それでは、『ポラーノの広場』の第一話です。
* 『いちょうの実』 5p * .
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千人の黄金(きん)色の子供がにぎやかだにゃぁ、『いちょうの実』。
っつーことで、『賢治童話を丸写しシリーズその65』だよん。(^ ^;
<イントロ>
そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼(や)きをかけた鋼(はがね)です。
そして星が一杯です。けれども東の空はもう優しい桔梗(ききょう)の花びらのようにあやしい
底光りをはじめました。
その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけらが風に流されてサ
ラサラサラサラ南の方へ飛んで行きました。
実にその微(かす)かな音が丘の上の一本いちょうの木に聞える位澄み切った明け方です。
いちょうの実はみんな一度に目をさましました。そしてドキッとしたのです。今日こそはたし
かに旅立ちの日でした。みんなも前からそう思っていましたし、昨日の夕方やって来た二羽
の烏(からす)もそう云いました。
「僕なんか落ちる途中で眼がまわらないだろうか。」一つの実が云いました。
「よく目をつぶって行けばいいさ。」も一つが答えました。
「そうだ。忘れていた。僕水筒に水をつめて置くんだった。」
「僕はね、水筒の外に薄荷水を用意したよ。少しやろうか。旅へ出てあんまり心持ちの悪
い時は一寸飲むといいっておっかさんが云ったぜ。」
「なぜおっかさんは僕へは呉れないんだろう。」
「だから、僕あげるよ。お母さんを悪く思っちゃすまないよ。」
そうです。この銀杏(いちょう)の木はお母さんでした。
今年は千人の黄金(きん)色の子供が生れたのです。
そして今日こそ子供らがみんな一諸に旅に発つのです。お母さんはそれをあんまり悲し
んで扇形の黄金の髪の毛を昨日までにみんな落してしまいました。
(丸写しオシマイ)
『賢治童話を丸写しシリーズその65』でした。
『いちょうの実』の漫画の紹介はできましぇん。
さびしかぁぁぁぁ。
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漫画版『いちょうの実』は、おそらく多分ありましぇん。
漫画版『まなづるとダァリヤ』も、『鳥箱先生とフウねずみ』も、『林の底』も、
おそらく多分ありましぇん。
っつーことで漫画の紹介は、ずうっとしばらくシバラク暫く、お待ちくなさい。(^ ^;
『いちょうの実 』 お気に入りのオノマトペ
季節: 初冬
◆オラが好きなオノマトペ(初読)=☆
(☆5つが最高。)
Gめっちゃめちゃ:【「それからおなか中をめっちゃめちゃにこわしちまうんだよ。」】
▼ボクの好きなオノマトペ(再読)=★ (★5つが最高。)
@カチカチ:【そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼(や)きをかけ
た鋼(はがね)です。】
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「オノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)なんて集めてどうすんの?」
めっちゃめちゃ、っつーの、なんか楽しいにゃぁ。
@カチカチ:【そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼(や)きをかけた鋼(はが
ね)です。】
Aサラサラサラサラ:【その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけら
が風に流されてサラサラサラサラ南の方へ飛んで行きました。】
Bドキッ:【いちょうの実はみんな一度に目をさましました。そしてドキッとしたのです。】
Cばらばら:【「そしてあたしたちもみんなばらばらにわかれてしまうんでしょう。」】
Dきっ:【僕はきっと黄金(きん)色のお星さまになるんだよ。」】
Eふっ:【「僕たちなんか鼻でふっと吹き飛ばされちまうよ。」】
Fすっかり:【僕はその時ばけ物の胃袋の中でこの網を出してね、すっかり被(かぶ)っちまうん
だ。】
Gめっちゃめちゃ:【「それからおなか中をめっちゃめちゃにこわしちまうんだよ。」】
Hざわざわ:【木が俄かにざわざわしました。】
Iユラリユラリ:【東の空が白く燃え、ユラリユラリと揺れはじめました。 】
Jじっ:【おっかさんの木はまるで死んだようになってじっと立っています。】
Kゴ−ッ:【北から氷のように冷たい透きとおった風がゴ−ッと吹いて来ました。】
『いちょうの実』のオノマトペ、まんず、これで、おすめえだぁ。えがっだなす。
スネオ 拝 (^
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2006.4.30.
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