星の見方楽しみ方 

(星のこと、望遠鏡のこと=日記・レポート風)
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目次は下ほど古く、記事は下ほど新しくなっております。



朝の月

今期初めての火星の写真  旧盆のお月様

山中観月  アリスタルコス

花立山星祭り  夏ですね

梅雨明けとはいうけれど  梅雨、明けちゃいましたね

梅雨明け間近か?  ラムダに会いたくなって

メイド・イン・USA  やっと復旧

月に群雲  電話爆弾

ビル街の谷間のお月様  ゆく春を惜しむ

銀河の季節  球状星団の話(続編)

2005年第23回星空の音楽会in星の里  肉眼黒点現る!?

琴座と山桜  萌葱色

花曇り  花見が始まった

桜が咲いた  幾星霜





幾星霜
2005.04.03

  昨日は水戸市内で行われたチョット変わった結婚式に出席した。
  新郎73歳、新婦53歳。ふたりとも再婚同士である。
  新郎は老練な弁護士。一昨年お知り合いになった。日本酒が大好きな明るいお爺さんとしか思っていなかった。が、実はその世界では大変な「大物」先生だった。新婦は女性団体のリーダー。昨年の秋、初めてお目にかかった。私と同い年だが、私など足元にも及ばない利発さ。そして何より優しく美しいお顔建ちが印象的なひとだった。もちろん、出席者の顔ぶれを見ても、どうして私がここにい(られ)るのか不思議なほどそうそうたるものだった。

  そして、そんなお二人の歩んできた道のりを、祝辞の中で聞いていたら、ふと「幾星霜」ということばが浮かんできた。
  星は天空を一年で一巡りし、霜は一回の冬を意味している。幾星霜は幾年とか幾年月と同じ意味。だが、夜と冬とを数えたその言葉は、過ごしてきた時間の重さをもっともよく伝えていると思う。まさに、自らは他者の何倍もの労苦を負いながら、ひたすら他者の幸福実現の為に尽くしてきた人生だった。
  年齢やその差だけを見たら、理解し、祝福しているのは近くにいてふたりを知る者たちだけだろう。そして世の多くは、むしろ冷ややかな憶測や噂話に花を咲かせることだろう。
  でも、そんなことはふたりはとうに承知の上で、残りの人生を共に過ごすことを誓いあったのだろう。
  幾星霜。そんなふたりの過去と未来の時間を表現するのに、これ以上の美しく、また、讃える言葉はないのではないだろうか。

     写真は、その前の夜(つまり1日の夜)撮影したM13。星がおにぎりのようにぎゅっと固まったこのような不思議な星団を球状星団と呼んでいる。その中でも全天でも1、2を争う大きさを誇っているのがこれ。七夕の星、織り姫星に先行して昇ってくるギリシャ神話最大の英雄ヘルクレス座に位置している。



桜が咲いた
2005.04.06

  転勤先の東京に通いはじめて、引継のバタバタから幾分自分を取り戻した今日、お堀端の桜がずいぶん咲きそろっているのに気がついた。
  それにしても、6ヶ月分20万円近い定期券やスイカだのパスネットだののカードを代わる代わる取り出しては電車に乗り降り。職場が東京にあった頃から数えても30年近く定期券なぞ持ったことがなかった。切符を買う手間はないので便利は便利なのだが、昔(駅員が見ていた頃)に比べて利用者の手間が省けたかと言えば、あんまり変わってないなあと思うのだがどうだろう。

  写真左は武道館をバックにしたお堀の桜。手前では女の人が水鳥に餌をやっていた。のどか〜
  写真右は4日の夜撮影した春の系外星雲。25pF5反射望遠鏡にデジカメをつけて撮影したもの。ピントを追い込むのに気合いが入らず甘い星像だが、こんな写真が自宅で5分足らずの露光で撮れるのだからよい時代になったものだと感心している。(星雲の写真をクリックすると大きな写真が見れる)
  ちなみにこれはかみのけ(髪の毛)座のNGC4565「紡錘条星雲」と呼ばれている銀河系と同じ何十億という星の大集団である。



花見が始まった
2005.04.09

  週末から東京は完全なお花見バージョン。
  いわゆる桜の名所は言うに及ばず、私の勤め先のあるお堀端も、夕方になると内輪で花見を楽しむサラリーマンがビールやつまみの袋を抱えて連れだって歩く姿が目立つ。また昨日は武道館で大規模な入学式でもあったのか、正装した若者とその親らしい人たちが所々に満開の桜のある歩道にあふれていた。

  でも写真は夜の星。今日は時々でてくる「球状星団」の写真を並べてみた。すべて同じレンズで大体同じ露光時間にしてあるので、見かけ上の大きさを反映しているといって差し支えない。
  こうしてみると我々星屋が絶賛してやまないM13の大きさがどれほどダントツかお分かりいただけると思う。小さく見えるM53やM3だって、それなりに見栄えのする「観光名所」。むしろこれが標準的な球状星団の見え方と言った方が正しい。
  また、球状星団という種族が、大きさ(距離による見かけの場合と実際の大きさの場合があるが)の違いこそあれ、いかによく似たもの同士かと言うこともお分かりいただけるだろう。実際、私自身撮影したものをすぐに処理しているから区別は付くが、しばらく経ってしまったらどれがどれだか判らなくなってしまうのは確実だろう。
  とにかく球状星団は、星雲・星団の中で、私がいちばん肉眼で直接見てほしいと思っている天体である。そうそれは、今の季節ならさながら夜桜を連想されるかも知れない。



