『イーハトーヴ・オノマトペ症候群』やってます。(^ ^;
    いちょうの実はみんな一度に目をさましました。    

 
            千人の黄金(きん)色の子供がにぎやかだにゃぁ、『いちょうの実』


 『イーハトーヴオノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語) .
      そしてドキッとしたのです。    
宮沢賢治童話の私設ファンコーナー14です。

               ★宮沢賢治童話を是非ぜひゼヒ読んでネ★
んで、14回目の今回は、


           **** ポラーノの広場 ****
    新潮文庫 590円 405p 表紙:冬澤未都彦 注解・収録作品について:天沢退二郎 .
                                      贈与する人:中沢新一 .
                            今日こそはたしかに旅立ちの日でした。    
             いちょうの実 ──────────── 5p
             まなづるとダァリヤ──
──────── 7p
             鳥箱先生とフウねずみ
───────── 7p
             林の底
──────────────10p
             十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき) ─── 18p ここから15ページです。
             とっこべとら子
 ───────── 28p
             若い木霊
(こだま)  ─────────── 7p
             風野又三郎
───────────── 54p
             ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
── 52p
             ガドルフの百合
─────────── 10p
             種山ヶ原 ──────────── 18p
             タネリはたしかに
               いちにち噛んでいたようだった
 ──11p
             氷河鼠の毛皮
 ───────── 12p
              税務署長の冒険
 ───────── 32p
              銀河鉄道の夜〔初期形第三次稿〕 ──── 62p →ここから16ページです。
              ポラーノの広場────────
──── 81p
              竜と詩人──────────
───── 5p の17短編です。

            注:
は『風の又三郎』ご覧ください。

              は『風の又三郎2』ご覧ください。

              は『セロ弾きのゴーシュ』ご覧ください。

              は『セロ弾きのゴーシュ2』ご覧ください。

              は『イーハトーボ農学校の春2』ご覧ください。

                   


 
 


それでは、『ポラーノの広場』の第一話です。
      「ね、あたしどんな所へ行くのかしら。」                               一人のいちょうの女の子が                                          空を見あげて呟やくように云いました。
   『いちょうの実』 5p    .
 

 千人の黄金(きん)色の子供がにぎやかだにゃぁ、『いちょうの実』。

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその65』だよん。(^ ^;
<イントロ>
 そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼
(や)きをかけた鋼(はがね)です。
 そして星が一杯です。けれども東の空はもう優しい桔梗
(ききょう)の花びらのようにあやしい
底光りをはじめました。
 その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけらが風に流されてサ
ラサラサラサラ南の方へ飛んで行きました。
 実にその微
(かす)かな音が丘の上の一本いちょうの木に聞える位澄み切った明け方です。
 いちょうの実はみんな一度に目をさましました。そしてドキッとしたのです。今日こそはたし
かに旅立ちの日でした。みんなも前からそう思っていましたし、昨日の夕方やって来た二羽
の烏
(からす)もそう云いました。
 「僕なんか落ちる途中で眼がまわらないだろうか。」一つの実が云いました。
 「よく目をつぶって行けばいいさ。」も一つが答えました。
 「そうだ。忘れていた。僕水筒に水をつめて置くんだった。」
 「僕はね、水筒の外に薄荷水を用意したよ。少しやろうか。旅へ出てあんまり心持ちの悪
い時は一寸飲むといいっておっかさんが云ったぜ。」
 「なぜおっかさんは僕へは呉れないんだろう。」
 「だから、僕あげるよ。お母さんを悪く思っちゃすまないよ。」
 そうです。この銀杏
(いちょう)の木はお母さんでした。
 今年は千人の黄金
(きん)色の子供が生れたのです。
 そして今日こそ子供らがみんな一諸に旅に発つのです。お母さんはそれをあんまり悲し
んで扇形の黄金の髪の毛を昨日までにみんな落してしまいました。
                                       
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその65』でした。


 いちょうの実漫画紹介はできましぇん。

    さびしかぁぁぁぁ。

 

