『ポラーノの広場』
315. がぶがぶ:【いきなりがぶがぶ水へ入って、自分の水口に泥を積みあげはじめました。】
by『グスコーブドリの伝記』
316. がぶがぶ:【手ばやくそれを受けとって将軍の足にがぶがぶそそぐ。】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
317. がぶがぶ:【けれどもそのうち将軍は、だんだんものを食わなくなってせっかくじぶんで播いたりした、粟も
一口たべただけ、水をがぶがぶ呑んでいた。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
318. がぶがぶ:【そしてまた水をがぶがぶ呑みました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
319. がぶっ:【するとデストゥパーゴはいきなり酒をがぶっと呑みました。】
by『ポラーノの広場』
320. がぶっ:【支那人はもうひとりでがぶっと呑んでしまいました。】
by『山男の四月』
321. かぶり:【山男はお酒をかぶりと呑んで云いました。】
by『紫紺染(しこんぞめ)について』
322. かぶりかぶり:【しきりにかぶりかぶりとお酒をのみました。】
by『紫紺染(しこんぞめ)について』
323. カブン:【その時です、お月さまがカブンと山へお入りになってあたりがポカッとうすぐらくなったのは。】
by『シグナルとシグナレス』
324. かやかや:【「はっはっは、ジッコさんというのは磁鉄鉱だね、もうわかったさ、喧嘩の相手はバイオタイト
だ。して見るとなんでもこの辺にさっきの花崗岩のかけらがあるね。そいつの中の鉱物がかやか
や物を云ってるんだね。」】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
325. がやがや:【そのとき俄に外ががやがやしてそれからいきなり扉ががたっと開き朝日はビールのように流
れ込みました。】
by『氷河鼠の毛皮』
326. がやがや:【するともう子どもらは、がやがや云い出して、みんな水に飛び込んでしまった。】
by『さいかち淵(ぶち)』
327. がやがや:【その音にまじってたしかに別の楽器や人のがやがや云う声が時々ちらっときこえてまたわか
らなくなりました。】
by『ポラーノの広場』
328. がやがや:【「山男だ、山男だ。」みんなは叫んで、がやがやあとを追おうとしましたが、もうどこへ行った
か、影もかたちも見えませんでした。】
by『祭の晩』
329. がやがや:【赤いひとでが沢山集って来て二人を囲んでがやがや云って居りました。】
by『双子の星』
330. がやがや:【それですから、何かの儀式でネネムが式辞を読んだりするときは、その位を読むのがつらい
ので、それをあらかじめ三十に分けて置いて、三十人の部下に一ぺんにがやがやと読み上げて
貰うようにしていましたが、それでさえやはり四分はかかりました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
331. がやがや:【トルコ人たちは、みちに出ている岩にかなづちをあてたり、がやがや話し合ったりして行きまし
た。】
by『ビジテリアン大祭』
332. がやがや:【がやがや話して居りました。】
by『化物丁場(ばけものちょうば)』
333. がやがや:【たその向うは暗い木立で怒鳴りや叫びががやがや聞えて参ります。】
by『若い木霊(こだま)』
334. がやがや:【みんなははじめてがやがや声をたててその教室の中の変な子を指(ゆびさ)しました。】
by『風の又三郎』
335. がやがや:【みんなははじめてがやがや声をたててその教室の中の変な子を指しました。】
by『風野又三郎』
336. がやがや:【それどころじゃない、こんどは私は、子供らのがやがや云う声を聞きました。】
by『茨海(ばらうみ)小学校』
337. がやがや:【がやがや物を言う声、それから「気をつけ」や「番号」や「右向け右」や「前へ進め」で狐の生徒
は一学級ずつだんだん教室に入ったらしいのです。】
by『茨海(ばらうみ)小学校』
338. がやがや:【おもてではがやがやみんなが談(はな)していた。】
by『税務署長の冒険』
339. がやがや:【あるときは生徒が十人ほどやって来てがやがや斯(こ)う云った。】
by『フランドン農学校の豚』
340. ガヤガヤ:【「するとね、ガヤガヤ云うだろう、見るとさっきの人たちがやっと登って来たんだ。」】
by『風野又三郎』
341. がやがやがたがた:【みんなは胆(きも)取りと巡査にわかれてあばれています。「遁げだ、遁げだ、押えろ
押えろ。」「わぁい、指噛じるこなしだでぁ。」がやがやがたがた。】
by『みじかい木ペン』
342. がやがやがやがや:【みんなはあとでまだがやがやがやがや云っていました。】
by『ポラーノの広場』
343. がやがやがやがや:【もうみんな、がやがやがやがや言って、なにがなんだか、まるで蜂の巣をつっついた
ようで、わけがわからなくなりました。】
by『どんぐりと山猫』
344. がやがやがやがや:【「わっはっはっは、わっはっはっは、ホッホウ、ホッホウ、ホッホウ。がやがやがやが
や……。」】
by『かしわばやしの夜』
345. がやがやがやがや:【「あいつは外国人だな。」「学校さ入るのだな。」みんなはがやがやがやがや云いま
した。】
by『風の又三郎』
346. がやがやがやがや:【「外国人だな。」「学校さ入るのだな。」みんなはがやがやがやがや云いました。】
by『風野又三郎』
347. カラカラ:【赤い眼の蠍(さそり)星が向うから二つの大きな鋏をゆらゆら動かし長い尾をカラカラ引いてやって
来るのです。】
by『双子の星』
348. からがら:【六、さすがのフウケーボー大博士も命からがらにげだした。】
by『ペンネンノルデはいまはいないよ太陽にできた黒い棘(とげ)をとりに行ったよ』
349. がらがら:【声もきっとよほどがらがらしているにちがいないと思われたのです。】
by『氷河鼠の毛皮』
350. ガラガラ:【そこで甲太は、早速、米を車の上にのせて、ガラガラ停車場の方へ行きました。】
by『馬の頭巾』
351. がらがらがらがら:【夜も昼もがらがらがらがら三つの糸車をまわして糸をとりました。】
by『グスコーブドリの伝記』
352. カラコロ:【それからカラコロセメントの上をかける下駄の音、たしかにそれは明方でした。】
by『氷と後光(習作)』
353. カラッ:【柳の木のなかというわけは、葉の落ちてカラッとなった柳の木の外側には、すっかりガラスが張っ
てあるような気がするのです。】
by『十月の末』
354. カラッ:【「ええ、とても。鉄道院から進行検査があるので請負の方の技師のあせり様ったらありませんや、
従って監督は厳しく急ぎますしね、毎日天気でカラッとして却って風は冷たいし、朝などは霜が雪
のようでした。】
by『化物丁場(ばけものちょうば)』
355. カラッ:【向うには栗駒山が青く光って、カラッとしたそらに立っていました。】
by『化物丁場(ばけものちょうば)』
356. カラッ:【署長はそこへ爪を入れて押し上げて見たらカラッと硝子は上にのぼった。】
by『税務署長の冒険』
357. ガラリ:【すると彗星の態度がガラリと変ってしまいました。】
by『双子の星』
358. がらん:【ぼくらも何だか気の毒なような、おかしながらんとした気持ちになった。】
by『さいかち淵(ぶち)』
359. がらん:【俄に道の右側に がらんとした大きな石切場が 口をあいてひらけて来た。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
360. がらん:【山のなかごろに大きな洞穴(ほらあな)ががらんとあいている。】
by『なめとこ山の熊』
361. がらん:【そのまっ黒な、松や楢の林を越えると、俄かにがらんと空がひらけて、天の川がしらじらと南から
北へわたっているのが見え、また頂の、天気輪の柱も見わけられたのでした。】
by『銀河鉄道の夜』
362. がらん:【そこはがらんとした窓の七つばかりある広い室(へや)でしたーがその片隅みにあの山猫博士の馬
車別当がからだを無暗にこわばらしてじつに青ざめた変な顔をしながら腰掛けて待って居りまし
た。】
by『ポラーノの広場』
363. がらん:【窓のガラスはすきとおり、外はがらんとして青く明るく見えました。】
by『氷と後光(習作)』
364. がらん:【濃い緑いろの枝はいちめんに下草を埋めその小さな林はあかるくがらんとなってしまいました。】
by『虔十(けんじゅう)公園林』
365. がらん:【そのまっ黒な、松や楢の林を越えると、俄かにがらんと空がひらけて、天の川がしらしらと南から
北へ亘(わた)っているのが見え、また頂の、天気輪の柱も見わけられたのでした。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
366. がらん:【ところがいくら見ていても、そこは博士の云ったような、がらんとした冷たいとこだとは思われませ
んでした。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
367. がらん:【「汽車が走って行かないうちに、早く鳥がおりるといいな。」と云った途端、がらんとした桔梗いろ
の空から、さっき見たような鷺(さぎ)が、まるで雪の降るように、ぎゃあぎゃあ叫びながら、いっぱい
に舞いおりて来ました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
368. がらん:【あらゆる広い世界ががらんとひらけあらゆる歴史がそなわりすっと消えるともうがらんとしたただ
もうそれっきりになってしまうのを見ました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
369. がらん:【空さえもなんだかがらんとして見れば見るほど変なおそろしい気がするのでした。】
by『ひかりの素足』
370. がらん:【いままでの明るい青いそらががらんとしたまっくらな穴のようなものに変ってしまってその底で黄
いろな火がどんどん燃えているようでした。】
by『サガレンと八月』
371. がらん:【みんなも何だかその男も又三郎も気の毒なような、おかしながらんとした気持ちになりながら、
一人ずつ木からはね下りて、河原に泳ぎついて、魚を手拭(てぬぐい)につつんだり、手にもったりし
て、家(うち)に帰りました。】
by『風の又三郎』
372. がらん:【もう有頂天になって中へ飛び込んで見るとくらくて急には何も見えなかったががらんとした何もな
い室(へや)だった。】
by『税務署長の冒険』
373. がらん:【そのがらんとなった窓のあとをかっこうが矢のように外へ飛びだしました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
