星の見方楽しみ方 

(星のこと、望遠鏡のこと=日記・レポート風)
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目次は下ほど古く、記事は下ほど新しくなっております。



ウィンター・クロス

虹の入り江によせる白波  銀塩写真もいいなあ・・・

並んだ!  た・だ・い・ま・・

沈み行く月  久しぶりの夕焼け

部分日食  地上の銀河

石川町スターライトフェスティバル(2)  石川町スターライトフェスティバル(1)

富士山150q遠望  仲秋の名月

スターライト・シャンソン  むりぶし

南群星  台風18号

魚になって・・・  台風襲来

鳥になって・・・  しりこない

三日月  ペルセウス座流星群を見る

連日好天  きたかるサミット

美和村花立山星まつり  「猛暑」について考える

お月様の「欠けぎわ」  明けの明星

星の色の話をもうひとつ  天空の相合い傘

七夕の星の色  お月様と遊ぶ

晴れないね・・・当然だけど  自分で使う望遠鏡(3)

やっとニート彗星に再会  金星の太陽面通過

予兆現象?  今年いちばん大きなお月様





今年いちばん大きなお月様
2004.06.03

  鳴り物入りで騒がれた「2大彗星の共演」も、梅雨を思わせる連日の悪天に阻まれて、気がつけばすでに肉眼で見るには程遠い存在になってしまった。
  そんなこんなでやっと晴れた日、久しぶりに天文カレンダーをめくっていたら「月今年最近、357,246km」と書いてあった。我が地球の兄弟であるお月様は、多少だが遠ざかったり近づいたりしているのだ。そのお月様が6月3日今年いちばん近づく日、つまり、今年いちばん大きく見える日というわけだ。
  ちなみに、今年いちばん遠くなる日は?と調べたら12月28日。距離は406,488km。その差の比率は88.7%。約1割の違いだが、はたしてこの大きさの違いがわかる人がいるだろうか…。

  写真は、この今年最大のお月様。と言ってもどのくらい大きいのかはわかってもらえる筈はない。半年後、「最遠」になった時の写真と並べてみたい。



予兆現象?
2004.06.04

  今週は天気予報に反してずっと良い天気が続いている。
  今日も良い天気で、帰り道綺麗な夕焼けが見れた。でも、車を止めてしみじみ眺めたのは夕焼けの観賞のためではない。
  実は来週6月8日の午後、たいへん珍しい「金星の太陽面通過」という現象が起こるのだが、その4日前ということでひょっとしたら夕焼けの中に金星が見えるかもしれないと思い、双眼鏡でチョット探してみたのだ。結局金星は発見できなかったが、帰ろうとしてふと見ると、太陽からまっすぐ上空にスーっと光が伸びていることに気がついた。
  光は、どうも薄い高層雲にあたってできている様子で、そういえば飛行機も短い飛行機雲を引きずって飛んでいる。
  あたらなかった天気予報も日曜日頃からまた雨がちな天気になる予想。夕焼けに見えた珍現象も、そんな天候悪化の予兆なのかと不安になる。

  写真は、その太陽から延びる光のスジ。なんという現象だったかは思い出せない。



金星の太陽面通過
2004.06.08

  地球のすぐ内側を回っている金星が、太陽を横切るという日本では130年ぶりの珍現象がおこった。
  130年といえば、前回日本で見た人は今誰もいないということだ。
  しかし、時期は最悪。先週まで梅雨入りを忘れたような晴れの日が続いていたのに、今週はずっと雨の予報。しかもどう見ても雲行きから「当たる」としか思えない。案の定朝から全く晴れ間は見えない。
  ところが、「レーダーアメダス」が示す雨の領域を見ていたら、雨の領域が関東地方を避けるように進んでいることに気がついた。実際空を見ると気のせいか明るくなっているような気がする。さらにお昼を過ぎると雲を通してだが太陽が見え隠れし始めた。さっそく「星ナビ」誌に「双眼鏡闘病記」を執筆中の小田さんと示し合わせて、霞ヶ浦に注ぐ桜川の堤防にでかけて陣取った。
  「兎に角一瞬でも見えればいい」。気象衛星の画像からもほとんど全国的に雲に覆われている今日の情況から、それ以上の欲はかきようがない。しかし、潜入予定の14時11分にはかえって雲は濃くなっている。それでも、雲に明るいところがあるのを見て辛抱強く待っていると「見えた!」。雲を透かして丸い太陽とそこにポッカリと穴があいたような金星が。しかもデカイ!。
  でもそれもほんの数秒で、すぐ見えなくなってしまったが、「兎に角この目で見たことには変わりがない」と二人で喜び合った。
  その後も何度か雲の薄くなったところから太陽面を移動する金星が眺められ、あきらめかけていた写真撮影もなんとか成功した。
  130年ぶりと始めに言ったが、実は次回起こるのは8年後の2012年。なんだといわれればそれまでだが、その次はまた105年ほど待たねばならない。しかも、8年後とはいっても起こる日は6月6日。今年とほとんど変わらない「梅雨時」。見える確率は今回と全く変わらない(低い)と言うことだ。

  やがて雲の厚さが安定して、もう見えそうもなくなった頃、つくば市内で見ていたO君がやってきた。太陽観測家の彼はデイスターフィルターという太陽観測用の特殊フィルターで写真撮影に成功。なんとプロミネンスも一緒に写っていた。

  写真は、やっと撮れた10数コマの中の一枚。クリックすると大きな画像が見れる。目玉のように大きな金星のシルエットにご注目いただきたい。



やっとニート彗星に再会
2004.06.16

  ニート彗星の写真をアップしたのは、実に1ヶ月以上前の5月11日。5月中は連日の悪天候。それでいてほぼ例年どおりの梅雨入り。全く星屋泣かせの毎日だった。
  それがどうだ。金星の日面通過の世紀の大イベントが過ぎ、これから先、当分大きなイベントがない天文界となったら、梅雨というのに連日の晴れ…。
  でも、おかげで、すっかりあきらめていたニート彗星に再会することができた。ところが・・・
  13日、つくば星の会の例会の後、久しぶりに会のメンバーと筑波山で星見。ひげのように二股に分かれたニート彗星の尾を確認した。翌14日も晴れたので自宅で写真に収めることにしたのだが、カメラを向けると突然湧いてきた雲に邪魔されて失敗。15日も晴れ。しかし、双眼鏡で確認できるのにカメラの視野の中にどうしても入らない!。180o望遠レンズだからそれほど難しくないはずなのに、狐につままれたようでやはり失敗。もうだめかと思っていたら今日も晴れ。こんどは望遠鏡と同じ視野になるようにセットして、望遠鏡で確認してから撮影。これでやっと撮影に成功!となった。
  連日の晴れが幸運なのか、あきらめないで「3度目の正直」をリベンジした自分がエライのか、はたまた同じ誤りを何度も繰り返さないと身に染みないノー天気なのか、なんとも言いようがないが、なんだか疲れた4日間であった。