 漫画版『いちょうの実』は、おそらく多分ありましぇん。
 漫画版『まなづるとダァリヤ』も、『鳥箱先生とフウねずみ』も、『林の底』も、
おそらく多分ありましぇん。


 っつーことで漫画の紹介は、ずうっとしばらくシバラク暫く、お待ちくなさい。(^ ^;


  いちょうの実 お気に入りオノマトペ
 季節: 初冬               
      「あたしだってわからないわ、                                           どこへも行きたくないわね。」 も一人が云いました。

◆オラが好きなオノマトペ(初読)=5つが最高。)
Gめっちゃめちゃ:【「それからおなか中をめっちゃめちゃにこわしちまうんだよ。」】

ボクの好きなオノマトペ(再読)=5つが最高。)
@カチカチ:【そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼(や)きをかけ
      た鋼(はがね)です。】
 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 
めっちゃめちゃ、っつーの、なんか楽しいにゃぁ。


      「あたしもよ。                                                           今までいろいろわがままばっかし云って                              許して下さいね。」

  いちょうの実オノマトペ   .  

@カチカチ:【そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼(や)きをかけた鋼(はが
      ね)です。】
Aサラサラサラサラ:【その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけら

      が風に流されてサラサラサラサラ南の方へ飛んで行きました。】
Bドキッ:【いちょうの実はみんな一度に目をさましました。そしてドキッとしたのです。】
Cばらばら:【「そしてあたしたちもみんなばらばらにわかれてしまうんでしょう。」】
Dきっ:【僕はきっと黄金
(きん)色のお星さまになるんだよ。」】
Eふっ:【「僕たちなんか鼻でふっと吹き飛ばされちまうよ。」】
Fすっかり:【僕はその時ばけ物の胃袋の中でこの網を出してね、すっかり被
(かぶ)っちまうん
      だ。】
Gめっちゃめちゃ:【「それからおなか中をめっちゃめちゃにこわしちまうんだよ。」】
Hざわざわ:【木が俄かにざわざわしました。】
Iユラリユラリ:【東の空が白く燃え、ユラリユラリと揺れはじめました。 】
Jじっ:【おっかさんの木はまるで死んだようになってじっと立っています。】
Kゴ−ッ:【北から氷のように冷たい透きとおった風がゴ−ッと吹いて来ました。】

 『いちょうの実』のオノマトペ、まんず、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                                   2006.4.30.

 
 


『ポラーノの広場』の第二話です。
      「ピ−トリリ、ピ−トリリ。」                                              と鳴いて、その星あかりの下を、                                    まなづるの黒い影がかけて行きました。            「まなづるさん。あたしずいぶんきれいでしょう。」                    赤いダァリヤが云いました。                                         「ああきれいだよ。赤くってねえ。」
  ** 『まなづるとダァリヤ』 7p **  .
 

 花の女王になりたかった赤いダァリヤ、ものの哀れだにゃぁ、『まなづるとダァリヤ』。

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその66』だよん。(^ ^;
<イントロ>
 くだものの畑の丘のいただきに、ひまわりぐらいせいの高い、黄色なダァリヤの花が二本と、
まだたけ高く、赤い大きな花をつけた一本のダァリヤの花がありました。
 この赤いダァリヤは花の女王になろうと思っていました。
 風が南からあばれて来て、木にも花にも大きな雨のつぶを叩きつけ、丘の小さな栗の木か
らさえ、青いいがや小枝をむしってけたたましく笑って行く中で、この立派な三本のダァリヤの
花は、しずかにからだをゆすりながら、かえっていつもよりかがやいて見えて居りました。
 それから今度は北風又三郎が、今年はじめて笛のように青ぞらを叫んで過ぎた時、丘の
ふもとのやまならしの木はせわしくひらめき、果物畑の梨の実は落ちましたが、此のたけ高
い三本のダァリヤは、ほんのわずか、きらびやかなわらいを揚げただけでした。
                 ※
 黄色な方の一本が、こころを南の青白い天末に投げながら、ひとりごとのように云ったので
した。
 「お日さまは、今日はコバルト硝子の光のこなを、すこうしよけいにお播きなさるようですわ。」
 しみじみと友達の方を見ながら、もう一本の黄色なダァリヤが云いました。
 「あなたは今日はいつもより、少し青ざめて見えるのよ。きっとあたしもそうだわ。」
 「ええ、そうよ。そしてまあ」 赤いダァリヤに云いました 「あなたの今日のお立派なこと。あた
しなんだかあなたが急に燃え出してしまうような気がするわ。」
 赤いダァリヤの花は、青ぞらをながめて、日にかがやいて、かすかに笑って答えました。
 「こればっかしじゃ仕方ないわ。あたしの光でそこらが赤く燃えるようにならないくらいなら、
まるでつまらないのよ。あたしもうほんとうに苛々
(いらいら)してしまうわ。」
                                          