花曇り
2005.04.10

  アンタレス食のあと、春の星雲・星団のクローズアップ写真を撮りたくなって晴れ間を伺っているが、「花曇り」という言葉のとおり冬のようなスッキリとした空には恵まれないでいる。
  この間連続でご覧いただいているのが、その数少ないチャンスに撮影した星雲や星団たちだ。もちろんこうして撮った写真は「自分の星を見つけよう」コーナーで紹介している、主に春の星座の写真の更新に反映させている。
  今日ご紹介するのは、髪の毛座のM64という系外星雲(写真左)。またの名を「黒目星雲」と呼ばれる銀河で、中程に暗黒帯を持っているので、ぽっかりと穴があいたようになっていて、これを望遠鏡で眺めるとちょうど人の目のように見えることからその名が付いている。
  系外星雲は、前回紹介した球状星団(こちらは銀河系内の、太陽とはいわば兄弟の星で構成される)とは異なり、実に個性的。たくさん集めたら「貝合わせ」ができるくらい似たものが少ない。いわゆる「ビッグ・バン」のあと、ほとんど同時に誕生したにもかかわらず、以後どんなドラマがあったのかは計り知れないが、どうしてこんなにも形が違ってしまったのか、実に不思議である。(写真をクリックすると大きな写真に)

  つれあいが「北海道の息子に桜の写真を送ってやりたい」というので、デジカメを持って家の周りの桜を撮りに行った。
  近くの池のところに来ると、池の桜並木と道を挟んだ何本かの桜がつながって、視野の端から端まで桜〜、というところがあったので、さっそくカメラに収めパノラマ写真に組んでみた。(写真下)   









萌葱色
2005.04.18

  今年の桜は、満開以降強風や寒波にたたられて、見頃はほんの一時だったところが多いと思う。
  東京の桜も、忙しくしているうちに、なんだかあっという間に風に飛ばされて散ってしまったような気がする。でも、皇居の中は桜に変わって見事な萌葱色。
  元々、桜ならソメイヨシノより純白の山桜。花よりもあの芽吹いたばかりの若葉の色=萌葱色(もえぎいろ)が死ぬほど美しいと感じている私には、桜の終わった今頃が春ではいちばん好きな時節だ。
  ただ、星屋にとってはこの季節余りよい季節ではない。前回も書いたとおりの「花曇り」。晴れているようで透明度が悪く、曇っているようなのにお月様や木星がなんとか見えている。といった具合で、星見をしようかやめようか毎晩迷っている。

  今日の写真は猟犬座という北斗七星の近くにある星座にあるM51という星雲。渦巻きがハッキリ判る見事な姿に加え、まあるいコブをひとつぶら下げているのが印象的で、その姿から「子持ち星雲」という愛称で呼ばれている。
  以前はその名のとおり「子連れ」つまりお供の星雲をつれていると言われていたが、最近は衝突しあっているのだという説もでている。そう言われてみると、カニに足を挟まれたクモヒトデかタコのようにも見える。いずれにしても、いつも話題の絶えない星雲であることは間違いない。



琴座と山桜
2005.04.23

  ここしばらく、所用があって県西の結城市に月2回くらいの割で出かけている。
  昨日も夕方出かけ9時過ぎに家路についた。空は久しぶりの晴れ。お月様が明るく輝いて、ちょうど帰る方向の正面に位置している筑波山を夜空にくっきりと浮かび上がらせていた。
  こうなると、やっぱり一枚写真が撮りたくなる。眺めの良さそうなところで車を止めては、だいたい1分ほどの露出で写真を撮りながらの帰り道になった。まさに寄り道、道草である。

  帰宅してからは、ますますお月様がさせてきた感じなので、今度は家のそばの山桜を前景に、昇ってくる琴座を狙ってみた。(写真)
  チョットが像処理を失敗して粒子を荒らしてしまったが、花芽時ならではの写真が撮れたと思う。
  それにしても、この時節、植物たちの精気がオーラになって満ちあふれているのだろうか、ついつい気が浮かれてしまうのは私だけだろうか?。(写真をクリックすると大きな写真に)



肉眼黒点現る!?
2005.05.03

  いやはや、忙しいのもさることながら、何より天候に恵まれないため更新がままならない。一応話題は「必ず星ネタを入れて」と強情を張っているのでなおさらだ。(ま、時には天気のせいにもできるが・・・)
  そんなネタ切れ=窮乏状態の時に「肉眼黒点現る!?」というニュースが飛び込んできて、藁にもすがる思いで飛びついた。
  古代中国では「太陽には三本足のカラスが棲んでいる」と言われていたが、これは太陽表面に肉眼で見えるくらい大きな黒点が時々現れたことを示すものといわれている。
  さっそく、太陽用の減光フィルターを望遠鏡に取り付け太陽を覗くと確かに大きめの黒点が。でも、このくらいのならチョイチョイ出現するのでは?と思うくらいのサイズだ。
  しかしそんなことは言っていられない。久しぶりにつかんだネタである。さっそくカメラを取り付け撮影したのが写真。
  いちばん大きな黒点が、減光フィルター(フィルムの黒いところでも良い)を通したり、日の出や日の入り直前の十分暗くなった太陽を見ると、肉眼でも確認できるという。他にも小さな黒点が右上の隅や大きい黒点の左側に点在しているのがお分かりいただけるだろうか?。   写真をクリックするともう少し大きな写真が見れる。   



