記事No | : 1500 |
タイトル | : すべては「自己責任」という単純思考 |
投稿日 | : 2012/05/09(Wed) 11:42:42 |
投稿者 | : 桃青 |
「結果は自己責任だ。」
これは、実に単純な因果律だ。
すこし現実を見てみれば、そうとは言えないことが多々あることを知る。
少なくとも、仏教を学ぶものはそんな単純な因果律で世の中を捉えることに加担してはいけないと思う。
仏教は、もっと細やかに世間の出来事を捉えているではないか。
大雑把な法則を世の中の出来事に当てはめて問題を解決しようとすると、その大雑把さゆえに当てはまらない事どもが必ず出て来る。
すると、大雑把な法則の信奉者は、それらの事どもを無いもののように扱って辻褄を合せようとする。
しかし、いくら無いもののように扱っても、それらは現実に有るのであるから、大雑把な法則をもとに拵えた社会システムは、社会に歪みを生みだして来る。
すると大雑把な法則の信奉者たちは、その大雑把な法則やそれを元に拵えた社会システムを見直すというのではなく、大雑把な法則に当てはまらない者たちを社会から抹殺して、辻褄を合せようとしてくるのだ。
少なくとも仏教の教えを聞く者は、そんな大雑把な法則の信奉者になってはいけない。
せっかくの「因縁の教え」を単純な「自己責任の教え」に読みかえて、広めるようなことはしてはいけない。
と、思うのだが・・・。