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその66』でした。

ps.北風又三郎がちょこっと登場してますですね。『風の又三郎』の親戚かな。
(^ ^;


 まなづるとダァリヤ お気に入りオノマトペ
 季節: 秋
                山山にパラフィンの雲が白く澱み、夜が明けました。              黄色なダァリヤはびっくりして、叫びました。                        「まあ、あなたの美しくなったこと。                                     あなたのまわりは桃色の後光よ。」            「ほんとうよ。あなたのまわりは                                         虹から赤い光だけ集めて来たようよ。」

◆オラが好きなオノマトペ(初読)=☆☆ 5つが最高。)
Bもじゃもじゃ:【いちめんのきら星の下を、もじゃもじゃのまなづるがあわただしく飛んで
      過ぎました。】


ボクの好きなオノマトペ(再読)=5つが最高。)
Aピ−トリリ、ピ−トリリ:【「ピ−トリリ、ピ−トリリ。」と鳴いて、その星あかりの下を、まな
      づるの黒い影がかけて行きました。】

 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 ピ−トリリ、ピ−トリリ、まなづるの鳴き声って、なんかほのぼのだにゃぁ。


        「まあ、あなたの美しいこと。                                           後光は昨日の五倍も大きくなってるわ。」          .       「ええ、それはそうよ。だってつまらないわ。                           誰もまだあたしを女王さまだとは云わないんだから。」  

  ** まなづるとダァリヤオノマトペ **  .
 

@しみじみ:【しみじみと友達の方を見ながら、もう一本の黄色なダァリヤが云いました。】
Aピ−トリリ、ピ−トリリ:【「ピ−トリリ、ピ−トリリ。」と鳴いて、その星あかりの下を、まなづるの

      黒い影がかけて行きました。】
Bもじゃもじゃ:【いちめんのきら星の下を、もじゃもじゃのまなづるがあわただしく飛んで過ぎま

      した。】
Cすっかり:【星はめぐり、金星の終りの歌で、そらはすっかり銀色になり、夜があけました。】
Dおずおず:【一つの黄色のダァリヤが、おずおずしながら云いました。】
Eもじもじ:【も一つの黄色なダァリヤが、もじもじしながら云いました。】
Fぶちぶち:【「あたしたちには何だかあなたに黒いぶちぶちができたように見えますわ。」】
Gつやつや:【太陽は一日かがやきましたので、丘の苹果
(りんご)の半分はつやつや赤くなりま
      した。】
Hふらふら:【黄色なダァリヤは、いくら赤い花を見ようとしても、ふらふらしたうすぐろいものが

      あるだけでした。】
Iポキリ:【そしてポキリと枝を折りました。】
Jぐったり:【赤いダァリヤはぐったりとなってその手のなかに入って行きました。】
Kギラギラ:【そして黄色なダァリヤの涙の中でギラギラの太陽はのぼりました。】

 『まなづるとダァリヤ』のオノマトペ、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                                  2006.4.30.