374. ガラン:【その声はガランとした通りに何べんも反響してそれから闇に消えました。】
by『ポラーノの広場』
375. ガラン:【その声はガランとした通りに何べんも反響してそれから闇に消えました。】
by『毒蛾』
376. ガラン:【青く光っていたそらさえ俄かにガランとまっ暗な穴になってその底では赤い焔(ほのお)がどうどう音
を立てて燃えると思ったのです。】
by『土神ときつね』
377. ガラン:【天井うら街のガランとした広い通りでは鼠会議員のテねずみがもう一ぴきのねずみとはなしてい
ました。】
by『クンねずみ』
378. カランカランカランカラン:【その時、向うの農夫室のうしろの雪の高みの上に立てられた高い柱の上の小
さな鐘が、前後にゆれ出し音はカランカランカランカランとうつくしく雪を渡って来ました。】
by『耕耘部(こううんぶ)の時計』
379. がらんがらんがらんがらん:【馬車別当が、こんどは鈴をがらんがらんがらんがらんと振りました。】
by『どんぐりと山猫』
380. がりがり:【氷ががりがり鳴ったりばたばたかけまわる音がしたりして汽車は動き出しました。】
by『氷河鼠の毛皮』
381. がりがり:【「大将いまごろどこかのはたけで 人参がりがり噛んでるぞ。」】
by『饑餓陣営』
382. がりがり:【一本のでんしんばしらが、ことに肩をそびやかして、まるでうで木もがりがり鳴るくらいにして通
りました。】
by『月夜のでんしんばしら』
383. がりがり:【水ががりがり擦(こす)ったんです。】
by『台川(だいかわ)』
384. がりがり:【がりがりやって来るんだな。】
by『台川(だいかわ)』
385. がりがり:【砂利ががりがり云い子供はいよいよ一生けん命にしがみ附いていました。】
by『車』
386. がりがり:【土神はその島に帰って来て祠(ほこら)の横に長々と寝そべりました。そして黒い瘠(や)せた脚(あ
し)をがりがり掻(か)きました。】
by『土神ときつね』
387. がりがり:【すると又三郎はどこから出したか小さな消し炭で雑記帖の上へがりがりと大きく運算していた
のです。】
by『風の又三郎』
388. がりがり:【「みんながりがりとってるねえ。」】
by『畑のへり』
389. がりがり:【「栗の木の青いいがを落したり、青葉までがりがりむしってやったね。」】
by『風野又三郎』
390. がりがり:【耕一はよろよろしながらしっかり柄をつかまえていましたらとうとう傘はがりがり風にこわされて
開いた蕈(きのこ)のような形になりました。】
by『風野又三郎』
391. がりがり:【「おまえたちが青いけし坊主のまんまでがりがり食われてしまったらもう来年はここへは草が生
えるだけ、それに第一スターになりたいなんておまえたち、スターて何だか知りもしない癖に。」】
by『ひのきとひなげし』
392. ガリガリ:【船乗りの青年はポケットから小さなナイフを出してその窓の羊歯(しだ)の葉の形をした氷をガリ
ガリ削り落しました。】
by『氷河鼠の毛皮』
393. ガリガリ:【雨のつぶと一諸に堅いみちを叩き、枝までがガリガリ引き裂かれて降りかかりました。】
by『ガドルフの百合』
394. ガリガリ:【頭も尾も胴も別々にきちがいのような凄い声をあげガリガリ光ってまっ黒な海の中に落ちて行
きます。】
by『双子の星』
395. ガリガリ:【その足が地面にあたるときは地面はガリガリ鳴りました。】
by『ひかりの素足』
396. ガリガリ:【その歩くたびに瑪瑙(めのう)はガリガリ砕けたのです。】
by『ひかりの素足』
397. ガリガリ:【「みんなガリガリ骨ばかり、おや、いけない、いけない、すっかり崩れて泣いたりわめいたりむし
りあったりなぐったり一体あんまり冗談が過ぎたのです。」】
by『チュウリップの幻術』
398. がりがりっ:【山男が腰かけた時椅子はがりがりっと鳴りました。】
by『紫紺染(しこんぞめ)について』
399. ガリガリッ、ゴロゴロゴロゴロ:【「ガリガリッ、ゴロゴロゴロゴロ。」音は続き、それからバァッと表の方が鳴
って何か石ころのようなものが一散に降って来たようすです。】
by『十月の末』
400. カン、カン、カンカエコ、カンコカンコカン:【つりがねそうが朝の鐘を「カン、カン、カンカエコ、カンコカンコ
カン。」と鳴らしています。】
by『貝の火』
401. かんからからららん:【「かしわはかんかの、かんからからららん」】
by『かしわばやしの夜』
402. カンカラカンのカアン:【「欝金(うこん)しゃっぽのカンカラカンのカアン。赤いしゃっぽのカンカラカンのカア
ン。」】
by『かしわばやしの夜』
403. かんかん:【「堅雪(かたゆき)かんかん。」】
by『雪渡り』
404. かんかん:【この時は日がかんかんと照って土は非常にあつく、竜がくるしさにばたばたしながら水のある
ところへ行こうとしました。】
by『手紙』
405. かんかん:【となりの男は、かんかん怒ってしまってもう物も云えず、いきなりがぶがぶ水へ入って、自分
の水口に泥を積みあげはじめました。】
by『グスコーブドリの伝記』
406. かんかん:【ところが今日も二時間目ころからだんだん晴れて間もなく空はまっ青になり日はかんかん照
ってお午(ひる)になって三年生から下が下ってしまうとまるで夏のように暑くなってしまいました。】
by『風の又三郎』
407. かんかん:【「日がかんかんどこか一とこに照る時か、また僕たちが上と下と反対にかける時ぶっつかっ
てしまうことがあるんだ。」】
by『風野又三郎』
408. カンカン:【おひるすぎ授業が済んでからはもう雨はすっかり晴れて小さな蝉などもカンカン鳴きはじめた
りしましたけれども誰も今日はあの栗の木の処へ行こうとも云わず一郎も耕一も学校の門の処
で「あばえ。」と言ったきり別れてしまいました。】
by『風野又三郎』
409. カンカン:【日がカンカン照っていました。】
by『種山ヶ原』
410. カンカン:【空がまっ白に光って、ぐるぐる廻り、そのこちらを薄い鼠色の雲が、速く速く走っています。そし
てカンカン鳴っています。】
by『種山ヶ原』
411. カンカン:【「ひるはカンカン日のひかり よるはツンツン月あかり」】
by『雪渡り』
412. カンカン:【嘉助は、仰向けになって空を見ました。空がまっ白に光って、ぐるぐる廻り、そのこちらを薄い
鼠色の雲が、速く速く走っています。そしてカンカン鳴っています。】
by『風の又三郎』
413. ガンガン:【そのガドルフの頭と来たら、旧教会の朝の鐘のようにガンガン鳴って居りました。】
by『ガドルフの百合』
414. がんがん:【足音と語(ことば)ががんがん反響してやって来た。】
by『税務署長の冒険』
415. カンカンカン:【「おてんとさまは、カンカンカン」】
by『気のいい火山弾』
416. カンカンカン:【「おキレの角はカンカンカン】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
417. ガンガンガンガン:【あの蒼白い美しい柱時計がガンガンガンガン六時を打ちました。】
by『耕耘部(こううんぶ)の時計』
418. かんこ:【「かん子はかんこ、おらはお嫁はいらないよ。」】
by『雪渡り』
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419. キーイキーイ:【あっちでもこっちでも、キーイキーイといびきをかいて寝てしまいました。】
by『カイロ団長』
420. キイーン:【にわかにはちすずめがキイーンとせなかの鋼鉄の骨も弾けたかと思うばかりするどいさけび
をあげました。】
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』
421. キイキイ:【雲がすっかり消えて、新しく灼(や)かれた鋼(はがね)の空に、つめたいつめたい光がみなぎり、小
さな星がいくつか連合して爆発をやり、水車の心棒がキイキイ云います。】
by『烏の北斗七星』
422. キーキー:【それから又どっかりと椅子へかけようとしましたが何か考えついたらしく、いきなりキーキーい
びきをかいているあまがえるの方へ進んで行って、かたっぱしからみんなの財布を引っぱり出し
て中を改めました。】
by『カイロ団長』
423. キーキー:【殺す前にキーキー叫ぶのは、それは引っぱられたり、たたかれたりするからだ、その証拠に
は、殺すつもりでなしに、何か鶏卵の三十も少し遠くの方でご馳走をするつもりで、豚の足に縄
をつけて、ひっぱって見るがいいやっぱり豚はキーキー云う。】
by『ビジテリアン大祭』
424. ギイギイ:【眼が灰いろになってしまっていますし、啼(な)くとまるで悪い人形のようにギイギイ云います。】
by『烏の北斗七星』
425. ギイギイ:【「ギイギイ、ご苦労だった。ご苦労だった。よくやった。」】
by『烏の北斗七星』
426. ギーギー:【蠍は尾をギーギーと石ころの上に引きずっていやな息をはあはあ吐いてよろりよろりとある
くのです。】
by『双子の星』
427. ギーギー:【「連れ出してあんまりギーギー云わせないようにね。まずくなるから。」】
by『フランドン農学校の豚』
428. ギイギイギイ、フウ。ギイギイフウ。:【「あっはっは、あっはっは。さっきの誓いも何もかもみんな取り消し
だ。ギイギイギイ、フウ。ギイギイフウ。」】
by『双子の星』
429. ギイギイギイフウ。ギイギイフウ。:【「さあ、発(た)つぞ。ギイギイギイフウ。ギイギイフウ。」】
by『双子の星』
430. ギーギーフーギーギーフー:【「それから彗星(ほうきぼし)が、ギーギーフーギーギーフーて云って来たねえ。」】
by『銀河鉄道の夜』
431. ギーギーフーギーギーフー:【「それから彗星(ほうきぼし)がギーギーフーギーギーフーて云って来たねえ。」】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
432. きぃっ:【「かけるときはきぃっとかけるんだ。」】
by『風野又三郎』
433. きいらりきいら:【「一昨日、みぃぞれ降ったればすずらんの実ぃ、みんな赤ぐなて、雪の支度のしろうさ
ぎぁ、きいらりきいらど歯ぁみがぐ。」】
by『葡萄水』
434. きぃらりきぃらり:【「スルスル光のいとをはき、きぃらりきぃらり巣をかける。」】
by『蜘蛛となめくじと狸』
435. きぃらりきぃらり:【「きぃらりきぃらり巣をかける。」】
by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』
436. きぃん:【それからしばらく、そこらあたりがきぃんと鳴った。】
by『さいかち淵(ぶち)』
437. きぃん:【そこら中きぃんと鳴るように思いました。】
by『銀河鉄道の夜』
438. きぃん:【そこら中きぃんと鳴るように思いました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
