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C51(ワールド工芸・大鉄デフタイプ)の組み立て その1

C51 大鉄デフタイプ

2005年から発売されてきた、ワールド工芸のC51のバリエーションで、初の大鉄デフタイプです。
また今回から、スポーク動輪がダイカスト輪心タイプに変更されました。模型でC51と共通の動輪を使っていたC53・C54・C55はすでにダイカスト輪心に移行しているので、これで全部です。

2019.2.4

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この記事はキットの組み立て方ではなく、筆者による組み立て結果を記載したものです。間違いや不適切な点が多々あるかと思います。
ただし今回は一部を除き、極力説明書と同じ順に組み立てました。

キットの様子

キットの様子

キットの構成は最近の従来品と同様です。複数の素材(真鍮・リン青銅・洋白・ステンレス)によるエッチング板が多数入っています。
ボイラー・ランボード・キャブ・キャブひさし・テンダーは曲げ済みで、一部のネジ穴はタップ加工済みです。

一方、C51の特徴である給水温め器関連の多数の配管は、付属の真鍮線を現物合わせで手曲げしながら取り付けていく方法であり、この点は変わりません。

エンジン部基本(説明書2/6)

説明書では動力ユニットから組み立てが始まりますが、塗装を一度に行うため最後に回し、次のエンジン部から手を付けました。
説明図内に作業順が番号で示されているので、それを参考に進めました。いつもの自分の組み立て手順よりも、説明書の記載を優先しています。

●ランボードの組み立て

ランボード貼り合わせ

ランボードの網目部分を折り返して2枚重ねにし、折り目のつなぎ部分をヤットコで平らに潰してから、裏のハンダ穴にハンダを流して固定しました。

あとで端のほうを引っ掛けたりしてめくれることがあるので、重ねた断面部にも少しハンダを流しておきました。

つなぎ部分

折り目のつなぎ部分(矢印)は小さい突起となって残るので、あとでヤスリで削り落とします。
今はまだランボードが固定されておらず、ヤスリがけによって曲がりやすいので、そのままにしてあります。

エプロンの固定

前デッキの網目板も曲げ済みになっています。これをぴったり重ね合わせます。
穴の位置などを参考に合わせますが、なかなか難しい…。

エプロンのハンダ固定

裏のハンダ穴などを少量のハンダで仮止めしながら、位置がずれないように少しずつ固定を進めていきました。
2の部分にはあとでダミーカプラーが付きます。デッキ裏に折り返してハンダ付けし、取り付け穴にはM1.2タップを立てました。M1.2タップによるネジ切りが必要なのはここだけで、他のタップはすべてM1.4です(M1.0の箇所もありますがメーカーにてタップ済み)。

台枠前部
  1. 主台枠前部(A2-2)を固定。左右が上部の仮ブリッジでつながった状態で取り付けました。
  2. 上部の仮ブリッジは、あとで決心ができたら切り取ります。
     場所的に、切り口のヤスリ整形がしにくいです。
前部ランボード

大鉄デフの特徴である、直線状に傾斜した前部ランボードを組み立てました。

  1. 左右のランボード(A8-左・A8-右)を曲げて傾斜を付けました。
  2. ステップ(A1-5)を付けました。三角のつまみが付いたままハンダ付けし、固定後につまみを切り取りました。

小部品は固定用のつまみを指先で軽く押さえてハンダ付けすれば、部品を直接押さえるのに比べ、熱い思いをせずにすみます。
ただ、指先まで熱が伝わる前に一瞬で接合を終え、指を離さないとヤケドするのは一緒です。ハンダごてが適切な温度になっていて先端の状態が良ければ、すぐハンダ付けが終わるので熱くありませんが、なかなかハンダが回らずモタモタしていると、結局指先まで熱が回って「アチチ!」となってしまいます。

前部ランボードの曲げ

ちなみに、最初はランボードの傾斜をデフに合わせて曲げたのですが、その後の固定やランボードの曲がり調整などを繰り返しているうちに何か変わったらしく、完成後に見るとちょっとズレていて悔しい思いをしました。
なお、ランボードの傾斜部には横からデフが付くので、傾斜部のランボードの厚みが横から直接見えるわけではありません。

前部ランボードの取り付け
  1. 前デッキと台枠前部の左右をつないでいた、仮ブリッジ3つを切り取りました。
  2. 前部ランボードをぴったり貼り合わせ、先端はデッキの穴に差し込んでハンダ付けしました。
  3. この位置のツメは、ボイラーを固定する際に少し下側に曲げ、ボイラーと接するようにします。
前端梁の取り付け
  1. 端梁(D-11)を貼り合わせました。これも曲がりやズレが怖い部品です。
  2. 端梁のテコ受けをそれぞれ90度ひねり、解放テコF1-4を固定しました。