 
 


『ポラーノの広場』の第三話です。
      「おれは先生なんだぞ。鳥箱先生というんだぞ。                    お前を教育するんだぞ。」と云いました。           ひよどりも仕方なく、それからは、                                   鳥箱先生と呼んでいました。         けれども、ひよどりは、先生を大嫌いでした。    
 *** 『鳥箱先生とフウねずみ』 7p ***
 

 生徒指導がいちいちうるさいにゃぁ、      「おいおい。みだりに他人をかじるべからずという、                   カマジン国の王様の格言を知らないか。」『鳥箱先生とフウねずみ』

 っつーことで、『
賢治童話丸写しシリーズその67』だよん。(^ ^;
<イントロ>
 あるうちに一つの鳥かごがありました。
 鳥かごと云うよりは、鳥箱という方が、よくわかるかもしれません。それは、天井と、底と、
三方の壁とが、無暗に厚い板でできていて、正面丈
(だ)けが、針がねの網でこさえた戸に
なっていました。
 そして小さなガラスの窓が横の方についていました。ある日一疋
(ぴき)の子供のひよどり
がその中に入れられました。ひよどりは、そんなせまい、くらいところへ入れられたので、い
やがってバタバタバタバタしました。
 鳥かごは、早速、
 「バタバタ云っちゃいかん。」と云いました。ひよどりは、それでも、まだ、バタバタしていま
したが、つかれてうごけなくなると、こんどは、おっかさんの名を呼んで、泣きました。鳥かご
は、早速、「泣いちゃいかん。」と云いました。この時、とりかごは、急に、ははあおれは先生
なんだなと気がつきました。なるほど、そう気がついて見ると、小さなガラスの窓は、鳥かご
の顔、正面の網戸が立派なチョッキと云うわけでした。
                                
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその67』でした。
         
クリックしてネ。
ps.
@『ツェねずみ』A『クねずみ』、そしてB『鳥箱先生とフウねずみ』の、『ねずみ三部作』
   をお楽しみくなさい。
(^ ^;


 鳥箱先生とフウねずみ お気に入りオノマトペ
 季節:
不明              ある日、フウねずみが                                                先生のそばを急いで通って行こうとしますと、                      鳥箱先生があわてて呼びとめました。           「おい。フウ。ちょっと待ちなさい。                                      なぜ、おまえは、そう、ちょろちょろ、                                  つまだてしてあるくんだ。男というものは、                            もっとゆっくり、もっと大股にあるくものだ。」           「だって先生。僕の友だちは、誰だって                                ちょろちょろ歩かない者はありません。                               僕はその中で、一番威張って歩いているんです。」

◆オラが好きなオノマトペ(初読)=☆☆ 5つが最高。)
Pすっくり:【「お前の友達といっても、むかでなどはせなかをすっくりとのばしてあるいて
      いるではないか。」】


ボクの好きなオノマトペ(再読)=5つが最高。)
Jちょろちょろ:【「なぜ、おまえは、そう、ちょろちょろ、つまだてしてあるくんだ。」】

 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 
すっくり:【せなかをすっくりとのばしてあるいている。】
 【せなかを
すっくりとのばしてあるいている。】っつーの、使ってみたいにゃぁ。(^ ^;


       「お前の友だちというのは、どんな人だ。」           .      「しらみに、くもに、だにです。」           .       「そんなものと、お前はつきあっているのか。                          なぜもう少し、りっぱなものとつきあわん。                           なぜもっと立派なものとくらべないか。」  

 *** 鳥箱先生とフウねずみオノマトペ ***
 

@バタバタバタバタ:【ひよどりは、そんなせまい、くらいところへ入れられたので、いやがってバ
      タバタバタバタしました。】
Aバタバタ:【鳥かごは、早速、「バタバタ云っちゃいかん。」と云いました。】
Bじっ:【いよいよそうきまって見ると、鳥かごは、もう、一分もじっとしていられませんでした。】
Cとうとう:【そこで、もうひもじくって、ひもじくって、とうとう、くちばしをパクパクさせながら、死ん

      でしまいました。】
Dパクパク:【そこで、もうひもじくって、ひもじくって、とうとう、くちばしをパクパクさせながら、死

      んでしまいました。】
Eニヤニヤ:【「あっ、いかん。生徒をかえしなさい。」と云いましたが、猫大将はニヤニヤ笑っ

      て、向うへ走って行ってしまいました。】
Fすっかり:【しかし鳥箱先生は、それからはすっかり信用をなくしました。】
Gきっ:【「うん。とにかく、その子をよこしてごらん。きっと、立派にしてあげるから。」】
Hペコペコ:【そして、ペコペコ頭をさげて、急いで自分の穴へもぐり込んで、子供のフウねずみ

