ナポリ&シチリア旅行記 乗り物編
※ 1ユーロ=約97円(2012年7月当時) ※


△▼△ 飛行機 △▼△
 ナポリもシチリアも日本からの直行便はないため、往路はミラノ経由、復路はローマ経由のアリタリア航空(http://www.alitalia.com/)を利用。 前日にアリタリアHPからWebチェックインにチャレンジしたら全然うまくいかず、やっぱりイタリアだから?と乗る前から募る不安(結局フツーに空港カウンターでチェックイン)。
 機内では、エコノミーだからしょうがないと言えばしょうがないのかもしれないが、座席のヘッドレストの高さが小柄な日本人に合わないため、首が前方に突き出る姿勢になってしまって全然くつろげない。 これで12時間はツライ。
 機内食は Fish or Meat ではなく和食 or イタリアンというチョイスだった。味はどちらもまあまあ。 往きの機内では無駄に陽気なイタリア人スチュワードくんが「めちゃめちゃ美味しいイタリア~ン♪」とナゾの自作ソングを歌いながらイタリアンを推していた(笑)。
 ネット情報では故障している場合が多いと言われていた機内エンタメシステムは、女王様たちの席に関して言えば往復とも問題なかった。ただ映画は日本語字幕のものはあまり多くない。 1号は帰りに「テルマエ・ロマエ」(http://thermae-romae.jp/)を見たのだが、日本の銭湯を真似て古代ローマ浴場の壁に描かせた絵が「ナポリ湾越しのヴェスヴィオ山」という、まさに見てきたばかりの景色だったのでツボった(古代ローマ時代からイタリア人にとっての「風光明媚」の代名詞なのね)。
 機内の免税品販売は、ビジネスクラスに対してはワゴンで販売しているようだけど、エコノミークラスでは「買いたい人は自分で最後尾まで買いに来い」というスタンス。 そして買いに行ったら行ったで、システムのレスポンスが悪くてさんざん待たされた挙げ句に売り切れって言われました…。

エアワン  ミラノ→ナポリ、ナポリ→パレルモは便名はアリタリアだったけれど、実際に運行していたのはAIR ONE(http://flyairone.com/)という航空会社でした(右写真)。 小さい機体で天井も低く、中はかなりキチキチになっていた。
 国内線はどの便も多少の遅延があったのはイタリア仕様? それでも往きはミラノ・マルペンサ空港内の乗り継ぎが簡単だったし、乗り継ぎ先の便が遅れたのでまだ問題なかった(日本時間では真夜中に当たる時間帯なので2人とも待っている間に落ちかかっていたが)。
 しかし、帰りはカターニャ→ローマの便が到着するターミナルとローマ→東京の便が出発するターミナルが別で、広大なターミナル内を15分くらい小走り移動した挙げ句にターミナル間連絡シャトルに乗らなければならない。 ローマ空港のターミナル内にはさまざまな免税店があって「Goodbye」ならぬ「Good Buy Rome」というキャッチコピーも掲げられているのに、時間がない女王様たちは素通り。 東京行きの便の搭乗ゲート付近にも多少は化粧品などの免税店があったけど、ワインなどはカターニャ空港の免税店で買っておいて正解でした。

 イタリア国内の空港は搭乗ゲートから直接機内に乗り込むのではなく、ゲート通過後にバスでタラップまで運ばれるパターンが多くて(女王様たちが乗った範囲では全部そうだったと思う)、バスのやりくりがつかないのか、搭乗開始後にまた止められてしばらく待たされるケースがたびたびあった。 そしてその時、ゲート担当者が内線電話や携帯であちこちに連絡しようとするのだが、これがまたお約束のようにつながらない(笑)。そうこうするうちにだんだん時間が遅れていくような…?
 かと思うと、ナポリ→パレルモ移動の時に、ゲート締め切りの10分以上前に手荷物検査場を通ろうとしたら、「もうゲートはCLOSEDだから通れない」と言われてビックリ。 腕時計で「まだ締め切り前だよ~」と時間を示して抗議したり、女王様たちの後ろにも同じ便に乗る人たちが並んでいてあれこれ言ったりしたので、結局ちゃんと乗れたけど。 ただ、確かにナポリ空港は手荷物検査場を通過してからゲートまでが遠く、たどり着いたらちょうど締め切り時間くらいになっちゃっていたので、早めにゲートまで行って待ってることをオススメします。