  写真は、やっと撮れたニート彗星。すっかり小さくなり、尾も光害の中に埋もれてしまっている。3日前ならもう少し大きかったかもしれないなあ・・・。写真をクリックすると大きな写真が見れる。



自分で使う望遠鏡(3)
2004.06.23

  観望会などで、ただ「見せてもらう」だけでなく、自分で見たい星を自由に向けて眺められる望遠鏡があると面白い。というのは、このページでも何度か登場していただいている田中千秋さんのアイデアだ。これには私も大いに賛成で、「一作目」は以前こちらでご覧いただいた。その後田中さんがさらに立派なものをつくって見せてくれたことが刺激になって、いつか「二作目を!」と考えていた。
  二作目のテーマは「安くできること」。私の一作目も田中さんのも一式だと10万円は超えてしまう。
  そこで以前から保管していた望遠鏡メーカービクセンの「カスタム型」経緯台を使ってみた。これはなんと写っている三脚と共に「ゴミ」として捨ててあったもの。発売された時から「素人さんの使う安物架台」というイメージで見てきたので、拾ってきてもなにに使うでもなくもう何年も転がされていた。
  ところがいざ望遠鏡を載せてみて驚いた。架台の高さを極限まで低くして、望遠鏡を向ける位置で変化するバランスの崩れを最小にし、さらに、上下動はクランプを省き、絶妙の渋さに調整した「半フリーストップ式」だったのだ。
  ただ、これでも望遠鏡を大きく傾ければバランスが崩れるのは必至なのだ。が、これを抑える位置にウェイトを置くとたいへん使いやすくなることを誰かが考え出した。いまではアクセサリーとして別売されたりしている。
  「二作目」のアイデアとはなんということはない。この何千円かするアクセサリーに変わる金具を金物店で「発見」して、この優れものの経緯台に取りつけただけ。この金具、「 〕」こんな格好をした、棚などの補強に使うモノ。値段は350円!。もちろん分銅やネジ類は別にそろえなければならないし、ネジ止めする穴も架台側と金具に一個ずつあける必要がある。でも、たったこれだけの工作で、ほぼ理想的な「フリーストップ式経緯台」が完成する。使う人は、ただ接眼部をつかんで、見たい星に向ければいいのだ。

  写真をクリックするとアップの写真が見れる。いかに簡単な工作かお分かりいただけると思う。このビクセンの経緯台、買うとしてもネットオークションなどでは望遠鏡、三脚込みで3万円を超えることはまずない。



晴れないね・・・当然だけど
2004.06.30

  このところ晴れそうで晴れない天気が続いている。梅雨の最中だから当然といえば当然。むしろきれいなアジサイを楽しむためにも梅雨らしい雨を期待したいくらい。
  今日も夕方まで、雲は多いもののお月様が見えていた。「茜雲」というのだろうか、お月様の前を赤く染まった雲が次から次に通りすぎていてなかなか風情がある。
  でも、しばらくして家に入っていた私を家内が呼ぶので出てみると、お月様が赤い笠をかぶっていた。案の定、夜は雲間から時々お月様がのぞくような、星屋からするとからかわれているような空模様。確か昨夜もそうだった・・・。

  写真は、お月様と茜雲。もうちょっと明るい時間だったらお月様の模様が写っただろうにと残念。

  静岡で史上最高の雨量を記録したとか、「Ogasawara Sky たびんちゅ」さんの父島でも、台風の影響で避難している人が出ているとか。被害がなければいいのだが・・・。



お月様と遊ぶ
2004.07.02

  今晩は満月。しかも例年なら梅雨真っ盛りというのに、台風に巻き取られてしまったみたいに梅雨前線もどこへやら。
  うっすら雲がかかったような満月の夜だから、星見にはちょっと向かないけれど、せっかくの月夜。ちょっぴり遊びに出たくなった。
  さっそく、カメラを担いで庭先に出て、今年珍しくよく咲いてくれた合歓木のところにいってみた。
  合歓木の葉っぱは名前のとおり夜はすっかり閉じて「お休み」状態。だが、花は眠らず、お月様の光の中でその糸を輝かせている。
  カメラを向けてみたが、ピントがよくわからず、露光もカメラ任せ。それでもまあピントがあっていそうな何枚かが撮れた。

  ホントは、お月様の光は太陽より赤っぽいのだが、たいていの人は「青い」というイメージを持っていると思う。そんなわけで、色を実際とは変えて、青っぽい色に仕上げている。
  また、今晩の撮影は最初の2枚だけ。後は数日前に咲き始めた朝に撮ったもの。繊細な、ほんの一日しか保たない合歓木の花の姿を楽しんでいただきたい。

  そうそう!お月様を見に出歩きたくなった本当の理由だが、私の大好きなアニメ映画「おもひでぽろぽろ」をテレビで見たからだ。その中に出てくる月夜の情景がとても好い。
  でも、なによりいいのは主題歌「愛は花。君はその種」。原題はAMANDA McBROOM作詞・作曲の「The Rose」、これを高畑 勲が日本語訳詞、都はるみが歌っている。
  興味のある方には、こちらに原詩と訳詞をあげておいたのでご覧いただきたい。



