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−建築基準法


ちょっと難しいかもしれませんが、ここでは家を新築したり、増改築する場合において、知っておきたい建築基準法その他について、わかりやすく形式でご説明します。


Q
家を建てる時、誰にどのような手続きをするのでしょうか?
A

それは、建て主さんが(建築主)が各市町村の建築主事さんに、その計画している建物が建築基準法に適合してることを確認してくださいという、申請をします(確認申請)。そして、それに対し建築主事さんが確認をしたところ、建築基準法に準じていますという、確認済み(確認済証)というものが無ければ工事に着手できません。〔建築基準法第6条〕
一般に、確認申請は建築主の代理人として有資格者(建築士)が代行します。有資格者には一級建築士、二級建築士、木造建築士があり,それぞれにおいて設計・監理できる建物の規模が制限されています〔建築士法2条・3条・21条〕

Q
土地があれば家は建てられるのでしょうか?
A

土地があっても道路がなければ家は建ちません。原則として4m以上の道路に、土地が2m以上接していなければなりません。(接道義務)〔建築基準法43条〕
よく、不動産屋さんの広告で、古屋付の格安の土地が売りに出されていますが、そのほとんどがこの法律のため建替えのできない物件です。
また、1本の2m幅員の通路を何軒かで使用している場合も同様に、建替えは困難です。ひとつの土地にそれぞれ2mの専用通路が必要になります。
破格の土地を買ったがよいが建替えができない!などと泣きを見ないよう注意しましょう。ただし、購入の際には不動産屋さんのほうでも”建替えはできませんよ”という説明をする義務があります(重要事項説明の義務)

Q
前の道路が4m未満のときはどうなりますか?
A

道路(前面道路)の中心線から2m後退したラインが自分の土地の境界線とみなされます。後退した部分については道路になるため、建物はもちろん塀等も築造することはできません。このような道路を2項道路と呼びます〔建築基準法42条2項〕
この法律のおかげで昔からある狭い道路を、将来的には緊急車両などが入れるような道路に広げることができるのです。

Q
場所ごとに建てられる建物の制限があるのですか?
A

まず、都市計画法という法律で家を建てられる地域(市街化地域)と、家を建てることを抑制する地域(市街化調整地域)とに大別されます。調整地域では一般に農家以外は新築ができません。市街化地域では、住居系地域と、商業系地域と、工業系地域とに大別されます。それぞれ細分化されており、住居系地域では、第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域・第1種中高層住居専用地域・第2種中高層住居専用地域・第1種住居地域・第2種住居地域・準住居地域に分けられ、商業系地域では、近隣商業地域・商業地域に、工業系地域では、準工業地域・工業地域・工業専用地域に分けられています。(用途地域)
住居系地域では倉庫や、劇場、映画館、パチンコ店などは建てられませんし、工業専用地域では住宅や、学校などが建てられないよう制限されています(建築基準法48条)
またそれぞれの用途地域ごとに建てられる建物の規模も規制されています(建ぺい率、容積率)
家を建てるとなればまず第一に、自分の土地がどの用途地域に属しているか知る必要があります。

建ぺい率と容積率について

Q
建物の高さについての制限にはどのようなものがあるでしょう?
A

閑静な住宅地ほど展望や日照権の関係で高い建物は建てられません。また一方、積極的に都市化したい地域では逆に土地利用度の低い低層な建物は建てられないように制限されています。まず最高高さの制限については基本的に次の4つがあります。〔建築基準法55条・56条〕

@絶対高さの制限:第1種低層住居専用地域、第2種住居専用地域のみに定められている制限で、建物の最高高さを10m又は12mまでと決めています。これにより必然的に、4階建て以上の建物は建てることはできません。

A道路斜線制限:前面道路の幅による建物の高さ制限で道路の幅が狭いほど建物の高さも低く抑えられます。この規制は全ての用途地域に適用されます。

B隣地斜線:隣地の採光・通風のために境界線より一定の割合で制限されています。低層建物の場合には規制となりません

C北側斜線:南隣の日照の確保のために設けられた規制で低層・中高層住居専用地域のみに適用される規制です。

そのほか地方自治体においてより厳しい、制限を設けているところもあります。一方、最低高さの規制については各自治体において規制のある地域と規制のない地域があります。横浜市の場合は横浜駅や新横浜駅、みなとみらいの中央地区などは建物の最低高さを14m、又は12m以上と定めています。

Q
防火地域とは?
A

先ほどの用途地域とは、地域ごとに建てられる建物の種類を制限をしたものですが、その他に、地域ごとに建物の構造を抑制する分け方があります。
まず、駅などの近くや繁華街では火災時の延焼防止のために燃えにくい建物(耐火建築物)しか建てられないように制限します(防火地域)、そして、その近隣や幹線道路沿いでは一定規模の建物を耐火建築物にするか、準耐火建築物にするように制限されています(準防火地域)、一方、延焼の恐れの少ない地域では木造住宅でも建てられる防火指定なしという地域になります。


このようにお住まいの地域によって建てられる住宅の大きさ、高さ、構造が制限されています。住い造りの第一ステップはご自分の土地にどの程度の建物が建てられるか把握することです。専門家による具体的な設計をご希望の方は設計依頼フォームからお申し込みください。

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