主な感染症一覧表

 こどもに多い感染症はたいてい教科書どうりに経過していくものがほとんどです。熱の高さはその子によって違いますが、熱の出る時期下がる時期、熱以外の特徴的な症状の出る時期などは大きく違いはありません。それぞれの感染症の通常の経過を把握しておくことは、合併症の早期発見につながります。
 感染症にかかったら、どのくらいの時期熱が出るのか、いつくらいになったら下がるのか、どんな症状が出るのかを確認しておきましょう。そして自分の子供が教科書的な状態と大きく外れていることがないかをよく見てあげましょう。おかしいな?と思ったら再受診することをお勧めします。
病名 主な症状 感染経路 潜伏期間 他人への
感染期間
発症から
回復までの期間
幼稚園などを休む目安
ウイルス性
はしか
(麻疹)
数日の高熱→一旦下がり再び高熱→全身に発疹。
目やに、激しい咳。肺炎・中耳炎・脳炎などに注意
空気感染 10〜12日 発熱期 10日〜2週間 解熱後3日間は様子を見る。
水ぼうそう(水痘) 約半数が発熱。全身に赤く小さな発疹→水を含んだ水疱→黒いかさぶた→むけ落ちる 飛まつ感染

空気感染
11〜20日(おおよそ14日前後) 発疹出現前日から全発疹が黒いかさぶたになるまで 1週間〜10日 全発疹が黒いかさぶたになるまで
風疹 発熱、全身に真っ赤な発疹、耳の後ろのリンパ節の腫れ 飛まつ感染 14〜21日 発疹の前後約1週間。特に発疹期 数日〜1週間 真っ赤な発疹が目立たなくなるまで
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎) 耳下腺(耳の後ろ)の片方か両側が腫れる。頭痛・嘔吐に注意。微熱 飛まつ感染 14〜24日 発症の1週間前から腫れている間 1週間〜10日 腫れが目立たなくなるまで。ただし、発症から10日以降は腫れが残っていても感染力は低下しているので登園可
インフルエンザ 突然の高熱、頭痛、全身のだるさ、関節・筋肉痛。乳幼児は年長者ほど症状がはっきりしないことがおおい 飛まつ感染
空気感染
1〜2日 発症から解熱後1〜2日 数日 解熱後2日間は様子を見る
りんご病
(伝染性紅斑)
りんごのほっぺのような頬と手足の網目状の赤い発疹 飛まつ感染 17〜18日 発症の1週間〜10日前 数日 発症期は感染しないので調子がよければ休む必要はない
咽頭結膜熱(プール熱) 高熱、目やに、なみだ目、結膜の充血、のどが赤くなる 飛まつ感染
便からの感染
5〜6日 発症から症状消失までは飛まつ感染と便からの感染、その後は便からの感染 数日 主な症状消失から2日間は様子を見る
ヘルパンギーナ 高熱、口の中の痛みと口の中の水疱性発疹 飛まつ感染
便からの感染
2〜7日 発症から症状消失までは飛まつ感染と便からの感染、その後は便からの感染 数日 主な症状が消失後元気がよくなればよい
手足口病 手、足、口(唇の裏や口の手前)に水疱性の発疹、微熱
陰部にも発疹が出ることがある
飛まつ感染
便からの感染
2〜7日 発症から症状消失までは飛まつ感染と便からの感染、その後は便からの感染 数日 元気がよくなればよい
流行性嘔吐下痢症 突然の嘔吐、下痢。ロタウイルス(下痢が主)、ノーウオークウイルス(SRSVなど、嘔吐が主)など病原体は多種類 主として便からの感染。飛まつ感染の可能性もあり 1〜3日 症状がある期間 2〜7日 主な症状が消失後、元気がよくなればよい
みずいぼ(伝染性軟属腫) 体のあちこちに多数できる小さな水疱状のいぼ。自然治癒する 主に接触感染 不定 症状のある期間 数ヶ月〜数年 休む必要なし
細菌性
溶連菌感染症(溶連菌性咽頭炎) 高熱、扁桃の腫れ、赤くざらざらした舌など特徴。全身に赤い発疹がでるしょう紅熱など他にもさまざまな症状を伴うことがある 飛まつ感染
飲食物感染もあり
主に2〜4日。しょう紅熱は1〜7日 適切な抗生物質を使用して治療すれば24時間で感染力は消失 1〜2日から数日までさまざま 24時間以上適切に治療され、本人の元気がよくなればよい
腸管出血性大腸菌感染症 軽い下痢から、頻回の下痢・水様便、腹痛までさまざま。血便、意識障害などに注意。溶血性尿毒症症候群(HUS)は重症合併症 飲食物や便からの感染 4〜8日 症状のある期間は感染力が強いが、症状のない人からも排泄されることがある さまざま 症状が消失しO-157などベロ毒素を産生する菌が陰性になるまで。ただし、最初から症状がなく病原体のみ検出されたときは、休む必要はなし
とびひ(伝染性膿痂疹 水ぶくれやかさぶたなどが皮膚のあちこちにできる 接触感染 2〜10日 症状のある期間 だらだらと続くことも多いが、清潔にすれば早く回復 直接接触を避ければ休む必要なない

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