七夕の星の色
2004.07.07

  新暦の七夕にちなんで、織姫星(琴座α星=ベガ)と牽牛星(鷲座α星=アルタイル)の写真を撮って並べてみた。
  織姫星は大変明るい星で、冬の空に輝く全天第一の明るさを誇るシリウスに次ぐ光度である。色はいかにも女性的な純白とでも言おうか。これに対して牽牛星も立派な一等星なのだが、相方の織り姫星があまりに明るく澄んだ色に輝いているので幾分見劣りがする。色はやはり地味な白というところだろう。
  でも、本当のところ、望遠鏡を覗く機会があったら、是非是非自分の目でその輝きや色を確かめてほしいとかねがね思っている。そのくらい実際の星は個性的で心が洗われるものがあると感じている。
  実際ご覧になったら、ここに掲げた写真など足元にも及ばないと思われること疑いない。

  ちなみに「ホントの七夕(=旧暦の7月7日)」は、今年は8月22日。そう、七夕は「秋」の行事なのだ。



天空の相合い傘
2004.07.07

  七夕にあやかってお話をもう一つ。
  なかなか会えない織姫星と牽牛星のために、天空に巨大な「相合い傘」がかけてあることをご存じだろうか?(写真をクリックするともう少し大きな画像が見れる)
  元々働き者だった二人が、結婚したことで、仲がよすぎてすっかり働かなくなったのを戒めるため、天の川の両岸に二人を分け、年に一回しか逢えないようにした天帝が、ちょっぴり気の利いた細工をした。といったところだろうか?

  というのは、私の作り話。
  実はこの相合い傘のあたりは「白鳥座」の空域。線を引くとこんな姿が浮かび上がる。
  白鳥座は、ふつうに眺めてもその姿が浮かんでくる数少ない星座のひとつなのだ。そして、特に明るい星を単純に結んでできる十字架を、南天の星座「南十字星=Southern Cross」に対比して「北十字星=Northern Cross」と呼んでいる。
  真夏の深夜、ほぼ天頂にかかる白鳥座は、いつ見てもよく整った星座だと思う。また、光害で明るくなった夜空でも、よく澄んだ夜には天の川がいちばん見えやすい空域でもある。
  天の川の上を飛ぶ巨大な白鳥の姿を、この夏、是非ご自分の目で確かめていただきたい。



星の色の話をもうひとつ
2004.07.09

  おとといご紹介した白鳥座は、とても見所の多い星座だ。「自分の星を見つけよう」コーナーになかなか掲載できないのもそんな理由からだ。(いいわけ)
  でも、白鳥座の話をしたらどうしても触れておかなければならない星があるのでひとつだけ。それが写真の星「アルビレオ」。白鳥のくちばしのところにある星だ。
  ご覧のようにふたつの星が並んで光っているのだが、肉眼だとわからない。慣れると10倍くらいの双眼鏡でもわかるのだが、まあ20倍〜30倍くらいの望遠鏡で見やすくなる。
  この星は「全天最美の星」といわれているくらい、色の対比がすてきな星のペアで、「星に色がある」というのを分かってもらうのに、観望会などでよく覗いてもらっている。

  (といったことをあちこちで書いている。まだ読んでない人はこ・ち・ら



明けの明星
2004.07.11
  夜中の2時過ぎ(10日の夜)、暑くて開けたままの窓から差し込むお月様の光で目が覚めた。
  いつもならそのまままた寝てしまうのだが、あまりにもすっきりと冴えたお月様を見ていたら、「そうだ、金星が明けの明星になっているはず・・・」と気が付いた。金星が130年ぶりの日面通過を果たしてから早1ヶ月、太陽からだいぶ離れたことだろう。
  車で見晴らしの良い田圃にでてみると、案の定、月齢24のお月様のずっと下、地平線近くに明るく金星が輝いていた。望遠鏡で見ると、もうずいぶん太ってしまってはいたが、ビーナスの名前にふさわしい純白の三日月型が美しかった。



お月様の「欠けぎわ」
2004.07.14

  11日の朝、明けの明星(金星)の撮影のあと、自宅でお月様を望遠鏡で眺めると、欠けぎわからずいぶん離れたところに星のような光の点があるのに気が付いた。
  これは、月面の高い山のてっぺんだけが光っているもので、山が高いほど早く(遅くまで)日が当たるため起こる。
  それにしても、これだけ離れて見えるのはさすがに珍しい。よく見るとほかにもクレーターの外輪山だけ光っていたり、クレーターのそこが真っ黒だったりと、いろいろあっておもしろい。

  釣りをする人が「鮒に始まり鮒に終わる」といったりするのと同じように、星屋の世界でも「月に始まり月に終わる」と言われるくらい、月は奥のふか〜い観測対象なのだ。(写真を突っつくとほかの写真も見れる)



「猛暑」について考える
2004.07.21

  このところ関東地方は40度を記録したところもあるような連日の「猛暑」。一方新潟や山形、福井では記録的な豪雨で大変な被害がでている。こちらも職場の同僚の実家が被害にあったとかで他人事ではない。
  ところで、なぜ「猛暑」になっているかといえば、太平洋高気圧の中心が高緯度にあると言うことらしい。
  でも、もうひとつ知っておいてほしいのは、日本に梅雨がなかったら毎年このくらい暑いと言うこと。一年でもっとも太陽高度が高く、昼間の時間が長いのは夏至の頃。今年は6月21日。この前後が一年でもっとも暑い時期でこれを「夏」というわけだ。
  ところが、すぐおわかりのとおり、この夏至を挟んだ前後1ヶ月は日本では「梅雨」。連日雨や曇りで日照時間は少なく「梅雨寒」なんて言葉もあるくらい、じめじめ不快ではあってもまあしのぎやすい。そう、梅雨があるおかげで暑い夏の時期の半分は雲に下で暑さをしのげているというわけだ。
  その点今年は「カラ梅雨」。本物の夏の太陽がまともに降り注いでいるのだから暑いのが当たり前。
  でも、それにしても暑い!!。やっぱり「地球温暖化」の影響を考えないといけないのではないか?
  クーラーの利いたところで「政治」が行われていては、なかなか実感がわかないんだろうけれど、結構緊急な課題なのではないのだろうか?。

  写真は夕涼みをかねて出かけた、となりの八郷町にある「ギター文化館」というところで行われたフォークシンガー笠木透さんのコンサートの一コマ。「平成の大合併」とかで猫も杓子も大きな「市」になろうとしている今日この頃、ふと足を止めてみたくなる段幕の詩である。