テコ受けをひねるとき、ひねる箇所が1点に集中すると切れることがあるので、少しねじれる範囲に余裕を持たせておきました。

火室の取り付け

火室を付けました。せっかくここで付けても、あとでランボードをボイラーに付ける際、位置の調整中に取れてしまうことも結構あり、割とイヤ〜な部品です。しかもそれが原因で、最後まで車体に歪みを残してしまうことがあります。ホントに嫌です(笑)。

  1. 火室(A4板)の表部分を180度折り返して貼り合わせました。裏にハンダ穴があります。
  2. 火室をランボード後部に合わせてハンダ付け。内側は平らにしておきました。
  3. 火室の左右をつないでいる仮ブリッジは最終的に切り取りますが、温存できる間は温存しておきました。
前ステップ

いつも前ステップは最後のほうに付けていますが、説明書では前半にあるので、試しにここで付けてみました。

ステップ(D-6左・D-6右)は、1枚の板を折り曲げてハンダ固定すれば、中段も含めて形ができるようになっています。
しかし、これをそのまま取り付けると、ステップが車体外側に派手にはみ出してしまいます。つかみ棒の脚と位置が重なるのを、避けているのかもしれません。

前ステップを内側に寄せる

個人的にデフより外側にステップがはみ出すのはあまり好きではないので、ステップ上部の取り付けピンを削り取り、内側に寄せて付けました。逆につかみ棒よりも若干内側になります。
どちらにしても、先輪がステップに干渉することはありません。

その他前面パーツ

つかみ棒やエアホースも最後のほうに付けますが、ここで付けてみました。

  1. テールライトを固定。レンズが少し解放テコよりも上に出るようにしました。位置決めしにくいです。
  2. つかみ棒を固定。ここで付けても思ったよりダメージを受けませんでしたが、やはりあとで付けたほうがよいと思います。
  3. エアホースを固定。これは簡単に曲がってしまい、最悪切れる恐れもあるので、あとのほうで付けたほうがよいです。

別に、マズいと思ったらいったん取り外し、あとで付け直してもいいはずですが、そのまま行ってしまいました(笑)。

●ボイラーの取り付け

ボイラー準備

次はボイラーです。

  1. ボイラーの形をよく見て、左右のエッジ(特にランボード取り付け部)が平行になっているか確認。歪みがあれば少しずつ修正します。
  2. ボイラー下端を突き合わせてハンダ付け。今回は幸い、ほとんどぴったり合っていたので、そのまま付けました。
  3. ボイラーボスを固定。小ギヤ軸と同じ部品で、同じ袋に入っていました。まっすぐ固定しないと、上下合体時に機関車がねじれる恐れがあります。
仮ブリッジのカット

ボイラーを取り付けるため、ランボードの仮ブリッジの一部(赤い部分)をカットしました。

カットしたところ

ドキドキ

カットするとランボード後部が離れてしまい、左右の高さも不ぞろいになりやすいので、ボイラーやキャブとまっすぐ固定するのが難しくなるのです。
あとで発売されたC53やC54では、末尾の仮ブリッジを残したままボイラーやキャブを固定できるため組みやすいのですが、C51の頃はまだこうでした。

ボイラーとランボードの組み合わせ

ボイラーとランボードを仮止めしました。早くも、終わりの始まり。

  1. ランボード中ほどのブリッジ2本を、ボイラーのくぼみに合わせて固定。この2本のブリッジは最後まで切り取らず残します。
  2. 前部ランボードを後部ランボードと平行にして、ツメを固定。

いずれも、ごく少量のハンダを1か所のみ点付けし、曲がりがないように確認してから少しずつ固定範囲を広げました。
ランボードの左右中央にボイラーが位置するよう固定するのですが―したつもりですが―、最終的に見たら何となくズレていました。

ランボード後部は、まだぶらぶらしています。

後部ランボードの位置合わせ

後部ランボードを固定するため、前後のランボードがまっすぐになるようにしてから、火室のあたりをボイラーとクリップで挟んで留めました。

後部ランボードの固定

裏側からハンダ付けしました。熱を加えすぎると、火室下部がランボードから外れてしまい、元の木阿弥です。

今回はボイラーとランボードを水平に固定することに大変苦労し、最後まで問題を残してしまいました(計測結果は正確なようでも、見た目がそうではないので、どこかに問題がある)。

デッキ固定板

フロントの部品の付け忘れがあったことに気づきました。

  1. 煙室支え板?(A1-7)を付けました。前いっぱいに寄せると出すぎるような気がして、少し引っ込めました。
  2. ボイラー下部との接合面に少し隙間ができたので、真鍮線を沿わせて隙間を埋めました。

この部品の取り付け具合でもランボード前部やデッキが傾くという、罠パーツだったりもします。

●キャブの組み立て・取り付け

キャブ側板貼り合わせ

曲げ済みのキャブです。側面は折り返されて2枚重ねになっているので、ぴったり合わせて貼り合わせました。
ここも、裾の折り目はあらかじめヤットコで平らに潰しておきました。貼り合わせ後は断面にも少しハンダを流して、ヤスリでキャブの裾をまっすぐに整えました。