439. きぃん:【そこらあたりがきぃんと鳴りました。】
by『風の又三郎』
440. きぃん:【耕一はあたりがきぃんと鳴るように思ったくらい怒ってしまいました。】
by『風野又三郎』
441. きいん:【かま猫はもうかなしくて、かなしくて頬のあたりが酸っぱくなり、そこらがきいんと鳴ったりするの
をじっとこらえてうつむいて居りました。】
by『寓話 猫の事務所』
442. きいん:【あたりが俄にきいんとなり、(風だよ、草の穂だよ。ごうごうごうごう。)こんな語(ことば)が私の頭の
中で鳴りました。】
by『インドラの網』
443. きいん:【嘉十(かじゅう)はにわかに耳がきいんと鳴りました。】
by『鹿(しし)踊りのはじまり』
444. キーン:【天上の方ではキーンという鋭い音が鳴っている。】
by『フランドン農学校の豚』
445. キインキイン:【空が光ってキインキインと鳴っています。】
by『風の又三郎』
446. キインキイン:【空が光ってキインキインと鳴っています。】
by『種山ヶ原』
447. ギウギウ:【ゴーシュはちょっとギウギウと糸を合せてそれからいきなりのねずみのこどもをつまんでセロ
の孔(あな)から中へ入れてしまいました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
448. ギギン:【りんどうの花はそれからギギンと鳴って起きあがり、ほっとため息をして歌いました。】
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』
449. ギギンギギン:【「千五百万年光というものを知らなかったんだもの。あの時鋼(はがね)の槌がギギンギギン
と僕らの頭にひびいて来ましたね。」】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
450. ギギンザン、リン、ギギン:【ギギンザン、リン、ギギンと起きあがりました。】
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』
451. ぎくぎく:【私はしばらくその老人の、高い咽喉仏(のどぼとけ)のぎくぎく動くのを、見るともなしに見ていました。】
by『雁(かり)の童子』
452. キクッ:【とのさまがえるは又四へんばかり足をふんばりましたが、おしまいの時は足がキクッと鳴ってくに
ゃりと曲ってしまいました。】
by『カイロ団長』
453. きくっ:【前肢(あし)をきくっと曲げながらその勘定をやったのだ。】
by『フランドン農学校の豚』
454. きくっ:【短い前の右肢(あし)を、きくっと挙げてそれからピタリと印をおす。】
by『フランドン農学校の豚』
455. きくっ:【[洋傘直し、洋傘直し、なぜ農園の入口でおまえはきくっと曲るのか。]】
by『チュウリップの幻術』
456. ぎくっ:【ところが楢(なら)ノ木大学士は も一度ぎくっと立ちどまった。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
457. ぎくっ:【またかと私はぎくっとしました。】
by『二人の役人』
458. ぎくっ:【ジョバンニはそっちを見て、まるでぎくっとしてしまいました。】
by『銀河鉄道の夜』
459. ぎくっ:【「山猫博士?」ファゼーロはぎくっとしたようすでした。】
by『ポラーノの広場』
460. ぎくっ:【そしたらまだまだと思っていた崖がもうすぐ眼の前に出ましたので私はぎくっとして手をひろげて慶
次郎の来るのをとめました。】
by『谷』
461. ぎくっ:【ガドルフはぎくっと立ちどまり、階段に落ちたまっ黒な自分の影とそれから窓の方を一諸に見まし
た。】
by『ガドルフの百合』
462. ぎくっ:【ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまいました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
463. ぎくっ:【山男ははじめぎくっとしましたが、すぐ、(ははあ、六神丸というものは、みんなおれのようなぐあい
に人間が薬で改良されたもんだな。よしよし。)と考えて、「おれは魚屋の前から来た。」と腹に力
を入れて答えました。】
by『山男の四月』
464. ぎくっ:【タネリは、ぎくっとして立ちどまってしまいました。】
by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』
465. ぎくっ:【百姓どもはぎくっとし、オツベルもすこしぎょっとして、大きな琥珀のパイプから、ふっとけむりをは
きだした。】
by『オツベルと象』
466. ぎくっ:【校長はぎくっとしたが気をとりなおしてこう云った。】
by『フランドン農学校の豚』
467. ギクッ:【若い木霊(こだま)はギクッとして立ち止まりました。】
by『若い木霊(こだま)』
468. ぎくり:【ところが私はぎくりとしてつっ立ってしまいました。】
by『イギリス海岸』
469. ぎくり:【署長は聞きおぼえのある声だと思って顔をあげたらじっさいぎくりとしてしまった。】
by『税務署長の冒険』
470. ぎざぎざ:【二人は、ぎざぎざの黒いくるみの実を持ちながら、またさっきの方へ近よって行きました。】
by『銀河鉄道の夜』
471. ぎざぎざ:【向う側もやっぱりこっち側と同じようでその毒々しく赤い崖には横に五本の灰いろの太い線が
入っていました。ぎざぎざになって赤い土から喰(は)み出していたのです。】
by『谷』
472. ぎざぎざ:【二人は、ぎざぎざの黒いくるみの実を持ちながら、またさっきの方へ近よって行きました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
473. ぎざぎざ:【そして本とうに恐ろしいことはその子供らの間を顔のまっ赤な大きな人のかたちのものが灰い
ろの棘(とげ)のぎざぎざ生えた鎧(よろい)を着て、髪などはまるで火が燃えているよう、ただれたよう
な赤い眼をして太い鞭(むち)を振りながら歩いて行くのでした。】
by『ひかりの素足』
474. ギザギザ:【「ギザギザの青黒い葉の間から、まばゆいくらい黄いろなトマトがのぞいているのは立派だっ
た。」】
by『黄いろのトマト』
475. ギザギザ:【河へ出ている広い泥岩の露出で奇体なギザギザのあるくるみの化石だの赤い高師(たかし)小
僧だのたくさん拾った。】
by『或る農学生の日誌』
476. きしきし:【カムパネルラは、そのきれいな砂を一つまみ、手のひらにひろげ、指できしきしさせながら、夢
のように云っているのでした。】
by『銀河鉄道の夜』
477. きしきし:【カムパネルラは、そのきれいな砂を一つまみ、掌にひろげ、指できしきしさせながら、夢のよう
に云っているのでした。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
478. きしきし:【土神は歯をきしきし噛みながら高く腕を組んでそこらをあるきまわりました。】
by『土神ときつね』
479. きしきし:【砂がきしきし鳴りました。】
by『インドラの網』
480. キシキシ:【病人はキシキシと泣く。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
481. ぎしぎし:【その時脚(あし)の下では、つぶやくような微(かす)かな音がして、観測小屋はしばらくぎしぎし軋
(きし)みました。】
by『グスコーブドリの伝記』
482. ぎしぎし:【助手はぎしぎしその管を豚の歯の間にねじ込んだ。】
by『フランドン農学校の豚』
483. きしきしきし:【よだかは高くきしきしきしと鳴きました。】
by『よだかの星』
484. キシキシキシキシキシッ:【それからキシキシキシキシキシッと高く高く叫びました。】
by『よだかの星』
485. キシリキシリ:【キシリキシリ雪をふんで白い狐の子が出て来ました。】
by『雪渡り』
486. ぎちぎち:【馬は太鼓に歩調を合せ、殊にもさきのソン将軍の白馬は、歩くたんびに膝がぎちぎち音がして、
ちょうどひょうしをとるようだ。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
487. ぎちぎち:【あんなにぎちぎち軋(きし)んだ膝がいまではすっかり鳴らなくなった。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
488. きちっ:【「ここでおりなけぁいけないのです。」青年はきちっと口を結んで男の子を見おろしながら云いまし
た。】
by『銀河鉄道の夜』
489. きちっ:【青年はきちっと口を結んで男の子を見おろしながら云いました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
490. きちっ:【その唇はきちっと結ばれて鮭の色の谷か何かのように見え、少し鳶色がかった髪の毛は、ぬれ
たようになって額に垂れていました。】
by『氷と後光(習作)』
491. きちっ:【西の方の野原から連れて来られた三人の雪童子(ゆきわらす)も、みんな顔いろに血の気もなく、き
ちっと唇を噛んで、お互い挨拶さえも交わさずに、もうつづけざませわしく革むちを鳴らし行った
り来たりしました。】
by『水仙月の四日』
492. きちん:【きちんと起きているのはさっきの窓のそばの一人の青年と客車の隅でしきりに鉛筆をなめなが
らきょときょと聴き耳をたてて何か書きつけているあの痩(やせ)た赤髯(ひげ)の男だけでした。】
by『氷河鼠の毛皮』
493. きちん:【しゅっこは大へんまじめな顔で、きちんと立って水を見ていた。】
by『さいかち淵(ぶち)』
494. きちん:【乱暴ものの二疋(ひき)の兄弟も不思議にその晩はきちんと座って、大きな眼をじっと下に落として
いました。】
by『二十六夜』
495. きちん:【そして教室中はしばらく机の蓋をあけたりしめたり本を重ねたりする音がいっぱいでしたがまも
なくみんなはきちんと立って礼をすると教室を出ました。】
by『銀河鉄道の夜』
496. きちん:【お酒の石油缶にはきちんと蓋をしてしまいました。】
by『カイロ団長』
497. きちん:【飛石(とびいし)の上に両あしを揃えてきちんと立って四人つづいて待っているのは面白い。】
by『台川(だいかわ)』
498. きちん:【ブランダと呼ばれた子はすばやくきちんとなって答えました。】
by『学者アラムハラドの見た着物』
499. きちん:【けれども小猿は急にぶらぶらさせていた足をきちんとそろえておじぎをしました。】
by『さるのこしかけ』
500. きちん:【(これで、も一度きちんと空がみがかれて、星座がめぐることなどはまあ夢だ。夢でなけぁ霧だ。
みずけむりさ。)】
by『ガドルフの百合』
501. きちん:【夜は二人とも、きっとお宮に帰って、きちんと座り、空の星めぐりの歌に合せて、一晩銀笛を吹