美和村花立山星まつり
2004.07.25

  24日は、茨城県北部の美和村で星まつりが開催され、天文関係のイベントスタッフとして参加した。
  この星まつりは、ほかの星まつりと少し違って村(行政)が主導して開催されている。会場となる花立山山頂の広場の一角にある「花立山天文台」は、もちろんまつりの主役。運営の一端を任されている我々ボランティアスタッフも、総出で各種イベントのスタッフとして走り回る。
  今年の私の仕事は「望遠鏡製作教室」。子どもでも30分ほどで完成する4pの望遠鏡組立キットを組み立ててもらうのだが、完成して遠くの山並みや木立の葉っぱなどを眺めたときの歓声は、何度聞いてもうれしいものだ。それの、このキット、なかなか精度も良く作られており色収差もほとんど分からない。夜になって、カメラ三脚に取り付けて自分で作った望遠鏡でお月様を見てもらったが、クレーターもくっきり見えて、観望会をしている「本物」の望遠鏡と「遜色がない」と言っても大げさでないくらいだった。

  写真左は、天文台の主砲82p反射望遠鏡の「サブ機」として使っている15pアクロマート鏡筒。架台はちょっと変わっていてアメリカ製のフリーストップ式赤道儀。昼間のイベントでは太陽の投影をして見てもらっている。この日は太陽の中央に大きな黒点があって見せ甲斐があった。右の写真は会場入り口に置かれて七夕飾り。ライトアップされてなかなかきれい!



きたかるサミット
2004.08.01

  この土日、リンクしていただいている大久保さんのお招きで北軽井沢観測所「ガレージKATO」の加藤さんやそのお友達の笠井トレーディングの石田さんとご一緒におじゃました。
  観測所兼別荘のあるこの北軽井沢は、猛暑の下界をよそに夜は20度、昼でも25度という文字どおりの避暑地。
  みんなで、この間にコレクションしたり製作したりした機材をおみやげ代わりに持ち寄って、夜通しの望遠鏡談義に楽しい時間を過ごした。
  寝たのは確か4時を回っていたが、1時過ぎ(夜中の)に入った草津温泉の効能か、全く疲労を感じず帰りの運転も全然眠くならなかった。

  写真左は大久保さんの新作「20×50グレゴリー式反射双眼望遠鏡」。50ミリF1の主鏡を使ったたぶん世界初の双眼鏡だ。見え味はまだ発展途上だがいろいろな可能性を秘めたチャレンジのような気がした。
  写真右は同じく大久保さんがしし座流星群のために製作した自動ガイド装置。きわめて頑丈で高精度な作りで6×7や4×5カメラを複数搭載して数十分の自動ガイドが可能という優れものだ。




連日好天
2004.08.04

  ここ数日比較的透明度の良い夜空が続いていて、我が家の庭からでもうっすらとではあるが天の川が見れている。がお月様が出てくるのが早いのでそんなに長い時間ではないのだが。
  特に今日は、たて座あたりから分かれる天の川が見えるようで、うれしくなって写真撮影をすることにした。
  でも、日頃の心がけが悪いせいか撮影準備が終わると雲がわき、おまけにお月様も出始めてしまい、すでに天の川は消えてしまっていた。それでも天の川が見えた透明度を信じて撮影を強行した。

  写真はその中の一枚「M8=干潟星雲」界隈。南中をすぎるとこのように梢すれすれになってしまうが、何となく臨場感がある。強力な画像処理(カラーバランスで赤を思いっきり強調!)をしたら、このカメラが苦手と言われている赤い星雲がよく出てきてうれしかった。

  それにしても、夜空は何となく秋の風情・・・?季節が前倒しになってるような気がする。



ペルセウス座流星群を見る
2004.08.12

  昨夜から今晩にかけては「ペルセウス座流星群」の極大期にあたるということで、徹夜の覚悟で構えている。
  今回は、つくば星の会の中心メンバーの一人Mくんが昨年八郷町に購入した「新居」の庭で、会員メンバー有志と飲みながらの観望ということになった。
  しかし、前評判とは違って、ほんのたまにしか流れず、一昨年のしし座流星群の大流星雨を見てしまったものには全くつまなくて、ぼやきを言いながらやがて寝てしまっていた。
  夜明けが近いころふと目を覚ますと、雲がとれてきれいな空が広がっていて、やっぱり時々流星が流れていた。そこでダメ元でデジカメを取り出し30秒露光で撮れるだけ撮り続けることにして撮影を開始した。撮り始めて2〜3コマ目。小さな流星が何個か飛んだのに続いて爆発を伴った明るい流星が飛んだ!。しかし、どう見ても視野に入っているとは思えないような場所。それでも「念のため」と確認したら、なんと!画面の角隅に突き刺さるようにその流星が写っていた。
  しかも、その前後の30コマ近くには、やっと見えるものも含めてほとんど写っていない。あの30秒は貴重なピークを偶然捕らえたのかも知れないと、ちょっぴり幸せな気分に浸っている。

  上の写真はその流星のクローズアップ。写真をクリックするともっと大きな写真や星座との関係位置をご覧いただける。
  中央左寄りがカシオペア座。右上がペルセウス座。流星が流れながら色が変わっているのがおわかりいただけると思う。最後に太くなっているのは高熱のため爆発を起こしたと考えられる。また、左に細く写っているのも流星だ。



三日月
2004.08.18

  職場を5時ポンで出て、久しぶりに買い物。最初は市内のカメラ店。何本もあったはずのカメラレリーズが相次いで壊れ(壊れるんだねえ)残るところ一本となってしまっていたことが、ペルセウス座流星群の撮影準備をしていて気がついたからだ。
  続いて大手材料店(?)。こちらは天文と関係のない枝打ち用のノコギリを買うため。ついでに新しい長靴も買った。
  店を出ると黄昏の空に三日月(本当に月齢3日の)が浮かんでいて、よく見るとすぐ下に木星らしい明るい星も見えていた。
  これを写真に撮らない手はないと、適当な撮影場所を探しているうちに、どんどん雲が出てきて結局左の写真のような有様になった。情けないこときわまりないが、画像処理などいろいろやってみたら、まあ面白いと言えなくもない写真になった。