2005年第23回星空の音楽会in星の里
2005.05.05

  今年も秩父星の里で星まつりが開催されたのでお伺いした。
  でも、さすがに今年は寄る年波もこれありで、当日の朝まで、行かないで休養しようという気持ちになったのは一度や二度ではない。
  それにしても23回目!。いちばん上の息子と同い年!。当時は、私も主催している連中もどちらかといえば「青年」、少なくとも「中年」ではなかった・・・。などと、ついつい感慨にふけってしまう。これもまた加齢によるものか?

  今年は星の里の住人「銀河」天文台のご主人が参加されないということで、最初からイマイチ力が入らなかったが「ガレージKATO」の加藤さんや「北軽井沢観測所」の大久保さんにあえるということで、とにかく出かけた次第。
  例年は出店の並ぶメイン会場の方に陣取るのだが、今年は望遠鏡を並べて星見と望遠鏡談義がしたい、ということで少し離れた駐車場に集まった。往年の「名機」をよみがえらせることに熱心な加藤さんは、最近手に入れた懐かしい望遠鏡を持参された。大久保さんは自作のCCDカメラとこれまた自作の簡易赤道儀。それに加藤さんの盟友Iさんの40pドブソニアン「Ninja」。これにひと味違う望遠鏡の自作で注目されている森川さんが、ユニークな15p反射望遠鏡(写真右)を持ってくわった。私も、何も出さないのもどうかということで双眼鏡架台を持ってお茶を濁した。
  今回いちばんのお気に入りは森川さんの15p。ユニークな形がけして伊達ではない。見え味、使い勝手ともに素晴らしく、すっかり脱帽してしまった。
  とにかく、見て楽しい望遠鏡と覗いて楽しい望遠鏡がひととおり集まり、夜明け近くまで話が弾んだ。

  写真左上は私たちのいた場所の様子。写真左下は、恒例「焼き肉パーティー」。主催者「ドン関根」氏の「この星まつりに来て『食い物が足らなかった』とは絶対言わせねえぞ」という言葉どおり、膨大で良質な牛肉の山に参加者全員が「モウ降参!」



球状星団の話(続編)
2005.05.07

  4月9日のこのページで、M13は「球状星団の中でダントツ大きい」という話をした。
  ところが、数日前写真に撮りたい星雲星団を捜して星図をめくっていたら「M13より大きい」と書いてあるのを見つけた。その球状星団はM5。M13のあるヘルクレス座の南隣、ヘビ座(頭部)の南のはずれにある。書いたのはたぶんこのページを開設した頃だろう。
  しかし、情けない話、全く記憶がない。何でもメモしておかなければみんな忘れてしまうのだ。
  ともあれ、これを撮影しない手はない!。
  というわけで「より大きい」と書かれたM13と同じ日に撮影して並べたのが上の写真である。
  「なあんだ、やっぱりM13の方が明るくて立派。メモはなにかの間違いだ」と思うのはチョット早計。
  確かにM13の方が明るい部分が大きくてM5の敵ではない。ところがよく見てほしいのは周辺に散らばった粒の大きな星の広がり。
  そう、肉眼で見ていたのは、実はこれらの星。写真はその蓄積効果のため、暗い星が見た目以上によく写ってしまうのだ。それに対して肉眼は明るいものしか見えないため、中心部を構成する暗い星はキャンセルされ、明るい星が多いほど、そしてそれらが広がって分布しているほどにぎやかに見えるのだ。
  写真がけして「真を写している」ものではないこと。そして、実際に肉眼で見ることの大切さをあらためて認識した。

  写真をクリックすると大きな写真が見れる。



銀河の季節
2005.05.09

  7日の土曜日は、常陸大宮市の美スター天文台のボランティア当番日で午後から出かけた。
  午前中は通過した寒冷前線のため雨が降っていたのに、午後から急速に天候が回復し、夜間は見事な快晴となった。
  お客さんは、小さな子どもさんを連れた仲の良さそうな三世代家族がふた家族。東京と埼玉からお出でとのことだった。これまで3回ほど星を見るためにこちらに来ていただいたとのことだが、これほどの快晴ははじめてとのこと。
  ただ、残念なことに少し風が冷たくて、完全とは言えない防寒衣装ではあまり長く星空を楽しんでもらえなかったのが残念だった。

  お客さんが帰ったあと、持ってきた機材を組み立て星夜撮影の支度に取りかかった。K夫妻もこちらが快晴であることを確認して駆けつけてきていて、やはり機材を広げていた。
  狙いはやっぱり銀河。銀河は夏の風物詩だが、その撮影は梅雨入り前がチャンスなのだ。
  結局東の空が白むまで頑張って撮影したのが表紙と左の写真。
  ところで、今年の大型連休。先日の秩父星まつりとこの晩の2回徹夜をしたことになる。昼間は昼間でゴロゴロできたわけでもなく、地元の寄り合いだの草刈りだのでつぶれ、休んだのかどうなのかわからない。月曜の朝(つまり今朝)、たっぷり疲労の残った出勤となったが、少なくともストレスだけは回復した気がするのは不思議だ。



