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Crossing The Stone (クローシング・ザ・ストーン)

Crossing The Stone
(SK 87320)

The Eternal Knotに参加したハーピストCatrin Finchのアルバムです。
このアルバムはKarl Jenkinsが全面的にプロデュースして全16曲中8曲のアレンジを行っただけでなく4曲も新曲を書き下ろしています。
更に「Palladio」がKarlの息子のJodyによってアレンジされて収録しています。
「ハープのアルバム」と言うと「綺麗だけれども退屈」な音楽を連想してしまうかもしれませんがハープを基軸にエスニック要素あり、クラシカル要素あり、コーラスあり、カウンターテナーあり、シンセありと様々な音楽マテリアルを巧みに用いた聴く者を退屈させない作品に仕上がっておりKarlの実力は素直に凄いと言えます。
ちなみにこのアルバムの参加アーティストの中にはThe Eternal Knotでソプラノボーカルとして参加したCaryl Ebenezer、Vocaliseに参加したカウンターテナーのTerrance Barberなどがいます。

The Valley (ザ・ヴァレー)

The Valley
(SICP 10005)

The Eternal KnotVocaliseそしてAdiemusコンサート参加ともはやAdiemusファミリーの一員と言っていいMartin TaylorのアルバムでKarl Jenkinsが全面的にプロデュースしています。
Martinによるギターソロの曲が中心で一部の曲に渋い男性ボーカルが入ってます。
Crossing The Stoneを「華麗」とするならばこのアルバムは「燻し銀」といった表現がピッタリと合う内容に仕上がっています。
ただCrossing The Stoneは万人受けする内容に対してこのアルバムはアコースティックギターに興味がある人でないとやや退屈に感じるかもしれません。
収録曲「Hymn」はAdiemusコンサートで披露されたものとは違うアレンジが施されています。
ちなみにメディアはSACD+CDのハイブリッド仕様になっています。

Boys Gregorian (少年のグレゴリアン)

Boys Gregorian
(VICP-61999)

少年合唱団系アーティストとしては最もメジャーな存在の一つであるBoys Air Choirのアルバムです。
Boys Air ChoirのメンバーであるToristan HambletonがThe Atmed Manの「Kyire」に参加したのが縁でKarl Jenkinsは書き下ろし曲「The Load, Our Protector」を提供しています。
歌詞はヘブライ語で書かれた旧約聖書詩編121を英訳したものだそうです。
この曲はまさに「聖歌」そのものでKarl Jenkinsがかつてインタビューで語っていた『私はいろんな音楽ジャンルを経験したからどんな依頼にも対応できる自信がある』という言葉に偽りは無い事を証明しています。
ちなみにこの曲はVocaliseの「The Protector」にてAdiemus風にアレンジされて採用されています。

Gaudete Arranged by Karl Jenkins

Gaudete Arranged by Karl Jenkins
(SIGCD050)

欧州のテレビ番組のために制作されたもので16世紀に作曲されたアルバムタイトルと同名のクリスマスキャロルをKarl Jenkinsがアレンジしています。
とは言っても彼が関わっているのは2種類のアレンジ曲だけで他の曲には一切関わっていません。
おそらくCDに箔をつけるためにKarl Jenkinsの名前を前面に出したのでしょうが誇大広告気味だと思います(苦笑)。
筆者は原曲を知らないので比較はできませんがパーカッションの使い方にKarl Jenkinsらしさが感じられます。
ちなみにiTMSにて購入可能です。

Fantasia / My Figure Skate album II

Fantasia / My Figure Skate album II
(IOCD-20201)

日本を代表するフィギュアスケート選手の村主章枝が2006年11月にスケートカナダでのパフォーマンスのためにKarl Jenkinsに依頼して製作された曲です。
筆者が聞いた限りでは以下のような構成のメドレー形式の曲でした。
なおフィギュアスケートでは歌詞付きの曲は禁止されているのですがAdiemusは声を楽器として使っているので減点対象にならなかったそうです。
  1. 冒頭にTintinnabulumイントロの鐘
  2. Song of the Spirits
  3. Lacus Pereverantiae(Imagined Oceansより)
    ※歌詞は曲名のラテン語なのでスキャットに差し換えて曲自体も大幅にアレンジされています。
  4. Fantasia(今回のための書き下ろし曲です)
    ※Lacus Pereverantiaeとの繋ぎにImagined OceansのMare Crisiumのイントロが使われているように聞こえました。

    CDに収録されているのは競技に使われているのとは少し違っていてTintinnabulumイントロの鐘がオミットされSong of the Spiritsもそれをベースにしたほとんど新曲に近いものになっています。
    曲としての統一感はこちらの方が優れていると思います。

    実際のパフォーマンスの動画

Music of The Spheres

Spheres
(UCCS-1113)

「長大なインストゥルメンタルが書きたかった」Mike Oldfieldが作った彼のアルバムです。
Karl Jenkinsはオーケストラ・アレンジで参加しています。
内容は純然たるクラシックと言って差し支えない内容であると同時にMike Oldfieldらしさを感じさせる物となっています。
Karl Jenkinsはアシスト役なので彼が作曲した曲はありませんが隠し味的に彼の持つ個性がそこかしこに顔を出しています。
ゲストボーカリストとして日本では「白い巨塔」のテーマ曲「Amazing Grace」で有名なHayley Westenraが参加しています。
彼女は自身のソロアルバムで「Benedictus」のカヴァーをしておりKarl Jenkinsとも縁のあるアーティストです。
なおiTmsではCD収録曲に加えてライブバージョンも同時収録されたアルバムを販売しているのでこちらの方がお得です。

O Fortuna

O Fortuna
(88697596492)

イギリスのオーディション番組「The X Factor」で才能を評価されたウェールズ出身のバリトン歌手Rhydian James Robertsの2ndソロアルバムでKarlは全12曲中3曲提供して更に4曲のアレンジを手がけています。
Karlが提供した曲の中にはThe Armed Manの「Benedictus」(しかもKiri Te Kanawaとのデュエットです)やStabat Mater「Ave Verum Corpus」そしてCatata Mundiの「Cantilena」が含まれています。
なお「Cantilena」の歌詞は前半がアディエマス語で後半は英語でボーカルスタイルも前半がオリジナルに忠実で後半はクラシック寄りなスタイルになっています。

Euphonium Concerto

O Fortuna
(CHAN 10830)

This Land of Ours」「Cantata Memoria」などKarlのソロワークに参加しているユーフォニアム奏者David Childsのソロアルバムです。
Karlは4部構成の「ユーフォニアム協奏曲」を提供しており伴奏はトヴェイ&BBCウェールズ・ナショナルと贅沢な作品でもあります。
ちなみに彼は過去のソロアルバム「Hear My Prayer」にて「Benedictus」や「Hymn」をカヴァーしています。



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