しりこない
2004.08.21

  霞ヶ浦に面した町の観望会にボランティアで参加した。
  今日あたりから天気も下り坂。記録的な猛暑もさすがにおさまりそう。ということで、空も雲が多くてスッキリとはしないのだが、それでも月齢6のお月様を始め夏の天体を色々見てもらえた。
  今回は33pドブソニアン(トトロ望遠鏡)を持っていった。ところが、望遠鏡の周りを離れず、その上他の人が覗いているというのに、何度注意しても望遠鏡にさわって動かしてしまう男の子がいて困った。ただ、舞い上がって悪ふざけをしている顔ではなく、なんだかさわりたくて仕方がないという風だったので強く叱るようなことはしないでいた。
  帰宅して、その様子を女房殿に話したら、このあたりではそういうことをするのを「しりこない」と言うのだと教えてくれた。
  あまり体験したことのない経験だったし、もちろん私の生まれたところ(千葉県)ではそれに類する言葉さえ知らない。あらためて日本語(方言)の奥深さを知らされた思いがした。
  それはそうと、たぶんあの男の子は私かトトロ望遠鏡になんだか寄り添いたい(からみたい)思いにかられてあんな行動をしてしまったのだろう。そう思うと、もう少し優しくつき合ってやればよかったとちょっぴり後悔している(それほどひどい接し方をしたわけではないのだけど・・・)。

  写真は浴衣姿で参加してくれたすてきなお嬢ちゃんとお母さん。写真、撮らせてくれてありがとう!。



鳥になって・・・
2004.08.26

  このところ天気が良くなくて星が見られない。でも、最近仕事で双眼鏡を覗くのと似たようなことをしている。
  写真がその「お仕事」。下に置いてあるのは航空写真。それをこの器械を通して眺めるとア〜ラふしぎ・・・。地形が立体的に見えるのだ。
  で、それでなにをするのかといえば、たとえば山に生えている木の種類とか畑にはなにを作っているかとか等々。写真は驚くほどたくさんの情報を含んでいる。また、使っている写真もだいたいだが道路のセンターラインが分かるくらい細かいものまで写り込んでいる。
  しかし、ただ一枚の写真だけを眺めてもなかなかそれだけのものを判別するのは難しい。それをこの変な形をした器械を通して少しずれた2枚のペアの写真を見ると、かなり誇張された立体感が得られ、判別できなかったものが判別できるようになるというわけである。原理で言えば双眼鏡と同じ効果と言うことができる。
  でもこの仕事、最初は面白いのだが、だんだん飽きてくるうえ目がとても疲れるのだ。
  鳥になっているのも楽ではない。



台風襲来
2004.08.30

  ここ数日来、九州、中国、四国地方を中心に巨大台風16号の襲来を受けて不安な日々が続いている。
  遙か1000キロ離れた関東地方でも強い風と断続的な雨が降り続いていて、この台風の大きさを今更ながら見せつけられている。犠牲者もでているようだが、最小限の被害ですむよう願うばかりだ。

  そんな天気の中、ふと外を見たらお月様が光っていて雲が飛ぶように空を横切っていた。その雲の様子を写真に撮ってみたのだが、果たして実感がわいてくるかどうか・・・。おまけに「適正露光」で撮影したお月様も載せてみた。こちらは400ミリ望遠レンズに自動焦点・自動露出で撮ったもの。結構クレーターなども写っている。



魚になって・・・
2004.09.06

  今週は職場から1時間ほどのところにある「河童」で有名な牛久沼で船に乗って仕事をすることになっている。先週まで鳥になっていた私が、突然今度は魚になってしまった次第。
  来月北海道で行う本格作業の手順確認(練習)や使う機械の動作チェックなどがその目的。限られた期間と人数で完了しなければならない作業のため、スタッフ全員が一通りの機械の操作を習得しておく必要がある。現地に行ってから「動かなかった」ではすまないのだ。(ハイテク機材も多いので結構アブナイ)
  逆に、昔は船から「六分儀」で地上の目標物をはかって自分の位置を知っていたのに対して、今はGPSを使えば事前の準備なしで現地に入れる。器械の重さは数分の1だし人手もあまりいらない。ただし、器械が正常に動けば、だが。
  しかし、またまた強烈な台風が来ているようで、果たして今週どれだけやっておけるか心配だ。今日だって湖の真ん中で横風と横波を食らって結構怖い思いをした。
  それに、今度の台風のコースが先週私が言っていたとおりだったと言って、こちらも風当たりが強い。
  気圧配置から言って当然のコースなのであって、私に責任などないのに・・・。



台風18号
2004.09.08

  台風18号は先日の台風17号とほとんど同じコースで、より強い勢力のまま日本列島を縦断し、たくさんの死亡者、けが人を出して行った。
  最接近した昨晩は、台風が日本海にあるにもかかわらず、ここ関東平野でも猛烈な風が吹き、ものすごい音で不安で眠れないほどだった。
  写真は今朝の朝焼け。台風は北海道をうかがっているというのに相変わらず風が強く、朝焼けの色も不気味な美しさであった。写真では分からないが、雲の腹が緑色に見え、また上空にかかるお月様の光も心なしか緑色に感じられ、思わず写真の撮ったもの。

  今日も牛久沼で船乗り作業。昨日は新しく導入した野外用ノートパソコンが不調で全く仕事にならず、担当者は遅くまで原因究明に追われたようだ。おかげで今日は順調に作動してくれたが、台風の吹き返しの強風が吹き止まず、危険なためわずかしか作業ができなかった。
  写真右は、強風で立ち往生状態の我々の船をからかいに来た?若い白鳥。



南群星
2004.09.14

  写真は、先日日曜日の「つくば星の会」の例会に、流星観測家のF君が着てきたTシャツ。「南群星」と書いて琉球の読み方で「はいむるぶし」と読むのだそうだ。
  ここまではローマ字で書いてあるのを読めば分かるのだが、さてこれは何の星のことだろうと少し考えたがさっぱり分からない。そこでF君に聞いてみたら、なんと「南十字星」のことだそうだ。
  群星というからには、星が寄り集まった「星団」をイメージしたのだがそうではなかった。