ゆく春を惜しむ
2005.05.15

  東京に転勤して早々、この6月開催予定のイベントの準備で、家には帰って寝るだけのような毎日を過ごしている。おかげで、ここの更新もきっちり一週間おき。毎日来てくれる人たちには本当に申し訳ない限りだ。
  また、連日天候もすぐれないので星見もできず、いささか欲求不満ではある。

  ということで写真は5月3日の夜に撮影した銀河たち。右上がM65,右下がM66、左に離れているのがNGC3628。左側が北の方角になる。
  これらは、我々銀河系と同じ何十億という星の大集団でほぼ独立して系を成しているので「島宇宙」とか「小宇宙」とかと呼ばれている。我々星屋は少しかっこよく「系外星雲」と言っているが、形態としては前者の方が言い当てていると思う。もちろん我々のいる銀河系もこのような島宇宙のひとつで、これらの島宇宙に我々と同じ文明を持った生命がいて望遠鏡でこちらを見たら、やはり同じように見えることだろう。
  ただ、このように三つの比較的大きな銀河が近くに見えているのは結構珍しく、春の星空では有名な観光スポットのひとつである。
  場所はしし座の後ろ足の付け根あたり。少し大きめの望遠鏡なら、写真のような向きで浮かんでいる様子を肉眼で見るのはそれほど難しくないと思う。
  星空の「季節」は春から初夏に確実に移ってきており、早春の夜空を飾ったしし座も9時頃には下を向いた格好で中天に移動。立ち去る後ろ姿と言った風情になっている。

  それにしても、ゴールデンウィークが終わったというのにこの寒さはなんなんだろう?



ビル街の谷間のお月様
2005.05.17

  いつもより少し早めに仕事を切り上げて、秋葉原の近くにある望遠鏡ショップに頼んであった部品をとりに行った。
  写真は、その行く途中のビルの谷間から見たお月様。まだ夕焼けの残る空で、流れる茜色の雲に絡まれながら、真新しい高層ビルの上に浮かんでいた。そしてそんな都会の空を眺めながら歩いていたら、結局職場のある九段から御徒町の駅まで歩いてしまっていた。

  帰宅するともう10時近くなっていたが、久しぶりの透明度の良い空とあってカメラを持って観測所に出かけた。
  まず望遠鏡を向けたお月様は、もう半分くらい傾いていたが、それでも前日までのきわめて荒れた気流とはうって変わった落ち着きを取り戻していた。お月様をひととおり写して、今度は木星の撮影をと思ったが数コマ撮影したところで電池切れ。疲れもたまっていたこともあって、これ幸いと早々に星見を終了した。
  上の写真をクリックすると、ちょうど半分のお月様が。みなさんにお月様を半分お裾分け〜。という洒落に、なっているかな。



電話爆弾
2005.05.18

  夕方、定時で帰ろうとしている私に机の電話が鳴った。
  昨日あたりからさすがに疲労感が表面化してきた(夜中まで星見をしているから当たり前といえば当たり前?)ので、昨日に続いて「5時ポン」をすべく、日中先取りするくらい仕事を頑張りその体制を整えていたのに・・・。
  電話に出ると元上司様。いくつかの「お願い」がされた。そんな難しいことではなかったが、少なくとも定時退社は不可能になった。
  本社とか本庁とかの偉い人の仕事のしかたで「ファックス爆弾」というのがある。夕方ファックスやメールで支社とか部下とかに「明日までにね」といって仕事を投げる。もちろんご当人は早く帰れて、明日の朝には「結果」を手にできる。が、頼まれた方は時には徹夜でそのために働かなければならない。夕方はそんなサラリーマンの恐怖の時間。その恐怖をいつ破裂するかわからない爆弾に例えて「ファックス爆弾」と言っている。
  まあそれと比べたら、私の場合どうってことではないのだが、楽しみにしていただけにチョットむかついたので書いてみた。

  昨日に続いて良く晴れた空だったので望遠鏡を覗いたが、強風や夕立が各地であったというだけあってもの凄い乱気流。お月様も木星もまるで川底のものを見ているように揺れていた。やっぱりついてない日だったようだ。

  写真は、帰り際に職場の窓から見えた夕焼け。新しく買ったソニーのデジカメの「夜景モード」。超スローシャッターだが露光はビックリするくらいぴったりだった。



月に群雲
2005.05.20

  通勤にいつも使っている電車は、乗車する土浦駅が始発なのでまず100%座れるので本当に助かっている。そして座っている時間をどうしているかというともちろん勉強なんかしていない。上野駅に着くまでの1時間チョットをただただ居眠りを決め体力の温存を図っている。
  昨日もお気に入りの場所に座って居眠りをしていたら、だんだん車内が混んでくる雰囲気。そのうち前に立っている人の荷物や足がぶつかるようになったので居眠りから狸寝入りなってきた。前の人は足がすりあっているのに気にならないのか少しもよけようとしない。
  そこで、どんな奴なんだろうと目を開けてびっくり!。目の前に一目で若い女性のものとわかる「おへそ」があったからだ。
  あっけにとられて、たぶん相当長い時間見詰めてしまっていたのだろう。が、我に帰ってあわててまた目を閉じ狸寝入りに入った。もちろんその持ち主のお顔を見上げる度胸などあろうはずがない。