くのです。】
by『双子の星』
502. きちん:【見ると鳥捕りは、もうそこでとって来た鷺を、きちんとそろえて、一つずつ重ね直しているのでし
た。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
503. きちん:【けれどもたれが増えたのか、とにかくみんな、自分だけは、何だってざしきぼっこだないと、一生
けん命眼を張って、きちんと座って居りました。】
by『ざしき童子(ぼっこ)のはなし』
504. きちん:【そこにはいままでに見たこともないような大きなテーブルがあって、そのまん中に一人の少し髪
の白くなった人のよさそうな立派な人が、きちんと座って耳に受話器をあてながら何か書いてい
ました。】
by『グスコーブドリの伝記』
505. きちん:【変なこどもはやはりきょろきょろこっちを見るだけきちんと腰掛けています。】
by『風の又三郎』
506. きちん:【変なこどもはやはりきょろきょろこっちを見るだけきちんと腰掛けています。】
by『風野又三郎』
507. きちん:【その右側に一番の白猫と三番の三毛猫、左側に二番の虎猫と四番のかま猫が、めいめい小さ
なテーブルを前にして、きちんと椅子にかけていました。】
by『寓話 猫の事務所』
508. きちん:【担任の先生はきちんとまだ立っています。】
by『茨海(ばらうみ)小学校』
509. きちん:【『染屋をよすならきちんとやめてしまうがいい。』】
by『林の底』
510. きちん:【すぐ村の有志たちが三十人ばかりきちんと座りました。】
by『税務署長の冒険』
511. きちん:【馬にきちんと起きあがる。】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
512. きちん:【ソン将軍は両手を出して鉢をきちんと受けとった。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
513. きちん:【烏の大尉の部下が十八隻(せき)、順々に飛びあがって大尉に続いてきちんと間隔をとって進みま
した。】
by『烏の北斗七星』
514. きちん:【そして巣の中をきちんとかたづけ、きれいにからだ中のはねや毛をそろえて、また巣から飛び出
しました。】
by『よだかの星』
515. きちん:【もうみんなはまるで子供のようにいそいそして、まず自分の家をきちんとととのえそれから表へ出
て通りをきれいに掃除しました。】
by『四又の百合』
516. きちん:【「も少しきちんと窓をしめて、室(へや)中暗くしなくては、脂(あぶら)がうまくかからんじゃないか。それ
にもうそろそろと肥育をやってもよかろうな、毎日阿麻仁(あまに)を少しずつやって置いて呉れない
か。」】
by『フランドン農学校の豚』
517. きちん:【又その桔梗(ききょう)いろの冷たい天盤には金剛石の劈開片(へきかいへん)や青宝玉の尖った粒やあ
るいはまるでけむりの草のたねほどの黄水晶のかけらまでごく精巧のピンセットできちんとひろ
われきれいにちりばめられそれはめいめい勝手に呼吸し勝手にぷりぷりふるえました。】
by『インドラの網』
518. きちん:【きちんと床へ座ったままどうもわからないというように首をまげて考えていましたが、しばらくたっ
て「狸汁ってぼく知らない。」と云いました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
519. きちん:【嘉十(かじゅう)は痛い足をそっと手で曲げて、苔の上にきちんと座りました。】
by『鹿(しし)踊りのはじまり』
520. キチン:【『お早う今朝は暖(あたたか)ですね。』本線のシグナル柱はキチンと兵隊のように立ちながらいやに
まじめくさって挨拶しました。】
by『シグナルとシグナレス』
521. きっ:【それはあちこちの川の岸や崖の脚には、きっとこの泥岩が顔を出しているのでもわかりましたし、
又所々で堀り抜き井戸を穿(うが)ったりしますと、じきこの泥岩層にぶっつかるのでもしれました。】
by『イギリス海岸』
522. きっ:【さあ、もう私たちはきっと殺されるにちがいないと思いました。】
by『二人の役人』
523. きっ:【石神の庄助がさきに立って、そのあとから、練瓦場の人たちが三人ばかり、肌ぬぎになったり、網
を持ったりして、河原のねむの木のとこを、こっちへ来るから、ぼくは、きっと発破(はっぱ)だとおも
った。】
by『さいかち淵(ぶち)』
524. きっ:【「ねえお母さん。ぼくお父さんはきっと間もなく帰ってくると思うよ。」】
by『銀河鉄道の夜』
525. きっ:【夜は二人とも、きっとお宮に帰って、きちんと座り、空の星めぐりの歌に合せて、一晩銀笛を吹くの
です。】
by『双子の星』
526. きっ:【「山羊だよ。ああきっとあれだ。ファゼーロがいまごろ山羊なんぞ連れてあるく筈ないんだから。」】
by『ポラーノの広場』
527. きっ:【「貴様だけは殺さない。おれもきっと一緒に行くぞ。」】
by『饑餓陣営』
528. きっ:【この下のみちがきっと釜淵に行くんだ。】
by『台川(だいかわ)』
529. きっ:【獅子はめがねを直してきっとそれを見なおしました。】
by『月夜のけだもの』
530. きっ:【それぁきっとよく捕れるんでしょう。】
by『バキチの仕事』
531. きっ:【僕はきっと黄金(きん)色のお星さまになるんだよ。」】
by『いちょうの実』
532. きっ:【「早くあすこへ行って見よう。きっと何か掘ってるから。」】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
533. きっ:【「げにも、かの天にありて濛々(もうもう)たる星雲、地にありてはあいまいたるばけ物律、これはこれ
宇宙を支配す。」と云いながらテーブルの上に飛びあがって腕を組み堅く口を結んできっとあた
りを見まわしました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
534. きっ:【(あのおじいさんはきっと鼠捕りだな。)キッコは考えました。】
by『みじかい木ペン』
535. きっ:【なるほど、そう云って出て行く給仕を見ますと、首にまるで石の環をはめたような厚い繃帯をして、
顔もだいぶはれていましたからきっと、その毒蛾に噛まれたんだと、私は思いました。】
by『毒蛾』
536. きっ:【「うん。とにかく、その子をよこしてごらん。きっと、立派にしてあげるから。」】
by『鳥箱先生とフウねずみ』
537. きっ:【唇をきっと噛みながらすぐひどく手を廻(まわ)してすなわち一ぺん東京まで手をまわして風下に居る
軽便鉄道の電信ばしらに、シグナルとシグナレスの対話が、一体何だったか今シグナレスが笑
ったことは、どんなことだったかたずねてやりました。】
by『シグナルとシグナレス』
538. きっ:【向うの曲り角の処(ところ)に又三郎が小さな唇をきっと結んだまま三人のかけ上って来るのを見てい
ました。】
by『風の又三郎』
539. きっ:【又三郎は笑いもしなければ物も云いません。ただちいさな唇を強そうにきっと結んだまま黙ってそ
らを見ています。】
by『風の又三郎』
540. きっ:【「何だい。こわくないや。」又三郎はきっと口をかんで云いました。】
by『風の又三郎』
541. きっ:【「ぼくうたったらきっとびっくりしてこっちを向くねえ。」】
by『畑のへり』
542. きっ:【小さな唇を強そうにきっと結んだまま、黙って二人のかけ上って来るのを見ていました。】
by『風野又三郎』
543. きっ:【これは仕方ないんだよ、お日さんさえ出たらきっともう僕たちは陸の方へ行かなけぁならないように
なるんだ、僕はだんだん岸へよって鴎(かもめ)が白い蓮華の花のように波に浮んでいるのもに
見たし、また沢山のジャンクの黄いろの帆や白く塗られた蒸気船の舷(げん)を通ったりなんかし
て昨日の気象台に通りかかると僕はもう遠くからあの風力計のくるくるくるくる廻るのを見て胸が
踊るんだ。】
by『風野又三郎』
544. きっ:【「何を。狸め。おれはいまに虫けら会の会長になってきっときさまにおじぎをさせて見せるぞ。」】
by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』
545. きっ:【染めるんならもうきっと今すぐやって呉れ。】
by『林の底』
546. きっ:【悪魔のお医者はきっと立ってこれを見渡していましたがその光が消えてしまうとまた云いました。】
by『ひのきとひなげし』
547. きっ:【「ええおい。さあ坊ちゃん。きっとこいつは話します。」】
by『黄いろのトマト』
548. きっ:【「ああいうかなしいことを、お前はきっと知らないよ。」】
by『黄いろのトマト』
549. きっ:【烏の大尉は夜間双眼鏡(ナイトグラス)を手早く取って、きっとそっちを見ました。】
by『烏の北斗七星』
550. きっ:【「ね、まあ、あのくちの大きいことさ。きっと、かえるの親類か何かなんだよ。」】
by『よだかの星』
551. きっ:【「今日ぁ午(ひる)まがらきっと曇る。」】
by『種山ヶ原』
552. きっ:【「五円いくらぐらいきっと払うよ。」】
by『植物医師』
553. きっ:【きっと去年の埋め合せを付ける。】
by『或る農学生の日誌』
554. きっ:【すると楽長がきっとなって答えました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
555. ギッ:【嘉(か)ッコは、黒猫をしっぽでつかまえて、ギッと云うくらいに抱いていました。】
by『十月の末』
556. ぎっ、ばっ、ふう:【将軍は馬にむちをやる。ぎっ、ばっ、ふう。馬は土塀をはね越えて、となりのリンプー先
生の、けしのはたけをめちゃくちゃに、踏みつけながら立っていた。】
by『北守将軍と三人兄弟の医者』
557. きっき:【「おまえのガラスの水車(みずぐるま)、きっきとまわせ。」】
by『水仙月の四日』
558. きっき:【ホトランカン先生はそれをきっきと手で押して将軍のしらが頭の上にはげしく霧を注ぎかける。】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
559. キッキッ:【その下を狐が詩集をもって遊びに行ったのでした。仕立おろしの紺の背広を着、赤革の靴もキ
ッキッと鳴ったのでした。】
by『土神ときつね』
560. ギッギッ:【しばらくしばらくたってからやっと、「ギッギッ」と二声ばかり鳴きました。】
by『蛙のゴム靴』
561. キック、キック、トントン、キック、キック、キック、トントントン:【キック、キック、トントン、キック、キック、キッ
ク、トントントン。】
by『雪渡り』
562. キックキックキック:【四郎とかん子とは小さな雪沓(ゆきぐつ)をはいてキックキックキック、野原に出ました。】
by『雪渡り』
563.