△▼△ カンパニア・アルテカード・プラスとナポリ市内交通 △▼△
カンパニア・アルテカード・プラス  ナポリの観光&移動に大活躍するのがカンパニア・アルテカード・プラス(http://www.campaniartecard.it/)。 いろいろ種類があって、どれを買えばいいのか悩むところだが、女王様たちは「ナポリとフレグレイ平原」というタイプをHPから購入。 3日間有効、16ユーロで対象範囲内の公共交通と3ヶ所の見どころが無料。4ヶ所目からの見どころも半額になるし、それ以外に割引になる見どころもあり(詳しくはHPを参照)。
 HPで購入したカードはいくつかの見どころで引き取れるので(購入時に指定する必要はナシ)、3日目にカプリ島から戻ってきたときに王宮のチケット窓口に行き、プリントアウトしたメールを提示してスムーズにゲット。 カードケースや、見どころ&地図が記載された小冊子もセットでもらえます。
 カードの片面が見どころ入場用、裏面が交通機関用になっている(左写真参照)ので、自分で氏名と使用開始日を記入し、見どころに入るときに係員に提示したり、自動改札に通せばOK(最初にバスに乗るときは打刻)。 改札でなぜか引っかかるときもあったけど、それはまあイタリア仕様ということで、駅員さんに通してもらって無問題でした。


チェントラーレ線フーガ広場駅  で、ナポリ市内を自力観光したのは半日×2程度だったのですが、短時間の割にはちゃんと元が取れるまで利用しました(笑)。
 まず、国立考古学博物館に行くために、フニコラーレ(=ケーブルカー)を利用。 日本でケーブルカーと言ったら観光地の山の麓と山頂を結ぶものというイメージだけど、ナポリのフニコラーレはフツーに市内を運転している。
 女王様たちはウンベルトⅠ世のガレリア近くにある始発駅からチェントラーレ線に乗ったのですが、途中までは地下。 ナポリ市内には結構高低差があるため、斜面を行き来する地下鉄みたいな扱い? 車内の感じもなんとなく地下鉄っぽい(右写真)。
 左写真は終点のフーガ広場駅。ここは地上です。乗車時間10分くらいで到着。「地元民の足」として利用されているようで、車内が割と混雑していたのでスリに注意していましたが、大丈夫でした。
フニコラーレ車内

メトロ1線  フニコラーレのフーガ広場駅から外に出てガイドブックの地図とカンを頼りに5分ほど歩き、ヴァンヴィテッリ広場駅からメトロ1線(左写真)に乗り換え。 フニコラーレには吊革があったけど、メトロの車内にはなかった(右写真参照、車両によって違うかも)。博物館すぐそばのムゼオ駅まで4駅分乗車。
 このメトロ1線はイタリア鉄道ナポリ中央駅まで延伸予定になっていて、そうなればもっと港の近くにも停車駅ができるらしいのだが、工事がいつ完了するかはナゾ。 MetroNapoli(http://www.metro.na.it/metro/index.php)のサイトはイタリア語オンリーなのでイマイチ参考にならないし…。
メトロ車内

 その後、スパッカ・ナポリ地区を歩き回って、ドゥオーモからホテル付近までは市バスで帰還。 バス路線はガイドブックにも詳しく載っていないので、カンパニア・アルテカード・プラスと一緒にもらった小冊子の地図を見たところ、ドゥオーモ前を通る「CS」という路線番号の循環バスに乗ればよさそうだった…のだが。
 バス停を見ても「CS」という路線が見当たらない! バス停に描かれてある路線図を見る限り、「C55」という番号のバスが同じルートのようなので、とりあえずそれに乗車。 循環バスといっても途中のカヴール広場(考古学博物館近く)が一応終点になっているので、いったんそこで降ろされて次のバスをしばらく待たなければならなかった。 でもバスの運ちゃんは、1号が地図上でホテルを指しつつ片言イタリア語で「この辺で降りられるか?」と聞いたら「OK!」と親指を立ててくれたり、実際にその停留所に近づいたら仕切り板を叩いて合図してくれたりと親切なおっちゃんでした。(^^)