キャブ妻板
  1. 屋根のフチ(D-8)を固定しました。これを妻板より先に付けたほうが、裏側からハンダ付けしやすいと思います。
  2. 前部妻板と裏板(A1-9・A1-8)を貼り合わせておき、キャブに固定。側板と直角になるよう、少しずつ仮止めしていきました。
  3. 中央の仮ブリッジは、ボイラーにキャブを付ける際にカットしました。
キャブ後部
  1. 屋根のフチ(D-10)を固定。
  2. 水撒管(F1-12)を固定。
  3. 後部妻板(A2-4)を固定。
  4. 雨樋(F1-15右・F1-15左)を固定。
  5. 窓の保護棒(F1-10)を固定。後部妻板を付ける前に付けておいてもよいと思います。
  6. 後ろの仮ブリッジは、まだ残しておきました。
キャブ周辺パーツ
  1. キャブ天窓(D-5・D-7)を折り曲げ、固定。
  2. 前窓ひさしを固定。曲げ済みなので楽です。
  3. 取り付け足だけでなく、妻板と接するところをしっかりハンダ付けしないと取れやすいです。
  4. 側面窓上部に A1-18 を固定。
  5. 肘掛けを外側に90度折り曲げて固定。
キャブの固定

前部妻板の仮ブリッジをカットし、キャブをボイラーに固定しました。

また1点のみ仮付けし、曲がりを確認しながら少しずつ固定を広げていきますが、何度やっても難しいです。

●ボイラー上のパーツ取り付け

発電機周辺

ボイラー上のおもなパーツを付けていきました。

  1. D-4を固定。両端は水平ではなく、少し斜め下に曲げました。
  2. タービン発電機を固定。ロストワックス部品は接合部をよく磨いておかないとハンダ付けしにくいです。
  3. 消音機(F1-5)を折り曲げてハンダ固定し、発電機の後ろの穴に固定。
ボイラー上部

後ろから順にパーツを付けていきました。理由は、そのほうが前から見た時に、左右へのズレを確認しやすかったからということになります。

  1. サンドドームを固定。砂撒管はまだ付けません。
  2. スチームドームを固定。汽笛の台座は向こう側に付いています。
  3. 給水温め器を固定。これが前から見ても後ろから見ても、逆方向に傾いているように見えて閉口しました。
  4. 煙突と煙突スカートを固定。

●残りのパーツの取り付け

バックプレート
  1. バックプレートのメーター部と焚口部を折り曲げて貼り合わせ、ボイラー後部に固定。
  2. 後ろの仮ブリッジは、このあと床板を取り付けてからカットしました。
床板

床板を取り付けます。

  1. 取り付け前に、床板の端の配管用突起を折り曲げ、ハンダ固定しておきました。
  2. 床板をキャブにはめ込んで固定。
  3. 上下合体穴にM1.4タップ。
  4. 左右の火室をつなぐ仮ブリッジと、ランボードのコンプレッサー部の仮ブリッジをカット。
    ※給水ポンプ側のランボードは細くつながっていますが、そこはカットしません。
コンプレッサー、給水ポンプ取り付け準備

コンプレッサーと給水ポンプは、あらかじめ台座に取り付けてから本体に取り付けました。先に台座を付けてしまうと、給水ポンプが取り付けられません(少なくとも非常にやりにくいです)。

  1. 台座(A1-6)を折り曲げました。折り曲げ部はしっかりハンダ補強しておきます。
  2. コンプレッサーを固定。
  3. 給水ポンプを固定。
コンプレッサー、給水ポンプの固定

本体に固定しました。

  1. 固定前に、コンプレッサーの前後の配管の突起を適当にカットし、ランボードに当たらないようにしておきました。突起が引っかかってコンプレッサーやランボードが傾くことがあるためです。
  2. 給水ポンプの送水管を、上方に伸ばしておきました。あとで真鍮線の配管と接続します。
  3. 給水ポンプとコンプレッサーの付いた台座(A1-6)をボイラーに固定。

しっかり固定する必要がありますが、内側にはみ出たハンダが第三動輪と接触しやすいので、きれいに削っておきます。
今回、動輪がボイラー下部のアーチ状の切り欠き(※印)に軽く接触することがあり、あとで6箇所のアーチ部を少し削りました。ボイラーは薄くて柔らかく、ボイラー下部の開口幅は簡単に変わってしまうので、組み立てによって結果は色々かと思います。

このページ終了

ドロダメなど、いくつか付けていないパーツがありますが、説明書のこの先のページでも出てくるため、あとで取り付けます。
つかみ棒やエアホースも、あとで付けたほうがいいですね。

次は配管です。


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