  南十字星は、沖縄本島では南の水平線ぎりぎりに見えるのでよく親しまれていたのだろう。そうして明るい星が4個まとまって見えるので「群星」なのだろう。
  それにしても、なんて素敵なひびきの言葉だろうか!。
  沖縄の人々の心が伝わってくるような気がした。



むりぶし
2004.09.18

  上の日記で、南十字星のことを琉球の言葉で「はいむるぶし」と呼ぶという話をした。
  昨夜、表紙を「すばる」に変えてから、ふと沖縄では「すばる」のことをなんて呼ぶのか知りたくなり、さっそく調べてみた。
  するとなんと!すばるのことは「てぃんむり(る)ぶし」というのだそうだ。漢字で書くと「天群星」。そう、「群星」の本家がすばるで、「南群星=南十字星」はいわば「南のすばる」となるわけだ。

  ついでに北極星は「にぃぬふぁぶし(子ぬ方星)」。子(北)の方角の星という意味のよう。これは「てぃんさぐぬはな」(天に咲いている花=鳳仙花)という沖縄の民謡(子守歌?)のなかで、「夜走らす船や子ぬ方星見当てぃ/ 我ん生ちぇる祖先や我んどぅ見当てぃ」と歌われている。「夜の海を走る船は北極星が頼り/私を生んでくれた祖先が私の頼り」といった意味だろう。
  子どもをめぐる痛ましい事件が続く。それが、「頼り」を見失ってしまった子どもや親たちの、不安に駆られての「迷走」に感じられてしかたがない。子の親として、親の子として、ズシンとくる歌詞に涙が止まらない。



スターライト・シャンソン
2004.09.21

  昨日、千葉県の栗源(くりもと)町にある「ウッドストック」というライブレストランでシャンソンのライブの合間に星を見てもらった。
  今月はじめ、そこから「シャンソンのライブと交えて星を見せて欲しい」という依頼が来て、ふたつ返事でOKした。一昨年だったかこのレストランでのライブのお手伝いをしたことがあって、それを覚えていてくれたらしい。
  実は、このときはつくば星の会のKくんに全部やってもらって、私は脇にいただけ。もちろん晴れていれば出る幕もあったのだが、あいにくの曇り空。スライドを使ったKくんの粋な星空トークで大いに救われたのだった。
  今回はそのK君の都合がつかず、場所が遠い(私の実家の隣町)と言うこともあって私ひとり。「スライドもなにもないので曇ったらアウトですよ」と申告したら、担当の店員さんもちょっと困った風だった。

  コンサートは題して「スターライト・シャンソン」。シャンソンを歌うのは「仮面ローズ」さん。お名前のとおり出場の時仮面で登場され、まずびっくり。聞けば佐倉市で陶芸もやって居られると言う多彩な方。お歳は私とそう違わない(かな?)
  コンサートが進むにつれて、最初雲が多かった空がすっかり晴れ渡り、秋の星座が広がった。ホントにラッキーである。
  私は、アンドロメダとペルセウスのギリシャ神話をして、ペルセウスの二重星団アンドロメダ大星雲などをトトロ望遠鏡で見てもらった。

  写真は素敵なシャンソンを熱唱してくれた「仮面ローズ」さん。



仲秋の名月
2004.09.28

  今日は十五夜。ご存じ「仲秋の名月」。天気が心配だったが関東では何とか薄雲越しにお月見ができた。
  ところで、暦を見て「今年の十五夜は仏滅なのでがっかり・・・」なんて思った方はいないだろうか?
  少なくとも私は、がっかりはしないまでも気になった。
  ところが、調べてみると「仲秋の名月」の日は必ず「仏滅」なのだそうだ。逆に言うと、そうなるようになっているらしい。だから、あまり気にしないで、お月様にお供えをして秋の実りを十分にお祝いされるとよい。

  写真は、そんな今日の「名月」。薄雲がかかってほんのりかすんだ姿もなかなかの風情である。
  と言いながら実はこの写真は作り物。お月様はカメラの感色性を変えて「ブルームーン」にしてみた。そしてさらに別のところで撮ったススキを合成。
  でも、もちろんお月様は正真正銘今宵のお月様。ススキも同じ。「作った」とは言っても、半分しか嘘をつかなくてよいのはやはりデジカメのおかげ。(写真をクリックすると大きな写真が見れる)



富士山150キロ遠望
2004.09.30

  今年8度目とか言う台風の上陸で、またとおとい犠牲者が出てしまった。
  そんな台風一過の夕空に久しぶりにくっきりと富士山が浮かび上がっていた。富士山と私の職場との距離はおおよそ150q。東京から見るよりは2倍の遠さである。でも、日本記録は300qと言うから、まだまだ近い。
  ついでだが、今噴火中の浅間山までの距離も、同じく150qくらい。西の地平線付近に雲がなければもちろん見ることができる(煙をたなびかせた様子まで分かる)。こちらの噴火も大したことがなければいいのだが・・・。

  そういえば、来週はあちら方面に出張する予定。なるべく近づかないようにするつもりである。
(写真をクリックすると大きな写真が見れる)



石川町スターライトフェスティバル(1)
2004.10.3

  10月2〜3日福島県石川町で開催された「石川町スターライトフェスティバル」に参加してきた。
  今年は自他共に何かと気ぜわしく、みんなで食べる「おでん」のネタの買い出しと仕込みを前夜遅くまでやり、朝、持っていくものの積み込みと洗車をして出かけるという有様だった。
  高速をとばして2時間半で会場に着くと、まだ陣取りの余裕があり、リンクを張っていただいている「ガレージKATO」の加藤さんや「北軽井沢観測所」の大久保さんがいる「自作望遠鏡オフ会」のそばに居場所を決めた。その後やってきた「つくば星の会」のメンバーとタープを張りテーブルを置き、自分の望遠鏡をセットして、やっと一息。(つづく)

