6時を少し過ぎた頃、目が覚めました。おそるおそる窓を開けてみると・・・・すごく良い天気ですっ。コンタクトを装着し、6時半に朝食を頂きます。
そして7時前に、リュックとザックに荷物を分けて出発となります。
フェリーターミナルまで、旅館のご主人が車で送って頂ける事になり、しかもリュックは旅館の方で預かってもらえるとの事で、大感激です。
高速艇「さんらいなぁ」です
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フェリーターミナル(小さい)までは車で3分くらい。
ご主人にお礼を言って、ターミナルで乗船名簿に記入し、天売行き
高速艇「さんらいなぁ」に乗り込みます。
JRの特急普通車と同じ様なシートが並ぶ船内は、快適快適♪
7時20分に出航すると、みるみるスピードを上げていきます。
「は、速い・・・・。」まるで、モーターボートにでも乗っているかの様に、水しぶきをあげて、突き進みます。それこそ、あっと言う間に羽幌港ははるか彼方に・・・・・。
しばらくすると、天売・焼尻島が近づいてきます。そして羽幌を出航して35分、焼尻島に着きます。ここで半分近い乗客が下船します。
焼尻で10分止まったのち出航。およそ15分で天売島に到着します。天売港のとなりでは、ウニ漁が行われています。
8時20分過ぎ、天売島に上陸。
船の上から見て感じましたが、、とても小さい島です。フェリーターミナルも「こぢんまり」としていて、「フェリーのりば」の方があっているかも。周りのお土産屋もまた、こぢんまりとしていて、感覚として、礼文島の1/3位だろうか・・・。
島に上陸してさっそく、ご当地ソフトにありつきながら、羽幌へ向かう「さんらいなぁ」を見送ります。
さて天売島の滞在時間は、2時間50分です。さっそくレンタサイクル屋に行き、MTBを借ります。2時間700円を前払い。島の地図をもらい、天売島一周へ向けてスタートします。
MTB号にまたがり、いよいよ出発します。
港を出て左に曲がり、時計回りで島を一周します。少し急な坂を上り、天売港を眼下に眺めると、ちょうどフェリー「おろろん」が入港してきました。
坂を上りきった後は、平坦な直線道路を走ります。民家や民宿・旅館が立ち並び、さながら島のメインストリート(?)と言った、感じです。
しばらく走ると、右にほぼ直角に曲がり、再びメインストリートが続きます。小さい島ながら、駐在所や郵便局もあります(当たり前か・・・。)旅行貯金をやっている人には、たまらない局でしょう。
と、新聞配達をみかけました。そうです、島の新聞は朝一のフェリーで届けられるのです。今配っている新聞は、もちろん僕が乗ってきた高速艇で運ばれてきたのです。フェリーでの新聞配送は利尻島や礼文島と同じです。
オフシーズンのフェリーが一日一便しかない時期、海が荒れてフェリーの欠航が続くと、2〜3日、もしくはそれ以上の期間、新聞は読めなくなります。生鮮食料品も同様で、離島の生活の苦しさが伝わってきそうです。
天売高校(分校ではない)の看板を発見。みると校舎は木造で、まるで分校のよう・・・。この後見た小・中学校の方が、立派に見えました。
そしてこれまたこぢんまりとした、羽幌町役場天売支所を通過します。
また、走っていて気づくのが、自動販売機がやたらと多いんです。それこそ家一軒ごとに設置してある様な感じです・・。まるで、「この先は何もないから、買うのは今のうち」と言っているみたい。「壮健美茶」のペットを持っていましたが、念のため「アクエリアス」のペットを買っておきます。
しばらく走っていると、今までの2車線道路が急に狭くなり、路面もそれまでのアスファルトからコンクリートに変わります。そのかわり、一面が緑に覆われます。ここから天売島の無人地帯に入っていくのです。
天気も良く、海が見え、とても良い景色です。特に海の色がきれい・・・。そして、目の前には思わず力が抜けるほどの、急坂が果てしなく続いていました・・・。
坂道はきついけど、景色は最高!