      を連れ出して、鳥箱先生の処へやって参りました。】
Iぺこぺこ:【二人は頭をぺこぺこさげました。】
Jちょろちょろ:【「なぜ、おまえは、そう、ちょろちょろ、つまだてしてあるくんだ。」】
Kもっ:【「男というものは、もっとゆっくり、もっと大股にあるくものだ。」】
Lゆっくり:【「男というものは、もっとゆっくり、もっと大股にあるくものだ。」】
Mきょろきょろ:【「なぜお前は、そんなにきょろきょろあたりを見てあるくのです。」】
Nちゃん:【「私はその中では一番ちゃんとしているんです。」】
Oがたっ:【それから又五六日たって、フウねずみが、いつものとおり、大いそぎで鳥箱先生の

      そばを通りすぎようとしますと、先生が網のチョッキをがたっとさせながら、呼びとめま
      した。】
Pすっくり:【「お前の友達といっても、むかでなどはせなかをすっくりとのばしてあるいているで

      はないか。」】
Qガタガタガタガタ:【鳥籠先生も、今度という今度は、すっかり怒ってしまって、ガタガタガタガ

      タふるえて叫びました。】
Rブルブル:【フウのおっかさんねずみは、ブルブルふるえているフウねずみのえり首をつかん

      で、鳥箱先生の前に連れて来ました。】
Sばたばた:【鳥箱先生は怒って、ほてって、チョッキをばたばたさせながら云いました。】
21ヒクヒク:【その時、まるで、嵐のように黄色なものが出て来て、フウをつかんで地べたへたた

      きつけ、ひげをヒクヒク動かしました。】

 『鳥箱先生とフウねずみ』のオノマトペ、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。 スネオ 拝
(^ ^;
                                                    2006.4.30.

 
 


『ポラーノの広場』の第四話です。
      「おや、あだ名かい。誰の、誰の、え、おい。                        猫ってのは誰のあだ名だい。」      梟(ふくろう)はもう足を一寸枝からはずして、あげて               お月さまにすかして見たり、大へんこまったようでしたが、          おしまい仕方なしにあらん限り変な顔をしながら、               「わたしのでさ。」 と白状しました。      「そうか、君のあだ名か。                                              君のあだ名を猫といったのかい。                                    ちっとも猫に似てないやな。」      なあにまるっきり猫そっくりなんだと思いながら、                    私はつくづく梟(ふくろう)の顔を見ました。
 **** 『林の底』 10p **** .
 

 とんびの染屋の話を、知ったかぶりの梟(ふくろう)がべらべらしゃべるんだなや、『林の底』。

 っつーことで、『賢治童話丸写しシリーズその68』だよん。(^ ^;
<イントロ>
 「わたしらの先祖やなんか、
  鳥がはじめて、天から降って来たときは、
  どいつもこいつも、みないち様に白でした。」
 「黄金
(きん)の鎌(かま)」が西のそらにかかって、風もないしずかな晩に、一ぴきのとしよりの
(ふくろう)が、林の中の低い松の枝から、斯(こ)う私に話しかけました。
 ところが私は梟などを、あんまり信用しませんでした。ちょっと見ると梟は、いつでも頬をふ
くらせて、滅多にしゃべらず、たまたま云えば声もどっしりしてますし、眼も話す間ははっきり
大きく開いています、又木の陰の青ぐろいとこなどで、尤
(もっと)もらしく肥った首をまげたりな
んかするとこは、いかにもこころもまっすぐらしく、誰も一ぺんは欺
(だま)されそうです。私は
けれども仲々信用しませんでした。しかし又そんな用のない晩に、銀いろの月光を吸いなが
ら、そんな大きな梟が、どんなことを云い出すか、事によるといまの話のもようでは名高いと
んびの染屋のことを私に聞かせようとしているらしいのでした、そんなはなしをよく辻褄
(つじつ
ま)のあうように、ぼろを出さないように云えるかどうか、ゆっくり聴いてみることも、決して悪く
はないと思いましたから、私はなるべくまじめな顔で云いました。
 「ふん。鳥が天から降ってきたのかい。
 そのときはみんな、足をちぢめて降って来たろうね。そしてみないちように白かったのかい。
どうしてそんならいまのように、三毛だの赤だの煤
(すす)けたのだの、斯(こ)ういろいろになった
んだい。」
 梟ははじめ私が返事をしだしたとき、こいつはうまく思う壺にはまったぞというように、眼をす
ばやくぱちっとしましたが、私が三毛と云いましたら、俄
(にわ)かに機嫌を悪くしました。
 「そいつは無理でさ。三毛というのは猫の方です。鳥に三毛なんてありません。」
 私もすっかり向うが思う壺にはまったとよろこびました。
 「そんなら鳥の中には猫が居なかったかね。」
 すると梟が、少しきまり悪そうにもじもじしました。この時だと私は思ったのです。
 「どうも私は鳥の中に、猫がはいっているように聴いたよ。たしか夜鷹もそう云ったし、烏
(から
す)
も云っていたようだよ。」
 梟はにが笑いをしてごまかそうとしました。
 「仲々ご交際が広うごわすな。」
                    
