やっつけ仕事の最後です。動輪の取り付けと回転調整が終わればやっと走らせることができます。
動輪を軸受けに置き、軽く回ることを確認してから、プラ製の動輪押さえ板(ブレーキシュー付き)をネジ止めします。 写真では動輪押さえ板だけを止めていますが、最終的には動輪下バネのパーツ(B-5)を一緒にネジ止めすることになります。 |
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上廻りに引っかからないかどうかを確認するために、上下をはめ合わせて具合を見ます。 さて、テンダーの組み立て間違いにここで気付き、修正しています(中央をニッパーで切断し、反対側に折り返しました)。 回転チェックは直線レールだけでなく、曲線レール上で行うことをお勧めします。動輪が予想以上に外側に出て、思わぬところが引っかかるからです。 |
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問題なければサイドロッドを取り付けます。 この作業中、ピンセットでロッドピンをパチンとはじいてなくす危険が高いので、両面テープを併用する、周りを片付けておくなどの対策をお勧めします。 まだ第二動輪が固定されていないので、サイドロッドが引っかかったりねじれたりして、十分な回転テストはできません。 |
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メインロッドを取り付けるために、まずラジアスロッドを取り付けます。 まず、先端をシリンダー後部の溝に差し込み、次に加減リンクをモーションプレートの間に差し込みます(逆でもよい)。 位置をぴったり合わせてから、銀色のネジで止めます。このネジだけM1.0mmなので(他はM1.4)、間違えて太いタップを立てないようにします。 この部品は両側とも取り付けてしまって構いません。 |
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片側のメインロッドを取り付けます。
メインロッドを手前に引いた状態で、ピストン棒をシリンダーに差し込みながらクロスヘッドをスライドバーに引っ掛け、次にメインロッドを後ろ側に回転させて動輪の穴に合わせます。 |
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エキセントリックロッドは一番長い位置で切断し、先端を加減リンクの穴に差し込みます。 まだメインロッドと第一動輪ピンがぶつかってスムーズに回転しませんが、第二動輪をゆっくり回転させ、エキセントリックロッドの先端がどの程度前後するか、長さの具合を調べます。 なお、2010年頃のバリエーションより部品構成が変わり、加減リンクはエキセントリックロッドとピンで結びついて可動するように変更されています。 |
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もしもエキセントリックロッドが一番前に来たときに、先端がスライドバーなどにつかえるときは、少し先端を切る必要があります。 動輪を回し、エキセントリックロッドが一番後ろに来たとき(大体、写真のような位置)、先端にどの程度余裕があるかを調べてから余裕をもってカットしないと、走行中のガタで抜け落ちてしまうことがあります。 |
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このままでは、第一動輪のロッドピンがメインロッドに引っかかってしまい走行できませんので、メインロッドに曲げぐせをつけてピンを避けるようにします。 この状態で回転テストを行いますが、クロスヘッドにぶら下がっているユニオンリンクが上がっていると、ピストン棒などに引っかかってしまうので、次のステップで合併テコを取り付けるまでは気をつけます。 |
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合併テコを取り付けます。 この状態で動輪がスムーズに転がるようになったら、上廻りを乗せて引っかかる部分がないか調べ、修正します。 |
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牽引力増強装置の補助ウェイトを、サブフレームの穴に差し込んで接着します。 上廻りと組み合わせて、補助ウェイトが火室の中で引っかからずに上下することを確認します。 |
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従台車を説明書に従って取り付けます。 このあと上廻りをネジ止めし、先台車を説明書に従って取り付けます。先台車を止めるM1.4×4.0サラネジは頭が少々小さくて、先台車が落ちてしまうことがあります。プラ板の切れ端で作った小さいワッシャーを挟んで、抜け落ちないようにしました。 |
安全弁、汽笛、ナンバープレートを接着し、ヘッドライトやクロスヘッドなどに銀を入れて完成です。
今回はトラブルなく下廻りを組むことができ、走行もスムーズだったので、すぐレギュラー入りしました。
キット組み立てがお好きな方なら、かなり満足のいく模型だと思います。
完成品を買う方も組み立て方を頭に入れておけば、合併テコなどちょっとした部品の脱落程度なら、自分で直せると思います。
平坦線ならどんな列車のフル編成でも問題ないと思いますが、勾配で無理に長編成を引かせようとすると、まれに客車の重みで動力部の柔らかい金属が歪んで、ギヤのかみ合わせがずれることがあります。無茶な使い方はやめたほうがよいです。
お召し仕様機の仕上げ
お召し仕様機の場合、黒の塗装が乾いたら、要所を先の細い彫刻刀などで削り出して下地の金属を出し、金色・銀色の飾りを表現します。下地の金属の色が異なる部分や、削り出しのできない部分は、金・銀を塗装して表現します。
私は一例として次のように削り出し/塗装しましたが、特定機を調べたわけではないので、細部は違いがあるかと思います。お好きな機関車を調べてみてください。
金色部分は、エアタンクのバンドだけ筆塗りし、他は彫刻刀で削り出しました。 機関車の銀色部分はすべて筆塗りし、ランボード上のステンレス柵は接着です。 |
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テンダーの金色のフチと後方のステンレス手すりは削り出しで、前方手すりやその他の銀色部分は筆塗りです。 削り出した部分には、保護のためクレオスのメタルプライマー(透明)を筆塗りしておきました。 |
KATOのお召し列車一号編成などを牽かせるとよく似合います。たまにはピカピカ仕上げの機関車もいいですね。
C51 247/249号機「燕」仕様
2013.3.18 2012年に発売された、C51「燕」仕様について次のページに追記しました。
おもに特徴的なテンダーまわりについてです。
→C51 247/249号機「燕」仕様(ワールド工芸)