  だいぶまあるくなったお月様を見上げたら、木星と乙女座の主星スピカのちょうど真ん中にお月様が光っていた。お月様をはさんで右(明るい方)が木星、左(暗い方)がスピカだ。
  いつものようにお月様の写真を撮っていたら、急にお月様が暗くなったのでみたら雲が広がりはじめていた。「こんなのを『月に群雲』って言うのかなあ」と思いながら、そんな雲を取り込んでお月様と木星とスピカのランデブーの様子を撮ってみた。
  写真をクリックすると大きな写真に。木星とお月様が大体同じ色に、スピカは青みがかった色に見えると思う。いっしょにお月様のクローズアップ写真(白黒)も置いたので見てほしい。



やっと復旧
2005.07.03

  お久しぶり!
  「やっぱりあの歳からの長距離通勤は無理だよなあ」といったウワサもたっていたようだ。まずはご心配の方々にお詫びしたい。
  実は、5月20日の更新を最後にまったく更新ができなくなってしまっていたのだ。理由はパソコンがネットにつながらなくなってしまったからだ。

  ただしこれは表向きの理由。いろいろいじってさらにおかしくしてしまうより、これを機会に新しいパソコンに乗り換えようと企んだのだ。 でも、先立つもののあてはなく、ひたすら「出るだけありがたい」夏のボーナスを待ち続けていた次第。
  それと転勤早々、6月中旬オープン、開催期間7ヶ月という「展覧会もどき」のイベントを任され、その最終準備のため、帰宅が毎日夜の11時という生活を続けていたので 、家は寝に帰るようなもの。とてもHPの更新をしている時間はなかったのも事実だ。まあ、その結果「よく開催にこぎつけられたものだ」という褒められているのかどうなのかわからないような「評価」をいただいた。

  ボーナスをはたいて買ったパソコンは、これまで使っていたパソコンと比べるとCPUで10倍、メモリで8倍、ハードディスク容量で30倍というものだが、値段は前のとほぼ同じ。設定も自然にできてしまうくらい簡単になっていた。これがもう数年たてば「旧式」になるのだろうが、そのときはどんな性能になるのか想像もできない。

  写真は、久しぶりの「美スター当番」で行った花立山山頂からの旧美和村の夜景。左上に写っている星は北斗七星の枡の部分。地上はガスがかかっている。もちろんこの日は星は見えずお客さんには望遠鏡だけ見て帰ってもらった。が、観測所を閉めて帰ろうとして空を見たら晴れ間が広がっていた。
  でも、この晴れ間もカメラを出して写しているうちにあっという間にふさがり、また元の梅雨空に戻った。(写真をクリックすると大きな写真に)



メイド・イン・USA
2005.07.05

  写真は、星屋の間ではかなり有名なアメリカを代表する望遠鏡。口径の割りに軽くて安いのが特徴だ。以前から安ければボロボロでもいいから一台欲しいと思っていたのだが、天文ショップで中古としてホコリまみれのまま売られているのを見つけ購入した。
  この望遠鏡、かなり昔からアメリカ国内では普及していたが、日本に上陸したのは1970年代の半ば(?)。当時値段はこの形で50万円以上していたと思う。だから、日本の星屋は「超高級品」だと思い込み、 お金にゆとりのある星屋が、国産の最高級の架台に載せて自慢げに写真におさまっているのをよだれをたらしながら眺めていたものである。
  そのため、しばらくして日本の望遠鏡メーカーによって現地の値段に近い値段での輸入がはじまると、星屋たちは我先にと購入した。そしてガッカリした。
  期待に胸を膨らませて見た像が、どこにピントがあるのか判らないようなぼやけたイメージだったからだ。
  我々は「所詮大雑把なアメリカ人が作ったものだからこんなもの」と妙に納得し、「これだけの口径の望遠鏡がこんなに軽量で、こんなに安く買えるのは驚き!」と一応賞賛した。
  そして一方で、「日本人が作ったらはるかに良いものができるはず」と誰もが期待し、実際いくつかの一流メーカーが製品化した。
  しかし結果は、そのすべてのメーカーがもう何年も前に製造をやめてしまった。値段、重さ、そして肝心の見え味でもアメリカ製のそれをしのぐものができなかったからだ。
  そして日本の「専門家」たちは、その理由を「製作不能な設計であり、性能は理論値でしかない」と切って捨てた。
  では、本当にこの望遠鏡が、まともな像が見えない「量販品」かというと、答えは完璧にノー。
  この望遠鏡、きちんと調整すると国産の一般的な望遠鏡より良く見えることが今では常識になっている。

  アメリカは、ウィルソン山の2.5メートル、パロマ山の5メートル超巨大望遠鏡を作って以来、世界に君臨する望遠鏡技術大国なのだ。さらにいえば、日本が「世界一」と誇るハワイの「すばる望遠鏡」も、その主鏡はアメリカが作ったものなのだ。
  なのに、それがなぜか日本とアメリカの「技術の差」であるという議論にはなっていない。

