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荅君御諸作
                                                  
                        明・袁宏道

溪鳥溪花盡寄聲:
「花源無路只空行。」
陶潛老被漁翁悞,
枉把靑山累後生。



    **********************


           君御(くんぎょ)の諸作に答ふ

溪鳥(けいてう) 溪花(けいくゎ)  (ことごと)く 聲を()す:
花源(くゎげん)は (みち) 無くして  (ただ)(むな)しく行くのみ」と。
陶潛(たうせん) ()ひて 漁翁(ぎょをう)(あやま)られ,
(ことさら)に 青山(せいざん)()って  後生(こうせい)(まど)はす。

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◎ 私感訳註:

※袁宏道:明代の文学者。隆慶二年(1568年)~万暦三十八年(1610年)。字は中郎、また、無学。号は石公、六休。公安(現・湖北省内)の人。万暦二十年の進士。兄の袁宗道、弟の袁中道とともに公安派の三袁と呼ばれた。思想家・李贄(りし;Li3Zhi4)の影響を受け、性霊説を倡え、形式主義の復古派に対した。

※答君御諸作:龍君御のもろもろの詩作に返答する詩。これは其二。 ・答:(問いがあって)返事をする。作者は龍君御のいる湖北省の武陵を尋ね、彼(=龍君御)から(詩で、)地元にある「桃花源を尋ねたか」との質問にあい、それに答えた詩。 ・君御:=龍君御。龍膺のこと。君御は字。湖北省武陵県の人。清廉な官吏で、作者と親交があった。

※渓鳥渓花尽寄声:谷川の鳥や花は、ことごとく言ってくるが。 ・渓:谷川。 ・尽:ことごとく。 ・寄声:ことづてする。=「寄言」、「寄語」。

※花源無路只空行:(その言ってくる内容とは:)「桃花源(=桃源郷、理想郷、別天地)への路なんか無くて、ただ空(むな)しく歩くだけですよ」と(のことだ)。 ・花源:桃花源のこと。武陵桃源、桃源郷のこと。後世、世俗を離れた理想郷、別天地の意で使われる。東晋・陶淵明の『桃花源記』に:「東晋の太元年間(376年~396年)に、武陵の漁師が谷川で迷い、溯(さかのぼ)って桃の花が咲いた林に到った。その林が尽きようとするところに流れの源(みなもと)があり、山があった。山にはトンネルがあり、それを抜け出ると、…(略)…そこには平和な別天地があった…」と。晋・陶淵明に『
桃花源』「晉太元中,武陵人捕魚爲業,縁溪行,忘路之遠近,忽逢桃花夾岸數百歩,中無雜樹。芳草鮮美,落英繽紛。漁人甚異之,復前行,欲窮其林。林盡水,便得一山。山有小口。髣髴若有光。便舎船從口入。初極狹,纔通人。復行數十歩,豁然開朗。土地平曠,屋舍儼然,有良田美池桑竹之屬。阡陌交通,鷄犬相聞。其中往來種作,男女衣著,悉如外人。黄髮垂髫,並怡然自樂。見漁人,乃大驚,問所從來。具答之,便要還家。設酒殺鷄作食。村中聞有此人,咸來問訊。自云:先世避秦時亂,率妻子邑人來此絶境,不復出焉。遂與外人間隔。問今是何世,乃不知有漢,無論魏晉。此人一一爲具言所聞,皆歎惋。餘人各復延至其家,皆出酒食。停數日,辭去。此中人語云:不足爲外人道也。既出,得其船,便扶向路,處處誌之。及郡下,詣太守,説如此。太守即遣人隨其往,尋向所誌, 遂迷不復得路。南陽劉子驥,高尚士也。聞之欣然規往。未果,尋病終。後遂無問津者。」があり、同・陶淵明に『桃花源』「嬴氏亂天紀,賢者避其世。黄綺之商山,伊人亦云逝。往跡浸復湮,來逕遂蕪廢。相命肆農耕,日入從所憩。桑竹垂餘蔭,菽稷隨時藝。春蠶收長絲,秋熟靡王税。荒路曖交通,鷄犬互鳴吠。俎豆猶古法,衣裳無新製。童孺縱行歌,斑白歡游詣。草榮識節和,木衰知風厲。雖無紀歴志,四時自成歳。怡然有餘樂,于何勞智慧。奇蹤隱五百,一朝敞神界。淳薄既異源,旋復還幽蔽。借問游方士,焉測塵囂外。願言躡輕風,高舉尋吾契。」がある。 ・只:ただ…だけ。 ・空:むなしく。空虚に。 ・行:歩く。行く。

※陶潜老被漁翁悞:陶淵明は、歳をとってしまって、漁夫のじいさんに迷わせられて。(その結果、『桃花源記』や『桃花源詩』を著して)。 ・陶潜:陶淵明のこと。東晋の隠逸詩人。前出・『桃花源記』、『桃花源詩』の作者。 ・被-:…られる。…らる。受身表現。 ・漁翁:漁夫のじいさん。老漁夫。=「漁父(ぎょほ)」。 ・悞:〔ご;wu4●〕誤る。誤らせる。人を迷わせる。じゃまをする。手間取る。=「誤」。

※枉把青山累後生:(ただの)青い山をことさらにまげて、子孫を惑わせる(こととなったのだ)。 ・枉把:…をことさらにまげて。清末・秋瑾の『昭君怨』に「恨殺回天無力,只學子規啼血。愁恨感千端,拍危欄。   
枉把欄干拍遍,難訴一腔幽怨。殘雨一聲聲,不堪聽!」とある。 ・枉:〔わう;wang3●〕まげて。無理にも。ことさら。無駄(むだ)に。むざむざ。また、まげる。ゆがめる。ゆがんでいる。正しくない。ここは、前者の意。 ・把-:…を(…する)。…をもって。介詞。文言文の「將」(+名詞、)や「以」などと似た働きをする。また、とる。手に持つ。ここは、前者の意。 ・累:〔るい;lei4●〕疲れさせる。煩(まど)わす。 ・後生:〔こうせい;hou4sheng1●○〕あとから生まれた人。歳の若い者。後輩。子孫。また、〔ごしゃう;hou4sheng1●○〕で仏教用語で、来生の意。ここは、前者の意。





◎ 構成について

韻式は「AAA」。韻脚は「聲行生」で、平水韻下平八庚。次の平仄はこの作品のもの。

○●○○●●○,(韻)
○○○●●○○。(韻)
○○●●○○●,
●●○○●●○。(韻)
2015.4.1
     4.2完
     4.9補
                               
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