KATO製蒸機の分解(6) 9600

1 2 3 4 5 [6] 7 8 9


9600

この機関車は、他のKATO製蒸機に比べて構造が複雑です。他の蒸機の分解をしたことがないか、逐一人に尋ねないと怖くて仕方ないという方は分解しないほうがよいと思います。それは、次の理由からです。

・上廻りが一体ではなく複数パーツからなり、構造の推測がしにくい
・後付したパーツを外さないと分解できない箇所がある
・ランボード下に繊細なモールドが多く破損のリスクが高い

決して無理をしないように、丁寧に分解する必要があります。ここでは急がば回れで、部品をひとつひとつ外していきます。

9600の固定箇所 赤い部分が、上廻りと下廻りを止めているホゾの位置です。ボイラー中央付近にも固定ホゾがあるので、火室付近だけを開いても外れにくくなっています。テンダーの固定方法はC50と基本的に同じです。

分解中、汽笛を破損しやすいので注意します。

テンダーの分離 分解しやすいよう、先にテンダーを分離するとよいかもしれません。テンダーは後方にまっすぐ引っ張ると外れます。
キャブを外す 始めにキャブと煙室を外すと分解が楽です(どちらが先でもよいです)。キャブは下側を少し開くようにしてまっすぐ上に引き抜きます。
キャブをうまく外せない、力加減がわからなくて怖いという方は、それ以上分解しないほうがよいと思います。逆に、キャブをうまく外せる方ならこの先も大丈夫かと思います。
バックプレートを外す キャブを外すと、バックプレートも取れます。モーターが見えます。
ハンドレールを外す 煙室を外す前に、取り付けたハンドレールを外しておきます。これを忘れて無理に引っ張ると大変です。
前デッキを外す 先にエンドビームを外します(外し方は説明書を参照)。次にデッキを少し持ち上げるようにしながら前方に引き抜きます。煙室と一緒に外してもOKです。
煙室を外す 煙室は、ハンドレールをひっかけないように注意して前方に抜き取ります。少し上を向けるようなつもりで引っ張ると抜けやすいかもしれません。煙室はボイラーとは艶の違う色で塗られているので、別パーツであることは想像できます。
プリント基板を外す ライトのプリント基板も外しておいたほうが、ボイラーの広げ方が少なくてすみます。
上廻りの固定場所 これで準備ができたので、あとは外すだけです。赤丸の位置の2箇所に動力部のホゾがあります。
ドライバーでこじる

後ろのホゾを外すため、ボイラー後部の天井下とモーターの間にドライバーを入れて、上に持ち上げるようにこじります。

ドライバーの先でボイラーを傷める恐れがあるので、うまく外れないときは中止してください。

上廻りを外す 後ろ側のホゾが外れたら、そのまま持ち上げていくと前側も外れます。外れないときは前側も何とか持ち上げてみます。細い部品に指をかけて壊さないように気をつけます。私はこの過程がはっきり言ってイヤなので、9600はなるべく分解したくありません(通常その必要がないのは幸いです)。
このとき、動力の上に載っている銀色のウエイトが転がり落ちるかもしれません。
機関車分解終了 これで分解できました。分かってしまえば何でもない構造に見えますが、最初はなかなか怖いです。
テンダーを外す テンダーの上部は、前後2箇所のツメの位置で下廻りに留まっています。先頭の軸バネの上あたりに爪ををかけて、下側にもぎ取るように力を入れると簡単に外れます。

組み立ては基本的にこの逆ですが、少し注意点があります。
・上廻りを改造してパーツなどを取り付けるときは、煙室〜ボイラーにまたがるようなパーツを取り付けてしまうと、組み立てられなくなります。
・上廻りをはめ込む前に、ドーム裏にウエイトをはめておきます。
 ウエイトは所定の位置にきちんと置かれていないと、組み立てにくいばかりか、左右のダイキャストがショートしてしまうことがあります。
・煙室を取り付けると、前デッキを取り付けにくくなることがあります(特にデフ付きの場合)。
 そのようなときは、煙室とデッキを重ねて一緒に差し込んでみます。

マイクロエースの9600はパカッとボディーを外せますが、KATOの9600は部品の組み合わせが巧妙なので、神経を使います。


[←前ページ(C58)] [次ページ(C62東海道形〔初期〕)→]

1 2 3 4 5 [6] 7 8 9

「Nゲージ蒸気機関車」トップページに戻る