  で、私が手に入れたこの望遠鏡の見え味は、というと「ベリー・グッド!」。もちろん掃除もしたし、光学系の調整も気合を入れて始めた。しかし、気合とは裏腹に、ほとんど初歩的な調整だけで、まず満足のいく見え味に「なってしまった」のだ。 しかもこの望遠鏡、その形状から日本に入り始めた初期のもののようだ。つまり30年位前のもの。それなのにこの性能!である。
  多くの日本人は、アメリカに見習うべきものと見習わなくてよいものを、果たして取り違えてはいないだろうか?。
  そんなことを、この望遠鏡は語りかけているように思える。

  右の写真は衝動買いしてしまった「べにばな」。大きな束がわずか200円だった。色合いが上の望遠鏡の色に似ていると思うがいかが?。



ラムダに会いたくなって
2005.07.11

  「ラムダ」とは日本で最初の人工衛星を打ち上げたロケットの名前である。
  10日、X線天文衛星ASTRO-EII(アストロ・イーツー)を搭載し内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた純国産ロケットM−X(ミューファイブ)6号機は、 正常に飛行し衛星を所定の軌道に投入することに成功した。
  延期に次ぐ延期の後の突然とも思える打ち上げだったので、「つくば星の会」の定例会の話題の中ではじめて打ち上げを知った。が、成功したかどうかは夕方のニュースを見るまで判らなかった。
  M(ミュー)ロケットは、日本(東大宇宙研)が純粋に学術目的で独自開発した固体燃料ロケットで、その歴史はペンシル・ロケットという直径1.8cm、長さ23cm、重さ200gの 超小型ロケットから始まっている。その後より高高度の観測を目的にしたK(カッパ)ロケット、さらに発展して人工衛星の打ち上げ能力(実はぎりぎりだった)を持ったL(ラムダ)ロケットとなり、現在の安定的な人工衛星打ち上げ能力を持つMロケットにいたっている。
  そのMロケットも、主力ロケットH2の失敗のあおりを受け2003年5月の小惑星探査機「はやぶさ」打上げのあとしばらく打ち上げられることがなかった。この世知辛い国内情勢の中でどうなってしまうのか正直まじめに心配していた。
  以前このページの中で、日本で最初の人工衛星について書いたが、成功して当たり前。失敗したら存亡の危機のさらされる。これがこの国の宇宙開発に対する考え方なのだ。
  そんなこともあって、このMロケットが打ち上げられるたびに、失敗につぐ失敗を重ねながら、やっと人工衛星打ち上げに成功したラムダロケットのことを思い出してしまうのだ。

  今、この栄光のラムダロケット(L−4S−5)は、上野の科学博物館の駅側の屋外にランチャーとともに展示されていて、通勤列車の窓から毎日眺めることができる。
  でも、今日はどうしても近くで眺めてみたくなって、わざわざ駅を出てそばまで行ってみた。
  近くで見るラムダロケット(実物大模型)は、細くて小さくて、申し訳ないが本当に頼りないイメージのロケットだった。そして、このか細い機体に日本中の「夢」を背負わせていたのかと思うと、その健気さに胸が痛む思いがした。 (写真をクリックすると少し大きな写真に)




梅雨明け間近?
2005.07.17

  写真は15日、久しぶりに見えた夕日。いかにも湿度が高そうな空に浮かんでいた。
  関東地方もこの15日あたりから晴れ間が見えてきて、その日差しも「夏本番」を感じさせるようになっている。時期的に言ってもそろそろ梅雨があけてもおかしくない。
  さらに夜は上弦前後(半月)のお月さまが、時々雲に邪魔されながらもしっかり見えていた。(でも写真は撮れなかった!残念!)
  翌16日も薄日が差したり雨がぱらついたりの天気。夜「ボランティア会議」というのがあって出かけた美スター天文台では、「曇天のため中止」とお客さんに告げたら晴れてきたとかで、担当スタッフがうれしそうに話していた。が、私が着いたらまた「快曇」の梅雨空に戻っていた。
  そして今日、朝から蒸し暑い晴れ。ちょっと庭木の枝払いをしただけで全身汗びっしょりになった。
  そして、夕方突然の雷雨。これで空が洗われてきれいな星月夜のなったらいいなあ。と期待して夜半過ぎまで待ったが結局晴れなかった。嗚呼・・・




梅雨、明けちゃいましたね
2005.07.18

  昨晩あんなことを書きながら、実は夜中目がさめて外を見たら晴れていたのでちょっとだけ星見をした。
  たっぷり湿気を含んだ、お世辞にも良い空とはいえない条件だったが、本当に久しぶりの星空にしばし時間を忘れた。という次第
  そんなわけで、朝はちょっぴり寝坊をさせてもらった。起き出すと外はすっかり夏の空!。ラジオのニュースが「梅雨明け宣言」が出たことを伝えていた。
  昨日の雷は、自然の梅雨明け宣言だったようだ。
  しかし、暑い!この連休で少しは済ませておきたかった垣根の刈りそろえをはじめたが、あっという間に熱中症寸前になってしまった。まだ体が夏についてゆけないでいるのだ。

