KATO製蒸機の分解(7) C62東海道形〔初期製品〕

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C62東海道形〔初期製品〕(2019-2)

※注: 2021年以降のC62東海道形(2017-7)とは異なります。

2007年にリニューアルされた新型C62の構造は旧型と大きく違いますが、基本的には9600と同じ要領で分解できます。今までにない特徴は、ランボードがボイラーから分離していることで、ランボードを動力部に残したままボイラー部を取り外します。ここではボイラー部を取り外すところまでの一例をご説明します。

初めての方は分解しないほうがよいです。9600の分解経験があれば問題ありません。旧C57クラスでも分解に慣れている方なら、慎重に行なえば大丈夫だと思います。ただ、分解すれば何かが解決するのかを今一度考えて実施することをお勧めします。私は何も考えなかったので危うくとどめをさすところでした。

新型C62の固定箇所 赤い部分が、上廻りと下廻りを止めているホゾの位置です。9600と同じく前後2箇所です。分解のときにはランボードを残し、ボイラーの後ろをまず浮かせ、それから前側を浮かせます。

細かいディテールが多いので、分解中にハンドレールや給水ポンプ周辺の配管などを破損しないようにご注意ください。

テンダーの分離 先にテンダーを分離すると取り回しが楽です。テンダーを後方にまっすぐ引っ張ると、ドローバーからパチンと外れます。
ボイラー後部を浮かす

ボイラーとバックプレート背板、キャブ床板は一体となっています。まずボイラー後部を持って上側に引き剥がすようにしますが、やりにくいので、キャブの床板(ドローバーとの間)に指を入れて引き起こすようにすると楽かもしれません。
勢い余ってバリッと持ち上げすぎないように注意します。

●やりにくいときは、先にキャブを外したほうがよいかもしれません。発電機の配管の端を屋根から真上に抜くか、配管を屋根につけたまま発電機を引き抜き、キャブをまっすぐ上に抜き取ります。公式側には加減弁ロッドが差し込まれていますが、柔軟性があるので気にせずキャブを外せます。

ボイラー後部を5mmほど浮かす

そのままボイラー後部を5〜10mmほど浮かせてホゾを完全に外します。ボイラーをつかむときにハンドレールを壊さないように注意します。

このとき、煙室側から「パキッ」「ミシッ」というような嫌な音がします。たいていこれは煙室扉のツメが外れる音なので心配要りません(この音がして煙室扉が浮かないと、分解が難しくなります)。他の部分が壊れる音なら…残念なことになりました。

煙室を外す デッキの側面をつかんで、デッキ・デフ・煙室の一体パーツを前方に引き抜きます。前のステップで煙室扉が外れていれば簡単に取れます。外れていなければ、もう一度ボイラー後部を持ち上げてみます(しかし、無理をせず)。
このとき、ライトのパーツや煙突が外れることがあります。
ボイラー前部を外す 最後にボイラー前方(煙室)側面のホゾを外します。ちょっと固いですが、ボイラーの後部をそのままぐいと持ち上げるようにします。よく見るとボイラー先端の下側が斜めに欠き取られているので、このような外し方が想定されているものと思いますが、うまくいかなければ前側を引き起こします。中からウエイトが転がり落ちます。
下廻りを持つ手に力を入れすぎて、ロッドなどを曲げないように注意します。
ボイラー分離終了

これで分離できました。

なお、ランボードはボイラー下部の丸いところと一体で、前後2箇所のボスで動力ブロックに差し込まれています。真横に引っ張りながら斜め上側に抜き取るようにすれば外れます。
モーションプレートを外すには、先に第一動輪を外してから真横に引っ張ると簡単です。シリンダーブロックも真横からはめ込まれているので、両者を一緒に外さないと、ラジアスロッドを曲げてしまうことがあります。

組み立ては先にボイラー前部をはめ込み、次いで後部をはめ込み、最後に前デッキ(+煙室)を取り付けます。ボイラー前部をはめ込むとき、煙突が上側に飛んでいってしまうことがあるので、軽く指で押さえておくとよいと思います。
煙室パーツをはめ込むときは、煙突下部の遮光器の四角い穴を前方に向け、そこにライト導光材基部の四角い部分がはまるようにします。


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