 さらに、4日目にナポリ空港に向かうために、港←→ナポリ中央駅←→空港を結ぶアリバスに乗車。このアリバスもカードで乗れるのだ。 カンパニア・アルテカード・プラスHPの英語の説明だと、「ナポリとフレグレイ平原」ではアリバスに乗れないと言っているようですが、ちゃんと乗れます(ドゥオーモ前のバス路線の件といい、このHPの記述は正確でないことがある。更新が遅いのか?)。 またガイドブック情報では、地下鉄工事の関係でバス停の場所が港近くからサン・カルロ劇場前に移動しているとあったが、劇場付近を歩いたときにそれらしきバス停がなかったので「i」で確認したら、既に工事は終わって停留所は元の場所に戻っていた。 場所は港沿いの通りのフェリー乗り場より王宮方向に進んだところ。ガイドブックを鵜呑みにしたままだったら危ないところじゃった。
 アリバスには特にスーツケース収納エリアがあるわけではなく、荷物は通路に置くしかない。女王様たちは始発停留所から乗ったので座れたが、途中のナポリ中央駅前からは大量に人が乗り込んできて大混雑に。 その上、駅前ロータリーは工事中のため、クルマとバイクと人が入り乱れてカオスになっていた。ここでだいぶ時間がかかってしまったが、港から空港までは45分くらいで着いた(平日の昼間)。
 アリバスの時刻表などはanm(http://www.anm.it/)というナポリのバスのホームページで「Servizio Aeroporto」からどうぞ(ただしこれもイタリア語)。


△▼△ パレルモ市内バス △▼△
1回券と1日券  パレルモではAMAT(http://www.amat.pa.it/)という会社の市バスを利用。チケットはタバッキにて購入。1回券 1.3ユーロ、1日券 3.5ユーロ(写真上が1回券、下が1日券)。
 パレルモ到着早々にホテルから徒歩10分くらいのカステルヌオーヴォ広場前から101番という最もメジャーな路線に乗ってクワトロ・カンティを目指したのだが、どの辺りで降りたらいいかわからずあわあわしていたら、近くにいたおっちゃんが降車ボタンを押してくれた。 これはご親切に…と思ったら、おっちゃんにお礼として?「バスチケットをくれ!」と要求された。どうも、観光客は割とマジメにチケットを買って乗るけど、地元民(の一部)はタダ乗りしているようで、検札を回避するためにチケットが欲しかったのではないかと。 もう要らないからあげたけど(打刻済みなので90分しか使えないハズ)。
 パレルモ州立美術館を見た後クワトロ・カンティまで戻ってきて、ホテルに帰るために再び101番バスに乗車。 このバスも循環バスだと思っていたので、ぐるっと回ってホテル付近に着くはずである…が、パレルモ中央駅前が終点で全員降ろされる (^^;。そして逆方向のバスの乗り場がわからず右往左往
 チケット売り場で聞いてようやく逆方向のバスに乗り込んだあとも、なんとかホテルそばのバス停で下車するため、ガイドブックの地図と街中の通り名の表示を必死でチェック(もちろん車内放送などはない)。

 翌日は、郊外のモンレアーレに行くため、今度はホテルそばのバス停から101番バスに乗って、乗り換え場所のクワトロ・カンティを目指す。 …がバスはそのままどんどん市街地へと進み、クワトロ・カンティには行きそうにない。そうこうするうちに終点のスタジアム前?に到着。昨日に続き、またしても全員降ろされる。 しかし、折り返し運転するっぽい運ちゃんに「クワトロ・カンティに行くか?」と聞くと「行く」という返事。 このとき初めて1号は「101番バスは循環ではなく単純往復、ただし始発と終点(駅とスタジアム前)が共通なだけで、通るルートは往路と復路で違う」(つまり、スタジアム→駅のルートはカステルヌオーヴォ広場やクワトロ・カンティを通るがホテル付近を通らない。駅→スタジアムのルートはその逆)ということを理解したが、時既に遅しでかなりタイムロスしてしまった。
パレルモのバス停  スタジアム前発の101番バスに乗ってしばらく経つと、勝手知ったる?クワトロ・カンティが見えてきたので下車。 さらにヴィットリオ・エマヌエーレ大通り沿いにあるバス停から「Verde(緑)」という路線番号のミニバスに乗車(別に車体が緑色とかいうことはない)。 終点のインディペンデンツァ広場で降りて、ここが始発のモンレアーレ行きバス109番に乗車。このバスは1時間に1本しかないのでかなり待ちくたびれた。
 ずーっと待っているのが女王様たちとフランス人カップルしかいなかったので、一瞬「本当にここか?」と不安になったが、観光客の多くは始発停留所の次とその次から乗ってきて、あっという間にギュウギュウに(だからやっぱりインディペンデンツァ広場から乗るのがオススメ)。 そんな車内で発生したスリ事件の一部始終を女王様3号が目撃していた!(詳しくはあれこれ編にて)