  写真は、南の空に低く浮かんでいたお月様。夏のお月様は高度が低く、その上うす雲がかかっているのでかなり赤い。おまけに南にある建物に視界を邪魔されて、お月様は下半分が暗くなっている。
  梅雨明け記念のご愛嬌程度にごらんいただければありがたい。(写真をクリックすると大きな写真に)



梅雨明けとはいうけれど
2005.07.24

  梅雨が明けて一週間がたった。が、なかなか星見日和の快晴とはならないでいる。(ま、体力的にはこの方が過ごしやすいのだが・・・)
  昨日は観測所(望遠鏡を置いてある小屋)に入る階段が腐っていたのを修理し終えたところで、やれやれと眺めていたらなんだか小屋が揺れている?。床下の柱も腐り始めているのは知っていたので「あわや崩壊!」と思ったら例の地震だった。
  夜は、なんとなく晴れそうな雲の状態だったが、結局晴れないので寝ようと思って電気を消したら、外が明るい。まさかと思って外を見ると快晴の空にお月様が煌々と照っている!。ヤッターとばかり望遠鏡を出して、お月様の撮影の支度。 撮影を終えると、東の空に加勢がずいぶん明るく光っているのに気がついたが、こちらは見るだけ。
  その後、ほかの望遠鏡も引っ張り出してかわるがわるの星見。快晴の下での星見は久しぶりだ。
  おかげで今日も少し寝坊させてもらった。

  写真は夕べのお月様。写真をクリックすると大きな写真が見れるが、そちらにはもう一枚、まるでスターウォーズのデススターのようなお月様の写真を載せたのでごらんいただきたい。



夏ですね
2005.07.29

  梅雨が明けたと思ったら、やれ地震だ、やれ台風の上陸だ、とどこぞのお国の国会も顔負けなほどあわただしい毎日が続いている。
  でも、台風騒ぎの後は、台風一過というのかこの二日ほどすっきりとした晴天(もちろん昼間はうだるような暑さ!)が続いていて、夜は月のないきれいな星空が楽しめた。
  写真は、ちょっと気合を入れて撮ってみたM27「亜鈴星雲」。変な名前だが、望遠鏡で見たらあの「鉄アレイ」のように見えたのでこんな名前がついたといわれている。 写真に撮ると淡い青い星雲を赤い星雲が縁取っている様子が見える。まるで空に浮かんだシャボン玉のようだ。が、シャボン玉の様子は残念ながら肉眼ではわからない。
  あるのは「こぎつね座」という白鳥座の東隣の小さな星座なのだが、この星座、あまり明るい星がないのでこの星雲を探すには、白鳥座のくちばしにあるベータ星(=アルビレオ)からたどる方が近道だ。 (写真をクリックすると大きな画像が見れる)



花立山星祭り
2005.07.31

  昨日は、私たちがボランティアスタッフとして協力している「美スター天文台」のある花立自然公園を会場にした「花立山星祭り」が開催され「要員」として参加した。
  旧美和村が平成の大合併によって常陸大宮市として再出発して最初の星祭り。通算では15回を数える。「星祭り」としては比較的珍しい自治体主催の企画である。
  急な用事が入り、夕方に近い午後からの出席となり、着いた時には他のスタッフは一番忙しい山場をこなしてちょっと一服ついているときであった(写真右)。「星」をテーマにしたお祭りなので、われわれも昼間から望遠鏡を並べ「太陽観測」のサービスをする。もちろん夜は晴れていれば天文台の公開となる。 が、今年はちらほらと星は見えるがどちらかといえば稲光のする空を見上げながら雨を心配するような空模様。我々は楽をできたが、皆さんにはちょっと残念な夜だったろう。

  左上の写真は、初回以来欠かさず参加し「夜の部」の司会と高座を勤めてくれている星好きの落語家で星にまつわる創作落語をを得意とする柳家小ゑん師匠の熱演。「御贔屓」を大切にするのはこの家業では当然といえば当然だが、こんな小さな星祭りにも必ず時間を割き、合間には会場をくまなく回って挨拶を欠かさない心遣いは本当に感心する。



アリスタルコス
2005.08.17

  このひと月ばかりまったく更新をしていない。言い訳をさせてもらえば、娘が夏休みで家にいてパソコンを占領しているからだ(少なくとも私が家にいる時間は)。まあ、「甘い親」といわれても仕方がない。
  また、お盆の時期ということもあって残業をしないで帰宅していることと、このところ少し天気が良くなって星(月)が見えることで、めでたく久しぶりの更新ができた次第である。

  写真はお月様の向かって左上隅あたりにある「アリスタルコス」というクレーターとリュンカーという「高台」である。
  アリスタルコスは、その明るく輝くようなクレーターと北西部に広がる曲がりくねった峡谷とそれを取り巻く他と明らかに異なる地質(色)の地域が月面観測者には特に注目されている。 注目される理由は、過去何回か「異変」が観測されているからだ。つまり「明るく輝く光点が見えた」ことがあるのだ。
  このあたりの地形は、地球で言うと噴火して溶岩を噴出した直後の地形に近く、実際月面でも最も地質的に新しい地域なのだ。「明るく輝く光点」というのは微小な噴火活動と考えられ、それはとどのつまりお月様が「生きた天体」という証拠というわけである。
  したがってそんな「大事件」の目撃者となるべく、日々このあたりに注目している月面観測者も多いというわけなのだ。
  また、リュンカーは、ご覧いただけばすぐお分かりのとおり、いわゆるクレーター(=凹地)とは反対のドーム(=高台、凸地)である。