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さあいよいよ、天売島の無人地帯に入ります。
その前に、旅人達の体力を試すかのような、急坂が現れます。意を決して走り出しますが、5分と走ることなく歩き出す始末・・・・。
急坂と言うよりは、登山道に近い急斜面を自転車を押しながら、あるいて登ります。
天売島のこの辺りは低木林しかなく、しかも良い天気と言うこともあり、日差しがとても強い・・・・。ただ、風があるので暑くても気持ちいいです。
だんだん標高が高くなっていき、眼下に広がる海がすごくきれいです。途中、自転車組の親子を、あいさつを交わして追い越し、しばらくすると3台の原チャリ組に追い越されます・・・・・。「原チャリ・・・・・いいな・・・・」と思わず呟いてしまいました・・・・。
あいかわらず良い景色の急坂を登ること20分くらいでしょうか・・・、ようやく目の前に、灯台が現れます。これが、赤岩灯台です。ちょうど、天売島の南端にあたります。
赤岩灯台にたどり着き、自転車を置いて、灯台の前にある遊歩道を歩きます。この海側付近の地面には、地肌がむき出しで、しかも無数の穴が開いています。近くに掲示板があり、それによると「ウトウ」と呼ばれる、海鳥の営巣地だそうです。見てると何か不思議な光景でもあります。
そして遊歩道の突き当たりが赤岩展望台です。
赤岩展望台からの景色。
まさに絶景・・・。 |
赤岩展望台に立った瞬間、思わず息を呑むほど美しい景色が眼下に広がります。
まさに絶景・・・。透明度の高い、エメラルドブルーとでも言うのでしょうか・・・。北海道の離島と言うのに、なんだか南の島と言った感じです。日本海の海がこんなにきれいだとは・・・。
積丹半島の海も凄い透明度だったけど、その上を行くような・・・。感じとしては、海全体が礼文島のスカイ岬みたいな(?)ものです。
そんな海面から突き出た一枚岩が「赤岩」、天売島のシンボルである「オロロン鳥」の営巣地でもあります。
付近には海鳥(ウミネコ?)が舞い、なんとなく現実からかけ離れた世界を形成しているような雰囲気を持っています。
この景色を見ているだけで、完全に天売島の虜になってしまった私・・・・。一日中この赤岩にいても、飽きないでしょう・・・。とはいえ、時間も限られているので、赤岩をあとにし、先に進むことにします。
MTBにまたがり、再び坂道に挑みます。それにしても天気が良い。快晴です。
天売島には、本土のような高木林は存在せず、自分の背丈より、はるかに低い低木林だけなので、すごく見晴らしが良いんです。足元には、たくさんの花も咲いており、この開放感が天売島の魅力の一つです。
坂を上りきり、平坦路になってすぐに、「屏風岩展望台」の前に到着です。自転車を降りて、さらに細い道を歩いた行き止まりの所が、「屏風岩展望台」。
ここには、コンクリ製の立派な(?)「海鳥観察舎」が、設置されています。
屏風岩展望台からの景色・・・。 |
ここ「屏風岩展望台」からの景色がまた、「赤岩」以上にすばらしい・・・。この場所は、天売島の最高地点に近く、また島の反対側で断崖絶壁が続いており、その圧倒的なスケールの景色に、目を奪われます。
眼下には、海鳥の糞(?)で頭が真っ白になった「屏風岩」、右を眺めると、赤岩の様な一枚岩の「女郎小岩」が突き出ているはずですが、ここからは見えません。
そして、両サイドに広がる断崖絶壁の豪快な景色、それに反する様な美しさの海・・・。
ここは、実際訪れてこの景色を見た方が、分かりやすいかも・・・。それほど、形容する言葉が見つからないほど、すばらしい景色です。
女郎小岩の方を眺めていると、眼下に動くものが・・・。天売島海底探勝船「おろろん」号だ。
この天売島の断崖絶壁を海上から眺めれば、それはもう凄いスケールの景色に圧倒されるだろう・・・。海の透明度も間近で見られるし、今度来た時は、ぜひ探勝船に乗って、海上から眺めてみたいですね。
探勝船が屏風岩を遊覧しているのを見て、展望台を後にしました・・・。
屏風岩展望台を出発したあとは、右手に焼尻島を眺めながら、相変わらずコンクリートの巨大なパネルを並べたような、細い道を走ります。少しアップダウンもありますが、気持ちいいほどの開放感・・・。
観音崎展望台から、屏風岩方面を
眺める。 |
走ること10分くらいでしょうか。比較的大きな駐車場が現れます。自転車を降り、少し歩いた所にあるのが、観音崎展望台。
ここは夕日の名所らしいですが、昼間の風景もすばらしいです。ここから屏風岩展望台方面を眺めると、それはもうダイナミックな景色が目の前に広がります・・・・。天売島の断崖絶壁が連なり、もの凄い迫力です。
またそれと相反する様な、海の美しさ・・・・。そして屏風岩と反対方向の天売灯台方面の景色は、まるで正反対のおとなしい景色が・・・。なんとも不思議な島です。天売島は・・・。
観音崎展望台を出ると、一気に連続する下り坂を駆け抜けます。
「愛鳥展望台」を通過し、最初に走った天売島メインストリートへ。途中、「海の宇宙館」に立ち寄ろうと思いましたが、建物に入るには、入場料(確か300円だったような・・・)を取るらしいので、パス。
そして、出発から2時間と少しで天売港に到着しました。
MTB号を返却しましたが、超過時間(15分くらい)はサービスしてくれました^^。
こじんまりとしたフェリー乗り場で、高速艇の予約券を差し出して、乗船券を受け取り、しばらくして来るとき乗った(すなわち羽幌を往復してきた)高速艇が到着。乗客が下船したあとすぐに乗り込み、11時10分に天売港を出発。
天売島ですごした2時間半は、あっと言う間に過ぎていきました。
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