  写真左は私と愛機の15p双眼望遠鏡。「北軽井沢観測所」の大久保さんに撮っていただいた。右は夜の星見を不安にさせた夕方の雲(写真をクリックすると大きな写真に)。



石川町スターライトフェスティバル(2)
2004.10.3

  昼過ぎまで晴れていた空が夕方に近づくにつれて雲の量が増し、日の入り前にはすっかり曇り空。
  それでも、時折晴れ間も見え、7時過ぎにはお月様も登ってきた。さっそく、それぞれ持ち寄った自慢の望遠鏡の見え味比べが始まる。しかし、晴れ間は確実に少なくなり、恒例の「大焼き肉パーティー」が始まる午前0時には快晴ならぬ「快曇」となった。 焼き肉パーティーに全国から持ち込まれた珍しいお酒ですっかり酔いが回り、望遠鏡をほったらかしにしてそのまま寝てしまったら、朝、雨の音で目が覚めた。
  出しっぱなしの望遠鏡のことを思い出して飛んでいったら、他の人たちも大慌てで望遠鏡の撤収をしていた。
  やがて、やみそうにない天候に、早く帰ってしまう参加者も多かったが、特に早く帰る必要もない我々は、星まつり最後のイベント「じゃんけん大会」を待つ。そう、参加者が減れば当然分け前も多くなるという皮算用である。
  おかげで、この10数年間、最後まで勝ち残ったことのなかった私が3回も賞品をゲット!。さすがに、帰りの事故が心配になった。
  振り返れば、今年はおでんづくりとじゃんけんに終わったような星まつりだったなあ・・・。

  写真は常連さんの手作り望遠鏡。10年近く前に原型ができ、以来毎年少しづつ進化している。今年はついに自動導入自動追尾式となった!(写真は「ガレージKATO」さんの撮影)



地上の銀河
2004.10.10

  心配された台風22号は、我が家は進路の左側だったため大したことはなくすんだ。といっても道を走っていると折れた木を見かけるし、我が家でも地盤のゆるいところにあった木が傾いたりしている。つくば市との境界を流れる霞ヶ浦に注ぐ桜川も堤防の中(実は「外」なのだが)いっぱいに水が流れていた。(写真右)
  またしても犠牲者がでてしまった台風一過だったが、不謹慎にもそのあとの晴れ間を期待していたことに罰が当たったか、通り過ぎたあとも曇りや雨が続いている。
  「被害状況」を調べに家の周りを回ったら、今年一番先に咲いたキンモクセイが風でほとんどの花を落とされていて、その花が大雨に流されて見事に集められているのを見つけた(写真左)。その形が心なしか夏の銀河に似ていて写真に収めたのだが、あとでよく見るとその中にムラサキシキブの実が紫色の真珠のように混ざっていた。
  ムラサキシキブの木はキンモクセイとは少し離れて生えているのだが、風に落ちた実が大雨に流される途中、キンモクセイの花が作った自然のダムに止められて混ざったのだろう。



部分日食
2004.10.14

  今日は久しぶりに「部分日食」があった。
  しかし、朝から時々太陽は顔をのぞかせるものの、ほとんど曇りという状態でやきもきさせられた。もちろん食が始まった10時45分頃は完璧な曇り。
  すっかりあきらめていたところ、もっとも大きくかける11時40分頃になると少し雲の薄いところがでてきたようなのでカメラを持ち出してパチリ!ナンとか日食写真をゲットできた!

  写真はその部分日食。実はピントを合わせる余裕もなかったのでピンぼけ。写真処理でごまかしている。(というわけで写真をクリックしてもこれ以上大きな画像は見れません)

  ところで、どこかで見たような写真だなあと思われる方もおられると思う。そう、今年の6月8日の「金星の日面通過」の写真。わずかの可能性も、信じて根気強く待った結果である点で共通している。(エヘン)

  でも、正直、スッキリ晴れた状態で楽しみたかった・・・。



久しぶりの夕焼け
2004.10.16

  夕方、犬の散歩をしながら雲がきれいに染まっているのに気がついた。
  昨夜は、チョットしたお酒の席があって水戸に泊まった(考えたら多分初めて)。千波湖畔から見た夕暮れの空は本当に透明感のあるすばらしい美しさだった。
  余談だが、水戸というところの空気の透明感は、私も結構各地歩き回っている人間だが、どこよりも「一枚上」という印象を持っている。
  で、話を戻して今日の夕焼け。雲の染まり方から、地平線近くの夕焼けが面白いはず、と見晴らしの良い田圃にでてみると案の定、地平線付近だけが良く晴れて、富士山もくっきりと見えていた。どうも私のいる地域の上にだけ雲がある、という状態のようだ。おかげでお目当ての月齢3日のお月様を探したが雲に隠れて見つけられなかった。
  二日続けてそれぞれにきれいな夕焼けを拝めて、何か得した気分である。
  その後夜になっても雲はなかなかとれず、我が家からきれいな星空が見られるようになったのは、夜もだいぶ遅くなってからだった。

  写真は、田圃から撮った夕焼け。人によっては「不気味」と感じる人もいるのではと思うくらい印象的な色であった。



沈み行く月
2004.10.17

  今日は久しぶりに一日中スッキリとした秋晴れ。
  半日を庭の草刈りに、もう半日を望遠鏡いじりにと、暖かい晴れ間を有効利用した。

  実は、明日から来月まで、チョット長い出張。行く先は北海道東部の霧多布湿原に隣接する火散布沼(ヒチリップトウ)という湖。多分紅葉シーズンは終わっている?
  もちろん「仕事」だが、少しは景色も楽しめた方が良いに決まっている。だって、男3〜4人でチームを組んで同じ宿に長期滞在しての作業。気楽といえば気楽だが、早く作業を終わらせて帰りたいのが人情というもの。

  何の調査か?って。まあ、湿原と湖沼の環境調査、ってことにしておこう。

  写真は、題名のとおり、西の地平に沈んで行こうとしているお月様。昨日も狙っていたが撮れなかった。(写真をクリックすると大きな写真に)



た・だ・い・ま・・
2004.11.8

  3週間の北海道出張を無事終えて昨夜帰ってきた。
  出張先の道東は、この時期は札幌などより暖かいのだそうで、寒さが来るのが遅れていることも手伝って、水の上での作業というのに「寒さに耐えながら」と言った厳しさのない快適な毎日だった。

  作業地の火散布沼(ヒチリップトウ)は、湖岸線がほとんど手つかずの原始のまま残されており、入り江の多い湖岸線のそれぞれの入り江には4家族ほどの丹頂鶴が縄張りを決めて暮らしているので、彼らに気を使いながらの作業となった。
  しかし、最初見たときは美しい姿と天然記念物という肩書きにすっかり感動させられたが、来る日も来る日も行く先々出会い、時には「侵入者」として威嚇されたりしていたら、お互い気心が知れて来るというか、適当な間合いが生まれ、「仲間づきあい?」ができるようになっていた。