 女王様たちの体感として、なぜかパレルモ市内はバス停が見つけにくかった。 バス停の標識は右写真のようなもので、路線の停留所も全部示されているのだが、掲げられている位置がかなり高く(約155cmの女王様だと結構見上げる感じ)、フツーに歩いているとなかなか視界に入ってこないせいもあると思われる。 そもそもどこ行きのバス停がどこにあるという情報がほとんどないし。やはり情報が最新とは限らず、標識に紙が貼られていて、さらにその紙がもう破れていたり。 自分がなかなか101番バスを乗りこなせなかったから言うわけではないが(笑)、パレルモ市バスを乗りこなせたらかなりの上級者?!
 ちなみに車内に打刻機が1つしかないので、混んだ車内ではチケットが乗客の手から手へと渡されて、打刻機のそばに立っている乗客が打刻してあげるという助け合い精神が見られる。 女王様たちも打刻機の近くにいたときはそうやって打刻してあげました。まあ、混んだ車内にはスリもいるけどね!(^^;


△▼△ 専用車のドライバーあれこれ △▼△
 今回利用したコースは、シチリア内ではすべて送迎が付いていたのだが、女王様たちはナポリ泊を追加したため、ナポリでの送迎は付いていなかった。 初日は空港着が21時だったので、オプショナルでホテルまでの専用車送迎を予約。このときのドライバーくんは片言英語でベラベラしゃべる、 「日本人のイメージするナポリ男」。 うるさいし、うかうかしていると他の日にもオプショナルを押し売りされそうで、女王様たちはすっかり無口になっていた。
 しかし翌日に別のオプショナル会社で頼んだポンペイ&アマルフィ海岸ドライブのドライバー、ガエターノくんは控え目で、ポンペイ遺跡観光後の集合時間に女王様たちが遅れてしまってもニコニコと穏やかに待っていてくれたり、こちらが言わなくてもあちこちの観光ポイントで止まって写真撮影をしてくれたり、ミネラルウォーターを用意しておいてくれたり。 とにかく気配りの行き届いた人でした。今回の旅のベスト・ドライバー賞。車内で1番盛り上がった話題は日本アニメについてでしたが(笑)。
 さらにその次の日のオプショナル「ナポリの夜景&ピザの夕食」のドライバーくんは、ノリ的には結構「ナポリ男」っぽかったけど、夜景を見終わってホテルに帰る途中、「自分には日本人の友人がたくさんいるが、残念なのは日本人にはキリスト教徒が少ないことだ」と話が布教方面に進みそうになり、女王様たちはまたもや無口に (^^;。 そして、それ以上に問題だったのは、彼がカメラのシャッターを押すのがチョー下手だったこと。おかげでせっかく撮ってもらった夜景バックの写真がすべてブレブレに…。orz
 ナポリのドライバーくんたちに共通していたのは、「ナポリの後はどこに行くのか?」という話になって「シチリア」と答えると、みんな目を輝かせて「タオルミーナ?」と言うところ。 日本ではシチリアの観光地と言えばまずパレルモだと思うけど、ナポリの人たちにとってシチリアと言えば「タオルミーナでバカンス」なんだな~ということが如実にわかる反応でした。

 一方、シチリアで乗った専用車のドライバーくんたちは総じて無口。パレルモ空港→ホテルのドライバーくんとはほぼ会話ゼロ。
 パレルモ→タオルミーナのドライバーのおっちゃんとは、アグリジェント観光後の集合場所を確認するとき、向こうがイタリア語オンリーなので意思疎通できるまでにちょっと苦労した。 必要事項以外に向こうから話しかけてきたのは、最初に名乗った時と、もうすぐタオルミーナに着くという頃になって「…Mt. Etna。」とエトナ山が見えることを教えてくれた時だけ。
 シチリアは職業的ドライバーでも片言英語すらあまり得意じゃない人が多いのかもしれないし、ナポリ男に比べたら性格的にシャイなのかも、と感じました(ナポリ男と比較するのが間違ってる?)。
 タオルミーナのホテル→カターニャ空港の移動は専用車ではなく旅行会社が手配したタクシーだったのだが、なぜか途中からドライバー氏の奥さんが乗り込んできた。 「出勤途中の奥さんをどこかまで乗せていくのか?」と思っていたら、結局奥さんは空港に着いても降りず。よくわからないまま手を振って別れました(笑)。 土曜日の朝にダンナさんとドライブがしたかっただけなのか???


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