(丸写しオシマイ)
 『
賢治童話丸写しシリーズその68』でした。

ps.「仲々ご交際が広うごわすな。」って、梟クン、ご出身は薩摩でごわすか? (^ ^;


   林の底 お気に入りオノマトペ
 季節: 不明             「ところが早くも鳥類のこのもようを見て                               とんびが染屋を出しました。」          私はやっぱりとんびの染屋のことだった                              と思わず笑ってしまいました。          それが少うし梟(ふくろう)に意外なようでしたから、                急いでそのあとへつけたしました。          「とんびが染屋を出したかねえ。                                     あいつはなるほど手が長くて染ものをつかんで                     壺に漬けるには持って来いだろう。」

◆オラが好きなオノマトペ(初読)=☆☆ 5つが最高。)
30ぽっちょり:【「いいえ。鶴のはちゃんと注文で、自分の好みの注文で、しっぽのはじだけ
      ぽっちょり黒く染めて呉れと云うのです。」】

ボクの好きなオノマトペ(再読)=5つが最高。)
Sのしのし:【「ええ、行きましたとも。鷲や駝鳥など大きな方も、みんなのしのし出掛けまし
      た。」】
24
とっぷり:【「川岸の赤土の崖の下の粘土を、五とこ円(まる)くほりまして、その中に染料を
      とかし込み、たのまれた鳥をしっかりくわいて、大股に足をひらき、その中にとっ
      ぷりと漬けるのでした。】
 

 「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」

 
ぽっちょり、っつーの初対面ずら。おもろいやんけ。(^ ^;


        「とんびははじめは自分も油が乗ってましたから、                   頼まれたのはもう片っぱしから、                                     どんどんどんどん染めました。」    .       「川岸の赤土の崖の下の粘土を、                                  五とこ円(まる)くほりまして、                                         その中に染料をとかし込み、                                        たのまれた鳥をしっかりくわいて、大股に足をひらき、              その中にとっぷりと漬けるのでした。」    .       「どうもいちばん染めにくく、                                           また見ていてもつらそうなのは、                                      頭と顔を染めることでした。」    .       「頭はどうにか逆(さかさ)まにして染めるのでしたが、               顔を染めるときは                                                     くちばしを水の中に入れるのでしたから、                           どの鳥もよっぽど苦しいようでした。」  

 **** 林の底オノマトペ **** .
 

@どっしり:【ちょっと見ると梟(ふくろう)は、いつでも頬をふくらせて、滅多にしゃべらず、たまたま
      云えば声もどっしりしてますし、眼も話す間ははっきり大きく開いています、又木の陰
      の青ぐろいとこなどで、尤もらしく肥った首をまげたりなんかするとこは、いかにもここ
      ろもまっすぐらしく、誰も一ぺんは欺されそうです。】
Aはっきり:【眼も話す間ははっきり大きく開いています、又木の陰の青ぐろいとこなどで、尤も