  また、大都市から遠く離れた場所なので、星空もまた格別なものがあった。ただ、期間が満月を挟む時期だったことと夜間晴れる日が少なかったことで、あまり星空を堪能したと言うことはなかった。

  それにしても、現地入り1週間目に発生した新潟県中越地震には、その後余震がいまだに続いているという異常さと合わせ「何でこんなひどいことにならなければならないのか・・・」という憤りさえ覚える。どうか気持ちを強く持って復興に立ち向かっていただきたいし、そのためにできるだけのお手伝いをしたい。

  写真は出張中宿泊していた民宿の部屋の窓から覗いた星空。もちろん快晴の日もあったが、雲がおもしろいので。



並んだ!
2004.11.11

  10日の夜明け前、このところ並んで輝いている木星と金星の間に三日月(正しくは月令28日=新月三日前のお月様=ホントの三日月の反対・・・?)が割り込んだにぎやかな天体ショウがあった。
  惑星の中でもっとも明るく光る金星と、その次に明るい木星が並んでいると言うだけでもなかなかにぎやかなのに、これにお月様まで加わっては見ないわけにはゆかない。幸い冷え込みもなく時間も5時過ぎに起きれば十分という好条件に恵まれ、無事素敵な天体ショウをカメラに収めることができた。

  写真は、お月様を挟んで斜め右上が木星、左下が金星。望遠レンズでの撮影のため、相互の間隔が広いように感じられると思うが、肉眼で見るお月様は腕いっぱいのばした先に持った五円玉の穴にすっぽり入る大きさだと思ってみていただきたい。



銀塩写真もいいなあ・・・
2004.11.20

  北海道出張中に撮った銀塩写真(スライドフィルム)があがってきた。
  を写真屋に出しそびれ、あげく女房殿に頼んだので「コダック純正仕上げ」となり、都合2週間遅れての仕上がりとなった。デジカメ全盛の昨今にあっては「ずいぶん昔の写真だねえ」といわれそうな呑気な時間経過である。

  写真はその中の一枚。今(2004年11月)表紙に使っている写真と同じ夜、同じ場所で撮った写真である。ミノルタXEというシャッター音の良いカメラに同社の対角線魚眼レンズを付け、コダックE100というフィルムを使っている。魚眼レンズだから星空の南半分がほとんど映っていることになるが、目立つのは中央のオリオン座とおいぬ座のシリウスだろう。左端が霧多布岬右の明るいのはお月様。
  ちなみにこの朝はマイナス4度くらいまで気温が下がり、連日の最低気温が5〜6度という「暖かい」なかではさむいのをとおりこして「痛い」という感じの寒さだった。

  久しぶりに撮影した「銀塩写真」。仕上がりに1週間(純正仕上げでなければ遅くても中1日だけど)。フィルムスキャナーで「電子ファイル化」するのに一晩。それでやっとネットに載せられるとういうスローなテンポだけれど、なんか違うんだよねー・・・。ホットするというか・・・ね。
  写真をクリックすると大きな写真と、然別湖の朝の写真がご覧いただける。



虹の入り江によせる白波
2004.11.22

  このところ良い天気が続いていて、星見に勤しんでいる。
  夜は山をはさんだ隣町、八郷町内の小学校で観望会があり、大勢の生徒とその親御さんたちや先生方に星を楽しんでいただいた。こちらも望遠鏡を大小合わせて8台の陣容で望んだため、総じて最近まれにみるにぎやかさとなった。

  もう充分星を見たのでそのまま寝てしまおうかと思ったのだが、お月様も綺麗だし土星もあがってきていたので「チョット見」のつもりで望遠鏡を出してあちこち眺めていた。
  ところが最後にお月様を見て驚いた。「虹の入り江」と呼ばれているお月様の「名所」があるのだが、平坦だと思っていたその入り江の中に、寄せる波のようなシワが見えていたのだ。
  もちろん私が知らなかっただけで、新発見でも何でもないはずなのだが、微妙な光の当たり具合によって、不思議な様々な姿を見せてくれるお月様。やっぱり星屋は「月に始まり、月に終わる」。お月様の奥深さは果てしがない!。
  (女神アルテミスの小ジワを見つけて罰が当たらないか。なにが面白いのか。との声も聞こえそうだが・・・)

  写真はその「虹の入り江によせる白波」。細長い「C」の形をしたカーブを描いているのが「虹の入り江」。その中のかすかなシワがご覧いただけるだろうか?(写真をクリックすると大きな写真が見れる。以前ご紹介したこちらの写真と比べていただきたい)   



ウィンター・クロス
2004.11.29

  冬の夜空を飾る大きな十字架=ウィンタークロスのお話は、一年前こちらに書いた。
  その命名者、小笠原は父島のCosmic Guide「よっしー」さん。よっしーさんとは、あの日以来のメル友だし、この夏には我が家にも来ていただいている。
  ただ、あのころは頂点の星は土星だったのですべて1等星以上という豪華さだった。
  「だった」というのは、実は土星はずっと東の方にずれてしまい、すでに頂点にはいないからだ。
  ところが、土星がいなくなって十字架がなくなってしまったのかというと、実際にはちゃあんとウィンタークロスは健在なのだ。なぜなら、チョット地味にはなるがその頂点にところには双子座のγ星という2等星が光っているのだ。そして南十字星が星座の中ではもっとも小さいクラスなのに対して、その大きさは桁違い。ウィンター・クロスは四つの星座の星を集めた五つの星座にまたがる巨大さである。(十字架の交点付近の「バラ星雲」がこの日記ページの冒頭写真)
  もちろんよっしーさんもそのことは知っていて、きっと今夜もお客さんたちに解説してあげていることだろう。その上、よっしーさんは先日から32pという大きくてとびっきりよく見える望遠鏡を導入され、お客さんたちの度肝を抜いている。(導入にあたっては私もちょっぴりお手伝い・・・)
  ああ・・・また父島の星が見たい!(写真をクリックすると大きな写真が見れる=62KB)








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