  月面は光の当たり方(つまり満ち欠け)で、さまざまな地形がさまざまに見えたりみえなかったりと、思いのほか変化が激しく、また一度見逃してしまうと次回見られるのがずっと後になってしまったりする(同じような光の当たり具合になるチャンスが少ない)、なかなかエキサイティングな対象なのだ。
  (写真をクリックすると大きな写真に)  



山中観月
2005.08.19

  このところ企画したイベントの関係で山梨県の南アルプス市というところに頻繁にお邪魔している。
  18〜19日も、展示しているもののチェックと差し替えなどでお邪魔した。
  おかげでもう泊まる宿もほとんど固定していて女将さんとも顔なじみ。いわゆる観光旅館とかいった風情ではなく(失礼!)、天然温泉の風呂もごく普通のもの。 でも、食事のよさはなかなかで、定宿のようにしているのもそれゆえなのである。

  写真はそんな山中のひなびた(これまた失礼)旅館の窓から眺めたお月様。建物が建っているところで標高が850メートルほど。お月様がかかっている山は2000メートルほどであろうか。
  ただ、考えてみたら、私がここにくるようになってから一度も「星空」を見られたためしがない!。このようなお月様もほとんど初めて。地形的に夜曇りやすい場所なのか、私が「雲男」なのか定かではないが、一度くらいこの山間から満天の星を眺めてみたいものである。
  (写真をクリックすると大きな写真に)



旧盆のお月様
2005.08.20

  今年は、昨夜8月19日が旧暦の盆。つまり7月15日というわけだ。
  旧暦(太陰暦)に基づいた行事は、当然といえば当然だがお月様の形と深く結びついている。8日前は旧暦の七夕。お月様は半月よりちょっと前で、8時過ぎくらいには西に沈みかけ、替わって天の川が南天にほぼ垂直に見え始めるという趣向である。
  では「盆」の夜はどうかというと、15日だからお月様は満月。夕方東の空から昇って明け方西の地平に沈むということで、つまり一晩中地上を照らしているというわけ。
  子どものころ、お盆の夜は一晩中外で遊んでいて良いといわれていた。お月様と無関係の新暦ではお月様のないお盆の夜もあるので、真っ暗な中でお墓に行って度胸試しをしたりといった遊びもしたのだが、親にしてみれば心配な話だったろう。 しかし旧暦で考えると合点が行く。
  とはいっても、いまどきそんなことが許可できる(知っていても)度胸のある親はいないだろうし、一方では、年がら年中、夜の街に子どもたちが徘徊し悲しい事件が起こっているという現実もある。

  写真は、出張から帰った晩、明るいお月様に浮かれて撮ったもの。夜の風には心なしか秋の気配も感じられる。
  (写真をクリックすると大きな写真に) 



今期初めての火星の写真
2005.08.21

  今年も火星が中接近する。
  ただ、一昨年の「超大接近」に比べると「有史以来最大」とかいったキャッチコピーが使えないためかマスコミは静かである。
  しかし、実際はどうかというと、前回の大接近と比べてもその80%の近さまで接近するので、ほとんど大接近と言って良いくらいなのだ。しかも、今回は一昨年の火星の最接近時の高度が40度だったのに対し、今回は70度にも達する。 これは実感としては「ほとんど天頂を通る」。高度が高いと言うことは、それだけ観測の邪魔になる大気の影響が軽減されると言うことで、写真撮影をする観測者にはとりわけ好条件なのだ。その上、この2年間に撮影技術が進んでいることとあわせると 星屋の間では一昨年の大接近以上の成果が期待されているというわけなのだ。

  写真は21日の未明、午前2時ごろの撮影。土曜日の美スター天文台のボランティアを終えて帰宅した後で撮影した。眼視でもこの程度しか見えなかったが、同じ日に同程度の望遠鏡ですごい写真を撮っている人もいて掲載が少々恥ずかしい。再接近時はこの1.5倍ほどの大きさになる。  



朝の月
2005.08.30

  今朝5時ごろ目がさめて外を見たら、すっかり明けた空に「逆三日月」のお月様がかかっていたので、そのまま起きて写真を撮った。
  写真ではまだ薄暗いように取れているが、実際は明るい青空をバックに白く浮かんでいるいわゆる「有明の月」である。また、「夕方には雨」という天気予報を裏付けるように、きれいな朝焼け雲が浮かび、これまた風情がある眺めであった。

  実は、先週末からささやかな夏休みをとらせてもらっていたのだが、台風は上陸するは、用事を思い出すはで、なんともせわしない毎日であっという間に過ぎてしまった。今朝の通勤はなんだか体がだるくてかえって疲れが増したような悲しい夏休みであった。
  (写真をクリックして大きな写真と、朝焼け雲の空に浮かぶお月様をご覧あれ)


  





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