      らしく肥った首をまげたりなんかするとこは、いかにもこころもまっすぐらしく、誰も一
      ぺんは欺されそうです。】
Bゆっくり:【しかし又そんな用のない晩に、銀いろの月光を吸いながら、そんな大きな梟
(ふくろう)
      が、どんなことを云い出すか、事によるといまの話のもようでは名高いとんびの染屋の
      ことを私に聞かせようとしているらしいのでした、そんなはなしをよく辻褄(つじつま)のあ
      うように、ぼろを出さないように云えるかどうか、ゆっくり聴いてみることも、決して悪く
      はないと思いましたから、私はなるべくまじめな顔で云いました。】
Cぱちっ:【梟
(ふくろう)ははじめ私が返事をしだしたとき、こいつはうまく思う壺にはまったぞという
      ように、眼をすばやくぱちっとしましたが、私が三毛と云いましたら、俄かに機嫌を悪く
      しました。】
Dすっかり:【私もすっかり向うが思う壺にはまったとよろこびました。】
Eもじもじ:【すると梟
(ふくろう)が、少しきまり悪そうにもじもじしました。】
Fそっくり:【なあにまるっきり猫そっくりなんだと思いながら、私はつくづく梟
(ふくろう)の顔を見まし
      た。】
Gつくづく:【私はつくづく梟
(ふくろう)の顔を見ました。】
Hぱちぱち:【梟
(ふくろう)はいかにもまぶしそうに、眼をぱちぱちして横を向いて居りましたが、と
      うとう泣き出しそうになりました。】
Iとうとう:【とうとう泣き出しそうになりました。】
Jだんだん:【梟
(ふくろう)は私が斯う云う間に、だんだん顔をこっちへ直して、おしまいごろはもう
      頭をすこしうごかしてうなずきながら、私の云うのに調子をとっていたのです。】
Kぷいっ:【『ひわさん、いらっしゃいよ。』なんて遠くから呼びますのに、それが頬白
(ほおじろ)
      自分よりもひわのことをよく思っていると考えて、憤(おこ)ってぷいっと横へ外(そ)れた
      りするのでした。】
Lぼつぼつ:【ところが梟
(ふくろう)はよろこんでぼつぼつ話をつづけました。】
Mやっぱり:【私はやっぱりとんびの染屋のことだったと思わず笑ってしまいました。】
Nひやひや:【あっ、私が染ものといったのは鳥のからだだった、あぶないことを云ったもんだ、

      よくそれで梟(ふくろう)が怒り出さなかったと私はひやひやしました。】
Oずんずん:【ところが梟
(ふくろう)はずんずん話をつづけました。】
Pしん:【それというのもその晩は林の中に風がなくて淵のようにひそまり西のそらには古びた黄

      (きん)の鎌がかかり楢の木や松の木やみなしんとして立っていてそれも睡っていな
      いものはじっと話を聴いているよう大へんに梟(ふくろう)の機嫌がよかったからです。】
Qじっ:【それも睡っていないものはじっと話を聴いているよう大へんに梟
(ふくろう)の機嫌がよかっ
      たからです。】
Rきゃっきゃっ:【「殊
(こと)にも雀ややまがらやみそさざい、めじろ、ほおじろ、ひたき、うぐいすな
      んという、いつまでたっても誰にも見まちがわれるてあいなどは、きゃっきゃっ叫んだ
      り、手をつないだりしてはねまわり、さっそくとんびの染屋へ出掛けて行きました。」】
Sのしのし:【「ええ、行きましたとも。鷲や駝鳥など大きな方も、みんなのしのし出掛けました。」】
21あっさり:【『わしはね、ごくあっさりとやって貰いたいじゃ。』】
22どんどんどんどん:【「鳶
(とんび)ははじめは自分も油が乗ってましたから、頼まれたのはもう片
      っぱしから、どんどんどんどん染めました。」】
23しっかり:【「川岸の赤土の崖の下の粘土を、五とこ円
(まる)くほりまして、その中に染料をとかし
      込み、たのまれた鳥をしっかりくわいて、大股に足をひらき、その中にとっぷりと漬ける
      のでした。】
24とっぷり:【「川岸の赤土の崖の下の粘土を、五とこ円
(まる)くほりまして、その中に染料をとかし
      込み、たのまれた鳥をしっかりくわいて、大股に足をひらき、その中にとっぷりと漬ける
      のでした。】
25うっかり:【うっかり息を吸い込もうもんなら、胃から腸からすっかりまっ黒になったり、まっ赤に

