2002ミステリ&SFベスト

2003.01.01 by SAKATAM


 2002年に読んだ本の中から、個人的に面白かったもの(国内新刊・海外新刊・国内初読・海外初読のそれぞれに3作品ずつ)を挙げておきます。
 題名のリンク先は、もう少し詳しい内容紹介と感想です。


国内新刊
1『はじまりの島』 柳 広司 博物学者チャールズ・ダーウィンを主役とした歴史ミステリ。
 特殊な舞台・登場人物をうまく生かした傑作。終盤はまさに圧巻。
2『僧正の積木唄』 山田正紀 『僧正殺人事件』の続編。主役は金田一耕助。
 古典作品へのオマージュながら、読後感はやはり山田正紀。
3『首断ち六地蔵』 霞 流一 六地蔵とカルト教団をめぐる連続殺人。
 多重解決・連鎖式など、趣向に徹底的にこだわった怪作。

海外新刊
1『イリーガル・エイリアン』 R.J.ソウヤー 異星人を被告とした法廷ミステリ。
 ミステリファン必読。SFミステリの傑作。
2『第四の扉』 P.アルテ “フランスのディクスン・カー”、本邦初登場。
 日本の新本格ミステリに近い雰囲気。“最後の一撃”もまずまず。
3『家蝿とカナリア』 H.マクロイ 舞台上で堂々と行われた殺人。
 本格ミステリとしてはやや物足りないものの、物語としてはよくできた作品。

国内初読
1『明治断頭台』 山田風太郎 明治時代を舞台にした連作ミステリ。
 <連鎖式>の傑作。豪快なトリックと驚愕のラスト。
2『3000年の密室』 柄刀 一 考古学ミステリ。密室殺人の被害者は縄文人のミイラ。
 スケールの大きな真相が秀逸。現代の事件が今ひとつなのが残念。
3『黄金の灰』 柳 広司 伝説の都<トロイア>を発掘したシュリーマンが主役の歴史ミステリ。
 古典ミステリの本歌取りが楽しめる作品。すぐれたホワイダニット。

海外初読
1『ジャンピング・ジェニイ』 A.バークリー パーティ会場で発見された首吊り死体。シェリンガムが“大活躍”。
 あまりにもバークリーらしい。初心者にはおすすめできない作品。
2『お楽しみの埋葬』 E.クリスピン 田舎の村を舞台にした、フェン教授の選挙戦と殺人事件。
 ミステリとユーモアのバランスが絶妙。そして意外な真相。
3『天翔ける十字軍』 P.アンダースン 14世紀の英国騎士団が宇宙を舞台に繰り広げる大冒険。
 ユーモラスで、かつ痛快。


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