キックキックトントンキックキックトントン:【狐は可笑(おか)しそうに口を曲げて、キックキックトントンキックキ
ックトントンと足ぶみをはじめてしっぽと頭を振ってしばらく考えていましたがやっと思いついたら
しく、両手を振って調子をとりながら歌いはじめました。】
by『雪渡り』
564. ぎっくり:【今度はみんなは却(かえ)ってぎっくりしてしまいました。】
by『とっこべとら子』
565. ぎっしり:【ほんとうにこんなような蝎(さそり)だの勇士だのそらにぎっしりいるだろうか、ああぼくはその中を
どこまでも歩いて見たいと思ってたりしてしばらくぼんやり立っていました。】
by『銀河鉄道の夜』
566. ぎっしり:【教室の広いことはまるで野原です。さまざまの形、とうがらしや、臼や、鋏や、赤や白や、実に
さまざまの学生のばけものがぎっしりです。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
567. ぎっしり:【式場の中はぎっしりでした】
by『ビジテリアン大祭』
568. ぎっしり:【豆ばだけは、今はもう、茶色の豆の木でぎっしりです。】
by『十月の末』
569. ぎっしり:【中には十冊ばかりの本がぎっしり入って居りました。】
by『グスコーブドリの伝記』
570. ぎっしり:【そばへ寄ってみると、その桃いろなのには、いちめんにせいの低い花が咲いていて、蜜蜂がい
そがしく花から花をわたってあるいていましたし、緑いろなのには小さな穂を出して草がぎっしり
生え、灰いろなのは浅い泥の沼でした。】
by『グスコーブドリの伝記』
571. ぎっしり:【中にはさまざまの服装をした学生がぎっしりです。】
by『グスコーブドリの伝記』
572. ぎっしり:【こんどは月十二石だ、それからこんどは十四石十六石十八石、二十石とそこまで署長が夢の
ように計算したときは荷馬車の上はもう樽でぎっしりだった。】
by『税務署長の冒険』
573. ぎっしり:【それから谷の深い処には細かなうすぐろい灌木がぎっしり生えて光を通すことさえも慳そうに見
えました。】
by『マグノリアの木』
574. ぎっしり:【けれどももちろん平太には一張羅の着ている麻服があるばかり他に入れるようなものは何もあ
りませんでしたから親方に頼んで板の上に引いた要らない絵図を三十枚ばかり貰ってぎっしりそ
れに詰めました。】
by『革トランク』
575. ぎっしり:【セロ弾きは何と思ったかまずはんけちを引きさいてじぶんの耳の穴へぎっしりつめました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
576. ぎったりぎたり:【夜風の 底の 蜘蛛おどり、 胃袋ぅ はいて ぎったりぎたり。】
by『種山ヶ原』
577. きっぱり:【けれども俄かにカムパネルラのお父さんがきっぱり云いました。】
by『銀河鉄道の夜』
578. きっぱり:【そして殊にあやしいことは小屋がきっぱりうしろの崖にくっついて建ててあっておまけにその崖
が柔らかな岩をわざと切り崩したものらしかった。】
by『税務署長の冒険』
579. きぱきぱ:【異教徒席の中からせいの高い肥ったフロックの人が出て卓子の前に立ち一寸会釈してそれ
からきぱきぱした口調で斯う述べました。】
by『ビジテリアン大祭』
580. ぎゃあ:【蛙はぎゃあと叫んで遠めがねも何もほうり出して一目散に遁げだしました。】
by『畑のへり』
581. ぎゃあぎゃあ:【「汽車が走って行かないうちに、早く鳥がおりるといいな。」と云ったとたん、がらんとした
桔梗いろの空から、さっき見たような鷺(さぎ)が、まるで雪の降るように、ぎゃあぎゃあ叫びながら、
いっぱいに舞いおりて来ました。】
by『銀河鉄道の夜』
582. ぎゃあぎゃあ:【さっき見たような鷺(さぎ)が、まるで雪の降るように、ぎゃあぎゃあ叫びながら、いっぱいに
舞いおりて来ました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
583. きゃっきゃっ:【猿が、一度にきゃっきゃっ笑いました。】
by『さるのこしかけ』
584. きゃっきゃっ:【「僕がいつでもあらんかぎり叫んで馳ける時、よろこんできゃっきゃっ云うのは子供ばかり
だよ。」】
by『風野又三郎』
585. きゃっきゃっ:【「殊にも雀ややまがらやみそさざい、めじろ、ほおじろ、ひたき、うぐいすなんという、いつ
までたっても誰にも見まちがわれるてあいなどは、きゃっきゃっ叫んだり、手をつないだりしては
ねまわり、さっそくとんびの染屋へ出掛けて行きました。」】
by『林の底』
586. きゃっきゃっ:【りすがきゃっきゃっ悦(よろこ)んで仕事にかかりました。】
by『貝の火』
587. きゃんきゃん:【「まん中に居てきゃんきゃん調子をとるのがあれが桜桃の木ですか。」】
by『チュウリップの幻術』
588. きゃんきゃんきゃん:【「狐こんこん狐の子、去年狐のこん助が、焼いた魚を取ろとしておしりに火がつき
きゃんきゃんきゃん。」】
by『雪渡り』
589. ぎゅっ:【すると犬神はぎゅっとタネリの足を強く握って「ほざくな小僧、いるかの子がびっくりしてるじゃな
いか。」と云ったかと思うとぽっとあたりが青ぐらくなりました。】
by『サガレンと八月』
590. ぎゅっく:【「どうもつかれて声が出ないよ。ぎゅっく。もうよそう。」】
by『畑のへり』
591. ぎゅっくぎゅっく:【「いいかい、うたうよ。ぎゅっくぎゅっく。」】
by『畑のへり』
592. ぎょっ:【藁の上の若い農夫はぎょっとしました。】
by『耕耘部(こううんぶ)の時計』
593. ぎょっ:【一郎はぎょっとして、一あしうしろにさがって、「え、ぼく一郎です。けれども、どうしてそれを知っ
ていますか。」と言いました。】
by『どんぐりと山猫』
594. ぎょっ:【四郎は少しぎょっとしてかん子をうしろにかばって、しっかり足をふんばって叫びました。】
by『雪渡り』
595. ぎょっ:【女の子はぎょっとしたようにネネムの方を見ました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
596. ぎょっ:【なるほど立派な青い瀬戸の塩壺は置いてありましたが、こんどというこんどは二人ともぎょっとし
てお互いにクリームをたくさん塗った顔を見合わせました。】
by『注文の多い料理店』
597. ぎょっ:【鬼はぎょっとしたように一郎を見てそれから口がしばらくぴくぴくしていましたが大きな声で斯(こ)
う云いました。】
by『ひかりの素足』
598. ぎょっ:【すると二人は、ぎょっとしたように顔をあげて、あごに手をあててしばらくブドリを見ていましたが、
赤鬚(ひげ)が俄かに笑い出しました。】
by『グスコーブドリの伝記』
599. ぎょっ:【シグナルはぎょっとしたように胸を張って、しばらく考えていましたが、やがてガタガタ顫(ふる)え出
しました。】
by『シグナルとシグナレス』
600. ぎょっ:【そのときみんなはぎょっとしました。】
by『風の又三郎』
601. ぎょっ:【百姓どもはぎょっとした。】
by『オツベルと象』
602. ぎょっ:【耕一はぎょっとしましたけれどもやっぱり口笛を吹いて歩いて行きました。】
by『風野又三郎』
603. ぎょっ:【そして「大丈夫さ、大丈夫さ。」と云いながら、その子の顔を見ますと、ホモイはぎょっとして危なく
手をはなしそうになりました。】
by『貝の火』
604. ぎょっ:【豚は実にぎょっとした。】
by『フランドン農学校の豚』
605. きょときょと:【客車の隅でしきりに鉛筆をなめながらきょときょと聴き耳をたてて何か書きつけているあの
痩(やせ)た赤髯(ひげ)の男だけでした。】
by『氷河鼠の毛皮』
606. きょとん:【向うの隅には痩(やせ)た赤ひげの人が北極狐のようにきょとんとすまして腰を掛けこちらの斜(は
す)かいの窓のそばにはかたい帆布(はんぷ)の上着を着て愉快そうに自分にだけ聞えるような微か
な口笛を吹いている若い船乗りらしい男が乗っていました。】
by『氷河鼠の毛皮』
607. きょろきょろ:【向うの隅ではあの痩(やせ)た赤髯(ひげ)の男が眼をきょろきょろさせてみんなの話を聞きすま
し、酒を呑み出した紳士のまわりの人たちは少し羨ましそうにこの剛勢な北極近くまで猟に出か
ける暢気な大将を見ていました。】
by『氷河鼠の毛皮』
608. きょろきょろ:【狼はおびえあがって、きょろきょろしながらたずねました。】
by『蜘蛛となめくじと狸』
609. きょろきょろ:【ある日ツェねずみは、きょろきょろ四方を見まわしながら、床下街道を歩いていました。】
by『ツェねずみ』
610. きょろきょろ:【狐はきょろきょろその顔を盗み見ました。】
by『月夜のけだもの』
611. きょろきょろ:【二人はまわりをきょろきょろ見ましたが、どこにも誰も居ませんでした。】
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』
612. きょろきょろ:【「そうか。」と云いながら楢夫はそこらを見ましたが、もう今やって来たトンネルの出口はな
く、却(かえ)って、向うの木のかげや、草のしげみのうしろで、沢山の小猿が、きょろきょろこっちを
のぞいているのです。】
by『さるのこしかけ』
613. きょろきょろ:【狐は二つぶ目のきょろきょろした青い肉を吐き出して云いました。】
by『黒ぶどう』
614. きょろきょろ:【何のことだかわけがわからずきょろきょろしていたマミミ〔一字不明〕、戸口を出てからはじ
めてわっと泣き出しネネムは、「どろぼう、どろぼう。」と泣きながら叫んで追いかけましたがもう男
は森を抜けてずうっと向うの黄色な野原を走って行くのがちらっと見えるだけでした。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
615. きょろきょろ:【おまけにかぎ穴からはきょろきょろ二つの青い眼玉がこっちをのぞいています。】
by『注文の多い料理店』
616. きょろきょろ:【するとちょうどそこを、大きな荷物をしょった、汚い浅黄服の支那人が、きょろきょろあたり
を見まわしながら、通りかかって、いきなり山男の肩をたたいて言いました。】
by『山男の四月』