      なったりするのでしたから、それはそれは気をつけて、顔を入れる前には深呼吸のと
      きのように、息をいっぱいに吸い込んで、染まったあとではもうとても胸いっぱいにた
      まった悪い瓦斯(ガス)をはき出すというあんばいだったそうです。】
26やっ:【それからやっと眼をあいて、少し声を低くして云いました。】
27けろっ:【梟
(ふくろう)はもうけろっと澄まして答えました。】
28ぴたっ:【「こんな工合で。」梟
(ふくろう)は云いかけてぴたっとやめました。】
29ちゃん:【「いいえ。鶴のはちゃんと注文で、自分の好みの注文で、しっぽのはじだけぽっちょ

      り黒く染めて呉れと云うのです。」】
30ぽっちょり:【「いいえ。鶴のはちゃんと注文で、自分の好みの注文で、しっぽのはじだけぽっ

      ちょり黒く染めて呉れと云うのです。」】
31にやにや:【梟
(ふくろう)はにやにや笑いました。】
32いやいや:【「それでもいやいや日に二つ三つはやってましたが、そのやり方もごく大ざっぱに

      なって来て、茶いろと白と黒とで、細いぶちぶちにして呉れと頼んでも、黒は抜いてし
      まったり、赤と黒とで縞にして呉れと頼んでも、燕のようにごく雑作なく染めてしまった
      り、実際なまけ出したのでした。」】
33ぶちぶち:【「茶いろと白と黒とで、細いぶちぶちにして呉れと頼んでも、黒は抜いてしまった

      り、赤と黒とで縞にして呉れと頼んでも、燕のようにごく雑作なく染めてしまったり、実
      際なまけ出したのでした。」】
34きちん:【『染屋をよすならきちんとやめてしまうがいい。』】
35きっ:【染めるんならもうきっと今すぐやって呉れ。】
36ぐっ:【とんびがぐっとしゃくにさわりました。】
37ざぶん:【とんびはしっかり烏をくわえて、墨壺の中にざぶんと入れました。】
38ばたばたばたばた:【烏はこれでは紫のぶちができないと思ってばたばたばたばたしましたが

      とんびは決してはなしませんでした。】
39どっ:【鳥どもは気絶のとんびを墨のつぼから引きあげて、どっと笑ってそれから染物屋の看

      板をくしゃくしゃに砕いて引き揚げました。】
40くしゃくしゃ:【それから染物屋の看板をくしゃくしゃに砕
(くだ)いて引き揚げました。】
41しん:【梟
(ふくろう)は話してしまって、しんと向うのお月さまをふり向きました。】

 『林の底』のオノマトペ、これで、おすめえだぁ。まんず、えがっだなす。 スネオ 拝 (^ ^;
                                                2006.5.3.

 
 







 
 

      山山にパラフィンの雲が白く澱み、夜が明けました。              黄色なダァリヤはびっくりして、叫びました。                        「まあ、あなたの美しくなったこと。                                     あなたのまわりは桃色の後光よ。」










 
 


目次へジャンプ

    (貴重なほんのわずかな読者の方々へ)
目次の掲示板に、おたより等お寄せくなさい。 スネオ 拝 (^ ^;
       
 

ポラーノの広場

  次回配本は第五話『十力(じゅうりき)の金剛石(こんごうせき)』です。
       
 

イーハトーボ
農学校の春

  前ページに戻ります。

    「ほんとうよ。あなたのまわりは                                         虹から赤い光だけ集めて来たようよ。」                                                                 by 『まなづるとダァリヤ』

 トップページは暗中模索だなす。                                 ♪虎は千ギャグ言って千ギャグ返す♪