617. きょろきょろ:【タネリは、ほんとうにさびしくなって、また藤の蔓(つる)を一つまみ、噛みながら、もいちど森
を見ましたら、いつの間にか森の前に、顔の大きな犬神みたいなものが、片っ方の手をふところ
に入れて、山梨のような赤い眼をきょろきょろさせながら、じっと立っているのでした。】
by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』
618. きょろきょろ:【「なぜお前は、そんなにきょろきょろあたりを見てあるくのです。」】
by『鳥箱先生とフウねずみ』
619. きょろきょろ:【その時森の中からまっ青な顔の大きな木霊が赤い瑪瑙(めのう)のような眼玉をきょろきょろ
させてだんだんこっちへやって参りました。】
by『若い木霊(こだま)』
620. きょろきょろ:【子供はびっくりして枝をひろって、きょろきょろあちこちを見まわしています。】
by『水仙月の四日』
621. きょろきょろ:【けれどもそのこどもはきょろきょろ室(へや)の中やみんなの方を見るばかりでやっぱりちゃ
んとひざに手をおいて腰掛(こしかけ)に座っていました。】
by『風の又三郎』
622. きょろきょろ:【けれどもそのこどもはきょろきょろ室(へや)の中やみんなの方を見るばかりでやっぱりちゃ
んとひざに手をおいて腰掛(こしかけ)に座っていました。】
by『風野又三郎』
623. きょろきょろ:【私はきょろきょろあちこち見まわしていましたら、先生が少し笑って云いました。】
by『茨海(ばらうみ)小学校』
624. きょろきょろ:【狼はすっかりおびえあがって、しばらくきょろきょろしながらたずねました。】
by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』
625. きょろきょろ:【どうもおかしいどうもおかしい、どうもおかしいとみんなの顔つきをきょろきょろ見ながらそ
の割合ざっくばらんの少しずるい税務署長が思いました。】
by『税務署長の冒険』
626. きょろきょろ:【実際コンネテクカット大学校で、私の習ってきたことは、「お前はきょろきょろ、自分と人と
をばかりくらべてばかりいてはならん。」ということだけです。】
by『葡萄水』
627. きょろきょろ:【すると野ねずみは何をわらわれたろうというようにきょろきょろしながらゴーシュの前に来
て、青い栗の実を一つぶ前においてちゃんとおじぎをして云いました。】
by『セロ弾きのゴーシュ』
628. きょろきょろきょろきょろ:【さあ、大へん、みんな、「あ痛っ、あ痛っ。誰だい。」なんて云いながら目をさま
して、しばらくきょろきょろきょろきょろしていましたが、いよいよそれが酒屋のおやじのとのさま
がえるの仕業だとわかると、もうみな一ぺんに、「何だい。おやじ。よくもひとをなぐったな。」】
by『カイロ団長』
629. キョロキョロ:【「木村博士は痩せて眼のキョロキョロした人だけれども僕はまあ好きだねえ、それに非常
にテニスがうまいんだよ。」】
by『風野又三郎』
630. きらきら:【「降らせろ、降らせろ、きらきらの溶岩で海をうずめろ。海から騰(の)ぼる泡で太陽を消せ、生
き残りの象から虫けらのはてまで灰を吸わせろ、えい、畜生ども、何をぐずぐずしてるんだ。」】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
631. きらきら:【暴(あら)っぽいラクシャン第一子が このときまるできらきら笑った。きらきら光って笑ったのだ。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
632. きらきら:【その立派なちぢれた葉のさきからは、まるでひるの間にいっぱい日光を吸った金剛石のように、
露がいっぱいについて、赤や緑やきらきら燃えて光っているのでした。】
by『銀河鉄道の夜』
633. きらきら:【野原の草はきらきら光り、あちこちの樺(かば)の木は白い花をつけました。】
by『貝の火』
634. きらきら:【もう日はよほど登って、まわりはみんなきらきらしていました。】
by『ポラーノの広場』
635. きらきら:【さっきの青いのは可成(かなり)大きなはんの木でしたがその梢(こずえ)からはたくさんのモールが
張られてその葉まできらきらひかりながらゆれていました。】
by『ポラーノの広場』
636. きらきら:【洞(ほら)の隙間から朝日がきらきら射して来て水底の岩の凹凸(おうとつ)をはっきり陰影で浮き出
させ、またその岩につくたくさんの赤や白の動物を写し出した。】
by『竜と詩人』
637. きらきら:【さて、かすかなかすかな日照り雨が降りましたので、星はきらきら光り、向こうの山は暗くなり
ました。】
by『めくらぶどうと虹』
638. きらきら:【楢や柏の葉もきらきら光ったのです。】
by『谷』
639. きらきら:【虔十(けんじゅう)のおっかさんはきらきらの三本鍬を動かすのをやめてじっと虔十の顔を見て云い
ました。】
by『虔十(けんじゅう)公園林』
640. きらきら:【その辺一ぱいにならんだ屋台の青い苹果(りんご)や葡萄(ぶどう)が、アセチレンのあかりできらきら
光っていました。】
by『祭の晩』
641. きらきら:【露はきらきら光り、きつねのしっぽのような茶色の草穂は一面波を立てました。】
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』
642. きらきら:【下のすずらんの葉に落ちそれからきらきらころがって草の底の方へもぐって行きました。】
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』
643. きらきら:【草も花もみんなからだをゆすったりかがめたりきらきら宝石の露をはらいギギンザン、リン、ギ
ギンと起きあがりました。】
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』
644. きらきら:【そして全くその通り稲光りがまた新らしく落ちて来たときその気の毒ないちばん丈の高い花が、
あまりの白い興奮に、とうとう自分を傷つけて、きらきら顫(ふる)うしのぶぐさの上に、だまって横た
わるのを見たのです。】
by『ガドルフの百合』
645. きらきら:【空の野原はきらきら白く光っています。】
by『双子の星』
646. きらきら:【その立派なちぢれた葉のさきからはまるでひるの間にいっぱい日光を吸った金剛石のように
露がいっぱいについて赤や緑やきらきら燃えて光っているのでした。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
647. きらきら:【まっ黒な着物を着たばけものが右左から十人ばかり大きなシャベルを持ったりきらきらするフ
ォークをかついだりして出て来て、】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
648. きらきら:【クラレの花がきらきら光り、クラレの茎がパチンパチンと折れ、みんなの影法師はまるで戦の
ように乱れて動きました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
649. きらきら:【山男はしばらくぼんやりして、投げ出してある山鳥のきらきらする羽をみたり、六神丸の紙箱
を水につけてもむことなどを考えていましたがいきなり大きなあくびをひとつして言いました。】
by『山男の四月』
650. きらきら:【それはさっきのやどりぎでした。いかにもタネリをばかにしたように、上できらきらひかっていま
す。】
by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』
651. きらきら:【樺の木からは雫(しずく)がきらきら光って降りました。】
by『みじかい木ペン』
652. きらきら:【おかしなきのこの形になり、その足もとから黄金(きん)色の溶岩がきらきら流れ出して、見るまに
ずうっと扇形にひろがりながら海へ入りました。】
by『グスコーブドリの伝記』
653. きらきら:【太陽は今越えて来た丘のきらきらの枯草の向うにかかりそのななめなひかりを受けて早くも一
本の桜草が咲いていました。】
by『若い木霊(こだま)』
654. きらきら:【樺の木は何だか少し困ったように思いながらそれでも青い葉をきらきらと動かして土神の来る
方を向きました。】
by『土神ときつね』
655. きらきら:【川がきらきら光って、停車場からは白い煙もあがっていました。】
by『水仙月の四日』
656. きらきら:【きらきらのお日さまが東の山をのぼりました。】
by『シグナルとシグナレス』
657. きらきら:【谷川はそっちの方へきらきら光ってながれて行きその下の山の上の方では風も吹いているら
しくときどき萱(かや)が白く波立っていました。】
by『風の又三郎』
658. きらきら:【草からは雫がきらきら落ち、総ての葉も茎も花も、今年の終りの陽(ひ)の光を吸っています。】
by『風の又三郎』
659. きらきら:【空がきらきらの白いうろこ雲で一杯でした。】
by『茨海(ばらうみ)小学校』
660. きらきら:【「するとここらの空気にな。きらきら赤い波がたつ。」】
by『ひのきとひなげし』
661. きらきら:【その晩の夢の綺麗なことは、黄や緑の火が空で燃えたり、野原がいちめん黄金(きん)の草に変
ったり、沢山の小さな風車が蜂のように微かにうなって空中を飛んであるいたり、仁義をそなえ
た鷲の大臣が、銀色のマントをきらきら波立てて野原を見まわったり、ホモイは嬉しさに何遍も、
「ホウ、やってるぞ、やってるぞ。」と声をあげた位です。】
by『貝の火』
662. きらきら:【税務署長は汗を拭くひまもなく息をやすめるひまもなくそのきらきらする枯草をこいでそっち
の方へ進んだ。】
by『税務署長の冒険』
663. きらきら:【ペンクラアネイ先生はまだ若くて顔が赤くいかにもうれしそうに歯をきらきらと出していた。】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
664. きらきら:【河が、春日大明神の帯のように、きらきら銀色に輝いて流れました。】
by『種山ヶ原』
665. きらきら:【草からは雫がきらきら落ち、総ての葉も茎も花も、今年の終りの陽の光りを吸っています。】
by『種山ヶ原』
666. きらきら:【かすかなかすかな日照り雨が降って、草はきらきら光り、向うの山は暗くなる。】
by『マリヴロンと少女』
667. キラキラ:【お星さまは野原の露がキラキラ固まったようです。】
by『雪渡り』
668. キラキラ:【そしてキラキラ涙をこぼしたのです。】
by『雪渡り』
669. キラキラ:【ひるすぎ、野原の向うから、又キラキラめがねや器械が光って、さっきの四人の学者と、村の
人たちと、一台の荷馬車がやって参りました。】
by『気のいい火山弾』
670. キラキラ:【「まあ、お髪のちぢれ工合から、お耳のキラキラする工合、何から何までそっくりです。」】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
671. キラキラ:【倉庫の屋根は、赤いうわぐすりをかけた瓦を、まるで鎧(よろい)のようにキラキラ着込んで、じ
ろっとあたりを見まわしているのでした。】
by『シグナルとシグナレス』
672. キラキラ:【ところがおかしいことは、先生がいつものキラキラ光る呼子笛を持っていきなり出入口から出
て来られたのです。】
by『風野又三郎』
673. キラキラ:【まるでキラキラします。】
by『葡萄水』
674. ぎらぎら:【そのカーテンのうしろには湯気の凍り付いたぎらぎらの窓ガラスでした。】
by『氷河鼠の毛皮』
675. ぎらぎら:【氷山の稜(かど)が桃色や青やぎらぎら光って窓の外にぞろっとならんでいたのです。】
by『氷河鼠の毛皮』
676. ぎらぎら:【みみずくの頭の形をした鳥ヶ森も、ぎらぎら青く光って見えた。】
by『さいかち淵(ぶち)』
677. ぎらぎら:【すぐ上の枝に居たお父さんのふくろうがその大きなぎらぎら青びかりする眼でこっちを見ながら
云いました。】
by『二十六夜』
678. ぎらぎら:【俄に天井に白い泡がたって、青びかりのまるでぎらぎらする鉄砲弾(だま)のようなものが、いきな
り飛び込んで来ました。】
by『やまなし』
679. ぎらぎら:【あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られ
たモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波、】
by『ポラーノの広場』
680. ぎらぎら:【子どもは山羊の首から帯皮をとりながら畑の向うでかげろうにぎらぎらゆれているやっと青み
がかったアカシヤの列を見ました。】
by『ポラーノの広場』
681. ぎらぎら:【そのとき西のぎらぎらのちぢれた雲のあいだから、夕陽は赤くななめに苔の野原に注ぎ、すす
きはみんな白い火のようにゆれて光りました。】
by『鹿(しし)踊りのはじまり』
682. ぎらぎら:【そしてまた夢の合間あいまに、電燈はまばゆい蒼孔雀に変って紋のついた尾翅をぎらぎらに
のばし、そのおいしそうなこどもをたべたそうにしたり、大事そうにしたりしました。】
by『氷と後光(習作)』
683. ぎらぎら:【ところがその日は朝も東がまっ赤でどうも雨になりそうでしたが私たちが柏の林に入ったころ
はずいぶん雲がひくくてそれにぎらぎら光って柏の葉も暗く見え風もカサカサ云って大へん気味
が悪くなりました。】
by『谷』
684. ぎらぎら:【どんぐりどもが、ぎらぎらひかって、飛び出して、わあわあわあわあ言いました。】
by『どんぐりと山猫』
685. ぎらぎら:【お日様がまっ白に燃えて百合の匂いを撒きちらし又雪をぎらぎら照らしました。】
by『雪渡り』
686. ぎらぎら:【すると又向うから無暗にぎらぎら光る鼠色の男が、赤いゴム靴をはいてやって参りました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
687. ぎらぎら:【権兵衛茶屋のわきから蕎麦ばたけや松林を通って、煙山(けむやま)の野原に出ましたら、向うに
は毒ヶ森や南晶山(なんしょうざん)が、たいへん暗くそびえ、その上を雲がぎらぎら光って、処々(ところ
どころ)には竜の形の黒雲もあって、どんどん北の方へ飛び、野原はひっそりとして人も馬も居ず、
草には穂が一杯に出ていました。】
by『鳥をとるやなぎ』
688. ぎらぎら:【はねのうらは桃いろにぎらぎらひかり、まるで鳥の王さまとでもいうふう、タネリの胸は、まるで、
酒でいっぱいのようになりました。】
by『タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった』
689. ぎらぎら:【空はまるで新しく拭(ふ)いた鏡のようになめらかで、青い七日ごろのお月さまがそのまん中にか
かり、地面はぎらぎら光って嘉(か)ッコは一寸氷砂糖をふりまいたのだとさえ思いました。】
by『十月の末』
690. ぎらぎら:【「天気がよくて雪がぎらぎらしてました。」】
by『化物丁場(ばけものちょうば)』
691. ぎらぎら:【見ると沼ばたけには水がいっぱいで、オリザの株は葉をやっと出しているだけ、上にはぎらぎら
石油が浮んでいるのでした。】
by『グスコーブドリの伝記』
692. ぎらぎら:【蓋を開くと中に小判が一ぱいつまり、月にぎらぎらかがやきました。】
by『とっこべとら子』
693. ぎらぎら:【ちぢれたぎらぎらの雲を越えて、遠くへでかけていたのです。】
by『水仙月の四日』
694. ぎらぎら:【その尖った耳と、ぎらぎら光る黄金(きん)の眼も見えます。】
by『水仙月の四日』
695. ぎらぎら:【「だんだん近くになって見ると、ついて居るのはみんな黒ん坊で、眼ばかりぎらぎら光らして、ふ
んどしだけして裸足だろう。」】
by『黄いろのトマト』
696. ぎらぎら:【灰いろになったプランペラポラン将軍がわざと顔をしかめながらしずかに馬のたづなをとってま
っすぐを向いて先登に立ちそれからチャルメラ豆太鼓ぎらぎらのほこ三角の旗軍勢は楽隊の音
に合せて足なみをそろえ軍歌をうたい門から町へ入って来た。】
by『三人兄弟の医者と北守将軍[韻文形]』
697. ぎらぎら:【ぎらぎらの太陽が、かなしいくらいひかって、東の雪の丘の上に懸(かか)りました。】
by『烏の北斗七星』
698. ぎらぎら:【町のまっ赤な門火の中で、刀をぎらぎらやらかしたんだ。】
by『種山ヶ原』
699. ぎらぎら:【刀が青くぎらぎら光りました。】
by『種山ヶ原』
700. ぎらぎら:【そのとき日光の柱は水のなかの尾鰭(おひれ)に射して青くまた白くぎらぎら反射した。】
by『竜と詩人』
701. ぎらぎら:【太陽はもうよほど西に外(そ)れて、十本ばかりの青いはんのきの木立の上に、少し青ざめてぎ
らぎら光ってかかりました。】
by『鹿(しし)踊りのはじまり』
702. ぎらぎら:【「あの花の盃の中からぎらぎら光ってすきとおる蒸気が丁度水へ砂糖を溶(とか)したときのよう
にユラユラユラユラ空へ昇って行くでしょう。」】
by『チュウリップの幻術』
703. ギラギラ:【やっと崖を登りきったらそこはまばらに栗の木の生えたごくゆるい斜面の平らで雪はまるで寒
水石という風にギラギラ光っていたしまわりをずうっと高い雪のみねがにょきにょきつったってい
た。】
by『なめとこ山の熊』
704. ギラギラ:【蜘蛛はそして葉のかげに戻って、六つの眼をギラギラ光らせてじっと網をみつめて居りました】
by『蜘蛛となめくじと狸』
705. ギラギラ:【ギラギラする鋼の小手だけつけた青と白との二人のばけものが、電気決闘というものをやって
いるのでした。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
706. ギラギラ:【その歯がギラギラ光ったのです。】
by『ひかりの素足』
707. ギラギラ:【ギラギラのお日さまがお登りになりました。】
by『水仙月の四日』
708. ギラギラ:【ガラスのマントがギラギラ光りました。】
by『風の又三郎』
709. ギラギラ:【そして黄色なダァリヤの涙の中でギラギラの太陽はのぼりました。】
by『まなづるとダァリヤ』
710. ギラギラ:【鼠色のマントがまるでギラギラする白光りに見えました。】
by『風野又三郎』
711. ギラギラ:【そこでマントがギラギラ光り、ガラスの沓がカチッ、カチッとぶっつかって鳴ったようでした。】
by『風野又三郎』
712. ギラギラ:【蜘蛛はまた枝のかげに戻って、六つの眼をギラギラ光らせながらじっと網をみつめて居た。】
by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』
713. きらきらきら:【それから黄金色(こがねいろ)の熔岩がきらきらきらと流れ出して見る間にずっと扇形にひろが
りました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
714. きらきらきらきら:【見るとそこらいちめん、きらきらきらきらする栗の実でした。】
by『祭の晩』
715. キラキラキラキラ:【そしてそれが沢山の小さな小さな鏡のようにキラキラキラキラ光るのです。】
by『雪渡り』
716. きらきらきらきら:【それから青や紺や黄やいろいろの色硝子でこしらえた羽虫が波になったり渦巻にな
ったりきらきらきらきら飛びめぐりました。】
by『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』
717. きらきらきらきら:【美しくまっ黒な砲艦の烏は、そのあいだ中、みんなといっしょに、不動の姿勢をとって
列(なら)びながら、きらきらきらきら涙をこぼしました。】
by『烏の北斗七星』
718. キラキラッ:【キラキラッと黄金(きん)のぶちがひかりました。】
by『やまなし』
719. きらきらっ:【おしまいの二つぶばかりのダイアモンドがそのみがかれた土耳古玉のそらからきらきらっと
光って落ちました。】
by『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』
720. ぎらぎらっ:【稲妻がぎらぎらっと光ったと思うともういつかさっきの泉のそばに立って居りました。】
by『双子の星』
721. きらっ:【「君たちは参観かね。」その大学士らしい人が、眼鏡をきらっとさせて、こっちを見て話しかけまし
た。】
by『銀河鉄道の夜』
722. きらっ:【「君たちは参観かね。」その大学士らしい人が、眼鏡をきらっとさせて、こっちを見て話しかけまし
た。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
723. きらっ:【電信柱の瀬戸の碍子(がいし)が、きらっと光ったり、青く葉をゆすりながら楊(やなぎ)がだんだんめぐ
ったり、汽車は丁度黒沢尻の町をはなれて、まっすぐに西の方へ走りました。】
by『化物丁場(ばけものちょうば)』
724. きらっ:【一きれのいいかおりがきらっと光って霧とその琥珀との浮遊の中を過ぎて行きました。】
by『マグノリアの木』
725. キラッ:【土神はしばらくの間ただぼんやりと狐を見送って立っていましたがふと狐の赤革の靴のキラッと
草に光るのにびっくりして我に返ったと思いましたら俄(にわ)かに頭がぐらっとしました。】
by『土神ときつね』
726. キラッ:【そしていつもの栗の木の下へかけ上るかあがらないうちにもう又三郎のガラスの沓(くつ)がキラッ
と光って又三郎は一昨日の通りまじめくさった顔をして草に立っていました。】
by『風野又三郎』
727. ぎらっ:【虹のようにぎらっと光ったりしながら、声もなくどんどん流れて行き、野原にはあっちにもこっちに
も、燐光の三角標が、うつくしく立っていたのです。】
by『銀河鉄道の夜』
728. ぎらっ:【と思ううちに、魚の白い腹がぎらっと光って一ぺんひるがえり、上の方へのぼったようでしたが、そ
れっきりもう青いものも魚のかたちも見えず光の黄金(きん)の網はゆらゆらゆれ、泡はつぶつぶ流
れました。】
by『やまなし』
729. ぎらっ:【虹のようにぎらっと光ったりしながら、声もなくどんどん流れて行き、野原にはあっちにもこっちに
も、燐光の三角標が、うつくしく立っていたのです。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
730. ぎらっ:【雪童子(わらす)の影法師は、ぎらっと白いひかりに変り、狼(おいの)どもは耳をたてて一さんに戻って
きました。】
by『水仙月の四日』
731. ぎらっ:【又三郎のマントがぎらっと光ったと思うと、もうその姿は消えて、みんなは、はじめてほうと息をつ
きました。】
by『風野又三郎』
732. ぎらっ:【みんなが丘へのぼったとき又三郎がいきなりマントをぎらっとさせてそこらの草へ橙や青の光を
落しながら出て来てそれから指をひろげてみんなの前に突き出して云いました。】
by『風野又三郎』
733. ギラッ:【あのすきとおる沓(くつ)とマントがギラッと白く光って、風の又三郎は顔をまっ赤に熱らせて、はあ
はあしながらみんなの前の草の中に立ちました。】
by『風野又三郎』
734. ギラッ:【この時水色の烈しい光の外套(がいとう)を着た稲妻が、向うからギラッとひらめいて飛んで来まし
た。】
by『双子の星』
735. きらっきらっ:【そしてその鶴をもってこっちを見ている影も、もうどんどん小さく遠くなり、電しんばしらの碍
子(がいし)がきらっきらっと続いて二つばかり光って、またとうもろこしの林になってしまいました。】
by『銀河鉄道の夜』
736. きらっきらっ:【そしてその鶴をもってこっちを見ている影も、もうどんどん小さく遠くなり、電しんばしらの碍
子(がいし)がきらっきらっと続いて二つばかり光って、またとうもろこしの林になってしまいました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
737. きらっきらっ:【その柱のようになった水は見えなくなり大きな鮭や鱒がきらっきらっと白く腹を光らせて空
中に抛り出されて円い輪を描いてまた水に落ちました。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
738. きらら:【「みずはころろ、そこもきらら、まわりをかこむ あおいほし。】
by『双子の星』
739. きらり:【ずうっと向うで、河がきらりと光りました。】
by『さるのこしかけ』
740. キラリ:【大将が、小さな剣をキラリと抜いて、号令をかけました。】
by『さるのこしかけ』
741. ぎらり:【するとすぐ頭の上の二階の窓から、大きな灰いろの頭が出て、めがねが二つぎらりと光りまし
た。】
by『グスコーブドリの伝記』
742. きりきり:【小猿がみんな歯をむいて楢夫に走って来て、みんな小さな綱を出して、すばやくきりきり身体
中を縛ってしまいました。】
by『さるのこしかけ』
743. きりきり:【土神はまたきりきり歯噛みしました】
by『土神ときつね』
744. きりきり:【それが玄関の前まで行くときりきりとまわってちいさなつむじ風になって黄いろな塵は瓶をさか
さまにしたような形になって屋根より高くのぼりました。】
by『風の又三郎』
745. きりきり:【そしてまるで何と云ったらいいかわからない変な気持ちがして歯をきりきり云わせました。】
by『風の又三郎』
746. キリキリ:【教師は実に口惜しそうに、しばらくキリキリ歯を鳴らし腕を組んでから又云った。】
by『フランドン農学校の豚』
747. キリキリ:【「源の大将」はお顔を半分切られて月光にキリキリ歯を喰いしばっているように見えました。】
by『とっこべとら子』
748. キリキリ:【土神は日光を受けてまるで燃えるようになりながら高く腕を組みキリキリ歯噛みをしてその辺を
うろうろしていましたが考えれば考えるほど何もかもしゃくにさわって来るらしいのでした。】
by『土神ときつね』
749. キリキリ:【本線シグナルつきの電信ばしらは、キリキリ歯がみをしながら聞いていましたが、すっかり聞い
てしまうと、さあまるでもう馬鹿のようになってどなりました。】
by『シグナルとシグナレス』
750. きりきりきりっ:【すると風の又三郎はよろこんだの何のって、顔をまるでりんごのようにかがやくばかり赤
くしながら、いきなり立ってきりきりきりっと二三べんかかとで廻りました。】
by『風野又三郎』
751. きりきりっ:【それから一寸立ち上ってきりきりっとかかとで一ぺんまわりました。】
by『風野又三郎』
752. キリキリキリッ:【蜘蛛はキリキリキリッとはがみをして云いました。】
by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』
753. キリキリキリッ:【蜘蛛はキリキリキリッとはがみをして云いました。】
by『蜘蛛となめくじと狸』
754. きりっ:【それから硬い板を入れた袴をはき、脚絆(きゃはん)や草鞋(わらじ)をきりっとむすんで、種山剣舞連
(けんばいれん)と大きく書いた沢山の堤灯に囲まれて、みんなと町へ踊りに行ったのだ。】
by『種山ヶ原』
755. きれぎれ:【ジョバンニは橋の上でとまって、ちょっとの間、せわしい息できれぎれに口笛を吹きながら泣
きだしたいのをごまかして立っていましたが、にわかにまたちからいっぱい走りだして、黒い丘
の方へいそぎました。】
by『銀河鉄道の夜』
756. きれぎれ:【立てるもの合唱(きれぎれに)】
by『饑餓陣営』
757. きれぎれ:【町の灯は、暗の中をまるで海の底のお宮のけしきのようにともり、子供らの歌う声や口笛、
きれぎれの叫び声もかすかに聞えて来るのでした。】
by『銀河鉄道の夜〔初期型第三次稿〕』
758. きれぎれ:【私からとって行ったきれぎれの語(ことば)を丁度ぼろぼろになった地図を組み合せる時のよう
に息をこらしてじっと見つめながらいろいろにはぎ合せているのをちらっと私は見ました。】
by『サガレンと八月』
759. きれぎれ:【「僕はその語(ことば)をきれぎれに聴きながらそこをはなれたんだそれからもうかけてかけて林
を通るときは木をみんな狂人のようにゆすぶらせ丘を通るときは草も花もめっちゃめちゃにたた
きつけたんだ、そしてその夕方までに上海から八十里も南西の方の山の中に行ったんだ。」】
by『風野又三郎』
760. きろきろ:【その人は大へん皮肉な目付きをして式場全体をきろきろ見下してから云いました。】
by『ビジテリアン大祭』
761. きろきろ:【けれどもみんなきろきろ又三郎の方は見ていてももじもじしてやはり忙しそうに棒かくしをした
り又三郎の方へ行くものがありませんでした。】
by『風の又三郎』
762. きろきろ:【ところがおかしな子どもはやっぱりちゃんとこしかけたまま、きろきろこっちを見ています。】
by『風野又三郎』
763. きろきろ:【「けれどもなんにも卑怯をしないものは割合平気だねえ、大循環の途中でわざとつかれた隣
りの人の手をはなしたものだの早くみんなやめるといいと考えてきろきろみんなの足なみを見た
りしたものはどれもすっかり入れられちまうんだ。」】
by『風野又三郎』
764. ぎろぎろ:【一番右はたしかラクシャン第一子、まっ黒な髪をふり乱し、大きな眼をぎろぎろ空に向け、し
きりに口をぱくぱくして、何かどなっている様だが、その声は少しも聞えなかった。】
by『楢(なら)ノ木大学士の野宿』
765. ぎろぎろ:【さがなの眼玉は白くてぎろぎろ、誰(だ)っても盃(さかずき)よごさないえい糞面白ぐもなぃ)とうとう
小吉がぷっと座を立ちました。】
by『とっこべとら子』
766. ぎろぎろ:【狸は眼をぎろぎろして外へ聞えないようにしばらくの間口をしっかり閉じてそれから手で鼻を
ふさいでいました。】
by『寓話 洞熊学校を卒業した三人』
767. きんきん:【小岩井の野原には牧草や燕麦(オート)がきんきん光って居りました。】
by『おきなぐさ』
768. きんきん:【そして諒安はそらいっぱいにきんきん光って漂う琥珀の分子のようなものを見ました。】
by『マグノリアの木』
769. きんきん:【(私は全体何をたずねてこんな気圏の上の方、きんきん痛む空気の中をあるいているの
か。)】
by『インドラの網』
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『オノマトペ・文例辞典 く〜さ』へつづく、だなす。 2006.11.11.
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